2008年9月29日月曜日

サブプライム 欧州へ連鎖

サブプライム問題が欧州へ連鎖し始めたようだ。
・ベルギーのフォルティスを国有化
・英国のブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)の一時国有化
・サンタンデール・セントラル・イスパノ銀行がB&Bを買収
・英国のノーザン・ロックの国有化
・米国のワコビアが米金融大手シティグループなどと「身売り」交渉

ECBが大量の資金供給をしても経営不安がなくならない。
法案作りでとりあえず収束を狙う米国。
米法案により金融不安が収束するかどうかわからないのに、
欧州も真似するのか。


---米国:金融安定化法案、議会合意 不良資産買い取り、75兆円を3段階で投入---
毎日新聞 2008年9月29日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080929dde001020025000c.html

 【ワシントン斉藤信宏】ペロシ下院議長ら米議会首脳は28日、記者会見し、最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金を投入して金融機関から不良資産を買い取ることを柱とする金融安定化法案で合意した、と正式発表した。法案は29日に下院で採決され、10月1日には上院が採決。ブッシュ大統領の署名を経て成立する運びとなった。

 発表された全文によると、法案は売却が困難になっている低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)に絡む住宅ローン担保証券(MBS)などの証券化商品を政府が金融機関から3段階で買い取る仕組みを整えた。財務長官が買い取りを担当するが、権限集中を避けるため、購入を認めるのは2500億ドルまでとした。その後は大統領が議会に通告すれば、1000億ドルの積み増しが認められる。残りの3500億ドル分の買い取りには、上下両院の承認が必要となる。

 国民負担を軽減するため、資産買い取りを求める金融機関は新株取得権を政府に提供することが定められた。また、資産買い取り業務を監視する「金融安定化監視委員会」の設置も盛り込まれた。

 新株取得権の獲得は、金融機関の経営再建が進み、株価が上昇すると公的資金の損失を補える仕組み。さらに、5年たっても資産価格が回復しない場合には、金融機関に穴埋めを求めるなどの条項も盛り込んだ。このほか不良資産の買い取りを求めた金融機関は役員報酬を制限されるなど、金融機関側の負担が大きくなっている。一方で、法案は金融機関への時価会計適用について検証する条項も盛り込んだ。


---金融破たん 欧州に連鎖 ベルギー最大手、部分国有化---
2008年9月29日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008092902000254.html

 【ロンドン=共同】ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの三カ国政府は二十九日、経営が悪化したベルギー最大の金融グループ、フォルティスを共同で部分的に国有化すると発表した。欧州では、英政府が同日にも中堅銀行ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)の一時国有化を発表する見通し。米国発の金融危機が欧州金融機関の経営破たんに連鎖した格好だ。
 今後、米サブプライム住宅ローン関連の損失による経営悪化が欧州で一段と広がる恐れがある。
 三カ国政府は共同でフォルティスに公的資金で計百十二億ユーロ(約一兆七千億円)を出資、同社株の49%を握る。
 フォルティスはベルギー国民の半数が同グループの保険を保有、欧州を中心に幅広く銀行事業などを展開し経済的影響が大きいため、近隣国による異例の「共同国有化」となった。
 フォルティスは昨年、英大手金融グループと連合を組みオランダのABNアムロホールディングを買収したが、サブプライム関連の損失処理と高額な買収資金が負担となり、金融市場からの資金調達が困難になった。
 株価は信用不安から前週末に一株五ユーロ(約七百七十円)近くまで急落。事態を重くみたベルギー政府が水面下でBNPパリバやオランダのINGグループなどによる救済買収を模索したが、条件面で折り合いがつかなかった。
 一方、B&Bについてロイター通信は、預金と店舗網をスペイン最大手サンタンデール・セントラル・イスパノ銀行が買収すると伝えた。
 欧州中央銀行(ECB)による大量の資金供給も、金融機関の経営不安を和らげるに至っていない。金融危機対策の法案を取りまとめた米国に続き、欧州各国も抜本的な対策を迫られそうだ。


---英中堅銀、国有化へ 政府 取り付け騒ぎ警戒---
FujiSankei Business i. 2008/9/29
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200809290058a.nwc

 英メディアは27日、米サブプライム住宅ローン問題の影響で経営難に陥った英中堅銀行ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)を英政府が一時国有化する方向で最終調整に入ったと伝えた。
 英銀行の国有化は、昨年9月に取り付け騒動が起こった中堅銀行のノーザン・ロック以来。英政府は民間銀行による救済を模索したが、不調に終わった。既に多額の預金が流出、週明けの株式市場で取引が始まれば、前週末に20ペンス(約40円)まで急落したB&B株に売り注文が殺到、新たな取り付け騒動に発展する恐れもあるとみて国有化を決断した。
 政府はB&Bの全株式を取得した上で、預金業務など一部事業を他の民間銀行に売却。預金は全額保護される。住宅ローンを含む総額500億ポンド(約9兆8000億円)の貸出債権は政府が引き継ぎ、国有化中のノーザンに統合する可能性もある。
 事業の売却先としては、スペイン最大手のサンタンデール・セントラル・イスパノ銀行や英大手金融グループHSBC、同バークレイズが挙がっている。
 B&Bは、銀行間取引など市場から資金を調達する割合が他の銀行に比べて高く、金融市場の混乱による調達コストの上昇に苦しんでいた。(ロンドン 共同)

【用語解説】ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)
 住宅ローンを主力とする組合組織の金融機関が合併して1964年に発足。従業員は約3000人。賃貸目的で不動産を購入する投資家への貸し出しをてこに事業を拡大したが、金融市場の混乱と不動産価格の下落で業績が悪化。2008年1~6月期決算は約1700万ポンド(約33億円)の赤字に転落した。今年7月に総額4億ポンドの資本増強を実施した後も経営不安から株価の下落が続いていた。


---欧州の金融グループ身売りか 経営悪化のフォルティス---
2008年9月28日 21時45分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008092801000716.html

 【ロンドン28日共同】経営が悪化しているベルギー・オランダの金融グループ、フォルティスが、グループ全体を売却する検討に入った。英大手金融グループなどと連合を組み2007年に買収したオランダのABNアムロホールディングを部分売却する可能性もあるという。ロイター通信が地元メディアの報道として28日伝えた。
 フォルティスは、ABNアムロの高額買収が重荷となっており、金融市場の混乱をきっかけに株価が急落。資金繰りが厳しくなったことから抜本的な打開策を迫られたもようだ。
 フォルティスは、欧州中心に50カ国以上で銀行業や保険業を展開。1990年にオランダの大手保険会社と大手貯蓄銀行、ベルギー最大の保険会社が統合して発足した。08年1-6月期決算は、米サブプライム住宅ローン関連の損失処理が響き、前年同期比41%減の16億ユーロ(約2500億円)だった。


---米ワコビア:「身売り」 危機、米大手銀にも 金融安定化法案足踏みで---
毎日新聞 2008年9月28日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080928ddm008020135000c.html

 【ワシントン斉藤信宏】米議会が金融安定化法案をめぐる協議で合意できないまま週末を迎え、米金融危機が深刻さを増している。25日の米貯蓄貸付組合最大手ワシントン・ミューチュアルの破綻(はたん)に続き、26日には株価が急落し資金繰り不安が高まっている米銀行4位ワコビアが米金融大手シティグループなどと「身売り」交渉に入ったと伝えられた。法案協議や合併交渉の行方次第では、大手銀行までが経営危機に直面する恐れも出てきた。
 ワコビアは低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡む損失が膨らみ、08年4~6月期まで2四半期連続で赤字に転落。株価が急落し、一時はモルガン・スタンレーとの統合を模索した。だが、モルガンが三菱UFJフィナンシャル・グループから出資を受けることが決まって統合話は立ち消えになり、26日には株価が前日終値比3・7ドル(約27%)安の10ドルちょうどまで売り込まれた。
 欧米市場では、金融危機の深刻化で資金の出し手がほとんどなくなり、銀行間金利が高止まりする「異常な状態が続いている」(バーナンキ米連邦準備制度理事会議長)。米国の金融安定化法案成立が週明けにずれ込めば、市場の緊張は一段と強まる。ワコビアの合併交渉も法案成立を前提にしたものと見られ、議会での協議の行方次第では経営破綻が現実味を帯びる可能性もある。

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