2008年1月15日火曜日

グリーンピース 捕鯨反対は「日本人差別」が根底

YouTubeで捕鯨反対批判動画が日豪で火花と言う。
捕鯨よりも人種差別のほうが問題視されているようだ。
捕鯨反対と人種差別との関係は、グリーンピース・ジャパンが明らかにしている。

グリーンピース・ジャパン代表者理事長が、人権侵害救済申立書の中で明確に
記載している。

「海外では一般に、日本人はみんな鯨肉が大好きで毎日たくさん食べ、捕鯨にも
大きな利権がからむにちがいないと思い込んでいて、つい日本や日本人を悪者に
したがる。なかには、日本人差別をむき出しにするシーシェパードのような
過激で暴力的な反捕鯨団体もある。
そんな外圧にさらされれば、
『さんざん鯨を捕ったおまえらに言われたくないよ』、
『何を食べようが勝手だろ』、
『クジラがかわいいとか、頭がいいから殺すななんて、ふざけるな!』
と頭に血がのぼるのも無理はない。これでは、互いに相手が本当は何を言おう
としているのかさえ聞く耳をもてなくなって、冷静で建設的な議論になるわけが
ない。」

しかし、後述では、正反対の記載となる。

「グリーンピースの反捕鯨活動が日本人差別に基づいたものという主張もあるが、
そもそもグリーンピースの反捕鯨活動は、現在では反捕鯨国の先頭に立つ
オーストラリアの他、ノルウェー、旧ソ連、アイスランドなどに対しても行われ
てきた。また反捕鯨の活動に限らず、グリーンピース本部のホームページなどで
その活動全般を見れば活動の対象は日本だけではなく、ヨーロッパ諸国をはじめ
米国、南米諸国、オセアニア諸国など世界全域に広がることが容易に理解でき、
『反捕鯨活動は日本人差別』という主張が日本人のナショナリズムを煽る目的で
行われていることがわかる。」

代表理事長が記載しているように、外圧で洗脳(?)されたことに本人は理解して
いないようだ。


「テロリストではない」と言う主張は、テロリズムの定義のあいまいさから該当
しないと言うのが根拠らしい。
橋下徹がテレビで明かした手法と同じように思える。
「万引き犯の弁護で、(万引きした)ものが万引き犯の手に勝手に入ってきた」

BBCや日本捕鯨類研究所の体当たり映像をみても、当たり屋が「当たってきたの
は相手だ」と主張しているようにしか思えない。
最終的には司法が決める話だ。


豪連邦裁は日本の捕鯨船に操業停止命令だしたけど、
カンガルーの惨殺は黙認している。


地球温暖化の指摘に関しても、「『不都合な真実』の英国中学教材の判決」を
尊重していない。


佐藤の日記「エスペランサ号に搭乗しているBBCの特派員からの報告」において、
「第3者の目でグリーンピースの活動をみてもらうことも重要」と言う。
第3者による批評と言うが

・捕鯨反対国記者
・グリーンピース保有船に同乗

であるのに、記事の中立性はどのように証明するのか。


「金さえもらえれば何でもする環境保護団体を語るテロリスト」と勘違いされ
ないためにも、NGOなのだから、利害関係者との関係を明確にし、会員の勤務先、
寄付者勤務先、寄付金額を公開し(氏名、住所、電話番号を除く)、疑問を持たれ
ないように行動すべきだろう。

ジュゴン保護、遺伝子組換え、森林問題、有害物質とか核・原子力は共感できる
部分もある。


---日本の捕鯨船に操業停止命令 豪連邦裁---
産経新聞 2008.1.15 13:52
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/080115/asi0801151353003-n1.htm

 オーストラリア連邦裁判所は15日、同国が国内法に基づいて南極沿岸に設定した「鯨の保護区」で、日本の共同船舶(東京)の調査捕鯨船が操業しているのは違法だと動物保護団体が訴えていた訴訟で、訴えを認め、日本船の操業停止を命じた。
 オーストラリアの動物保護団体ヒューメーン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)が2004年、日本の調査捕鯨船がミンククジラ計四百28頭を殺したなどとして提訴していた(共同)


---「YouTube」に日本の調査捕鯨に反対するオーストラリアを批判する動画掲載、波紋広がる---
http://www.fnn-news.com/headlines/CONN00125318.html

日本などと欧米諸国が鋭く対立している捕鯨をめぐり、日本の調査捕鯨にオーストラリアが強く反対していることについて、動画サイト「YouTube」にオーストラリアを批判する投稿VTRが掲載され、大きな波紋を広げている。
動画サイト「YouTube」に、「オーストラリアでは、カンガルーや絶滅のおそれがあるとされる野生の犬・ディンゴを殺している」などといった過激な内容の動画が投稿された。
動画では、カンガルーをたたきつける様子も見られた。
2007年末に投稿されたこの動画は、捕鯨に反対するオーストラリアを批判するもので、投稿元は日本となっており、閲覧回数は、世界中ですでに90万件を突破している。
この背景には、日本とオーストラリアの捕鯨をめぐる対立関係がある。
日本は、南極海で調査捕鯨を行っているが、動画が投稿される直前、オーストラリア政府は、日本の捕鯨船を監視するために、巡視船や航空機を派遣すると発表、すでに監視船は出港している。
捕鯨をめぐっては2007年2月、日本の捕鯨船が環境保護団体から妨害を受け、船員が負傷するなどの衝突も起きている。
オーストラリアのスミス外相は7日、「ビデオによって、政府が反捕鯨の姿勢を変えることはない」と述べた。
捕鯨の正当性を訴え、ネット上での反響を集めたこの動画について、東京・六本木のイギリス人は「捕鯨を正当化するための言い訳に過ぎない」と話した。
また、オーストラリア人は「捕鯨には反対ですが、世界にはさまざまな意見があります」と語った。
国際世論に配慮したのか、日本政府は、予定していたザトウクジラ50頭の捕鯨を取りやめるとすでに発表した。
一方、オーストラリア政府による捕鯨の監視は、予定通り1月9日から20日間の日程で行われることになっており、緊張は続くとみられる。








































---韓国のクジラ料理、12種の味わい---
キム・ヒョンウ記者
スポーツ朝鮮/朝鮮日報JNS
http://www.chosunonline.com/article/20080114000016

 「鯨肉(げいにく)好きこそ本物のグルメだ!」
 数年前日本に行ったとき、現地の有名な料理人がクジラ料理を出しながら言った言葉だ。
 鯨肉は牛肉とマグロを足したような味がする上に、肉類特有のコクのある味わいと魚のまろやかさを同時に楽めるからだろう。
 しかし鯨肉は、捕鯨が禁止されている韓国ではめったに口にすることができない。時々誤って網にかかったクジラを蔚山などの海辺で食べることができる程度だ。
 しかし最近、ソウルでも鯨肉を味わうことのできる専門店がオープンした。
 その店はソウル江南清潭洞デザイナークラブの裏にある「蔚山鯨家」。東海まで行かなくても鯨肉を食べることができるため、この店にはソウルの「鯨肉好き」がたくさん訪れる。鯨肉は血中コレステロールの数値を下げるなど、健康食であることが知られ、政治家や事業家の「鯨肉ファン」も増えているという。
 特に、鯨肉は美容にも良いとの噂が広がり、常連客の中には女性タレントや歌手も多いとか。
 鯨肉は調理の方法や部位によって12種の違った味を楽しめる。
 この店では水煮、刺身、胸と腹の部分の肉を凍らせた「ウネ」、ユッケ、尻尾とひれを薄く切った「オベギ」、ひれの刺身など、さまざまな料理を味わうことができる。
 水煮はカタクチイワシの塩辛ソースにつけて、ニラのキムチと一緒に食べる。柔らかくて香ばしい食感が逸品だ。初めて鯨肉を食べるという人なら、ごま油と醤油のタレにつけると食べやすい。鯨肉好きたちは鯨肉ならではの味を楽しむため、塩だけをつけて食べる。「ウネ」の刺身は、一旦凍らせたものをお酢入りのコチュジャンかワサビにつけて食べる。「オベギ」は尻尾とひれを薄く切り、炒めたもので、お酢入りのコチュジャンをつけて食べる。コリコリとした歯ざわりが逸品。ユッケは千切りにした生の肉を、梨、ニンジン、ネギ、ニンニク、ごま油で和えたもので、牛肉で作ったユッケと同じような味わい。
 この店の鯨肉の特徴は、生臭さがほとんどないという点。秘訣は1頭1億ウォン(約1200万円)を超える新鮮なミンククジラだけを使っているからだ。鯨が網にかかったという知らせを聞くと、すぐに主人(料理研究家のキム・ジュヒさん)が買い付けに行く。キム社長は日本で鯨肉の調理法を学び、韓国風の味付けに変え、韓国人にも食べやすい鯨肉料理を作り出した。
 ソウルで唯一、鯨肉のコース料理を出している。水煮、「ウネ」の刺身、「オベギ」の酢の物、ユッケ、鍋を一度に味わうことのできるコースは30万ウォン(約3万6000円)=写真は5‐6人分=。一人当たり5‐6万ウォン(約6000‐7200円)程度でお腹いっぱい鯨肉を食べることができる。4 人コース(20万ウォン=約2万4000円)、二人の場合はミニスペシャルコース(10万ウォン=1万2000円)もお勧め。一品料理はウネ(10万ウォン)、オベギ(10万ウォン)、水煮(7‐12万ウォン〈約8400‐1万4400円〉)、トゥルチギ(湯がいた鯨肉を薬味で味付けして食べる料理)、アワビ粥などがあり、ランチタイムにはスープ(7000ウォン=約840円)もお勧めだ。


---捕鯨問題、ユーチューブ動画めぐり日豪が火花---
朝日新聞 2008年01月13日15時15分
http://www.asahi.com/international/update/0112/TKY200801120235.html

 オーストラリアが日本の調査捕鯨に反対していることをめぐり、「豪州も希少な野生生物を殺している。人種差別ではないか」などと批判する動画が大手サイト「ユーチューブ」に投稿され、波紋を呼んでいる。約3週間で閲覧は80万回以上。豪州の公共放送ABC(電子版)が、「品がないことだが、両国の関係には影響しない」とするスミス外相の反応を報じる事態になっている。
 動画は、12月下旬に投稿された。投稿元は「日本」となっている。日本語と英語で豪州の捕鯨反対を批判する約10分間の内容。豪州が「日本の捕鯨は残酷だ」と訴える一方で、ディンゴやカンガルーを駆除している、などとしている。ディンゴは野生の犬で、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「近い将来に絶滅のおそれがある」と分類されている。
 これまでに80万回以上見られ、賛否などのコメントが英語と日本語合わせて2万5000件以上書き込まれている。
 ユーチューブでは豪州政府も昨年、日本の捕鯨に対する反対キャンペーンを行っている。
 日本は昨年、調査捕鯨の対象にザトウクジラを初めて加えたが、豪州などが強く反発。結局、しばらくは捕獲を見合わせることになった。


---捕鯨Youtubeビデオについてグリーンピースの考え方---
[佐藤の日記]
13 January 2008
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/whale/sato

今日の午後、朝日新聞のWebサイトに「捕鯨問題、ユーチューブ動画めぐり日豪が火花」という記事が掲載されました。
この件に関してのグリーンピースは以下のように考えます。
「今回のYoutubeに掲載されたビデオまたはビデオへのコメントのような人種差別的な内容で捕鯨問題が議論されることは非常に遺憾です。このような人種差別的な発言は捕鯨問題における意見の違いを埋めるどころか、問題をより二極化してしまうだけです。グリーンピースは、捕鯨賛成、反対に関わらずこのようなビデオ、発言、もしくは活動を一切支持いたしません。」


---Japan targets humpback whale---
CHRIS HOGG
http://news.bbc.co.uk/player/nol/newsid_7100000/newsid_7100300/7100309.stm?bw=bb&mp=rm&asb=1&news=1#
A Japanese whaling fleet has set sail aiming to harpoon humpback whales for the first time in decades.

報道概要「シーシェパードが捕鯨船に接触、日本はテロリストに相当する行為と言う」


---日本の捕鯨船団、“クジラ捕獲海域”外へ---
――エスペランサ号の一昼夜の追跡後
2008年1月13日
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20080113_html

【南極海】昨日、南極海で捕鯨活動を行う日本の捕鯨船団を見つけたグリーンピースのキャンペーン船エスペランサ号(オランダ船籍、2076 トン)は、以降、霧や高波の悪天候の中、フルスピードで数百マイルにわたる追跡をつづけ、13日午後、捕鯨母船日新丸(8044トン)とキャッチャーボートの勇新丸が南緯60度を超えて北上したことを確認した。これによって、同船団が指定する“クジラ捕獲海域”を離れたことになり、捕鯨活動は行えないことになる。

“クジラ捕獲海域”を出る日新丸
「私たちの追跡によって、現在、日本の捕鯨船団は自分たちが指定した“クジラ捕獲海域”を離れた。船団は、国際的取り決めを無視して指定した捕獲海域だけでなく、南極海から直ちに撤退し、クジラ保護区に指定されている南極海での捕鯨活動を永久に中止すべき」とエスペランサ号船上からグリーンピースの海洋生態系問題キャンペーナーの野田沙京は語っている。
グリーンピースは、今後、日新丸は、捕獲海地域外で洋上燃料補給を行うと見ている。また、すでに捕殺したクジラを日新丸船上にて加工・販売用に梱包しており、その積荷を、パナマ船籍のタンカー船オリエンタル・ブルーバード号に積み替える作業を行うと思われる。このパナマ船籍のオリエンタル・ブルーバード号という船は、調査捕鯨の名目を持つ捕鯨船団の一部としては登録されていない。
「捕鯨調査船として登録されていないこの船が鯨肉を日本に販売用に持ち帰ることがよいのかは非常に疑問」とグリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は述べ、「オリエンタル・ブルーバード号のことも、この調査と呼ばれる捕鯨活動がいかに「偽」の調査活動であるかを示している」と語った。

海洋生態系問題担当部長  佐藤潤一 
広報担当         村上京子 


---エスペランサ号に搭乗しているBBCの特派員からの報告---
[佐藤の日記]
11 January 2008
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/whale/sato

エスペランサ号に搭乗しているBBCの特派員

南極を航行中のエスペランサ号には、英国放送(BBC)の特派員であるJonah Fisherさんも同船しています。

BBCのために映像を配信するだけでなく、日々の様子などもBBCのウェブサイトのブログで報告してくれています。

彼のブログはこちらから
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7171409.stm

日本ではグリーンピースの活動が誤解されることが多くあります。
そこで第3者の目でグリーンピースの活動をみてもらうことも重要だと思います。


---日本政府がザトウクジラを一時的に捕獲対象から外したことに対しグリーンピース声明発表---
2007年12月21日
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20071221_2_html

本日午後、町村官房長官が記者会見で、まもなく南極海で開始される本年度の“調査”捕鯨の対象からザトウクジラを外すと発表したことに対し、国際環境保護団体グリーンピースは声明を発表し、南極海での捕鯨全体を止める第1段階に過ぎないと述べ、クジラ保護区である南極海を現在航行し、まもなく1000頭近いクジラの捕獲を開始する日本捕鯨船団の即刻の日本への帰国を求めた。
「本日の日本政府の発表は確かに良いニュースだが、1種類の鯨類を1~2シーズンの間だけ守るだけでは、日本の捕鯨船団が行っている南極海での環境破壊が解決されるものではない」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は述べた。
佐藤潤一はさらに、「日本政府は、『調査』という名目で、誰も必要としない科学プログラムに国民の税金を使用し、極わずかしか需要の無い鯨肉のために約1000頭ものクジラを毎年、クジラ保護区(サンクチュアリ)である南極海で捕獲している」と語り、「日本政府は、世界の人々の環境保護へ願いを受け止めるとともに、南極海での捕鯨が日本の文化とは無縁のものであることを認めるべき。今回の発表にあるようなザトウクジラの捕獲停止を1~2年停止するだけでなく、日本の捕鯨船団は直ちに帰港すべきだ」と述べた。
グリーンピースのキャンペーン船・エスペランサ号(オランダ船籍、2076トン)号は、日本の捕鯨船団の活動を監視するために現在、南極海に向かっている。エスペランサ号には英国の報道機関など世界のメディアも乗船しており、グリーンピースの南極海での活動を世界に発信している。

海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当        村上京子


---人権侵害救済申立書---
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/whale/documents/legal
2007年11月16日
日本弁護士連合会 御中

申立人 特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
代表者理事長 アイリーン・美緒子・スミス

相手方 農 林 水 産 省
代表者 大臣 若 林 正 俊

申立の趣旨
相手方農林水産大臣は、その職員である農林水産省水産庁遠洋課捕鯨班課長補佐諸貫秀樹が、
(1) オーストラリア国のABCラジオにおいて、2007年2月15日12:20(現地時間)、マイケル・ビンセントのインタビューに対して、「グリーンピースとシーシェパードの救援を受けるか」との質問に対して、「いえ、彼らはテロリストですから」と発言し、その内容は広く世界中に配信された。
(2) スイス国のテレビジョンスイスにおいて、2007年2月23日19:30(現地時間)、インタビューに対して、グリーンピースについて、「(捕鯨)船への妨害行為をみると、私はグリーンピースをテロリストと考えざるを得ない」と発言し、その内容は広く世界中に配信された。
(3) 2007年5月ごろ、フリーランスジャーナリストのディビッド・マクニール(David McNeill)に対して、グリーンピースの保有船であるエスペランサ号が横浜港に不当に入港拒否された件について「過剰反応ではないか」との質問に対して、「グリーンピースはテロリストグループだ」「それはイギリス人による二重基準だ。アルカイダならかまわないのか」と発言し、その内容は同年5月30日付けの「NEWSWEEK日本版」と、同年5月版の「Number 1 Shimbun」の記事において報道された。
以上により、もって公然と事実を摘示して申立人の名誉を毀損したこと認め、謝罪と訂正を行うよう勧告することを求める。

p2
申立の理由
第1 グリーンピース及び本件の概要について
1 グリーンピースについて
申立人グリーンピース・ジャパンは、1989年に日本国において任意団体として設立され、その後、2002年1月、東京都から正式に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を取得した環境保護団体である。
グリーンピース・インターナショナルは、オランダ国アムステルダムに本部をおき、世界41カ国に支部をおき会員数290万人を有する、世界有数の国際環境保護団体であり、申立人グリーンピース・ジャパンは、その日本支部としての性格を有する。
以下では、特に区別が必要となる場合を除き、グリーンピース・インターナショナルと申立人グリーンピース・ジャパンを区別せず、単に「グリーンピース」ということにする。
グリーンピースは、国連においてNGO に認められるものとしてはもっとも高い「総合協議資格」が認められており、気候変動枠組み条約、国際捕鯨委員会、南極条約、バーゼル条約、核拡散防止条約、ロンドン条約など20を超える条約交渉や会議での出席・発言・意見書の提出の実績がある。このような協議資格を持った NGO は世界でも多くはない。また、英国エクセター大学に研究所を持ち、独自に科学的調査を行って提言を行うなど、国際会議などにおいては各国政府関係者からも一目を置かれる国際的な NGO として認知されている。
環境分野での専門性ある活動が認められ、政府機関から調査を依頼されたり、自治体などで講演する機会なども多々ある。全国の小中学校の総合学習に協力し、毎年多くの学校の訪問を受け入れており、また、教科書にも、環境教育の素材を提供して広く利用されている。


第2 南極海「調査捕鯨」の問題点
1 「日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか」

p5
海外では一般に、日本人はみんな鯨肉が大好きで毎日たくさん食べ、捕鯨にも大きな利権がからむにちがいないと思い込んでいて、つい日本や日本人を悪者にしたがる。なかには、日本人差別をむき出しにするシーシェパード(グリーンピースの創設者の一人であるポール・ワトソンが、非暴力活動の精神を守れずグリーンピースから追放された後に設立した暴力的な環境保護団体)のような過激で暴力的な反捕鯨団体もある。そんな外圧にさらされれば、「さんざん鯨を捕ったおまえらに言われたくないよ」、「何を食べようが勝手だろ」、「クジラがかわいいとか、頭がいいから殺すななんて、ふざけるな!」と頭に血がのぼるのも無理はない。これでは、互いに相手が本当は何を言おうとしているのかさえ聞く耳をもてなくなって、冷静で建設的な議論になるわけがない。

12 グリーンピースの活動はIWCでも繰り返し権利が確認されている「平和的な抗議」である

p12
日本政府が独自の見解にもとづいて公海で実施する鯨類の捕殺を批判されたくないために、捕殺への非暴力的な抗議活動に「妨害」や「テロ」というレッテルを貼っても、その非難に法的根拠はない。南極海に生息するクジラは、だれの独占的な所有物(財産)でもない。つまり、遊泳するクジラに対して捕獲したい日本政府と保護したいグリーンピースとは対等であって、クジラと砲手のあいだにゴムボートを乗り入れる後者の行動を前者が「妨害」と決めつける権利はないのである。

第3 非暴力直接行動の規範について

p15
日本における非暴力直接行動の実践と理論的研鑽の第一人者である阿木幸男は、代表的著作『非暴力トレーニング』(論創社、2000年)で、非暴力直接行動のガイドラインを下記の5点に要約する。これはグリーンピースが非暴力直接行動を実践する際の原則とも一致する。
(1) まず、自分自身と他人の生命を尊重する。そしてその目的にふさわしい方法手段を選ぶ。
(2) 相手の良心、判断力に働きかける。そうしてこそ、はじめてより安定した問題解決が得られる。
(3) できるかぎり、多くの第三者、一般の人たちに共感、理解が得られることが大切である。
(4) どちらに正義があるかが、第三者にはっきり判断できる手法により、敵対する側の問題を公にし、人々の支持を得やすくする。
(5) 暴力が次の暴力を誘発することを避けるために。こちら側が暴力的になれば、相手側は数十倍の暴力で向かってくるものである(暴力で獲得したものはいずれ、暴力によって奪われる)。
さらに強調しなければならないのは、上記第3項の目的を達するために、非暴力直接行動は、それまでに話し合いその他の努力を尽くし、それでも相手側が対話にも問題解決にも応じない段階で、最後の手段として実行すべきことである。


5 南極海「調査捕鯨」をめぐるグリーンピースの抗議活動も非暴力直接行動に貫かれている

p16-17
ふたたび南極海「調査捕鯨」をめぐるグリーンピースの抗議活動を例にとると、水産庁側がもっとも悪質な例に挙げる、ニューカレドニアに入港中、捕鯨母船のスクリューに鎖を巻きつけたうえエンジン始動への警告文を提示した件(1998年)でも、停止中の母船のスクリューを容易に回復可能な形で固定し、その事実を相手に伝えてエンジンの始動、すなわち出航を遅らせる行為は、相手側が理性的な行動をとる(鎖がからまったままスクリューを回さない)ことを前提に、母船が再度捕鯨海域へ向かうことに抗議する点で、非暴力直接行動の原則を踏み出してはいない。
航行中にスクリューへの異物巻き込みを狙うシーシェパードの危険な妨害行為とは、明らかな一線を画している。
また、グリーンピースの典型的な抗議形態である捕鯨船(キャッチャーボート)の砲手と狙われたクジラのあいだにゴムボートを乗り入れ、捕鯨砲からの銛の発射を牽制する行為も、座り込みやチプコ(北インドの女性たちが伐採されようとする樹木に抱きついてチェーンソーによる伐採活動を阻止する活動)、施設や装置の占拠のために自分の体を鎖で対象物に巻きつけて鍵をかけてしまう行動などと同じく、非暴力直接行動の範疇に入る。これらの究極といえるのが、武力紛争地域で銃弾の標的となりそうな人に随行したり、爆弾の標的となりそうな建物に身を置いたりする「人間の楯」と通称される行動である。
これに対して、チプコ行動中の活動家にチェーンソーで切りつけたり(幸いこれまで報告例はない)、人間の楯となっている活動家を故意に殺害したり(残念ながらイスラエル軍がパレスチナ支援の米国人女性を戦車で轢き殺した例がある)したら、非暴力直接行動の前提となる相手の理性への信頼が崩れることは論を待たない。その意味で、日本の捕鯨船がグリーンピースのゴムボートの頭ごしにクジラを砲撃する行為は、現代市民運動の成り立ちを理解しない極めて危険な行動であり、国際社会における日本の評価を貶める。また、グリーンピースの船が捕鯨船団に体当たりしてきたという水産庁側の主張も、こうした非暴力による抗議の大前提を理解せず、メディアなど客観的な第三者の眼がない中で、一方的な情報操作を狙った粗雑な言説だ。

p17-18
1999年6月、デンマーク、イングランド、およびスコットランド出身の3人の女性が、スコットランドのゴイル湖畔にある英国の核搭載トライデント潜水艦関連の研究施設に侵入し、コンピュータ、ディスク、通信機器、本その他を湖底へ投げ捨てたうえ、研究用の潜水艦模型にも侵入して、制御不能な状態まで配線などを破壊。損害額は数万ポンドと見積もられた。三人の女性たちはスコットランド警察に逮捕され、4か月間拘留されたが、ひと月におよぶ裁判の結果、大陪審は全員無罪の判定を下した。スコットランド議会、ウェールズ議会、イングランド議会からも無罪判決を支持する決議や声明が出された(甲16、世界2000年9月号「私たちはなぜ核兵器を破壊するのか」)。
「プラウシェア」(鋤の刃。聖書イザヤ書2章4節の「剣を打ち直して鋤とし」にちなんでいる)と呼ばれるこの組織的運動は、現在までに英国のほかオーストラリア、ドイツ、オランダ、スウェーデン、米国で60回以上実行され、その多くが無罪を勝ち取ってきた。プラウシェア運動は、核兵器をはじめとする無差別兵器の研究・開発・配備がニュルンベルク裁判以後の「平和に対する罪」「戦争犯罪」「人道に対する罪」、およびジュネーブ条約、核不拡散条約などの国際条約に違反するとの立場から、政府がそれら国際人道法体系の遵守を怠る場合には、国民/市民が犯罪を非暴力的・平和的な手段で阻止する義務を負うと考える。
また、こうした阻止行動に先立って、ときには数年におよぶ周到な準備と、理論的・倫理的・法的なあらゆる関連事象についての徹底した話し合いが行われ、万全の態勢で実行されることも特記したい。それを支える人の輪も幅広く、実行者はその一端にすぎない。
1996年に行われた別のプラウシェア行動(これも、グリーンピースの活動ではない)では、英国がインドネシア政府に供与しようとするホーク戦闘機を、スハルト政権下における東チモール民衆の虐殺に加担するものとして、3人の女性がブリティッシュ・エアロスペース社の兵器工場に侵入。輸出を待つホーク戦闘機の制御盤、レーダー、翼、機首、胴体をハンマーで破壊し、戦闘機は使い物にならなくなった。損害額は約150万ポンドとされる。このときも6ヶ月の拘留ののち、裁判では市民陪審が全員無罪を決定した((甲17、世界1999年11月号「地球市民の責任:東チモールとプラウシェアの平和運動」)。世界に広がるプラウシェア運動には日本を含む各国の軍縮・平和活動家たちが参加して、現在も活発な活動を展開中である 。非暴力直接行動の範疇にプラウシェア運動のような極端な例まで含まれることは国際的な市民社会の共通認識であり、その範疇の中ではるかに穏健かつ抑制的なグリーンピースの活動を「テロ」と呼ぶことがいかに的外れかは明らかだ。

p18
また、グリーンピースの反捕鯨活動が日本人差別に基づいたものという主張もあるが、そもそもグリーンピースの反捕鯨活動は、現在では反捕鯨国の先頭に立つオーストラリアの他、ノルウェー、旧ソ連、アイスランドなどに対しても行われてきた。また反捕鯨の活動に限らず、グリーンピース本部のホームページなどでその活動全般を見れば活動の対象は日本だけではなく、ヨーロッパ諸国をはじめ米国、南米諸国、オセアニア諸国など世界全域に広がることが容易に理解でき、「反捕鯨活動は日本人差別」という主張が日本人のナショナリズムを煽る目的で行われていることがわかる。


7 国際規制・枠組み策定への働きかけ

p21
グリーンピースは、オゾン層を破壊し、地球温暖化を加速する化学物質フロン類を使用しない家庭用冷蔵庫「グリーンフリーズ」を開発し途上国を含む世界各地への普及に貢献したとして、1997年、国連環境計画(UNEP)「オゾン層保護賞」を受賞している。


第7 グリーンピースと「調査捕鯨」船との衝突事件について

P32-34
最後に、グリーンピースと「調査捕鯨」船との過去の衝突事件について述べておこう。結論から述べれば、過去の衝突事件は、いずれも「調査捕鯨」船側に問題があったものである。
過去に起きた捕鯨船団によるグリーンピースの船舶への衝突は古いものから順に以下の3件である。
1 捕鯨母船・日新丸によるグリーンピースのアークティック・サンライズ号への衝突(1999年12月21日)
1999年12月21日、南極海クジラ保護区で、グリーンピースのアークテック・サンライズ号が、日本の捕鯨母船である日新丸に衝突された。この日、南極海クジラ保護区での捕鯨活動に対し抗議・監視活動を行うために、南極を航行中のアークテック・サンライズ号は、捕鯨母船である日新丸により左背後から追い越され、その際に左舷側に衝突された。この衝突により、アークテック・サンライズ号は、前方の甲板付近に被害を受けた。
この衝突が起きる前日の20日には、2度にわたり日新丸が同様に危険な航行を行い、衝突が起こりそうになっている。21日の衝突に関しても日新丸が抗議行動を振り払うために故意的に行った可能性が高い。
この衝突事故に関しては、世界で最も権威のある船舶関連情報管理会社である英国ロイズMIU(Lloyd’s Maritime Intelligence Unit, London)社が、「日新丸がアークテック・サンライズ号に衝突した」と公式に記載している(甲19「Rammed m research vessel Arctic Sunrise 21 Dec 1999 in Antarctic waters」:(訳)(日新丸は)1999年12月21日南氷洋で調査船アークティック・サンライズ号に衝突。)
2 捕鯨船・第一京丸によるグリーンピースのエスペランサ号への2度の衝突 (2005年12月21日)
2005年12月21日、南極海クジラ保護区で、グリーンピースのエスペランサ号が、日本の捕鯨船である第一京丸に2度衝突された(甲20)。この日、鯨肉を加工・箱詰め・冷凍する捕鯨母船・日新丸への抗議・監視活動を行うために航行していたエスペランサ号は、捕鯨船である第一京丸により左背後から追い越され、その際に左舷側に衝突された。国際海上衝突防止規定の13 条によると、追い越しを行う船舶は、追い越される船舶の航路を避けて航行しなければいけないことになっている。つまり、第一京丸は、エスペランサ号を追い抜かす際に、その航路を避けて航行しなければならなかったにも関わらず、捕鯨母船・日新丸とエスペランサ号の間に割り込むように、追い抜き、その際に衝突を起こした。結局エスペランサ号が危険を察し、進路を譲ることでお互いに大きな被害を免れた。
この衝突を受けて、グリーンピース・ジャパンは、捕鯨船団を傭船して調査を実施している(財)日本鯨類研究所に対し、このような航行をやめるように申し入れるとともに、グリーンピースの抗議・監視行動は平和的に行うものであることを伝えた。
3 捕鯨母船・日新丸によるグリーンピースのアークティック・サンライズ号への衝突(2006年1月8日)
(1) 衝突の状況
2006年1月8日、南極海クジラ保護区で、グリーンピースのアークティック・サンライズ号が、日本の捕鯨母船である日新丸に衝突され、被害を受けた (甲21の1、21の2「ビデオ」)
衝突に至る一連の出来事が起こる直前は、日新丸が、オリエンタル・ブルーバード号という捕鯨船団の補給船と横並びになり、日本での販売用に箱詰めにした鯨肉を転載していた。アークティック・サンライズ号は、距離を保ちながら非常にゆっくりした速度で前進し、2 隻の船の行動に対し抗議・監視活動を行っていた。アークティック・サンライズ号が 2 隻の大型船から2kmほどの距離にいたとき、日新丸が、オリエンタル・ブルーバード号から離れて左へ回りこみ、オリエンタル・ブルーバード号とアークティック・サンライズ号との間に進路を取る。さらに衝突の 2、3 分前、日新丸は船首に備えた高圧放水銃を作動させ、アークティック・サンライズ号の視界を妨げ始める。日新丸はアークティック・サンライズ号の左に位置していたので、この位置にある船として、国際海上衝突防止規定(COLREGS)の15条により、衝突を避けるべくアークティック・サンライズ号に航路を譲らなければならないが、日新丸はアークティック・サンライズ号に近づき続け、航路を譲ることをしなかった。
アークティック・サンライズ号のキャプテンはコースが危険であるという状況を察知し、すぐさま日新丸に無線(VHF チャンネル16)で警告を発したが返答はなく、そこでキャプテンは警笛を鳴らし、全力で船を後退させた。しかし、グリーンピースの船よりも大型で速度も速い日新丸は、アークティック・サンライズ号の船首を横切り続け衝突が起こった。
さらに、アークティック・サンライズ号は衝突前に全力で後退したが、日新丸が急激に進路を変え、船の側面をアークティック・サンライズ号に向けて押しつけてきたことで衝突が起きた。
(2) (財)日本鯨類研究所の主張
(財)日本鯨類研究所は以下のように主張し、この衝突はアークティック・サンライズ号の責任だとしている。「この衝突は、日新丸の左舷に供給船があり回避行動が不可能であることをアークティック・サンライズ号がわかった上で直進してきたことによる」
(3) グリーンピースの反論
しかし、下記の事実により(財)日本鯨類研究所の主張は認められない(甲21の2)。
ア 日新丸は意図的にオリエンタル・ブルーバード号とアークティック・サンライズ号の間に船を乗り入れた。
イ 日新丸はアークティック・サンライズ号との無線交信で、日新丸の操縦の意図を説明せず、また、その操縦に制限があることを示さなかった。グリーンピースが無線で日新丸の船長に連絡をしても返事がなく、またそのような制限があることは他のいかなる信号を使っても表さなかった。
ウ アークティック・サンライズ号は国際海上衝突防止規定)を遵守したが、日新丸は無視した。
エ 日新丸は突然、進路を左にずらして、オリエンタル・ブルーバード号に向かい、船尾付近をアークティック・サンライズ号に押しつけたことによって衝突が生じた。
オ 日新丸は、アークティック・サンライズ号のブリッジで操船する乗組員の視界をさえぎるように高圧放水銃を放った。
(4) (財)日本鯨類研究所が発表したビデオ
事件の後(財)日本鯨類研究所は、同研究所のウェブサイトに衝突のビデオクリップを掲載した。この映像をよく検証してみると、当時の以下のような状況をよく示していることがわかる。
ア アークティック・サンライズ号は前進していないため、ほとんど船首からの波を立てていない。
イ 日新丸の急激な進路変更が、アーティスティック・サンライズ号の船首に日新丸の舷側を押しつけてぶつけるような状況を作り出し、それが衝突の原因となっている。
アークティック・サンライズ号は、国際海上衝突防止規定に従って、全力をあげて衝突を避けようとしていたことが明らかで、過失はない。一方、日新丸には国際海上衝突防止規定を無視し、急な舵の切り替えによってその舷側をアークティック・サンライズ号に追突させた責任がある。

4 小括

p34
グリーンピースは、毎年、南極海での「調査捕鯨」活動に対する抗議・監視活動を行っているが、それは、国際捕鯨委員会で認められている平和的に抗議をする権利を行使し、非暴力の原則に則って行っているものである。捕鯨船団の乗組員に危害を与えるような行為は一切行ったことはないし、今後も行わない。
水産庁及びその関係団体は、グリーンピースの抗議活動をテロ行為と呼ぶことがあるが、これは市民に認められた非暴力によって抗議する権利と声を「テロ行為」と呼ぶことで意図的に逸らそうとしているものであり、認められるべきものではない。

第9 グリーンピースはテロリストではない。

pp35-38
1 グリーンピースの活動には相手方を傷つける意図がないこと
これまでの申立によって、グリーンピースの活動の中に時に実力で環境破壊の行為を止めようとする直接行動が含まれるとしても、それは相手方を傷つける意図はないこと、グリーンピースがこれまでの活動において、捜査当局に検挙された事案においても、デモンストレーションのために容易に誰でもが立ち入れるビルの屋上などに立ち入ったことを内容とする形式犯であり、罰金以上の処分は受けていないこと、人の生命、身体に害悪を加えるような犯罪行為は世界中のグリーンピースの活動を通じて行っていないことを確認することができる。
にもかかわらず、水産庁職員諸貫秀樹は、前記のような発言を意図的に繰り返している。水産庁はこのような発言を制止しておらず、日本国政府がグリーンピースに対してテロリストとして認定しているかのような状況が作られている。

2 テロリズムの定義とそのあいまいさ
まず指摘しなければならないことは、テロとは何かと言うことについて日本では共通の理解がないと言うことである。かろうじて、実定法としては2002年に制定された「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」第1条の定義を挙げることができる。
同条によれば「公衆又は国若しくは地方公共団体若しくは外国政府等(外国の政府若しくは地方公共団体又は条約その他の国際約束により設立された国際機関をいう。)を脅迫する目的をもって行われる犯罪行為であって、次の各号のいずれかに該当するもの」と定義し、以下の行為を列挙する。
1.人を殺害し、若しくは凶器の使用その他人の身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害し、又は人を略取し、若しくは誘拐し、若しくは人質にする行為
2.イ 航行中の航空機を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、又はその航行に危険を生じさせる行為
ロ 航行中の船舶を沈没させ、若しくは転覆させ、又はその航行に危険を生じさせる行為
ハ 暴行若しくは脅迫を用い、又はその他の方法により人を抵抗不能の状態に陥れて、航行中の航空機若しくは船舶を強取し、又はほしいままにその運航を支配する行為
ニ 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他の方法により、航空機若しくは船舶を破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為
3.爆発物を爆発させ、放火し、又はその他次に掲げるものに重大な危害を及ぼす方法により、これを破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為
イ 電車、自動車その他の人若しくは物の運送に用いる車両であって、公用若しくは公衆の利用に供するもの又はその運行の用に供する施設(ロに該当するものを除く。)
ロ 道路、公園、駅その他の公衆の利用に供する施設
ハ 電気若しくはガスを供給するための施設、水道施設若しくは下水道施設又は電気通信を行うための施設であって、公用又は公衆の利用に供するもの
ニ 石油、可燃性天然ガス、石炭又は核燃料である物質若しくはその原料となる物質を生産し、精製その他の燃料とするための処理をし、輸送し、又は貯蔵するための施設
ホ 建造物(イからニまでに該当するものを除く。)

3 定義のあいまいさを指摘した日弁連見解
しかし、この定義も国際的に承認されたテロの正確な定義はとは言えない。
この条約の批准と国内法化について、日弁連は2002年(平成14年)2月20日付の会長声明において次のように述べて、テロリズムの定義が曖昧であることを指摘している。
「第一に、規制の対象とするテロ行為自体の定義が極めて曖昧である。条約では、規制すべき活動を「文民又は武力紛争の状況における戦闘行為に積極的に参加していない他の者の死亡または身体の重大な傷害を引き起こすことを意図する他の行為」であってかつ「行為の目的が、その行為の性質及び状況から、市民を威嚇し、または政府もしくは国際機関に対して何らかの行為を行うこともしくは行わないことを強要するもの」と規定する(条約2条1項)。しかし、これは政府の解釈によっていかようにも広げられるおそれがある。
第二に、ある団体の活動がテロに関連した活動であるかどうかを誰がどのような手続で認定するかが問題である。条約は何も手続保障の規定をしておらず、又、誤った認定をした場合の救済措置についても何の規定もない。したがってこのままでは捜査機関の恣意的な判断に委ねられる可能性が大である。
第三に、テロ資金の供与が犯罪とされるには、資金の提供者がテロ行為に使用することを「意図して、または使用されることを知りながら」資金を提供したことが必要とされる(条約2条1項)。しかしこのような認識は客観的な状況から推認できるとされる傾向にあり(国際組織犯罪防止条約6条2f参照)、また条約自体が提供された資金が実際にテロに用いられたかどうかを問わない(条約2条3項)点から見ても、確定的又は未必的故意による資金提供でなくても処罰の対象とされる可能性をはらんでいる。
すなわち、この条約の規定をそのまま犯罪行為の構成要件とするには明確性を欠いており、規制目的と規制手段の間に合理的な連関がなく、過度に広汎な規制をテロ対策の名目で正当化しているとの批判を免れない内容となっている。」と同条約の国内法化の問題点を指摘している。

4 グリーンピースの捕鯨に関する諸活動やその他の活動が「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」の定義する「テロ行為」=「公衆等脅迫目的の犯罪行為」に該当しないこと
仮に、テロリズムの定義として、「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」の定義する「テロ行為」=「公衆等脅迫目的の犯罪行為」を採用して、これに当てはめて考えても、グリーンピースの捕鯨に関する諸活動やその他の活動が「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」の定義する「テロ行為」=「公衆等脅迫目的の犯罪行為」に該当しないことは明らかである。
テロリズムには脅迫の目的が必要不可欠である。しかし、グリーンピースの活動に公衆等脅迫目的がないことは本申立書において繰り返し述べたとおりである。
また、その行為は生命身体に脅威を与えるものであることを要する。グリーンピースの基本理念は非暴力であり、人を傷つけないという点でテロリズムとは対極にある行為である。ガンジーの行ったイギリス政府の占領政策に対する抵抗は、その時点での法律に触れる場合があるとしても、テロリズムとは考えられていなかった。グリーンピースの諸活動の中にも住居侵入などの違法行為とされるものが含まれているとしても、それは環境保護を進める上で必要不可欠だと考えた上で行った行為であり、国法上の罰金刑は甘んじて受け入れているのである。
捕鯨船の活動に対する行為も、そのほとんどは捕鯨船と鯨の間に割ってはいるだけの活動である。このような活動は、捕鯨船の航行の安全に危険を与える行為には該当しない。現実に捕鯨船に危害は与えてない。錨に体を縛り付ける、キャッチャーボートとクジラの間に進入して銛を撃てなくするなどの活動は、身を挺して鯨を守ろうとする活動である。
ここで、日弁連の皆さんに考えていただきたいことは、すくなくとも、国際社会の中では捕鯨を禁止していくべきとする国家の方が多数派であるという厳然たる事実である。公海において捕鯨を行うこととクジラを守ることとは、少なくとも等価値のはずである。捕鯨をしようとする行為の方が優先権があり、これを止めようとする行為が捕鯨船に危害を与えない限り違法という評価を受ける根拠は何もないのである。
むしろ、捕鯨船と鯨の間に割って入っているグリーンピースのボートがいるにもかかわらず、銛を撃つ行為は、この銛がボートやその乗組員に当たってもかまわないと考えているとすれば、殺人傷害の未必の故意のある行為であり、反捕鯨活動に対する脅迫目的を持ったテロリズムそのものであるといわざるをえない。
水産庁がグリーンピースの活動の中で、悪質な行為の例として挙げるスクリューに鎖を巻き付けたうえで、エンジン始動への警告文を提示した件も、捕鯨活動への妨害であることは認めるが、運航中の船舶に対する行為ではないし、運航前に警告をしている点で、乗組員に対する危険性もないし、破壊行為ではない。出航を遅らせ、その間に相手方が理性的に捕鯨を中止する行動をとることを期待した非暴力直接行動の範疇に入る活動である。

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