2008年11月23日

2008年日米規制改革要望書

2008年日米規制改革要望書が公開された。
変わらない内容が多い。
情報番組では米国の社会保障がよく比較されるが、多くの国民が満足に
ご飯を食べらない社会制度を持つ共和党政府に同様の制度を強制されたく
ないものだ。
オバマになったら、どのようになるのだろうか。


---日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく(仮訳)---
日本国政府への米国政府要望書
2008年10 月15日
http://tokyo.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-translations.html

「規制改革および競争政策イニシアティブ」(規制改革イニシアティブ)は、日米2国間の経済貿易関係を一層強化するとともに、経済成長を刺激する改革を推進するための重要な役割を引き続き果たしている。この点から、米国は成長促進を目的とした有意義な改革への取り組みを日本が続けることを期待する。
米国は、今回8年目となる規制改革イニシアティブの要望書で、新たに進展が見込める分野について概説している。こうした進展は、例えば、貿易や経済活動に対する不必要に負担が重い障壁の撤廃や簡素化に寄与し、規制プロセスの透明性を高めること等でビジネス環境を改善し、競争の促進を通じて、また消費者のニーズに応えるために新しい市場を創出することを通じて、新たなビジネス機会を刺激することになるであろう。
米国は、通信、情報技術、知的財産、医療機器・医薬品、競争政策、商法および司法制度、透明性、公社の民営化、流通、農業などの分野で、上記の目標に即した新たな措置を日本が取るよう幅広い提言を行っている。
日米が提出した要望書は、これから数カ月にわたって、電気通信、情報技術、医療機器・医薬品、分野横断的問題の4つの作業部会、ならびに別途取り行われる上級会合で議論される。この作業の結果実現した進展は、その後、同イニシアティブの年次報告書に盛り込まれる。
米国政府は、本要望書の提言について引き続き建設的な協議を期待するとともに、同イニシアティブの下、日本国政府からの提言を受理することを歓迎する。

詳論
通信
I. 新規技術に対する公平な市場機会の確保
総務省が規制当局者であると同時に産業政策推進機関であるという制度的構造によって、日本の電気通信市場における消費者と事業者の選択肢は引き続き制約されている。規制機能を完全に独立した政府機関に移行し、特定事業者に対する政府保有を放棄しないのであれば、中立性の確保に向けた追加的な手続き上のセーフガード措置、つまり、透明性を高め、周波数帯の有効利用を促し、技術的中立性の原則を採用する措置を講ずることで総務省は恩恵を受けることができるだろう。
I-A. 政策立案や電気通信規制の改定過程における透明性および客観性の向上に向け、米国は日本に対して以下を提言する。
I-A-1. 国内外を問わずいかなる利害関係者も、総務省の研究会・懇談会等への参加において差別されることがないよう、参加の選考過程を開かれたものとし、また、その選考が客観的かつ透明な基準に基づいて行われることを確保する。
I-A-2. 研究会・懇談会等の具体的提言から利益を得る可能性のあるの委員の金銭的・商業的利益を十分に特定することを確保する。
I-A-3. 総務省に提言を行う研究会・懇談会等が取り扱う課題に関心を寄せるすべての利害関係者が、その課題に関する提言や解決策を提供する機会を持てるようにする。
I-A-4. 研究会・懇談会等に寄せられた提言のすべてが、その真価によって十分考慮されることを確保し、当該研究会・懇談会等の委員との関係を理由として、また提言を行う事業体に政府が利害関係を有することに基づき、特定の提言を優先することのないようにする。
I-A-5. 研究会・懇談会等が新規技術の実験を行う際に、周波数帯や実験施設へのアクセスなどを通して、実験の参加に関して特定の事業体に対して不当な優遇措置が取られないことを確保する。
I-B. 新規技術やサービスに対する総務省の適応能力を高めるため、以下の事項を提言する。
I-B-1. 「在庫」となっている周波数を特定するための基準策定に向け、既存事業者の未使用周波数帯や、パーソナル・デジタル・セルラーといった旧式の技術を採用している周波数帯の情報を分析し、その内容を公開するとともに、未使用周波数帯を解消するための措置を講じる。
I-B-2. いかなる利害関係者も、総務省に対し規則の立案、採用、改正、廃止を正式に請願できるようにするとともに、総務省が研究会・懇談会等の関与を経ずにそのような請願に対する措置を講じる、透明で開かれた手続きを整備する。
I-B-3. 総務省や総務省関連機関が、4G等の特定の技術を認定する標準化作業に関わる際には、特にITUなどの場で、総務省がその標準を国際的に提唱する場合には、そのプロセスを十分かつ開かれた意見招請手続きの対象とする。
I-B-4. 特定の周波数帯に関して、規制当局者が特定の技術に基づいて申請事業者を審査する必要がないよう、仮にその導入が限定された形であったとしても、オークションの導入の実現可能性を再考する。
I-B.-5. 混信が問題とならない限り、事業者が新規の免許を受けることなく、特定の周波数帯で新たな技術を採用できるようサービス規則の改正を検討する。これには、本来、音声やデータサービス用に指定された周波数帯におけるモバイルTVなどの映像伝送サービスの利用や、FDDバンド用の周波数帯においてTDD技術の利用を可能とすることを含む。
I-C. 次世代ネットワーク(NGN)
I-C-1. NTT東西によって設定される、NTT東西ネットワークとの接続に必要なインターフェースにかかるすべてのネットワーク要件が、すべての利害関係者が完全な参加の機会を与えられる、開かれた透明な方法で設定されることを確保する(つまり、NTTが主催する共同開発するプログラムに参加の機会を得ていない会社を差別しない)。
I-C-2. NTT東西のNGNの敷設に向けた新しいネットワークの設計が、接続事業者に補足装置への投資を義務付ける独自仕様のソリューションを最小限に抑えるものとなるようにする。
I-C-3. NTT東西が十分詳細なネットワークの変更案を前もって告知し、競合する事業者が独自のネットワークに必要な変更を加えるのに充分な時間的猶予を与える。

II. 支配的事業者に対する競争セーフガード措置の強化
総務省は、NTTおよびその関連会社の構造の根本的な変更を再び検討するため、その方針や手続きの整備を開始するところである。米国は、日本が、その手続きを介して決定した事項が、新規市場参入者や機器製造者に競争機会を保障する措置を十分に講じていること、また、その手続きがNTTからの不当な影響を受けず開放的かつ非差別的な方法で進められることを確保するよう提言する。
II-A. 固定接続:現行の長期増分費用(LRIC)モデルの有効期限が2008年度末に切れることを踏まえ、また変化しつつある市場において競争的環境を確保するために、以下を提言する。
II-A-1. LRICモデルが日本の接続料を国際的に遜色のないレベルにまで十分に引き下げたかどうかを再評価する。
II-A-2. NTT東西各々が、日本のWTO義務に従い、それぞれの地域のコストの違いを考慮した上で、コストに基づく接続料金を設定することを義務付ける。
II-A-3. 接続料収入がNTT東西間の内部相互補助の財源として使用されないようにする。
II-B. 移動体接続 移動通信網への着信に関して、以下を提言する。
II-B-1. 移動体着信料金の水準が、日本の法律に沿い、効率的な経営の下、コスト志向の原則に基づいた価格に設定されているか否かを評価する調査を開始し、その結果を時宜を得た形で公表する。
II-B-2. 移動体事業分野におけるNTTドコモの支配的立場を分析し、また、全移動体事業者が下位市場において移動体着信料金に対してどの程度の市場力を発揮しているのか分析する。

III. 融合サービスおよびインターネット対応サービスに係る規制の枠組みの構築
技術の急速な発展により、消費者がIPテレビなどの新たな方法でコンテンツにアクセスすることが可能になっている。規制に対する日本の姿勢は、イノベーションを促進するほど柔軟である必要があるが、市場支配的事業者によって、市場の競争が歪められないようにする必要もある。融合サービスに対する新たな規則が透明かつ非差別的な方法で整備されることが重要である。具体的には、米国は、日本に対し以下を提言する。
III-A. IPテレビ等の融合サービスに対する新たな規則の必要性を評価し、放送事業者が不当に競争を阻害していないか分析するための開放的で透明な手続きを提供する。
III-B. 消費者のインターネットアクセスに関して、ISPや電気通信事業者が、P2Pを含む特定のプロトコルの利用を基に利用者を恣意的に差別することがないよう確保することについて、総務省の意志と権限を明確にし、この問題に関する業界の行動規範を見直す。

IV. 国際協力の推進
「ネットワークの外部性」という名の下に、国際通信に対して追加料金を課すWTO加盟国の貿易政策の影響に対応するため、価値観を共有する加盟国との協力基盤を構築する。
V. その他
規制面での意思決定における中立性を確保するための手続きおよび要件を引き続き強化する。


情報技術
I. 医療IT
米国は日本が以下の事項を通して、医療の質と効率性を高めるITの採用を促進するよう奨励する。
I-A. 医療のIT化のための行動計画である「グランドデザイン」を、透明、かつ技術中立性や相互運用性を促進する形で実施する。
I-B. 電子アーカイブや電子カルテ、内蔵型技術および遠隔技術(遠隔医療)といった革新的な情報共有技術の利用に対し報酬を与えるなど、包括的な診療報酬制度を整備する。
I-C. 開放的かつ相互運用性のある形で革新的な医療ITの実験および標準化を行う機会を提供するプロジェクトを推進する。
I-D. 幅広い適格ITベンダーが、医療ITシステムを開発・紹介する政府支援プロジェクトに参加することを引き続き奨励する。
I-E. 医療のIT化がもたらす便益に関して政府と産業界の開かれた対話を奨励し、医療のIT化に係る提案、政策、規制について、在日米国商工会議所などの国際的な業界団体を含む利害関係者が意見を表明する意義ある機会を提供する。
I-F. HL7やDICOMといった診療記録や電子カルテの国際的標準との整合性を図るとともに、開放的で実用的な相互運用性が促進されるよう、標準を十分に検証し、その有効性を確認する。

II. IT関連の金融改革
金融庁とその「金融改革プログラム」は、インターネット取引の重要性、ITの戦略的活用を通じて日本に活力と競争力のある金融サービス分野を構築するという意欲、国際的な開放性、視点、整合性の大切さ、そして、日本の消費者に優れた選択肢、利便性、競争的価格を提供するために金融商品とサービスを多様化するという目標に重点を置いてきた。こうした目標を達成するために、以下の提言をする。
II-A. オンライン決済、モバイル決済、電子決済の領域において、銀行以外の異業者が決済サービスを提供することを可能にするよう規制を改正あるいは制定する。
II-B. 金融取引におけるITの活用の拡大に当たり、民間部門が中心的役割を果たすことを再確認する。e-バンキング、電子的資金決済や支払い、オンライン金融取引、その他のオンライン関連の金融活動に係る法律や規制を策定する際には、技術提供者を含むすべての利害関係者が意見を表明することのできる有意義な機会の提供を通じて、政府と民間が緊密に協働することを確保する。
II-C. 国内および国境を越えたオンラインの金融取引を推進するため、上記の法律や規制はすべて国際慣行と整合性を持つようにする。
II-D. 金融庁はIT戦略本部や関係省庁と緊密に連携し、ITに関連した金融改革が日本のその他のITおよび電子商取引に係る規制や政策と整合し、民間部門に予見可能性を提供することを確保する。

III. 政府のIT調達改革
以下の事項を通して、政府のIT調達における公平性や透明性を高め競争を促進するよう、米国は日本に提言する。
III-A 透明性の向上 以下の措置を講じてIT調達の透明性を高める。
III-A-1. 「情報システムに係る政府調達の基本指針」(基本指針)を確実に順守する。2008年11月までに、基本指針の順守および実施状況の評価報告書を公表する。当該報告書の作成に当たり、ひとつの情報資源として、基本指針の実施状況に係る内閣官房の年次追跡調査を使用する。
III-A-2. 2009年3月までに、各情報システム調達に関し、各府省庁が、入札告示や調達計画およびその詳細などの情報を、入札告示から1週間以内に日本政府の情報システム調達に関するオンライン・データベースに提供することを義務付ける。この情報を日本政府のウェブサイトで公開し、データベースを毎週更新する。
III-A-3. 客観的な評価を推進し確保するため、幅広い専門家から成る評価委員会を設置し、すべての主要な情報システム調達が公平、透明、かつ非差別的な競争のもとに行われることを確保する。
III-B. 日本版バイ・ドール制度の適用拡大 すべての府省庁が2009年までに2007年4月に改正された産業技術強化法を実施することを義務付けることにより、政府支援プログラムを通じて開発されたソフトウエアに係る知的財産権を請負業者が所有することを可能にする。経済産業省の公表した標準契約書の関連条項を採用し、ベンダーおよび各府省庁の権利と義務を明確化することを、すべての府省庁に義務付ける。
III-C. ベンダーの法的責任の制限 以下の事項を通じて、政府調達取引でITベンダーが負うべき法的責任を、彼らが負うリスクに応じた水準に制限できるようにする。
III-C-1. 政府の情報システム調達契約においてベンダーの法的責任を規定・制限する基本指針の要件を実施する。
III-C-2. 情報システム調達契約における法的責任問題に対処するため、総務省が公表した標準契約書の関連条項を府省庁が利用することを義務付ける。
III-D. 遡及(そきゅう)の禁止 落札者の決定後、速やかに契約を結び、契約日の遡及を禁止する基本指針の要件を実施する。遡及に関する苦情は総務省内の指定窓口に照会できることを一般国民に周知し、また、その窓口が受け取った苦情を関連の府省庁に引き継ぐことを推奨する。
III-E. 競争入札の拡大 中央政府に適用されている競争入札規則を、独立行政法人や政府支援の民間企業にも適用する。
III-F. 契約内容の明確化 最終的な契約に調達の詳細と落札者の提案を盛り込むことで、契約内容を明確化する。
III-G. 「ベスト・バリュー」原則の採用 ITの請負業者を選択する際に、「技術的に容認でき低価格」という手法ではなく「ベスト・バリュー」原則を採用することで、政府が調達したサービスの便益を高める。

IV. プライバシー
2007年6月の「個人情報保護に関する取りまとめ」に対する意見の概要(概要)に基づき、国民生活審議会は個人情報保護法の実効性を精査している。同法の各種施行ガイドラインを標準化するために日本は必要な措置を講じるべきであるとした国民生活審議会の提言を受け、内閣府は、2008年4月から、政府内のガイドラインの統合性や一貫性を高めるための議論を始めている。米国は以下の事項を日本に対し提言する。
IV-A. 全省庁を対象とする、明確で、一貫した、予見可能な個人情報保護法のガイドラインを策定し、事業分野の特性に整合させるために必要な場合に限り、これを修正する。
IV-B. 国境を越えたデータの効率的な流れを確保する。
IV-C. 個人情報保護法に対する過剰反応を防ぐため、啓蒙(けいもう)活動を継続する。

V. ITと電子商取引の政策立案
日本経済全体を通してITや電子商取引の利活用を促進し、国際的互換性を確保するために、米国は日本に対して、以下の事項を通して、ITおよび電子商取引に係る規制が透明で柔軟であることを確保するよう奨励する。
V-A. 民間部門の意見の考慮 議論の始めからその実施まで、政策決定のすべての段階において、民間部門の意見を招請し考慮するとともに、政府が任命したすべてのITおよび電子商取引に係る諮問機関への民間部門の参加を促す。少なくとも4週間の意見募集期間を設ける。
V-B. 技術中立性の促進 技術中立性を促す標準を策定する。競争的市場を推進する法律、規則、ガイドラインを実施し、事業者や利用者が、必要とする技術を自ら選択できるよう柔軟性を提供する。
V-C. 規制実施の円滑化 利害関係者が規制の変更に対応できるよう、十分余裕を持って施行日を公表し、最終決定したITおよび電子商取引規制の公表からその施行日の間に妥当な日数を確保する。

VI. 知的財産権の保護とエンフォースメントの強化
日米両国の知的財産権体制を強化することを通じてイノベーションや経済発展をさらに促進するという両国の相互利益のために、米国は以下の提言を日本が採用することを要望する。
VI-A. 著作権侵害に対するエンフォースメントの強化 以下の事項を通して、知的財産権で守られたコンテンツの継続的制作や管理を促進する。
VI-A-1. 日本の著作権法における私的使用の例外が、違法な情報源からのコンテンツのダウンロードには適用されないことを明確にする。
VI-A-2. 侵害者を特定し、侵害者にその責任を課す政策や、オンライン上の侵害に対するエンフォースメントを強化する方策を含め、権利侵害コンテンツの削除に向けた「通知と削除」制度の実効性を高める法律や規制の更新を図る。
VI-A-3. 起訴する際に必要な権利保有者の同意要件を廃止し、警察や検察側が主導して著作権侵害事件を捜査・起訴することを可能にする、より広範な権限を警察や検察に付与することを引き続き検討する。
VI-B. 法の近代化 技術の革新や融合の加速と侵害の増加に対応するため、以下の事項を通して、日本の著作権制度と国際的なベスト・プラクティスとの調和を図る。
VI-B-1. アクセス制御の回避、および権利保有者が採用するアクセス制御やコピー防止機能の回避手段の不正取引に対して、民事および刑事上のすべての救済措置を提供する。
VI-B-2. レコード製作者や実演家に対するものを含む日本の著作権保護期間について、OECD加盟国や主要貿易相手国を含む世界の傾向と整合性を持たせる。
VI-B-3. あらかじめ規定された法的損害賠償の制度を採用することで、侵害に対して抑止的効果を有する救済措置の利用が可能であることを確保する。
VI-C. 著作権保護の制限や例外の提案 およびその他の著作権関連事項の提言 著作権保護に対する新たな権利制限や例外、既存の例外範囲の拡大、そして文化庁の下に置かれた委員会を含む著作権関連の提言を行う委員会が行う、その他の著作権関連の提言に関し、国内外の権利保有者がその議論に貢献し参加できる、有意義で時宜を得た機会を確実に提供する。注目すべき課題は、コンピュータ・プログラムのリバース・エンジニアリング、検索エンジンの侵害に係る法的責任、そして、科学、技術、医療、教育出版に影響を与える例外などであるが、これに限定されない。
VI-D. 特許手続き 以下の措置を講じることにより、ワークシェアリング効率を高め、特許審査手続を簡素化する。
VI-D-1. 繰り延べ審査制度 3年繰り延べ審査の適用を再検討するなど、出願過程の早い段階で、第三者にとって特許権が明確になることを保証する制度を提供する。
VI-D-2. 特許出願審査 審査過程の最も早い段階で、従属クレームを含む、すべての妥当な拒絶理由を特定する手続きを実施する。
VI-D-3. 猶予期間 発明者により、あるいは発明者からもたらされる、発明に係るすべての開示に、12カ月の猶予期間を保証する法律を施行する。
VI-E. その他のイニシアティブ(計画.・取り組み)に係る透明性 デジタル環境下での適用も含め、著作権の適用に影響を与えるイニシアティブ(計画・取り組み)の透明性を維持するため、次の措置を講じる。(1) IT作業部会などの既存の場を利用して、政府間で関連イニチアティブ(計画・取り組み)に関する情報を交換する。(2) 国内外の権利保有者が、知的財産戦略本部、総務省、文化庁、およびその他の政府関係機関における議論に貢献できるよう有意義かつ時宜を得た機会を提供する。

VII. 知的財産権の保護およびエンフォースメントに向けた日米の協力強化
国内および世界各地、特にアジア太平洋地域において、知的財産権の十分な保護およびエンフォースメントに向け、米国と日本の協力を一層強化する。

医療機器・医薬品
Ⅰ. 医療制度の変更への意見提供
米国は、日本政府とその諮問機関に対して、医療制度の変更を導入する前に、可能な限り早い段階で、改革案について米国業界と意見交換を行い、またすべてのレベルでその意見を十分に考慮するよう求める。

Ⅱ. 医療機器および医薬品の価格制度改革ならびに関連事項
米国は、日本に対して、患者の革新的な医療機器および医薬品へのアクセスを改善するような価格制度を実施するために、以下の措置を講じるよう求める。
II-A. 医薬品
II-A-1. 革新的創薬のための官民対話で協議された提案および取り組み事項を実行し、体系的に導入する。
II-A-2. 米国製薬業界の代表を中医協の薬価専門部会の委員に選任する。
II-A-3. 新薬の革新的価値を初期価格に反映させ、特許期間中および独占権期間中はその既存価格を維持しながらジェネリック医薬品の促進を行うことにより、価格算定制度を改革する。
II-A-4. 革新的医薬品の価値を損なう毎年の価格改正を控え、革新的新薬の導入を促進させる。
II-A-5. 市場拡大および効能追加に基づく再算定ルールを廃止し、効能追加の研究への意欲を高め、治療へのアクセスを改善する。
II-A-6. 上方価格調整を行うことが不可能な際には、下方価格調整を課す外国平均価格調整ルールの適応を控えることで、革新的な医薬品の開発を奨励する。
II-A-7. 画期性加算、市場性加算等の加算率を最低限から最高限まで、すべての加算幅において適応する。
II-A-8. 新薬の処方期間を基本的に30日まで延長し、新薬が市場に出回ってから6カ月後に、30日を限度とする処方期間を終了する。特定の安全性に関する懸念により、新薬の処方期間を30日未満とすべき際には、透明で科学的根拠に基づいた方法により決定する。
II-A-9. 病気予防のための医薬品およびワクチンへの保険適応、ならびに「予防」の定義を拡大することにより、予防医療薬およびワクチンの使用を促進する。
II-B. 医療機器
II-B-1. 日本と外国における価格差を大幅に縮小するという目的を果たした外国平均価格参照制度(FAP)を廃止する。FAPルールが置き換えられるまでは、その適応を業界が提出した比較国4カ国のリスト価格およびデータのみを使用し、2006-2008間に対象となった分類以外の機能分類の追加を控え、最大価格引下げルールを維持し、価格引き下げは2年間にわたり段階的に行い、最大価格引下げ25%、FAP率1.5倍を維持する。
II-B-2. 機能分類にグループ分けされる医療機器の特殊な状況を認め、4%の「Rゾーン」を維持する。
II-B-3. 補正加算率の範囲を、類似する医薬品分類に適用された加算率に適合させるよう調整する。薬事規制の要件により主要先進国と比べて著しく高額な費用がかかる新医療機器について、保険償還によるインセンティブを与え、革新的な医療機器の導入を促進する。
II-B-4. C1・C2製品の保険適用時期をを四半期ごとに代わり、毎月とする。C2の保険適用に際しては、暫定的な医師の技術料に代わり、正式な技術料をを提供する。保険償還の対象とならないC2製品については、四半期ごとに正式な技術料を提供する。
II-B-5. 十分に償還されていない医療機器について、企業がどのようにより高額な償還価格を要求できるのか、プロセスを明確にする。
II-B-6. 従来の機器と比べ、より高性能な新医療機器に対して新規の機能分類を引き続き設ける。
II-B-7. 米国業界を含む画像診断業界が、中医協の医療技術評価分科会へ直接意見を述べる機会を提供する。病気やその他健康上の状態の発見と治療の迅速化を可能にする高度かつ侵略性の低い画像診断技術の採用に対しインセンティブを与えることを継続する。
II-B-8. 体外診断薬に関する保険償還に関する事項について米国業界を含む業界と密接に協議する。外来患者向けクイック検査の技術料の引き上げを継続する。
II-C. 血液製剤 高い製造コストを含め、血漿(けっしょう)タンパク製品の特性に基づく血漿タンパク療法の価格算定制度を導入する。

Ⅲ. 医療機器・医薬品の規制改革と関連問題
米国は、日本が薬事規制制度を改革し、ドラッグ・ラグとデバイス・ラグを解消し、患者の革新的な医療機器・医薬品へのアクセスを改善するよう、以下の措置を講じることを求める。
III-A. 医薬品
III-A-1. 米国業界を含む業界と協議し、医薬品の世界同時開発への日本の参加を促進する。
III-A-2. 治験相談の待ち時間短縮のための、医薬品医療機器総合機構(総合機構)の取り組みの継続を奨励する。
III-A-3. 米国業界を含む業界と協力して、優先審査と通常審査を同時に行えるよう審査体制能力を向上させ、質疑応答プロセスを改善し、審査チーム内・審査担当者間の作業の一貫性を高め、審査官の研修を向上させることにより、新薬の審査時間の短縮を図る。
III-A-4. 日本と類似する安全基準を持つ国において既に承認された医薬品について、負担がより少ない審査要件を検討するよう総合機構を奨励する。
III-A-5. 2012年までに、新薬の承認申請に関して厚生労働省の最終承認までの審査期間を2カ月以内に短縮する。
III-A-6. 承認後の変更に関する審査期間を国際的な基準である3カ月に短縮する。
III-A-7. 新薬の薬事規制の改善と平行して、ワクチンの利用の促進および薬事規制を向上する。予防医薬品およびワクチン問題について米国業界と協議する。
III-B. 医療機器
III-B-1. 毎年の審査のパフォーマンス目標を達成し、各審査員が確実に同目標を達成するよう取り組む。パフォーマンスのデータを公開する。米国業界を含む業界との協議において1年に2回、また日米医療機器・医薬品作業部会において毎年、そのパフォーマンスの評価を行う。
III-B-2. 医療機器の迅速な審査のための行動計画に基づき2009年から2013年までの間の各年に医療機器の審査員を増強する。2009年度に審査員を49人まで増加するという総合機構の採用目標を達成する。手続きの改善および効果的な研修を通じ承認審査の効率を向上させる。
III-B-3. 第三者審査の対象医療機器の範囲をクラス2の医療機器へと拡大する。
III-B-4. 薬事承認を必要としない小さな変更、届出のみで可能な変更、また年次報告書への記載で可能な変更を明確にすることにより、一部変更に関する承認を迅速化し、その要件を削減するためのガイダンスを発行する。米国食品医薬品局の慣行と整合する変更については、「リアルタイム審査」手続きを導入する。
III-B-5. 厚生労働省の2008年9月5日付通知に基づき、加速化試験の方法の有効性が科学的に立証されているすべての場合において、医療機器の承認の基準として、加速化安定性試験のデータの受け入れを拡大する。
III-B-6. 一度の審査で科学的および規制的な問題を最も効率的に審査できる場合には、機器の一括申請を許可する。機器または適応症が類似している場合、添付データが類似している場合、および同一の審査チームにおいて審査が可能な場合には、一括申請を許可する。
III-B-7. 申請における原材料記載要件を簡素化し、原材料の化学組成を特定するための要件を通知19より削除する。日本の生物学的同等性試験の要件がISO 10993と十分整合していることを保証する。
III-B-8. 外国の工場について、現行の認定制度に代わり、国際慣行に一致した簡易登録制度を採用する。
III-B-9. 品目ごとの品質管理システム(QMS)調査を廃止し、工場ごとの定期的なQMS調査を採用する。
III-B-10. 審査の一環としての、国立感染症研究所による体外診断薬の事前承認審査を廃止する。治験から保険償還までの間に体外診断薬の使用を認める規定を設ける。

Ⅳ. 血液製剤
患者の命を救う血漿タンパク療法へのアクセスを向上させるために、米国は日本に対し、以下の措置を取ることを求める。
IV-A. 原産国表示を認め、「任意」もしくは「非任意」表示制度を廃止する。
IV-B. 需給計画ならびにその他の措置が血漿タンパク製品の輸入を制限しないよう保証する。
IV-C. 血液製剤の製造や構造の変更の一部変更に関わる承認の迅速化を図り、審査の効率性を向上させる。
IV-D. 米国業界およびその他の利害関係者が規制当局へ有意義な意見を提出する機会を提供するためにコミュニケーションを向上させる。

Ⅴ.栄養補助食品
米国は日本に以下のことを求める。
V-A. 規制分類と表示
V-A-1. 表示が適格ではない製品の欠格事由に関する規定を含む、他の先進諸国の規制枠組みと一致した、原料に特化した健康強調表示を認める新たな規制分類を設ける。
V-A-2. 科学的な危険性評価に基づき、栄養機能食品(FNFC)に含まれる栄養成分のリストと栄養成分量を関係者と協力して透明な方法で見直し、改正する。
V-A-3. 米国業界を含む業界ならびに関係者と協力して、企業にとってより実用的な分類となるよう、特定保健用食品(FOSHU)の承認プロセスの透明性および包括性の向上を模索する。
V-A-4. 「市場開放問題に関する苦情処理推進本部」が勧告したように、国立健康・栄養研究所データベースの情報を消費者に提供する制度を構築・実施するために業界との協議を継続する。
V-B. 健康食品安全規制
V-B-1. 政府主催の研究会や検討会に委員として参加する機会を与える等、健康食品の安全性に関する規制を整備するに当たり、米国業界を含む業界、およびその他の利害関係者が意見を述べる有意義な機会を提供し、透明性を向上する。
V-B-2. 栄養補助食品に使用される新しい原料が医薬原料、食品原料、もしくは食品添加物として分類されるプロセスならびに基準を明確にし、他の先進国のベストプラクティスと比較してプロセスを向上させることを検討する。
V-C. 食品添加物
V-C-1. 食品添加物における新規ならびに変更の申請が、科学的な原則に基づき、透明かつ迅速に完了するよう、国内および国際的な団体を含む既存の科学的審査と評価を最大限活用する。
V-C-2. 安息香酸やソルビン酸等、食品添加物と分類される天然由来の物質の痕跡により、検疫所で止められている貨物の通関手続きに関するプロセスの一貫性を向上させ、体系的に問題に取り組む方法を策定する。
V-D. 輸入問題
V-D-1. 輸入プロセスをより効率的にする方法に関する業界の意見の検討を継続する。
V-D-2. 栄養補助食品の輸入にかかるその他の長期的な懸案事項に取り組む。

Ⅶ. 化粧品および医薬部外品
米国は日本に以下のことを求める。
Ⅶ-A. 医薬部外品 医薬部外品承認プロセスにおける透明性と効率性を向上させるために、以下の措置を講じる。
Ⅶ-A-1. 業界の意見を取り入れた新しい製品基準を導入する。
Ⅶ-A-2. 以前の医薬部外品申請で既に承認されている有効成分および非有効成分リストを定期的に更新し、公表するプロセスを整備する。
Ⅶ-A-3. 他の先進国の規制の枠組みと整合性が取れるよう、非有効成分についての事前承認要件を緩和する。
Ⅶ-B. 宣伝広告および表示 日本の消費者がより詳細な情報を得た上で判断ができるよう、以下の措置を講じる。
Ⅶ-B-1. 化粧品に関して、「乾燥によるシワを目立たなくする」等、科学的データに裏付けされている効能を、現行の承認済みの効能表示の範囲内において追加表示を認める。
Ⅶ-B-2. 医薬部外品および化粧品について、薬事法により規制されている他製品での使用が認められているものなど、科学的データに基づく効能表示の追加を認める。
Ⅶ-C. 透明性および規制手続き 医薬部外品および化粧品の規制制度の透明性と効率性を高めるため、以下の措置を講じる。
Ⅶ-C-1. 米国業界を含む業界と全国医薬品等広告監視協議会(六者協)の参加者との意見交換の機会を、六者協会議の最後もしくは同会議の合間に設ける。
Ⅶ-C-2. 業界と協議し、輸入プロセスを簡素化する方法を策定し、これを早期に実現する。
Ⅶ-C-3. 厚生労働省のウェブサイトを向上させ、消費者や業界がアクセスしやすい場所に医薬部外品および化粧品の規制制度に関する追加情報を含める。

金融サービス
I. 個別措置
米国は日本政府の市場強化プラン、金融規制の質的向上プラン、そして幅広い金融サービスの分野において市場参加者と協働するための相応の取り組みを認めている。米国は、国際金融センターとなるために対策を講じる日本の目標を支持し、日本が以下の措置を講じることにより、金融サービス部門における規制改革の最近の進展を継続させることを求める。
I-A. 大量保有の開示 米国は、5%以上の株式を保有する機関投資家に対する改正開示規則が、事業を支配することを求めずに売買しているポートフォリオ機関投資家に適用されることから、特に、義務付られた報告の回数を減らすこと、(技術的進歩などにより)管理負担を緩和すること、そして機密データや関連した投機的活動の漏出の範囲を減らすことに関して、日本がその見直しをすることを提言する。
I-B. 信用情報機関 米国は、金融サービスのすべての部門を網羅する、消費者や中小企業の包括的な信用情報制度を設け、これを実施することにより、信用情報制度を近代化するための継続的な取り組みを要請する。この目的を達成するためには、包括的なすべての信用情報を収集し、またアクセスを提供することができる有効な規制の枠組みが必要である。そのような制度は、スコアリングのための信用情報の活用や、消費者や企業に信用を供与するためのスコアリングに基づいたリスク管理の活用を促すものとなる。その中には、あらかじめ決めておいた収入ベースの制限を超えて信用を供与する決定も含み、従って健全な信用の引き受けを促し、過剰融資を防ぎ、そして消費者福祉や信用市場の競争力を改善することも含まれる。
I-C. 確定拠出年金 高齢者の収入、労働移動性、投資教育を確保するという観点から、確定拠出年金制度の重要性や改善の価値にかんがみ、米国は、日本が確定拠出年金制度の改善に継続して取り組むことを奨励する。具体的に米国は日本に以下の取り組みを行うよう提言する。(1)確定給付年金の目標金額との間で見込まれる差と年金所得の代替率に基づき、非課税拠出限度額を月6万円まで引き上げる。(2)被雇用者拠出を認める。(3)特別な事由がある場合、60歳前の積立金への早期アクセスを認める。(4)加入者への投資助言サービスを認める。(5)公的部門の職員に確定拠出年金制度を導入する。
I-D. 顧客情報の共有のためのオプトアウト 米国は、現在のファイアウォール規制緩和の下で、企業顧客向けの合理的なオプトアウト制限は、リスク管理、健全な商習慣および管理目的、権限のある上層部経営者、その他の適切な目的のために、関連会社間の幅広い顧客情報を共有することを、今もなお容認すべきであると提案する。企業顧客にオプトアウトする権利を通知する、実践的で効率的な方法を導入する必要がある。
I-E. オンライン金融サービス 米国は、金融庁の市場強化プランを歓迎し、そしてオンライン金融サービス分野の以下の項目について検討することを要請する。
I-E-1. ノンバンクの決済プロバイダーが送金やオンライン決済などの為替取引に携われるようにするための為替取引の定義の修正。
I-E-2. 欧州連合や米国と同様の、オープンループの電子的ストアド・バリュー、もしくは電子マネーを促進するための規制枠組みの明確化。
I-E-3. 為替取引は銀行規制の適用を受け、銀行免許なしで簡単なピア・ツー・ピア決済の提供を禁止していると解釈できることから、プリペイドやストアド・バリューの監視のため国際的なベストプラクティスを検討する。

II. 透明性
II-A. 米国は、民間セクターと対話する金融庁の継続的な努力を認めており、また金融規制の質的向上に関しての定期的な経過報告の公表を評価している。定例化された話し合いは、意見の交換のためのひとつの基礎を提供するが、その一方で、公的な書面による解釈は不確実性を減らし、コンプライアンス(法令順守)を向上させ、金融サービス提供者の生産的イノベーションを可能にする。米国は、金融庁が、以下の取り組みを含め、ノーアクションレター制度やその関連制度など、書面での解釈の効果を継続して高めることを奨励する。
II-A-1. ノーアクションレター制度のさらなる積極的活用を推進するよう金融庁職員を促す。特に金融庁内部では定まっているが、公の解釈が得られない問題について、日本の法をどのように解釈すべきか、口頭でのアドバイスを求める企業にノーアクションレターで要請を受け入れることを示す。
II-A-2. ノーアクションレター制度でカバーされない問題の解釈を利害関係者が求めることを可能にし、既存商品やサービスに関する法律や規則の明確化の要請を含む、法令解釈にかかる書面照会制度をさらに積極的に活用する。具体的に、米国は日本に対し、書面照会制度を使って、金融庁の担当官が口頭で非公式の照会を受けたり、誤解があるかもしれない問題について書面で解釈を提供すること、そしてノーアクションレターの要請を受け入れた、または拒否した両方の事例を公表することを提言する。
II-B. 正式な要請がなくても、日本の金融法の書面での解釈を提供する、その他の手段を確立する。
II-C. 透明で予測可能な規則の解釈や検査過程は、健全な金融市場の発展にとって、また一貫性、イノベーション、そして顧客と投資家の保護の間で適切なバランスを取るために重要なことである。米国は、金融庁が、個々の会社が会社特有の検査経験を開示することに神経質になるかもしれないことを認識して、検査過程に関連した懸念や改善の可能性がある事柄について、外国系金融機関や金融部門の業界団体と協議することを奨励する。

競争政策
I. 独占禁止法(独禁法)の順守および抑止力の改善
I-A. ハードコアカルテルに対する処分を強化する。 ハードコアカルテルに対する抑止力を高めるために、以下の独禁法改正を要望する。
I-A-1. カルテルおよび談合行為に対する課徴金算定の基礎となる基準を、少なくともその謀議において主導的役割を担った企業については、違法行為に帰する売上高の最低15%に引き上げる。
I-A-2. 最後に違反行為を行った日から3年間という現在の排除措置命令および課徴金納付命令の除斥適用期間を5年に延長する。
I-A-3. 独禁法第89条における違反行為に対する懲役期間を最長3年から5年に延長し、かつ除斥適用期間も5年に延長する。
I-A-4. 課徴金減免申請者が過半数を有するすべての企業と、妥当な場合には申請者の親会社が、共同で課徴金減免申請ができ、同じ優先順位が与えられることを保証する。
I-B. 競争的単独行為の意図しない抑止を最小限にする。 競争的単独行為の過剰抑止を最小限にするために、以下のことを要望する。
I-B-1. 不公正な取引方法および排除型私的独占を、課徴金の賦課を通してではなく、排除措置命令や民事損害賠償を通して矯正する現行制度を維持する。
I-B-2. 仮に日本がそれでも一定の不公正な取引方法または排除型私的独占への課徴金の拡大を決定する場合は、以下のことを保証すること要望する。
I-B-2-a. その行為が明らかに反競争的であること、またその行為を独禁法または公正取引委員会(公取委)の執行ガイドラインで十分詳細に説明して、特定の行為に従事した場合には課徴金の対象となることを企業が事前に分かるようにしておくこと。
I-B-2-b. その行為に適用される課徴金額は、とりわけ(a)企業が抱えていたかもしれない合法的単独行為と違法な反競争的行為の判別の難しさ、(b)違反行為の重大さ、および規模、ならびに(c)消費者福祉への被害の程度、などの要因を考慮した柔軟な方法で公取委が決定すること。
I-C. 独禁法適用除外を廃止する。 消費者利益のために日本経済における競争をさらに促進するために、以下のことを要望する。
I-C-1. 国際航空分野における独禁法適用除外を廃止するための法案を次期通常国会へ提出することを視野に入れ、国土交通省(国交省)が設置した「国際航空に関する独占禁止法適用除外制度のあり方に関する懇談会」によって行われている、国際航空分野における航空会社の独禁法適用除外制度の見直しを2008年度末までに終える。
I-C-2. 国際海運において既存の独禁法適用除外を続ける継続的必要性があるか、あるいはそれよりも限定的なものにすべきかについての国交省での検討を2008年度末までに終える。
I-D. 企業結合の事前届出手続きを改善する。
I-D-1. 独禁法上の株式取得事後報告義務を廃止し、企業結合および株式取得が、事前届出義務の目的上は、原則として同じものとして扱われる制度を採用する。
I-D-2. 他の先進国で採用されている基準と整合性を保つという見地から、提案された事前結合届出基準の改正を再考する。
I-E. 公取委の経済分析能力を強化する。 産業組織学で大学院の学位を持つ経済学者を採用し、このような職員を公取委の調査において活用することに優先的に取り組むとともに、独禁法の執行を担当する公取委のすべての部署を支援するために公取委内に経済分析課を設置することの妥当性を検討する。

II. 公取委の行政および審査手続きの公平性および透明性の改善
II-A. 審判手続きの信頼性および透明性を高める。 国民および産業界に対して公取委による審判手続きが公平であり、偏見のないものであることを保証するために、以下のことを要望する。
II-A-1. 公取委の調査および執行手続きにおいて、被審人に公取委の意思決定および上訴過程における手続きの公平性が与えられることを保証するために、次期通常国会への法案提出または2009年中に他の必要な措置を講じることを視野に入れ、事後審査型審判制度の全体的な見直しを2008年度末までに終える。
II-A-2. 2008年度末までに公取委の審判規則を以下のように改正する。
II-A-2-a. 各審判において審判団のうち最低1人の審判官は公取委のキャリア官僚でない法曹資格者であることを要件とし、審判決定が公平であるとの信頼を国民に与えるその他の適切な措置を実施する。
II-A-2-b. 被審人またはその審判手続きにより影響を受けるその他の個人あるいは法人と関係のある者、特定案件の結果に金銭的利害関係を有する者、またはその他の利益相反関係を有する者を審判官として不適格とする等、特定案件について利益相反する者が同案件において審判官を務めることを防止する。
II-B. 公取委における審査手続きの公平性を向上させる。 公取委の審査手続きが、一般的に受け入れられた、基本的な手続きの公平性の概念に従って行われるとの信頼を産業界に与えるために、以下のことを要望する。
II-B-1. 対日投資有識者会議が提言したように、手続きの公平性の見地から公取委の審査手続きの見直しを行い、優れた国際的な慣行に照らして公取委における手続きの公平性の改善にどのような措置が必要かについての報告書を2009年中に発行する。見直しにおいては、とりわけ以下に関する政策の検討を行うことを保証する。
II-B-1-a. 行政および犯則調査での捜索および押収は、特定の審査に合理的に関係のある証拠に限ることを保証する手続き。
II-B-1-b. 捜索ならびに押収の対象となった企業は、捜索および押収後、その事務所から押収されたすべての証拠を閲覧および/または謄写する権利。
II-B-1-c. さまざまな審査手続きに弁護士の同席が認められるべき範囲。
II-B-1-d. 公取委から与えられた証拠を翻訳する必要性を考慮し、公取委から命令の事前通知を受けた外国籍被審人が、公取委が使用する予定の被審人に不利となる証拠を精査するための十分な時間の提供。
II-B-2. 特定案件において手続きの公平性を規定した規則が完全には順守されなかった際の苦情を処理する機関を公取委内に2009年中に設置する。
II-B-3. 警告の実施および警告を受けた者の氏名の公表について基本的な公平性を保証するために、公取委の行政審査手続きに関する規則を2009年3月までに改正する。
II-B-4. 適用法の下で公取委が秘密扱いすべきであり、したがって公取委がその漏洩を防ぐべき法的助言の提供に関する弁護士と依頼人間のやりとりが含まれた資料を確認する規則および手続きを導入する。
II-B-5. 事件記録に含まれる企業の秘密情報への第三者によるアクセスを公取委が制限できるようにするための独禁法改正、および民事の損害賠償や差し止め命令訴訟の原告に提供される証拠にはそれらの情報が含まれないことの保証等により、公取委が所持する企業の秘密情報を保護する手続きを強化する。

III. 談合への対応
III-A. 調達における利益相反を防止する。 政府入札における談合の助長に寄与する可能性のある中央および地方政府職員の利益相反の排除を目的とする法律ならびにその他の規則を強化する。
III-B. 官製談合を排除する取り組みを改善する。 官製談合の事例を摘発する追加措置を含め、官製談合を排除するための日本の取り組みの効果を高める措置を2008年度末までに実施する。
III-C. 行政措置減免制度を拡大する。 公取委の課徴金減免制度の適用が認められた企業に対する入札指名停止期間を大幅または相応に短縮する行政措置減免制度を、すべての中央および地方政府機関が採用するよう推進する。
III-D. 調達慣行を改善する。
III-D-1. 中央政府省庁、公益法人ならびに地方自治体による、契約発注のための総合評価入札制度の採用を拡大する。
III-D-2. 一般競争入札制度の拡大、電子入札制度の設置、ならびに談合事件を含む入札慣行に関する苦情を受け付ける窓口の設置等、地方政府が公共工事の適切な入札および契約を推進するための対策を講じることを奨励するインセンティブを付与する。

商法および司法制度改革
Ⅰ.国境を越えたM&Aの推進
I-A. 対日投資有識者会議による提言の実施 2008年5月20日に経済財政諮問会議に提出された対日投資有識者会議の提言に基づき、以下の措置を2009年6月までに完了し公表する等、日本における国境を越えたM&A活動を促進するための強固な措置を発表する。
I-A-1. 日本では三角合併手法が海外投資家に多く用いられない理由の分析。
I-A-2. 以下の点を確保することを目的とした、国境を越えたM&A活動の増加を阻害している可能性のあるM&Aに関連する既存の税制および法制度の体系的な見直し。
I-A-2-a. そうした規則およびその他の法規制の予見可能性ならびに使いやすさ。
I-A-2-b. たとえば以下ようなの取引に関して、課税回避防止の必要性と整合性が取れた、国境を越えたM&A取引に対する課税繰り延べ措置についての合理的な適格基準が利用できること。(i)現金取引における対象会社の利得評価を含む三角合併、(ii)逆三角合併、(iii)対象会社の実質的にすべての資産を取得し、実質的に全債務を引き受ける目的で外国親会社の株式を用いる「株式と資産の交換」。
I-A-3. 日本における国境を越えたM&A活動の増加を奨励し円滑にするために、規則やその他の法制度条件をどのように改善すべきかについての提言。
I-B. 課税繰り延べM&A取引に関する合理的な適格基準の導入 上述の見直しの結論および提言に基づき、日本における国境を越えたM&A活動の推進に必要および適切と判断された改正項目を、日本政府の2010年度の税制改正案に加える。
I-C. 買収防衛策における株主利益の保護
I-C-1. 買収防衛策の導入に関する適切な企業活動について企業価値研究会の結論および提言を産業界に広めるとともに、その結論および提言を実施するための教育を日本企業に対して提供する。
I-C-2. 経営者が株主利益の立場から買収提案の魅力について責任ある判断を下す義務があるという企業価値研究会の結論に従い、当該企業が受けた買収提案を検討し、それに対する意見や提言を提供する、非取締役で構成される社外委員会ではなく、独立取締役によって構成される委員会を設立するとともに、そうした意見や提言、また該当する場合はそれらの意見や提言が取締役会で採用されなかった理由を、改正公開買付制度で提出が義務付けられた意見表明報告書に盛り込むことを取締役会に義務付ける、または善管注意義務不履行の責任の限定のような効果的なインセンティブを提供する。
I-C-3. 企業が株式持ち合いを行う際に、開示義務や会計基準の必要に応じた改正などを通じ、株主利益が十分に保護されることを確保するための適切な措置を講じる。
I-C-4. 買収防衛策を問題のある方法で導入または発動することにより、株主利益が損なわれることがないようにするため、例えば(a)買収防衛策の導入および実際の運用に関するより強力な開示規則や、(b)買収防衛策に関する企業価値研究会提言の取引所規則への採用、および証券取引所による上場企業の買収防衛策案の審査、といったより強固な措置を2009年初めまでに講じるよう証券取引所に促す。
I-D. 簡易な日本法人化手続きの導入 外国企業が日本企業と合併または日本法人に転換するための簡易な手続きを利用できるようにする実行可能な解決策について、2009年3月までに検討し結論を出す。

II.優れたコーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化
II-A. 社外取締役の独立性の確保 公開企業の社外取締役または社外監査役選任要件を独立取締役または独立監査役選任要件に置き換える会社法改正案を2009年末までに提出する。この改正には、既存の「社外取締役」の定義で除外された条件に加え、以下の者も除外する「独立取締役」(および「独立監査役」)の定義を含める。
II-A-1. 以下を含む、当該企業と「重要な関係」にあった者。(i)当該企業と重要な取引があった者、または当該企業と重要な取引関係にあった別の企業の従業員、(ii)当該企業と重要な取引があった者を直近の親族に有する者、または当該企業と重要な取引関係がある企業の役員を直近の親族に有する者、(iii)当該企業の親会社の従業員、役員または監査役。
II-A-2. 当該企業と重要な関係を持たないと取締役会が断定的に判断しなかった者。
II-B. 独立取締役により構成される委員会に一定の意思決定権を委託する権限の付与 取締役は委員会の適切な設置およびその活動・成果の監督に関する善管注意義務を免除されるものではないという明確な規定のもと、独立取締役のみにより構成される委員会に一定の意思決定権を委託するための明示的権限を取締役会に付与するよう、会社法を改正する。
II-C. コーポレートガバナンスを強化するための広範な措置の実施 コーポレートガバナンスを強化するため、2009年3月までに以下を含む広範な措置を講じることで、金融庁の「金融・資本市場競争力強化プラン」を実施する。
II-C-1. 外国産業界、機関投資家および関係者の意見の招請・検討や、この目的達成のために必要な立法上およびその他の措置を特定した報告書の公表などによる、上場企業のコーポレートガバナンス強化の視点からの、既存の法制度に対する広範な検証を完了する。
II-C-2. 内部統制報告制度の実施に関する検討を完了させるとともに、企業内部統制基準を改正または明確化するための措置を実施する。
II-C-3. 各証券取引所の規則およびガイドラインのコーポレートガバナンス規定を拡充・強化するための措置に関するロードマップを2008年末までに作成することで、上場企業のコーポレートガバナンスを改善するようすべての証券取引所に促すとともに、それらの措置を2009年6月までに実施する。
II-D. 少数株主の十分な保護の確保
II-D-1. 以下の事例に関する義務に対応した、取締役および支配株主に対する明確な善管注意義務を確立するため、会社法およびその他必要な法令を改正する。(i)支配株主と企業間の取引を含む自己取引、(ii)少数株主のスクイーズ・アウト、(iii)企業機会の私物化。
II-D-2. 少数株主が取締役会またはその他の株主の行動により不当に不利益を被ることがないことを確保する最善の国際的慣習に従い、上場規則およびその他の自主規制の効果を強化するため、このような規則の改正を含む包括的な措置を2009年3月までに策定・実施するよう、証券取引所に促す。特に、以下の項目に関して規制強化を行うよう証券取引所に促す。
II-D-2-a. 不適切な新株発行、支配権の移動を生じさせ得る第三者割当、株式併合およびその他の手続きを通じた、既存株主の価値・議決権の希釈化。
II-D-2-b. 単独の支配株主を持つ上場企業に関する場合等、少数株主の利益を代表する十分な人数の独立取締役の選任。
II-E. 活発かつ適切な議決権代理行使の促進
II-E-1. 機関投資家およびその他の投資家の円滑な議決権代理行使を促進するため、政府の法規制または日本の証券取引所規則を通じて、すべての上場企業が以下の取り組みを行うことを義務付ける措置、またはそのための効果的インセンティブを提供するための措置を実施する。
II-E-1-a. 電子投票制度へ参加する。
II-E-1-b. 株主総会召集通知、および委任状資料を含む議決権行使のための参考書類が、遅くても当該総会の3週間から4週間前に株主に提供されることを確保する。
II-E-1-c. 取締役の再任を含め、年次株主総会または臨時株主総会において投票された各決議について、賛成および反対票、ならびに棄権の数を含めた議決権代理行使のすべての結果を株主に開示する。
II-E-2. 年金基金の資産運用管理者および投資運用者が、各々の投資勘定の受益者の利益のために、また受益者のためだけに議決権代理行使を行う受託者責任を認識し履行することを確保するよう、厚生労働省および金融庁を通じ、措置を講じる。
II-E-3. 金融庁の規則または関連する監督団体の規定を通じて、投資運用者、および多数の受益者のために投資を管理するその他の運用管理者が、少なくとも自身の株主および最終受益者に対して、投資している各公開企業の株主総会における決議ごとに、投票を行ったかどうか、行った場合は賛成か反対か、または棄権したかについて等、実際の代理行使記録を開示することを義務付ける。

Ⅲ.司法制度改革の実現
III-A. 日本における国際的な法務サービス提供の促進
III-A-1. 支店を設置する資格など、日本で登録している外国法事務弁護士(外弁)が日本の弁護士の専門職法人と同じ根拠に基づき、同じ利益を享受できる専門職法人を設立することを容認する法案を、次期通常国会に提出する。また、非法人の外弁と弁護士の間で認められているパートナーシップ関係と同等の弁護士法人を個々の弁護士が設立するしないにかかわらず、外弁が弁護士とのパートナーシップを構築または維持するための専門職法人を設立する自由を確保する。
III-A-2. 外国ローファームならびに日本にいるその弁護士および外弁パートナーを含むすべての弁護士事務所が、専門職法人の設立にかかわらず、日本国内に複数の支店を設立することを認める。
III-A-3. 弁護士がインターナショナル・リーガル・パートナーシップのメンバーになることの法的な意義について、インターナショナル・リーガル・パートナーシップの実際の実務に関する調査を含めた法務省による検討を2009年3月までに完了する。また、単独か、他の弁護士もしくは外弁とのパートナーシップを通じてかにかかわらず、日本の弁護士が日本国外で弁護士の国際パートナーシップのメンバーになることに対して、法的あるいは弁護士会の規則上の障害は存在しないということを明確にするための措置を講じる。
III-A-4. 日本以外の法律に準拠するすべての仲裁を含め、日本で行われるすべての国際裁判外紛争解決(ADR)手続きにおいて、外弁が主宰者として活動すること、また当事者を代理することができることについて、法的確実性を高めるための適切な措置を講じることができるかどうかに関する法務省の調査を2009年3月までに完了する。また2009年中にそのような措置を実施するための措置を講じる。
III-A-5. 日本弁護士連合会および各地の弁護士会が、原則として法務省に対する原出願日から3カ月以内かつ法務省による承認日から2カ月以内に、外弁の新規登録請求を承認するよう確保する。
III-A-6. 日本で外国弁護士が弁護士または外弁の下で働いた経験が、外弁登録における3年間の職務経験要件に全面的に算入されるよう、外弁登録における3年間の職務経験要件に今も適用されている地理的制限を撤廃する。
III-B. 営業秘密盗用の刑事訴追の促進 営業秘密盗用の被害者が、犯罪者に対する刑事訴訟において検察官と協力することを促すため、営業秘密を公開すると見込まれる証人が傍聴人不在の状況で審問されることを許可し、その上で公開の法廷でその営業秘密を守る証言の概要を提供することで、営業秘密盗用の刑事裁判において営業秘密の内容が公開されないことを確保する新たな手続きを導入する。

透明性
I. 政策策定における民意の反映-審議会等
政策および規制問題について意見を述べたり提言を行う審議会およびその他の政府が諮問した勉強会や研究会等の開放性および透明性を保証するために、日本がさらなる方策を講じることは依然として極めて重要である。米国は、日本が1999年4月の閣議決定の中で概説している審議会についての一般的指針を、すべての審議会および委員会等の設置や運営における予見可能な透明性の基準を設定するといった具体的要件をもって補足することを引き続き求め、以下のことを要望する。
I-A. 審議会または委員会等に関する公的にアクセス可能な情報を強化するために、関係省庁に対して以下のことを義務付ける。
I-A-1. 審議会または委員会等の設置計画の告知ならびにそれらの設置過程に関する情報を公表する。
I-A-2. 日本のすべての審議会または委員会等とそれらの委員名が一元化された公的にアクセス可能な電子一覧表には、政府が任命したすべての審議会または委員会等が含まれることを保証する。
I-A-3. 原則として、審議会または委員会等の会議の詳細な議事録および会議資料を公開する。
I-B. 審議会または委員会等の審議および提言に意見を反映させる機会を利害関係者に与えるために、関係省庁に対して以下のことを義務付ける。
I-B-1. すべての利害関係者が、そのような審議会または委員会等へ参加する意義のある機会を、適切な範囲内において最大限得ることを保証する。
I-B-2. 利害関係者が議論の準備をした上で出席できるように、審議会または委員会等の会議の前に十分な事前公告を行う。
I-C. 上記の措置に加え、米国は、日本が2009年末までに、審議会または委員会等の透明性を改善するベストプラクティスの指針を一元的に作成し、すべての日本の省庁によるこうしたベストプラクティスの採用を積極的に推進することを引き続き要望する。

II. パブリックコメント
日本がパブリックコメント手続き(PCP)を履行する際、米国は、日本が行政手続法の影響を監視し、同制度の有効性を高めるための新たな方策を講じることを強く奨励する。
II-A. 現在のPCP制度を改善するために、米国は日本に対して以下のことを要望する。
II-A-1. 利害関係者が問題を分析し、意見を準備するための十分な時間を与えるために、可能な限り早い時期に規制案を公表する。
II-A-2. 十分なパブリックコメントの期間(最短30日、原則60日)を与え、それよりも短い期間にしなければならない緊急の必要性がある場合は、文書による明確な説明を提供する。
II-A-3. 省庁が意見を十分に検討し、提出された意見に対して適時に意義のある方法で回答することに加え、適切な場合はそれらを最終的な規制に盛り込む十分な時間を与えることを保証する。
II-B. 米国は、日本政府が引き続きPCPの履行調査を行い、履行についての指針を発布することを要望する。それに加えて、PCPに関する行政手続法の改正の有効性の徹底的な評価に着手し、その評価結果を公表し、さらにはその調査の一環として国民が制度に対する提案の機会を与えることも要望する。
II-C. 日本の省庁は、PCP制度上正式には義務付けられていない報告書案、法案、ならびに他の同様の資料をパブリックコメントに付すために、時折自発的に公開してきた。米国は、透明性を高めるためのそのような積極的方策が講じられる場合には、いつでもこれを歓迎し、日本の省庁が可能な限りそのような慣行を継続することを奨励する。

III. 規制および規制執行における透明性
民間部門が政府の規制解釈を含む規制の情報、および規制を順守し続けるために必要な情報を得ることを保証するために、米国は、日本が省庁に対して、各省庁の規制および政策に関するすべての声明、またはそれらの規制について一般的に適用される解釈の公表を義務付けることを要望する。

IV. 政府機能の再編における透明性の推進
提案された消費者保護に関する政府機能の再編において、省庁の役割および義務の予見可能性、有効性、ならびに完全な明確化が完全に確保されることを保証することで、消費者保護の向上という目標を支援するために、全過程を通じて透明性を確保する、以下のような方策を講じる。
IV-A. 結論を出す前に、意義のある国民からの提案および意見を聞くために、法案、規制案ならびに規則策定手続きの他の側面を可能な限り公開する。
IV-B. 新たな組織の設立および機能に関係する審議会または委員会等の手続きが完全に透明であるようにし、これを公開して意義のある国民からの提案を受け付けることを保証する。

V. 日本の法律の外国語翻訳
米国は、日本が最も関心の高い自国の法律を英語に翻訳する事業を継続し、その事業を進めるにあたり外国産業界との密接な協議を継続することを奨励する。

その他の政府慣行
I. 農業に関連した政府慣行
米国は、日本が農産物貿易において国際的義務を十分に満たしていること、またすべての農産物・食品の輸入制度において科学知見に基づいた国際基準を採用することを期待する。この点において、米国は、日本が貿易環境の効率性と農産物関連規則や規制の透明性を高めるに当たって必要とされるあらゆる追加的措置を取ることを提言する。それには次の事項が含まれる。
I-A. すべての緩和措置が、貿易を極力制限しないものであること、輸入産品に対して内国民待遇を与えるものであること、国際慣行に従っていることを確かなものとする最大残留農薬基準(MRL)制度を実施する。
I-B. 有機農産物貿易を促進するという目標の下、有機農産物に使用される生産資材の安全性を評価するに当たり、また、現行の残留農薬政策を修正するに当たり、科学知見に基づいた基準を適用する。
I-C. FAO/WHO合同食品添加物専門家会議によって安全と認められており、かつ世界各国で使用されている46種類の食品添加物の審査を完了する。現段階で、24種類の食品添加物の審査が終了していない。
I-D. 公的防除およびリスク分析に関する国際植物防疫条約基準に基づいた病虫害分類と調和する植物検疫制度実施を目指し、すでに行われている2国間協議および取り組みを完了する。
I-E. 収穫前・収穫後の使用形態に対して単一のMRL基準を実施することにより、ポスト・ハーベスト農薬を食品添加物と見なさないことで、特定の農薬に対する収穫前・収穫後MRL検査の日本の実施計画に国際的慣行を適用する。

II. 風力プロジェクト
風力発電タワーの建設にかかる規制・監督を、ひとつの規制当局に統合する。

III. 規制改革特別区域(特区)
米国は、日本が特区制度を一層拡大し、可能な限り全国どこにでも特区措置を展開することを要望する。

IV. 領事関連
IV-A. 再入国許可証 米国は、再入国許可証を1年以上の特に長期の渡航に限り義務付けられるものとするよう、移民規制を変更するための措置を日本が講じることを奨励する。
IV-B. 外国人家政婦のための特定活動査証 日本在住の米国人は、企業役員が個人的に雇用する家政婦のための特別活動査証の発給に非合理な規制があると不満を訴えている。米国は日本に対し、日本在住の外国人コミュニティーにこのような懸念が存在することを考慮し、可能な場合には状況を改善するための改善策を見つけるよう要望する。

V. 共済
米国は日本に対して、共済制度による保険提供の仕組みを改善する手段を講じるよう提言する。共済は日本の保険市場において相当な市場シェアを有しており、金融庁によって規制を受ける民間保険提供者と直接競合しているにもかかわらず、金融庁所管の保険提供者に義務付けられている規制措置の多くを回避している。共済の規制環境を改善することは、健全で透明性のある規制環境の確保につながり、消費者および日本の保険市場にとってメリットとなる。
V-A. 少額短期保険業者(SASTIP)制度の実施から5年以内(2011年4月まで)に、改正保険業法に規定されている通り、金融庁が確実にSASTIP制度を見直す。本制度の効果的な見直しに資するため、見直しに当たっては、関連する情報を提供し、外国保険会社を含む保険会社およびその他の関係者が参加する有意義な機会を与えるべきである。このような共済は、金融庁に認可された保険会社と直接競争関係にあるという点において、保険業法の下、保険会社として規制されるべきで、金融庁の所管する保険提供者と同様に取り扱われるべきである。そのほかの無認可共済については、保険業法の対象とすべきかを判断するため、金融庁が監視すべきである。
V-B. 金融庁以外のさまざまな所管省庁によって規制されている共済(制度共済)に関して、民間保険サービス提供者に対する金融庁の監督基準に準拠しているかを判定するため、規制と監督の一貫性を評価する。そのような評価は、利害関係者が有意義に意見を表明し交換できる透明な形で、近いうちに行われるべきである。
V-C. さまざまな省庁に規制されている共済について、次の事項を義務付けることによって、対等な競争条件の整備を確実にする。(1)民間競合者と同じ税金を支払うこと、(2)破綻が起きた際に契約者を保護するためのセーフティーネットへ資金を拠出すること、(3)準備金積立規制を含め、金融庁に規制されている保険会社に適用されるのと同じ規則と規制が適用されること、(4)金融庁の監督下に置かれること。

VI. 保険の窓口販売
2007年9月、金融庁は銀行の保険販売手法に関する弊害防止措置ついて、「深刻な法令違反はない」との結論に至り、2007年12月22日に銀行の窓販チャネルの全面自由化を実施した。それに応じて、米国は、日本が速やかに第1分野および第3分野商品の販売規制および顧客データの取り扱い(保険業法施行規則第212条を含む)を含めた市場行為規制の見直しを行い、銀行窓販チャネルの有効性が制限されたり顧客の利便性が妨げられたりしないことを確実にするよう求める。金融庁はこのような見直しを3年以内に行うことを約束しているが、情勢はより速やかな見直しを求めている。市場行為規制のさらなる改正は、顧客の選択肢の拡大を促し、消費者利益を最大化する。これは、金融競争力の増強という目標を達成するための鍵であるとともに、消費者の商品へのアクセス拡大と、外資系その他の金融サービス提供者の市場へのアクセス拡大を確保するための鍵でもある。

VII. 保険契約者保護機構(PPC)
米国は、現行制度が失効する前に、より効率的で持続可能なセーフティーネット制度を確立する手助けとなるよう、生命保険と損害保険のPPCを改善する以下のような措置を日本が講じることを求める。
VII-A. 事後拠出方式へ移行することにより、柔軟な手法を利用して、市場ベースの解決策を奨励するインセンティブを強化すると同時に、金融システムの健全性と信頼性を確保するためにPPCを利用するような措置を講じる。
VII-B. PPCへ資金拠出することによる「制度共済」のためのセーフティーネットの整備を検討する。日本の保険市場において保有契約の大きなシェアを占めている「制度共済」は、金融庁に規制されている保険会社と違い、PPCへの拠出を義務付けられていない。
VII-C. 外国保険会社を含む民間の利害関係者に対し、PPCの見直しに関する情報とともに、金融庁の関連する審議会においてプレゼンテーションを行うなど、意見を表明し交換する有意義で時宜を得た機会を提供するとの日本の約束を、引き続き守る。

VIII. 外国保険会社の事業の日本法人化
米国は、日本において支店方式で営業を行っている外国保険会社が日本法人に事業を移行したいと希望した場合、保険契約者および債権者を保護する一方で事業の継続性を維持するような途切れのない形での移行が可能となるよう、日本が措置を講じることを提言する。具体的には、保険業法の包括移転規定および業務譲渡規定を次のように改正する。
VIII-A. 保険契約販売停止規定を廃止する、またはこれに例外規定を設けることにより、「即日」組織変更を認める制度を新設する。
VIII-B. すべての債権者に対する情報開示、公告およびみなし承認についての法定手続きを整備する。
VIII-C. 金融庁の認可と債権者の承認を受けた取引において、譲受会社が、譲渡会社のすべての資産と債務を承継することを認める。
VIII-D. 金融庁による譲渡取引審査において、譲受会社が譲渡完了後に譲渡前と同一の健全な条件と取引方法を履行できると証明することを条件に、許認可の「みなし免許」を認める。

IX. 独立代理店
米国は、直販の場合には(課税)対象とならない独立代理店と金融機関の間の取引に対する課税の影響を軽減する措置を講じるなど、保険商品の第三者販売チャネルの競争力を強化するための新たな措置を、日本が検討するよう求める。

民営化
I. 郵政民営化
米国は、日本が郵政民営化を実施するに当たってさまざまな努力を続けていることを認識しており、市場原理や透明性との整合性を確保するためのすべての取り組みを歓迎する。民営化のプロセスが続く中、米国は日本に対して、郵政民営化法と整合性が取れるよう、日本郵政グループ各社と民間会社との間の対等な競争条件の確保のために必要なあらゆる措置を引き続き講じるよう求める。
I-A. 郵便貯金と郵便保険の対等な競争条件 2007年10月より、日本郵政グループ会社は民営化のプロセスを開始し、これをもってゆうちょ銀行とかんぽ生命は政府保証付き商品の提供を停止すること、民間企業と同じ納税義務、法制上の義務および規制義務を満たすこと、また同じ監督および開示基準の適用を受けることが義務付けられている。郵政民営化法と整合性が取れるよう、日本郵政グループ会社と民間企業との間の競争条件の対等化を図るため、米国は日本に対して次の手段を講じるよう求める。
I-A-1. 金融庁が、他の市場参加者と同等に内国民待遇原則に従い、民間企業と同じ方法で郵政金融機関を適切に規制できるよう、金融庁の通常の監督部門職員から十分な要員およびその他の資源が提供されるよう確保する。
I-A-2. 郵便局会社とゆうちょ銀行、かんぽ生命との間の関係が、民間会社に適用される規則や規制と整合性が取れるよう、公平かつ商業ベースの方法で築かれることを確保するための措置を講じる。
I-A-3. 民営化前の旧勘定および旧契約と、2007年10月1日以降に成約した新勘定および新契約との完全な分離と財務情報の開示を行い、また、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(公社承継法人)と新しい郵政金融機関の間で内部相互補助を行うことのないよう、預金と再保険にかかわる契約が商業ベースであることを引き続き確保する。
I-A-4. かんぽ生命とゆうちょ銀行の実際の販売方法を注意深く監視し、2007年10月1日以降の契約に政府保証があるかのように偽って伝えることがないようにするとともに、郵政金融機関が政府との関係を利用して市場の競争相手より優位な地位を獲得するようなことがないようにする。
I-A-5. 公正取引委員会は、適切な場合には、民営化プロセスが自由な競争と競争政策の効果的な実施を促すような方法で進められるよう引き続き保証する。
I-B. 競争条件と新商品の導入 郵政金融機関と民間の金融機関の間に対等な競争条件を整備することは、民営化プロセスにおいて要となる部分である。対等な競争条件は、効率的な市場を促進し、日本の金融サービス産業の競争力向上に寄与する。
I-B-1. 米国は日本に対して、かんぽ生命による新たな、または変更された保険商品の導入、ならびにゆうちょ銀行による新たな貸付業務および他の金融商品の元売りなどが郵政金融機関に認可される前に、郵政金融機関と民間金融機関の間に対等な競争条件が確保されるよう引き続き求める。
I-B-2. 米国は、民営化プロセスおよびその実施が、日本の世界貿易機関(WTO)上の義務、特にサービスの貿易に関する一般協定(GATS)の内国民待遇原則と相反しないことを引き続き確保するよう、日本に求める。
I-C. エクスプレス貨物サービスの公正な競争 米国は日本に対し、郵政民営化法第2条にある「対等な競争条件」を現在政府所有の郵便事業会社と民間のエクスプレス貨物輸送会社の間に確保するために、以下の措置を講じることを求める。
I-C-1. 民間のエクスプレス貨物輸送業者に適用されているものと同等の通関手続きを、郵便事業会社が取り扱う貨物に適用する。具体的には、以下の措置を取る。
I-C-1-a. EMSで送るすべての貨物に対し、現在日本の規則により適用されている「賦課課税」方式ではなく、通関情報処理システム(NACCS)の使用を含む「申告納税」方式を適用する。
I-C-1-b. すべてのEMS貨物に同等の措置を講じることができるまで、2009年3月31日までに発効する予定になっている、20万円以上の国際郵便物に課される「申告納税」方式の導入が、 次の条件を満たすような形で実施されるようにする。(i) 民間の事業者が輸送する国際郵便物と同種なものに対して適用されるものと同等の取り扱いをする。 (ii) 申告金額にかかわらずすべてのEMSにこの方式を適用するようできるだけ促す。
I-C-2. 民間会社に課されているものと同じ基準で事業別に情報を開示することを義務付ける等、EMSを含む郵便事業会社の事業間および他の日本郵政グループ各社との間で内部相互補助が発生しないことを示すに足る、日本郵政株式会社とその子会社との間の取引を含む郵便事業会社の事業に関する情報を開示するために必要なあらゆる措置を講じる。
I-C-3. 例えば、十分な専門性と中立性のあるしかるべき機関が、実際にアームズ・レングスの関係が存在することを独自に検証し、結論を下すことができるように、コストや事業情報を提供する等により、郵政民営化委員会の提言に沿い、郵便事業会社がアームズ・レングス・ルールに基づいた取引を行うことを確実にする。郵政民営化委員会の提言に沿う措置を監視する際の郵政民営化委員会の役割を明確にする。
I-C-4. すべての民間会社に郵便ネットワークへアクセスする平等な機会を確実に提供する。
I-C-5. 日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画で承認されていて、さらなる承認申請や調査審議の必要性はないと考えられる場合は、郵便事業会社が民間会社と競合して行うことが可能な新規事業の範囲を明確に公表する。
I-D. 透明性 米国は、これらの改革が完全に透明な形で実施されることを確保するため、金融サービスとエクスプレス便サービス分野における競争環境に影響がある事項も含めた最終決定がなされる前に、利害関係者の意見が考慮される十分な機会を提供するなど、日本が必要なすべての措置を講じることを求める。米国は日本に対して、具体的に以下の措置を取るよう求める。
I-D-1. 民間企業に影響を及ぼす可能性のある郵政改革について、民間の利害関係者に日本政府の関係職員と意見交換をする有意義で時宜を得た機会を提供する。
I-D-2. 郵政改革にかかわる事項について整備される規則、ガイドライン、政令その他の命令、およびその他の措置の素案について、パブリックコメント手続き、ならびにその他の手段によって一般の意見を求める。また、提出された意見が十分に考慮され、適切であれば、措置案が最終決定される前にその意見を反映させることを保証する。
I-D-3. 郵政民営化委員会を含め、日本政府が招集する委員会またはその構成要素が、民間部門に影響を及ぼす可能性のある問題について議論を行う際、米国系企業を含む民間の利害関係者が積極的に貢献する有意義な機会が提供されるよう確保する。さらに、日本は、郵政民営化の進捗状況について郵政民営化委員会が2009年3月までに取りまとめる3年ごとの見直しが包括的であること、そしてこの見直しが、銀行、保険、エクスプレス便市場における改革の影響および新しい日本郵政グループ会社と民間会社との間の対等な競争条件に関することを含め、利害関係者が意見を述べる機会を含むことを確保するべきである。
I-D-4. 政府が招集する関連の諮問機関における審議資料や議事録など、郵政改革の計画と実施に関する情報を、ウェブサイトへの掲載や記者会見、その他の手段で、引き続き適時一般に公開することを確保する。

流通
I. 空港着陸料および使用料
2005年に成田国際空港株式会社(NAA)と国際航空運送協会(IATA)は成田国際空港における空港着陸料およびその他使用料の引き下げについての議論を行ったが、NAAは航空機の騒音レベルに応じた空港着陸料の計算方式を導入し、空港着陸料およびその他使用料の大幅な引き下げには同意しなかった。その上、いくつかの引き下げはそれ以外の増額により相殺された。ビジネスおよび観光を取り巻く日本の環境を改善し、経済に活気をもたらすために、以下の要望をする。
I-A. 2009年3月31日に期限が切れる現在の業界との覚書(MOU)を更新する際、NAAは直ちに成田国際空港の空港着陸料および使用料の引き下げを行う。
I-B. 日本の国際空港の空港着陸料の計算方式を有意義なパブリックコメントに付す。
I-C. すべての空港の空港着陸料の計算式を、国内便・国際便のいずれについても透明にする。国際民間航空機関(ICAO)の提言に基づき、空港着陸料およびその他の使用料は空港滑走路と施設の使用に関するコストに直結するべきである。
II. 通関処理の効率向上
米国は、日本政府が認可事業者制度(AEO)を構築したことを歓迎する。これに関し、米国は、日本がコンプライアンスに優れた通関業者に以下の措置を適用することを提案する。
II-A. 事後の輸出申告 成田国際空港で時間制限がある中、25万円以下の物品について通関業者が事後申告を行えるようにし、迅速で円滑な輸出手続きを促す。
II-B. 申告のための通関事務所の選択の自由 通関情報処理センター(NACCS)を利用する通関業者に対し、貨物の仕向地への配送をより迅速に行うことができるようにするために、通関事務所の担当区域に限定されず、利便性のよい通関事務所でエクスプレス貨物の申告を行うことを認める。
III. 認可事業者制度(AEO)輸出者に対する消費税免除措置
AEO輸出者の通関はその敷地内で行われ、貨物は“国際貨物”として取り扱われるにもかかわらず、その敷地から空港への輸送の際に5%の税金が課される。そのため、輸出者は消費税の還付を受けるのための別の手続きを行わなければいけない。より円滑な貨物の流れのために、米国は、AEO輸出者が通関後の貨物に対する消費税の支払いを免除される制度を日本が構築するよう提言する。
IV. 免税輸入限度額
米国は日本に対し、現在1万円という低いレベルにある免税輸入限度額を最低でもその2倍に引き上げることを強く求める。この変更により、税関にとってもエクスプレス業者にとっても仕事量が減り、通関手続きに要する時間が短縮することになる。