2008年1月7日月曜日

武器輸出3原則緩和へ

政府が武器輸出3原則緩和するらしい。
政府の意図が短絡的なのがすぐわかる。
(1)防衛産業の国際競争力強化
 日本への輸入に対して
  防衛産業において、市場が小さい日本は欧米企業から相手にされない。
  米国防衛族に献金が多い米国防衛企業がこずかい稼ぎ(売上げ補填)に日本の
   受注が許可される。

 日本からの輸出に対して
  実績のない装備品は採用されない。
  量産効果が見込めない装備品は高価になる。

(2)装備品開発のコスト高解消
 「開発した部品を組み込んだ装備品だから購入すれば安くなるはず」は
   言い値見積りの米国防衛企業には通じない。
 装備品費とは別に開発で使用した特許を支払う必要がある。

 F22を例にして装備品費を開発費と製造費を単純算出する。
  開発機数 69機=先行量産型11機+評価機2機+Lot1:6機+Lot2:10機+
          Lot3:16機+Lot4:24機

  機体あたりの開発費0.46億ドル=
   開発費込み機体価格2億ドル-量産時最終機体価格1.54億ドル

  開発費は31.74億ドル 3332.7億円($1≒\105)=
    69機×0.46億ドルとなる。

   F-2の開発費は3270億円とほぼ同じである。

  製造機体数 361機=69機+36機×7lot+10機×4lot

  製造費 555.94億ドル 58373.7億円($1≒\105)=1.54億ドル×361機

  総経費 587.68億ドル 61706.4億円($1≒\105)=開発費+製造費=
    31.74億ドル+555.94億ドル

  100機製造の総経費 185.74億ドル 19502.7億円($1≒\105)=
    開発費+100機製造費=31.74億ドル+1.54億ドル×100機

日本市場にあわせて100機製造しても、製造費に対する開発費は2割しかない。
さらに、他国が開発を負担するのであれば、比率はもっと下がる。
要するに製造費(人件費)が高騰していて開発費はそれほど問題にはならない。

もし、日本の部品が欧米企業に採用されても、利益は企業に充てられ、
防衛省が買う装備品が直接安くなるわけではない。

武器輸出緩和で得するのは、日本の防衛産業。
そう考えれば、防衛産業の活性化で防衛族が旗を振っていると考えられる。
F2のMHI、AH64DのFHIともに不祥事続き、防衛族のボスも今後どうなるか
わからない。
防衛産業は踏ん張りどころかもしれない。

政府の「論理のすり替え」はうまくない。守屋の方が上手かも。
それとも、やりたくないからわざと下手な論理を展開しているのか。


---武器輸出3原則 緩和検討 政府 共同開発など解禁---
東京新聞 2008年1月6日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008010602077369.html

 政府は五日、武器輸出三原則を緩和する方向で検討に入った。現在は米国とのミサイル防衛(MD)で、例外的に認めている他国との武器の共同開発・生産と、共同開発参加国への輸出を解禁することが検討課題に上っている。政府の「防衛省改革会議」で防衛装備品調達方式の見直しと合わせて検討を本格化させる。
 政府は一九六七年に三原則を打ち出した当初は、輸出禁止の適用地域を共産圏諸国や紛争当事国などに限定していたが、七六年に範囲を拡大し、武器輸出を事実上、全面的に禁じた。
 現在は日米のミサイル防衛技術の共同開発で、部品の対米輸出などが例外的に認められているだけだ。
 ところが、前防衛次官汚職事件に絡んだ防衛省改革論議の中で、防衛装備品技術の高度化に伴い、諸外国と比べて調達のコスト高が指摘された。他国との共同開発が認められれば、政府は(1)防衛産業の国際競争力強化(2)装備品開発のコスト高解消-につながるとみている。特に、次世代戦闘機F35など欧米各国による共同開発への参加も可能となる。
 このため政府・自民党からは、武器輸出を禁じる地域を、当初の三原則の対象地域に戻して、欧米との共同開発を可能にすべきだとの意見が出ていた。
 米国からも、武器輸出を認めるよう強い働き掛けがあった。
 ただ、武器輸出三原則は憲法の平和主義に基づく「国是」ともいえる政策だけに、その緩和は世論の強い反発を招くのは確実だ。


---F-22 ラプター 米空軍 航空支配戦闘機---
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/message00/raptor.f22.htm

■[米空軍 F-22A ラプター 航空支配戦闘機]
米空軍は、1997年12月19日にロッキード社とボーイング社に対してLRIP(Low Rate Initial Production/低率初期量産)の調達費に付いて協議し、量産計画をロット1~5までの量産計画を立案し、、ロット1及び2の発注を1998年1月5日に行った。
しかし、米政府の反対にあって国防省は、LRIPのスケジュールを延期し、ロット1及び2の発注済み機数分はキャンセルされPRTV(Production Readiness Test Vehicles/量産対応試験機)として1998年度は2機のF-22A型を発注し、1999年度にPRTVの中でロット1を6機生産する事に変更になった。
1998年12月28日に米国政府は、このPRTV(量産対応試験機)の評価試験のクリアを条件にLRIP(低率初期量産)を承認している。この2機のPRTV(量産対応試験機)でさらに量産体制に移行する為の評価テストが繰り返された結果、DAB(Defense Acquisition Board )国防調達委員会は、LRIP(低率初期量産)のロット2を承認。2001年8月15日に国防省は、2001年度に10機(ロット2)、2002年度16機(ロット3)、2003年度24機(ロット4)、2004年度には、量産体制に移行し年間調達機数の36機(ロット5)に到達し、ロット5以降からロット11までを定量量産で、ロット12の2010年度からを10機として、最終量産ロットは2013年度までに終了する事を発表している。

・機体調達価格
2003年度の米国国防費概算要求では、国防省のF-22A調達数24機(ロット4)に対して23機が予算認可
され、総額46億ドルで議会の承認が得られている。ロット4の生産までが、これまでの開発費が上乗せ
されており、本格的な量産体制に入るロット5以降から年間36機の定量生産が開始され、調達費が低減
される事となる。ロット4で生産される23機のF-22Aは、単純計算で1機あたり、米国議会2003年度が開始
される2002年10月時点の為替レート1ドル=123円で換算すると約247億円となっている。
ロット5以降では、1機あたりが約1億8000万ドルで調達されると見込まれており、2004年12月時点の為替
レート1ドル=104円で換算すると約188億円で調達される。定量生産が維持されるロット5~10までは、年々
調達費が低減され最終的には約160億円前後で調達される。

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