2009年12月6日日曜日

沖縄密約証言の波及

沖縄返還交渉での密約証言が波及しそうだ。
 藤井裕久財務相は、沖縄返還に絡み、返還費用の一部を日本が肩代わり
する密約が日米間で結ばれていたとされる問題で、財務省の関連文書の
存在について「外務省がいろんな努力をするのと同じような努力は致して
参りたい」と述べ、調査する考えを示した。

沖縄返還に絡み、密約文書の開示を求めた訴訟で吉野文六元が証人として
出廷。密約文書の署名を「私のイニシャルです」と証言した。
返還協定で定めた米側への支出金三億二千万ドルを超える日本側負担の
密約は「詳しい内容は覚えていない」とした。

日本政府の否定してきた一つ密約は、元役人によって崩された。
しかし、政府は否定を続けると思う。日本政府よりも米国政府の方が
日本国民にとって信頼できる政府とは皮肉なものだ。


---財務省も密約文書調査へ 沖縄返還交渉---
2009年12月4日12時38分
http://www.asahi.com/politics/update/1204/TKY200912040276.html

 藤井裕久財務相は4日の閣議後の記者会見で、沖縄返還に絡み、返還費用の一部を日本が肩代わりする密約が日米間で結ばれていたとされる問題で、財務省の関連文書の存在について「外務省がいろんな努力をするのと同じような努力は致して参りたい」と述べ、調査する考えを示した。記者の質問に答えた。
 財務省は沖縄返還交渉に関する文書については「保存されていない」との立場をとってきた。藤井氏の発言は、岡田克也外相の指示で始まった外務省の密約調査に財務省も協力することで、鳩山政権として密約問題の全容解明に乗り出す姿勢を示したものだ。
 ただ、藤井氏は「文書の保存期間30年を過ぎており、保存していないと思う。当時の大臣や財務官も故人になられており、難しい点がある」とも話した。調査の結果、当時の日米間のやりとりがどこまで表に出てくるかは不透明だ。
 これまで、米国で開示された機密文書から、返還協定で定められた対米補償費3億2千万ドルとは別に、日本側が約2億ドル(当時の為替レートで約720億円)相当の物品や役務を提供することなどを秘密裏に合意していたことも明らかになっている。
 この合意の交渉を担ったのが大蔵省財務官だった柏木雄介氏とケネディ米財務長官の特別補佐官だったアンソニー・ジューリック氏とされ、現在係争中の沖縄返還の密約文書の開示を求めた情報公開訴訟でも焦点の一つになっている。財務省の調査の結果、この会談記録が出てくるかが注目される。(磯貝秀俊、倉重奈苗)


---法廷で沖縄密約証言 元外務省局長---
2009年12月2日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009120202000089.html

 一九七二年の沖縄返還に絡み、日米両政府が交わしたとされる密約文書の開示を求めた訴訟の口頭弁論が一日、東京地裁(杉原則彦裁判長)であり、当時の交渉担当者だった吉野文六元外務省アメリカ局長(91)が証人として出廷。吉野氏は、米側が保管する密約文書の署名を「私のイニシャルです」と証言し、日本政府が否定してきた密約の存在を法廷で初めて認めた。 
 元政府高官が、外交上の密約の存在や背景を法廷で証言したのは極めて異例。鳩山政権下で外務省が進める核持ち込みなど日米間の密約に関する調査にも影響しそうだ。
 吉野氏が存在を認めたのは、米軍用地の原状回復補償費四百万ドルを日本が肩代わりする合意文書と、米短波放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」中継局の移設費千六百万ドルを日本が負担する合意文書の二つ。
 二つの密約を示す米側公文書への署名について、原状回復補償費関連の文書にある「BY」のイニシャルを含め「米駐日公使が持ってきて、自分が局長室で署名した。事務官がコピーを取ったと思う」と証言した。
 密約の背景については「(ベトナム戦争などに伴う)米国の財政事情が悪く、日本政府に金銭を払うのが非常に困難だった。『(対米貿易で)ぼろもうけしている日本に金を払う必要はあるのか』との米議会内の声が聞こえる状況だった」と述べた。
 返還協定で定めた米側への支出金三億二千万ドルを超える日本側負担の密約は「詳しい内容は覚えていない」とした。
 吉野氏は七二年十二月、原告の一人で元毎日新聞記者西山太吉氏(78)が訴追された外務省機密漏えい事件の公判で検察側証人として密約を否定。二〇〇六年に報道機関に密約の存在を認めた。


---沖縄密約「文書に署名した」 元外務省局長、法廷で証言---
2009年12月2日1時2分
http://www.asahi.com/politics/update/1202/TKY200912010530.html

 1972年の沖縄返還の際に日米が交わしたとされる「密約文書」をめぐる情報公開訴訟で、返還交渉の責任者だった元外務省アメリカ局長の吉野文六氏(91)が1日、東京地裁(杉原則彦裁判長)に証人として出廷した。外務省の局長室で密約文書に署名したと証言。文書の内容については、当時の愛知揆一外相ら外務省幹部も「知っていたはずだ」と語った。
 交渉の当事者が密約の存在を公的に認めたのは初めて。法廷での証言後に記者会見した吉野氏は、密約の存在について「(政府は)もう認めるべきだ」と語った。
 外務省は現在、岡田克也外相の指示で(1)60年安保改定時の核持ち込み(2)朝鮮半島有事の戦闘作戦行動(3)72年の沖縄返還時の核持ち込み(4)沖縄返還時の原状回復費の肩代わり――の四つの密約の検証を進めており、来年1月に報告書を公表する予定。訴訟は、作家の澤地久枝さんら25人が原告となって今年3月に提訴し、(4)についての文書公開を求めている。
 吉野氏は法廷で、日本が米側に3億2千万ドルを支払うと沖縄返還協定に記されていることについて、この総額が積算根拠のない「つかみ金だった」と説明。そのうえで、協定では米側が「自発的支払いを行う」とされた土地の原状回復費400万ドルについて、本来は日本側が負担する必要がないのに、この総額の中に含まれ、日本が肩代わりする密約があったことを認めた。
 また、沖縄にあったラジオ放送「アメリカの声(VOA)」の中継局の国外移転費1600万ドルについても総額に含まれていたと明言。こちらも日本が秘密裏に負担する密約があったと認めた。
 吉野氏は、密約を記した米公文書が相次いで公開されたため、「いつまでも秘匿できないという心境になった」と話した。
 国側はこれまで法廷で「文書は保有していない」と繰り返してきたが、外務省の調査を受けて、この日は一転して密約の存否や文書の有無などについての認否を留保。「調査を踏まえて主張、立証を考えたい」と説明した。(川端俊一、谷津憲郎)


---日米密約:「存在」法廷で初証言 外務省元局長---
毎日新聞 2009年12月1日 20時54分(最終更新 12月2日 9時46分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091202k0000m010074000c.html?link_id=RSH04

 沖縄返還(72年)の日米交渉をめぐる密約文書を開示するよう西山太吉・元毎日新聞記者(78)ら25人が政府に求めた情報公開訴訟の口頭弁論が1日、東京地裁(杉原則彦裁判長)であった。対米交渉に当たった吉野文六・元外務省アメリカ局長(91)=横浜市在住=が原告側証人として出廷し、「米側と(密約を示す)文書を取り交わした」と密約の存在を証言した。一方、密約を否定している国は、一転して認否を留保する書面を裁判所に提出した。
 吉野氏は報道機関に密約を認めていたが、法廷での証言は初めて。
 西山氏らが開示を求めているのは▽本来、米国が支払うべき旧軍用地の原状回復費(400万ドル)▽海外向け短波放送「VOA(ボイス・オブ・アメリカ)」の施設移転費(1600万ドル)--などについて、日本が肩代わりすることを示す3件の公文書。米公文書館では開示されている。
 吉野氏は「沖縄返還交渉にかかわり、リチャード・スナイダー駐日公使(当時)が作成した(密約を示す)文書に署名した」と証言。文書に署名されたイニシャル「BY」について「私が外務省局長室で署名した。写しを取り、外務省に保管していたはず」と指摘した。
 米国の費用を日本が肩代わりする経緯について「(ベトナム戦争で)米の財政事情が非常に悪くなった。米議会には日本に金を支払う必要があるのか。もう少し返さなくても良いのではないかという状況になりつつあった」と説明。日本の事情については裁判所に提出した陳述書で「(当時の)佐藤(栄作)首相が沖縄は無償で返ってくると発言していたので日本が支払うことも難しかった」と指摘した。
 また、密約の存在を認めた理由について、尋問の中で吉野氏は「米では公表されており、秘匿はできないという心境に入った。(秘密交渉の内容も)30年、25年か分からないが、一定の時間がたてば公表する制度を採用してほしい」と語った。
 国側はこれまで「最終的な合意文書ではない」としてきたが、今年9月に岡田克也外相が調査を指示し、吉野氏の法廷での証言を認めていた。【臺宏士】

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