2008年9月6日土曜日

2008年版防衛白書

2008年版防衛白書が提出された。
中国軍近代化に懸念、北朝鮮は重大な脅威、露軍は活動が活発化と例年通り。
守屋武昌の汚職事件、イージス艦の衝突事故や情報漏えい事件等があり、
幹部は忘れたがっているような記述をしているらしい。

防衛省改革と聞こえは良いが、実施したのは購買関係だけ。
内部関係者によるテロと思われる放火がイージス、護衛艦2艦で発生しても
犯人が逮捕され、子分を捕まえて終了のようだ。
背景について調査したのだろうか。
イージスの情報を垂れながしたから、調査結果も垂れ流しか。


---中国軍近代化に懸念 08年版防衛白書 北朝鮮は『重大な脅威』---
2008年9月5日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008090502000264.html

 林芳正防衛相は五日の閣議で、二〇〇八年版防衛白書を報告、了承された。中国の軍事力について、射程約八千キロの新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する潜水艦建造や宇宙の軍事利用、サイバー戦専門部隊の編成など近代化が進み「地域や日本の安全保障にいかなる影響を与えていくか懸念される」と強調。核、ミサイル開発を続ける北朝鮮は「重大な脅威」として強い警戒感を示した。
 グルジアに侵攻したロシア軍の極東地域での状況については、訓練の減少傾向が下げ止まり、最近は日本への近接飛行など「活動が活発化」していると分析。〇七年版では極東ロシア軍が冷戦時代の旧ソ連軍のような規模に戻る「可能性は低い」との記述があったが、今回は削除された。
 日本の新学習指導要領解説書の記述に韓国が反発している竹島(韓国名・独島)は「わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決」と、〇七年版と同じ表現とした。
 インド洋での海上自衛隊の給油活動は「長時間、安定的に洋上補給できる国は限られ、日本にふさわしい貢献」と指摘、活動継続が必要と訴えた。国際平和協力活動での自衛隊の海外派遣を随時可能にする一般法(恒久法)制定の必要性も初めて明記した。
 守屋武昌前防衛事務次官の汚職事件など一連の不祥事を受け、省の抜本改革に取り組む姿勢を強調した。
 中国の軍事情勢に関しては、二十年連続で二けたの伸び率を示した国防予算の詳細や装備の保有状況が明らかでなく、軍事力近代化の将来像が不明確と指摘、透明性向上を求めた。北朝鮮は、〇六年の核実験を踏まえ、核兵器の小型化・弾頭化が「比較的短期間」に行われる可能性があるとした。


---防衛白書:守屋被告の記述抑えめ 省内から批判も---
毎日新聞 2008年9月5日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080905dde041010060000c.html

◇不祥事の表の一番下「前事務次官の背信」
 08年版「防衛白書」が5日の閣議で了承されたが、前防衛事務次官、守屋武昌被告による汚職事件の記述は抑え気味だった。「もう事件のことは忘れたいのか」との批判が内部からも上がっている。
 昨年来、イージス艦の衝突事故や情報漏えい事件など不祥事が相次いだこともあり、08年の白書は、第4部に「防衛省改革」を設けて一連の不祥事対策を詳述している。
 守屋被告の事件は省内でも、事務方トップによる「前代未聞で、最も重く受け止めるべき事件」(同省幹部)とされている。
 ところが白書での記述は極めて淡泊。不祥事5件を示す表の一番下に「前事務次官の背信」という項目を設けたり、防衛装備品の取得改革の「最近の事案」の項で概要を示したりしている程度だ。
 防衛調達をめぐる背任事件で元幹部が逮捕された翌年の99年版白書では、対応策をまとめた章の書き出しが「防衛庁は(略)国民の信頼を損ねたことに対し深く反省している」だった。事件の経緯も詳しく書いており、違いは際立っている。
 担当者は「それなりに記載したつもりだ」と話す。一方、制服幹部は「イージス艦事故などとの比較を言うつもりはないが、トップの接待事件は組織にとって最も重いはず。内局(背広組)の人たちは忘れたがっているのかも」と漏らしている。【滝野隆浩】


---防衛白書:08年版 要旨---
毎日新聞 2008年9月5日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080905dde007010081000c.html

5日の閣議で了承された08年版「日本の防衛」(防衛白書)の要旨は次の通り。
第1部 わが国を取り巻く安全保障環境
◆概観
 米国をはじめ各国による「テロとの戦い」は、イラクやアフガニスタンでは厳しい状況への対応が続き、海外展開可能兵力のひっ迫が大きな課題。好調な経済を背景に中国やインドが台頭、ロシアも復調し、国際的な影響力を強める。エネルギー資源の獲得競争や気候変動が世界の安全保障に影響を与える新たな要因に。アジア太平洋地域では大きな変化はみられず、わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決。

◆第1章 国際社会の課題
 アフガンではタリバンの攻撃が増加し、不安定な治安情勢が継続、南部、東部では爆弾テロや襲撃が発生している。イラクでは、米軍の追加派遣などもあり、昨年後半からは攻撃の発生件数やテロの犠牲者数が減少し、改善傾向。しかし、治安情勢は依然厳しく、今後も予断を許さない。多国籍軍の駐留のあり方について、イラク政府と米国を中心に検討が進められている。

◆第2章 諸外国の国防政策など
 米国は前方展開してきた大規模戦力の多くを本土に再配置、機動的に対処できる部隊を前方展開し、初動対処能力の向上に努める。
 北朝鮮は、軍事を重視、依存する状況が今後も継続。6者会合で昨年末までに寧辺の核施設の無能力化、すべての核計画の申告で合意したが、履行は完了せず。北朝鮮が短期間で核兵器の小型化・弾頭化の実現に至る可能性も排除できない。
 中国は、台湾問題への対処が最優先課題。軍事力の近代化の将来像は明確にされず、中国への懸念を払しょくするためにも国防政策や軍事力の透明性向上が重要。情報収集、通信など軍事目的で宇宙利用を行っている可能性がある。海・空軍の能力は中国近海を越えて拡大していく。
 ロシアはプーチン前政権下で「強い国家」として国際社会に復帰を果たしたとし、好調な経済を背景に、国力に応じた軍事力の近代化に言及。極東地域で活動の減少傾向は下げ止まり、わが国への近接飛行や演習など軍の活動は活発化の傾向。

第2部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備
 ◆第1章 わが国の防衛の基本的考え方
 省への移行で多様な政策オプションの提示が可能に。国際平和協力活動、海外での邦人輸送などの役割に体制整備が必要。
 国際社会が協力する活動が多様化し、わが国の活動の内容・手続きなどについて一般的な法律を整備することが、平和国家として迅速で効果的な活動をするために望ましい。

◆第2章 防衛大綱と防衛力整備=略

第3部 わが国の防衛のための諸施策
◆第1章 わが国の防衛のための自衛隊の運用と多様な事態への対応
 弾道ミサイル防衛(BMD)はこれまでのパトリオット3(PAC3)の配備に加え、イージス艦「こんごう」への海上配備型迎撃ミサイル(SM3)能力の付与で、限定的ながらわが国独自の多層防衛体制を整備。
◆第2章 日米安全保障体制の強化
 日米の緊密な協力は、わが国周辺の平和と安定の確保に重要。
 沖縄の普天間飛行場代替施設は、在日米軍再編のロードマップを基本に、建設計画や安全環境対策などについて県などとの協議会を実施。昨年10月に33市町村、同11月に3町村、今年3月に岩国市、名護市などを再編交付金の対象とした。

◆第3章 国際的な安全保障環境の改善
 わが国も各国と連携したテロ対策の強化が必要。インド洋での海自の補給活動により、各国艦艇は燃料補給のために港に戻ることなく活動できる。洋上補給には高い能力が必要で、わが国にふさわしい貢献。資源の多くを中東に依存するわが国の国益にも資する。
 近年は安全保障環境の改善に向けて、防衛交流は質的に深化、量的に拡大するすう勢にある。日中ではハイレベル相互訪問のほか、日中の艦艇が相手国に初寄港した。
 クラスター弾規制では、わが国は人道問題と安全保障上の必要性のバランスを取り、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みに積極的に貢献。オスロ・プロセスにも適切に対応。

◆第4章 国民と防衛省・自衛隊
 自衛隊は国民の生命・財産に被害を与えたり、隊員の生命を失う事故は絶対に避けなければならない。
 護衛艦「あたご」と漁船の衝突事件は誠に遺憾で、きわめて重大。見張りや回避措置が十分でなかった可能性が高く、運航体制に関する隊員教育など再発防止に取り組む。事故発生から首相、防衛相への報告に遅れがあったと言わざるを得ず、危機管理上きわめて問題。速報体制の改善などを行った。

第4部 防衛省改革
 防衛力は、国民の強い信頼に支えられなければ機能を発揮できない。しかし、最近、給油量取り違え、航泊日誌誤破棄という文民統制の問題、インターネットの情報流出やイージスシステムの特別防衛秘密流出という情報保全の問題、過大請求など調達の透明性の問題が明らかになった。また、前事務次官が収賄容疑で逮捕され、護衛艦あたごの衝突事件が発生。抜本的な対策を講じる必要がある。
 防衛省改革会議は首相官邸に設置され、7月に報告書を公表。規則順守の徹底、職業意識の確立などの原則実行のため、官邸と防衛省の司令塔機能強化の組織改革が必要。防衛会議を法律で明確化し、運用企画局を廃止して作戦運用を統合幕僚長の下で実施。内局、陸海空幕僚監部の防衛力整備を再編し、一元的な部門を創設する。
 輸入商社山田洋行の装備品契約での過大請求なども踏まえ、総合取得改革を推進。また、前事務次官の自衛隊員倫理規程違反などが明らかになり、特別防衛監察を実施した。

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