2008年1月30日水曜日

レームダックブッシュの一般教書演説

ブッシュの最後の一般教書演説があった。
サブプライム問題、イラク戦争、地球環境問題等主要テーマの大半が内政・経済
を主張し、東アジアや北朝鮮問題にはまったく触れていない
北朝鮮の核廃棄ではなく、核無能化までできそうもないのが現状。
北朝鮮を知らないブッシュらしい演説と思う。
もはや、周囲ではブッシュ政権のレームダック化が目立つ。



Final Bush State Of The Union Highlights


George Bush LAST LIES State of the Union Speech 2008


BUSH Lies Again


---【主張】米一般教書 次代へつながる指導力を---
2008.1.30 02:14
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080130/amr0801300215000-n1.htm

 残る任期1年となったブッシュ米大統領は、最後の一般教書演説で「未完の仕事の達成が求められている」と述べ、内政・外交にわたって議会と国民の協力を訴えた。
 最大の焦点が経済に置かれたのは当然だろう。低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題などによる米景気の後退懸念は、世界経済にも深刻な影を落としつつある。
 大統領は「米経済は不透明な時期にある」と認め、総額1500億ドルの緊急経済対策法案の早期成立を議会に求めるなど、景気回復と国民の不安解消を至上課題とする姿勢を強調した。
 任期末のレームダック(死に体)化が深まる政権にとって、大胆な新政策を打ち出す余地がないのはブッシュ氏も同じだ。主要テーマの大半が内政・経済に費やされた中で、東アジアや北朝鮮問題に触れないなど、物足りない面は少なからずあった。
 それでも特筆すべき点はあった。
 第1は昨年、議会や世論の抵抗にひるまず実施したイラク米軍増派作戦が徐々に功を奏し、治安や統治の分野で目に見える改善が進んでいることだ。大統領はアフガニスタンのテロとの戦いも含めて「気をゆるめず、成果を次の段階につなげる」と述べた。
 第2は、消極的とされてきた地球環境問題で国際的協調へ踏み込んだことだ。インド、中国などのクリーン技術を支援する国際基金設立を提唱し、京都議定書以後の途上国を含めた国際枠組み合意の必要性を訴えた。
 イランの核開発問題では「イランがウラン濃縮を停止すれば交渉は可能」と対話解決を呼びかけた。昨年末の中東歴訪で公約した「パレスチナ国家創設合意の年内達成」について、改めて強調したことも評価したい。
 米国内では次期大統領選に向けた共和、民主両党の指名争いの真っ最中だが、大統領は両党の候補者たちに対して「選挙でよく戦い、結果が出れば協力を」と呼びかけた。その理由は「未完の課題」の多くが次期政権にとっても重要テーマとなるからだろう。
 とりわけテロとの戦い、地球環境、中東和平などは、誰が指導者になっても米国が背を向けられない課題だ。ブッシュ大統領も、次代へつなぐ指導力を最後まで発揮してもらいたい。


---一般教書演説 黄昏の米政権が負う重い課題(1月30日付・読売社説)---
2008年1月30日01時30分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080129-OYT1T00854.htm

 混迷から抜け出せないイラク情勢に加え、景気の先行きへの懸念も、のしかかる。
 ブッシュ米大統領の最後の一般教書演説には、前途を楽観できない厳しい米国の内政・外交の現状が、映し出されている。
 昨年の一般教書と比べて、様変わりしたのは経済状況への評価だ。
 41か月連続の雇用拡大、720万人の雇用創出など、1年前の一般教書が示した米経済の力強い勢いは、「サブプライム」問題の表面化で一気に減速した。住宅市場は冷え込み、雇用も落ち込む現実に、先行き不安感は高まっている。
 大統領は、「米経済は不透明な時期にある」と、景気減速を認めた。
 今年に入り、米国を震源とする世界同時株安の動きは、すでに日本に大きな影響を与えている。米国が景気後退局面に入れば、対米輸出に依存する日本、中国を中心としたアジア経済への打撃は、さらに深刻にならざるを得ない。
 大統領は、米議会に、景気対策の関連法案を早期に可決するよう求めた。米政府が議会と調整を進めているのは、納付所得税を還付する「戻し税」や、投資を促進する企業減税を柱とした総額1500億ドル(約16兆円)の景気対策だ。
 対策が遅れれば、世界経済にも悪影響が及ぶ。米政府と米議会は、米経済が失速することがないよう、早急に景気対策を決定し、実行すべきだ。必要な追加策の実施もためらってはならない。
 大統領は、イラク情勢では、1年前に始めた米軍増派によって、治安が劇的に改善したとの成果を誇った。確かに、テロ攻撃や宗派対立による殺戮(さつりく)の減少は、重要な成果ではある。
 だが、大統領は、米軍の本格的撤退への道筋は示さなかった。それが、宗派対立を再燃させはしないか、見極めがつかないためだろう。10万人以上の兵力を米国がイラクに駐留させる状況は、当面、続く。経済的にも大きな負担だ。
 出口が見えない閉塞(へいそく)感が、米国に広がっている。ブッシュ大統領の支持率は30%前後に低迷し、最新の世論調査では、米国が「間違った方向」に進んでいるとみる人が77%に上っている。
 政権の黄昏(たそがれ)にあるとしても、世界の安定と繁栄に責務を担う超大国の指導者として、大統領には難局打開に全力を挙げてもらいたい。
 北朝鮮への言及は、今年の一般教書にはなかった。6か国協議が停滞し、北朝鮮の核廃棄に目に見える成果が上がっていないことと関係しているのだろう。今後の交渉では、政権の業績作りを急ぐ余りの安易な妥協は禁物である。


---社説:米一般教書 独善の危うさに気づくべきだ---
毎日新聞 2008年1月30日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080130ddm005070115000c.html

 大きなスローガンを掲げて超大国を引っ張ってきた指導者も、最後は精彩を欠き息切れしながら退場するのか。ブッシュ大統領の一般教書演説を聞いてそう感じた米国民もいただろう。
 2期8年の任期の最後となる一般教書で、大統領は経済対策やイラク戦争に重点を置いた。しかし、新たな政策提案や画期的なビジョンに欠けていたのは残念だ。退任まで1年を切ったいま、歴代の大統領と同じように「歴史にどう評価されるか」を意識しているはずだ。世界に誇れる業績をレガシー(遺産)として作り上げられるかが問われている。
 サブプライムローン(低所得者向けの高金利住宅ローン)問題の解決に、米国が指導力を発揮することを世界は求めている。大統領は緊急経済対策法案の早期可決を議会によびかけた。しかし、肝心のサブプライム問題そのものをどう収拾し、市場の信任を取り戻すのか、抜本的な政策が聞けなかったのは物足りない。公的資金の投入を含めた追加政策を急ぐべきだ。
 イラク戦争では、昨年の米軍増派が成果を上げていると自賛した。しかし米軍削減や撤退の計画は示せなかった。「ブッシュの戦争」と呼ばれるほど、大統領の強い主導権で始めた戦争は3月で5年たつ。何のための戦争だったのかという疑念は消えない。残りの任期中に、この戦争を終結させる道筋を明確にするのが開戦責任者の責務だ。
 ブッシュ大統領の立場は苦しい。議会は上下院とも民主党が支配し、思うような法案は通らない。内外の関心は大統領選に集中している。だが、共和党のどの候補もブッシュ大統領に距離を置き、後継者を名乗ろうとしない。
 米国の世論調査によると「政権の失敗と業績のどちらが上回っているか」の質問で「失敗」と答えた人が59%に達し、「業績」はその半分の28%しかいない。冷たい視線と批判にさらされる最後の年となった。
 9・11同時多発テロ後、ブッシュ大統領は「米国につくかテロリストにつくか」と世界に二者択一を迫り、先制攻撃やレジームチェンジ(体制の転換)、単独行動主義、悪の枢軸、中東民主化、圧政からの解放など次々に強気のスローガンを打ち出した。自由と民主主義を世界に広めることは米国の任務だ、という使命感の激しさに世界は息をのんだ。
 使命感は今も残るが、アフガニスタンとイラクの混迷は続く。その上、順調に見えた経済にも暗雲が漂う。手がけた政策や外交の多くが未完成のまま、権力の座を去るのだろうか。
 米国一国だけのパワーで世界を作り替えようとする発想がこの政権にはあった。幕が下りる前に、そこにひそむ独り善がりの落とし穴にブッシュ大統領は気づいてほしい。


---社説1 最後に経済で試練迎えたブッシュ大統領(1/30)---
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20080129AS1K2900429012008.html

 就任した年に同時テロを経験したブッシュ大統領は、戦時の大統領として米政治史に名をとどめるのだろう。大統領を支えていた経済の好況は変調に転じた。イラクの治安は改善してきたが、米景気は不透明感を強めている。最後の一般教書演説は米国が直面する今を映していた。
 演説は「米経済は不透明な時期に突入している」と切り出し、内政のほとんどを経済政策に費やした。
 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が予想以上に深刻となり、経済成長の鈍化が鮮明になっているからだ。ブッシュ大統領は、個人・企業減税による総額1500億ドル規模の緊急経済対策法案の早期成立を議会に訴えた。
 一方で2012年に財政収支を均衡させるという目標は堅持した。だが、今後の景気動向によっては減税規模の拡大を求める圧力が強まるだろう。任期最後の1年を迎え、議会との折衝で自らの主張を貫くのは、かなり難しいとみるほかない。
 サブプライム問題は、金融機関の自己資本を傷付け、信用収縮を招く恐れがある。バブル崩壊後の日本の経験からして、金融機能が不全のままでは財政・金融政策を発動しても景気テコ入れには限界がある。
 金融機関への公的資金の投入や問題債権の買い取りなども考えられるが、大統領は公的な救済を否定している。それだけに、ブッシュ政権中は金融システム問題にメスを入れるのが難しく、抜本的な問題処理が遅れるとの懸念が強まっている。
 対外経済政策では、コロンビア、パナマ、韓国との自由貿易協定(FTA)の実現を議会に訴えた。米韓FTAが議会に承認されるかどうかは、日本のFTA戦略にとっても他人事ではないが、この点でも大統領の指導力を期待できるかどうかは心もとない。米議会の保護主義を、どうやって抑えるかも含め、気がかりな点である。
 経済とは逆に、3月に開戦から5年となるイラク情勢については「米軍とイラク軍の増強は1年前には想像できなかった成果を上げてきた」と誇った。イランについても「アメリカは我が軍を脅かす者には立ち向かう」と強気の姿勢を示した。
 しかし02年の一般教書演説でイラン、イラクとともに「悪の枢軸」と名指しした北朝鮮には触れなかった。その点はこれまでの一般教書演説と大きく異なる。この違いが北朝鮮にどう受け止められるのか。
 米国政治の焦点は次の大統領選びに移っている。いかにも現政権の最後らしい一般教書演説だった。


---ブッシュ演説―残された亀裂をどうする---
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu2

 「古い亀裂を修復し、偉大な目標に献身しよう」
 米議会でこう呼びかけたのは、就任したばかりのブッシュ新大統領だった。2001年2月のことだ。
 あれから7年。同じ壇上から大統領として最後の一般教書演説をしたブッシュ氏は、その後の米国と世界にもたらされた深い「亀裂」に、どんな思いをめぐらせたのだろうか。
 すでに「ブッシュ後」に向けて大統領選の候補者選びが白熱している。その中でブッシュ氏は2期にわたる任期中に何を達成し、次へ何を託すのか、いわば最後のメッセージを発する舞台だった。
 だが、自らの政権が生み出した亀裂について、率直に語る言葉はなかった。
 いまの米国にとって、最大の関心事は経済だろう。きっかけは低所得者向けの住宅ローンの焦げ付きだった。米国の経済全体が揺らぎだし、ブッシュ氏も「家庭の食卓では、経済の先行きに不安が出ている」と認めた。
 対策として巨額の景気刺激策を打ち出した。野党も支持する政策だが、それに加えて就任以来すすめてきた大型減税の恒久化を言うと、議場の民主党議員から激しいブーイングを浴びた。
 広がる貧富の格差をさらに固定化するつもりかという反発だ。7年前に「思いやりのある保守主義」を掲げて登場したブッシュ氏だが、金持ち優遇の政権との批判がつきまとってきた。
 巨額の報酬を得るウォール街の経営者たちと、途上国との競争で失業におびえる労働者たち。戦後の米国社会の繁栄を支えてきた「豊かな中間層」が姿を消しつつある、と警告する経済学者もいる。 大統領選の論戦では、自由貿易協定への批判や「不法移民取り締まり」が争点になっている。グローバル化でさらに格差が広がるのでは。そんな不安に応えられない現政権への不満が底流にある。
 ブッシュ政権の最大の試練が9・11同時テロへの対応だったことは間違いない。事件直後は圧倒的な米国民の支持を得ていたのに、いまや支持率は3割台に落ち込んだ。ブッシュ流の「テロとの戦い」が失敗したということだろう。
 なのにブッシュ氏はなお、イラクへの米軍増派が「誰も想像できなかった成果」を上げたと胸を張る。確かに宗派間の衝突は下火になり、米兵の死傷者数は減少している。だが、それで対テロ戦全体が成功に転じたとはだれも信じまい。
 出発点だったアフガニスタンでさえ、治安が悪化し、同盟国の間に亀裂が出始めている。隣国パキスタンの政情までおかしくなってしまった。
 「米国の味方が減り、敵は増えた」。演説後、ブッシュ外交をこう批判した民主党知事に、私たちも共感を覚える。残された1年間の任期中に、国内外の課題にどこまで手当てできるのか。大統領には7年前の言葉をもう一度、思い起こしてもらいたい。


---「レガシー(遺産)はイラク戦争にかかっている」 ブッシュ一般教書---
2008.1.29 18:47
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080129/amr0801291847015-n1.htm

 【ワシントン=有元隆志】ブッシュ米大統領は任期中最後となった28日の一般教書演説で、外交・安全保障政策について、イラク情勢に多くの時間を割き、米軍増派の成果を前面に打ち出した。北朝鮮についての言及はなく、ブッシュ政権の「レガシー(遺産)」は、イラク戦争に懸かっていることを強く意識した内容となった。
 「昨年、多くの人は暴力を阻止することは不可能だと言った。1年後、テロリストによる攻撃は減り、民間人の死者数は減少した」
 大統領は演説のなかで、「昨年」と、「今日」を繰り返し使い、1年間で治安が改善されたことを力説した。昨年、増派の効果に疑問を投げかけ、段階的撤退を主張した議会多数派の民主党に対し、増派に踏み切った決断の正しさを誇示してみせた。
 1年前の時点では、大統領は追いつめられていた。イラク情勢は改善するどころか悪化し、米軍の死者数も増え、米国民の不満も強まっていた。大統領は増派を決断し、イラク駐留多国籍軍に任命したペトレイアス司令官に委ねた。
 その結果、イラク国内で活動する国際テロ組織アルカーイダを「敗走」に追い込み、2万人の兵士が帰還できるようになったと報告できるまでになった。
 ただ、それ以上の撤退に関しては「現地の状況」と、現地司令官の勧告によるとして、具体的な期限は示さなかった。大統領も認めるように、治安の安定を継続するためには、「なお困難な戦い」が待ち受けている。

 大統領はこれまで「中東の民主化の拡大」などの構想を掲げてきたが、ライス国務長官を中心に外交政策は「現実路線」に戻っている。
 北朝鮮政策でもかつては、「悪の枢軸」(2002年)と名指ししたり、イランやジンバブエなどと並記し、人権抑圧を批判した(06年)。この日の演説で北朝鮮に触れなかったのは、核問題をめぐる6カ国協議が膠着(こうちやく)状態にあるなか、早期再開を目指すためにも北朝鮮を刺激するのを避けようとしたものとみられる。
 また、中東和平ではイスラエルとパレスチナ間の紛争終結へ向けた和平協定のため、「米国としてできることはなんでもする」と述べ、任期中の妥結を目指す姿勢を示した。
 いずれの交渉も実現は困難であり、同じく2期務めたクリントン前大統領も任期最後の年、北朝鮮、中東和平で外交成果を挙げようとして失敗した。米政府高官が米ABCテレビに語ったところによると、ブッシュ大統領は「歴史は自分に味方している」と信じているという。
 支持率が低迷し、共和党候補が大統領と距離を置くなか、そうした信念がいまの大統領を支えているようだ。大統領は演説の最後を「自由の力に自信を持って」と締めくくった。


---ブッシュ大統領ら935回の「うそ」 イラク戦争前に---
2008.1.24 11:11
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080124/amr0801241111009-n1.htm

 米非政府組織(NGO)「センター・フォー・パブリック・インテグリティー」は23日、ブッシュ大統領と7人の政権高官(当時)が2001年の中枢同時テロ以降の2年間に、イラク戦争への支持を取り付けるため計935回の「うそ」を公言したとの独自集計を発表した。
 同NGOはその代表例として、対イラク開戦を翌月に控えた2003年2月、パウエル国務長官(当時)が、イラクの大量破壊兵器開発に関する「機密情報」を国連安全保障理事会に示したことを挙げた。こうした虚偽発言は少なくとも532回の異なる場で行われたとしている。
 開戦の大義となった大量破壊兵器はイラクで見つからず、同時テロを実行した国際テロ組織アルカーイダと旧フセイン政権との関係も立証されなかった。虚偽発言の回数は大統領が計260回で最も多かったという。(共同)


---Iraq: The War Card - The Center for Public Integrity---
http://www.publicintegrity.org/WarCard/

0 コメント: