2010年4月13日火曜日

沖縄密約開示命令

沖縄密約で開示命令判決となった。
 東京地裁で判決があった沖縄返還に伴う密約文書の開示請求訴訟。
39年前に密約の存在を報じた元毎日新聞記者の西山太吉さんは、全面勝訴
の判決に「超完全勝利。一種の情報革命が起きた」と喜びを隠さなかった。

地裁判決では「十分な探索を行ったと言うことはできない」と指摘。
密約の関連文書の一部は破棄された疑いもあり、今後、国会審議などで
文書管理のずさんさが追及される可能性がある。

日米行政協定で、日本に駐留する米兵らの犯罪について、米側に実質的に
裁判権を譲るとした日米間の「秘密合意」が存在したことが、外務省の
調査で明らかになった。
外務省有識者委員会の委員は、「外務省の他の文書などから、この日米
申合せは、60年の安保改定時も引き継がれたと理解している」と指摘。

地裁判決の「十分な探索を行ったと言うことはできない」と言うが、
見つからないと言う説明は、

・いつまで、保存されていたのか
・いつから、見つからなくなったのか、誰が管理していたのか

と言うことまで説明しろという意味なのだろうか。

外交機密は公開できないと言うが、放射能汚染が起きた場合、原因を
隠すことになり、うそをうそで固める結果となる。だから、政府は
信用できないと言うことになる。隠すことが、役人体質となれば、
米国のように核を含む軍事関係に対して多くの疑惑が持たれ、マス
メディアとは異なる団体が多く発生し、道徳が変わり、政府は悪で
悪と戦うことが正義となる。異質な団体が正義を唱え、反政府運動
が過熱し、水戸黄門を見せても違和感を感じる人が減ることになる。

核持込み黙認


---日米密約:岡田外相、横須賀市長に謝罪 「市民に不安、申し訳ない」 /神奈川---
毎日新聞 2010年4月11日 地方版
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20100411ddlk14010123000c.html

 「横須賀市民の皆さんには不安感を抱かせ申し訳ない」--。10日、横須賀市役所に吉田雄人市長を訪れ、米核搭載艦の寄港・通過と非核三原則の形骸(けいがい)化実態について謝罪した岡田克也外相。外相から非核三原則堅持と現時点で今後の寄港はないとする判断を伝えられた市長は「謝罪に加え、基地負担への感謝の言葉があり、政府の判断を信じたい」と述べた。【田中義宏、吉永康朗】
 外相は会談冒頭の謝罪後、「オバマ政権の核態勢見直し(NPR)について説明したい」と切り出し、市長は「基地の街として負担を抱え、市民も密約問題で不安を抱えている」と応じ、非公開の会談は約15分間行われた。
 終了後、市長は「外相は今後の入港はないと判断したと明確に言われた」と述べ、根拠にオバマ政権の政策転換などを挙げていたと説明した。
 また先月16日に(1)今後、核搭載艦が寄港しないとの確認(2)非核三原則の順守--を求めた市側の照会に対する回答文書も外相から手渡され、市の負担軽減や住民の不安解消にも配慮する考えが外相から示されたという。
 一方、外務省調査報告書が核搭載艦の領海通過や寄港を事前協議の対象とするかで日米間に「不一致」があったとした点を、市長が「認識の違いをどうするか」とただすと、外相は「修正はしない」と回答したという。
 会談後、外相は横須賀海軍施設で原子力空母ジョージ・ワシントンを視察。その後、記者団に同艦の整備作業で生じる低レベル廃棄物の処理については日本に陸揚げしないなど安全対策の説明を受けたと述べ、近く同市に報告するとした。


---「米兵裁判権を放棄」日米の秘密合意明らかに---
2010年4月10日14時31分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100410-OYT1T00474.htm

 日米地位協定の前身にあたる日米行政協定で、日本に駐留する米兵らの犯罪について、米側に実質的に裁判権を譲るとした日米間の「秘密合意」が存在したことが10日、外務省の調査で明らかになった。
 日米行政協定では、米兵らの公務外の犯罪は日本に裁判権があると規定していたが、研究者らが米国の公文書で秘密合意の存在を発見、指摘してきた。日本側でこの点が判明したのは初めて。
 文書は、1958年10月4日に当時の岸信介首相、藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使らが日米安全保障条約の改定交渉をした際の「会談録」。外務省が昨年、日米間の核持ち込みなどの「密約」に関して調査した際に見つかった。
 この中で、マッカーサー大使は、日米行政協定の改定をめぐって開かれた53年10月28日の日米合同委員会の議事録に、米兵の公務外での犯罪について、「日本側は裁判権の行使を譲る」と記録されていることを指摘。大使は「公にして差し支えないなら、甚だ好都合である」と日本側に公表するよう求めたが、日本側が応じなかった経緯が記録されている。この結果、裁判権の放棄は、秘密合意のまま維持されたとみられる。
 駐留米兵の犯罪をめぐる裁判権の所在は、駐留国の主権にかかわる問題ととらえられてきた。韓国でも朝鮮戦争後、裁判権を米軍が事実上握り、米側に有利な状態が続いたことで国民の不満が高まった。
 在日米軍をめぐっては、国際問題研究者の新原昭治氏が2008年、米国の国立公文書館で、日本側が日米合同委員会で「日本に著しく重要と考える事件以外では、裁判権を行使するつもりがない」との見解を示した文書を発見した。今回の文書はこれに符合する。
 日米間の「密約」を検証した外務省有識者委員会の坂元一哉阪大教授は、「外務省の他の文書などから、この日米申し合わせは、60年の安保改定時も引き継がれたと理解している」と指摘し、60年に発効した日米地位協定下でも適用された、との見方を示す。現在は米兵が日本で起訴される例はあるが、「法務省の統計上、米兵の起訴率は同じ犯罪での日本人の起訴率より低い」との分析がある。


---「沖縄」密約開示命令、西山さん「超完全勝利」---
2010年4月10日09時20分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100410-OYT1T00061.htm

「密約」の存在は、司法でも明確に認められた。
 9日、東京地裁で判決があった沖縄返還に伴う密約文書の開示請求訴訟。原告の一人で、39年前に密約の存在を報じた元毎日新聞記者の西山太吉さん(78)は、全面勝訴の判決に「超完全勝利。一種の情報革命が起きた」と喜びを隠さなかった。
 沖縄返還に伴う密約問題について、西山さんは1971年、その存在を示す文書を入手して報道。しかし、外務省女性職員に秘密漏示をそそのかしたとして国家公務員法違反に問われ、78年、最高裁で有罪判決が確定した。この事件で同社を退社、「天職」と感じていた新聞記者の道を絶たれた。
 「主権者である国民と国との裁判。私個人の裁判ではない」。今回の裁判をそう位置づけた西山さんは、密約の存在を否定する国側の姿勢に、当初、「難攻不落」と厚い壁を感じていたという。
 西山さんは判決後、東京・千代田区で開かれた記者会見で、「情報公開法がありながら、国は法の精神に逆行するように情報を隠し続けてきた。裁判所はその姿勢を断罪した」と判決を評価。さらに、「想像できないことが目の前で起きた。夢を見ているんじゃないか」と笑顔で語った。
 一方、外務省側は反発している。
 外務省は昨年9~11月、岡田外相の指示を受けて密約の関連文書を調べた。その結果、原状回復補償費400万ドルの肩代わりを示すものとして米国で見つかった文書は発見されなかった。しかし、判決では外務省の内部調査について、「十分な探索を行ったと言うことはできない」と指摘された。
 外相は9日の記者会見で「外務省に(文書が)ないことは明確だ」と不満をあらわにしたが、密約の関連文書の一部は破棄された疑いもあり、今後、国会審議などで文書管理のずさんさが追及される可能性がある。
 ◆沖縄返還に伴う密約…沖縄返還協定に伴い、米国が支払うことになっていた土地の原状回復費を日本が肩代わりするとした秘密合意。米公文書で存在が確認されたが、政府は密約は存在しないとの見解を維持。外務省有識者委員会は「広義の密約」と指摘した。


---沖縄密約認め開示命令 元記者ら全面勝訴---
2010年4月10日 07時15分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010041090071119.html

 一九七二年の沖縄返還に絡み、日米両政府が交わした密約文書の開示を求めた訴訟の判決が九日、東京地裁であった。杉原則彦裁判長は密約の存在を認め、「外務省と財務省は不開示決定当時に文書を保有していたと認められる」と判断し、両省に文書の開示と総額二百五十万円の損害賠償を命じた。
 密約をめぐっては外務、財務両省が今年三月、一部について「広義の密約」とほぼ認めた上で「文書は存在しない」との調査結果を公表していたが、判決は密約を明確に認め、文書が存在しないことを証明する外務省などの調査が不十分だとした。
 原告は元毎日新聞記者の西山太吉氏(78)ら二十五人。
 岡田克也外相は判決を受け、「控訴の可能性は排除できない」と述べた。
 判決理由で杉原裁判長は、米国立公文書館で見つかった米側公文書について「国民に知らせないまま、米軍用地の原状回復補償費などを負担することを米国と合意したことを示すもの。国民に内容を秘匿する必要があった」とし、密約の存在を認めた。
 日本側の文書が存在するかどうかについては、文書に署名し、写しをとったとする吉野文六元外務省アメリカ局長(91)の証言などから、外務省などが過去に文書を保有していたと認定。文書は「第一級の歴史的価値を有し、極めて重要性が高い」と位置付けた。
 さらに慰謝料については「原告らが求めていたのは文書の内容ではなく、密約を否定し続けてきた政府の姿勢の変更であり、知る権利の実現。外務省はこの期待を裏切った」として、原告一人につき十万円の支払いを認めた。
 国側は裁判で、米公文書について「交渉経過を記したにすぎない」とし、日本側の文書について「十分探したが発見できず、〇八年十月の開示請求時には存在しなかった」と主張していた。


---クローズアップ2010:沖縄密約文書、開示命令 解明迫られ国側困惑---
毎日新聞 2010年4月10日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20100410ddn003040023000c.html

 沖縄返還を巡る密約文書の不開示取り消し請求訴訟で国側が全面敗訴した判決は、外務、財務両省に密約文書廃棄問題の実態解明を進めるよう改めて求めた。判決は「(仮に廃棄されていれば)組織的な意思決定がされていると解するほかない」と指摘し、調査を強く促す内容になっている。外務省は6日に「外交文書の欠落問題に関する調査委員会」を設置し、文書廃棄問題の調査に乗り出したが、同調査委で廃棄問題にどれだけ迫れるか大きな課題を背負うことになった。【中澤雄大、坂井隆之】
 「欠落問題の調査が今後、極めて重要になってくる」。外務省関係者はそう語り、文書廃棄問題での今後の調査に意欲を示した。
 文書廃棄問題を巡っては、外務省設置の有識者委員会が3月9日に出した報告書で「あるべき文書が欠落し、一部は廃棄された可能性がある」と指摘。また、東郷和彦元外務省条約局長が3月19日の衆院外務委員会の参考人質疑で、「外務省の内情をよく知る人から、(01年の)情報公開法施行前に関連文書が破棄されたと聞いた。それが本当なら、外務省は文書管理の実態と今後の対応について、きちんと向かい合ってほしい」と語った。
 東郷氏はさらに、密約関連文書などを赤い箱型ファイルにまとめ、後任局長だった谷内(やち)正太郎前事務次官に引き継ぎ、当時の藤崎一郎北米局長(現駐米大使)にも文書リストを送付したと証言した。
 東郷氏の発言を受け、岡田克也外相は廃棄問題の調査委を設置し、自らトップに就いた。判決が出る前に手は打っているというのが岡田氏の認識だ。
 調査委は今後、同リストに記されながら行方が分からなくなっている文書6点の取り扱いや、ほかに欠落があるとみられる文書について、OBを含む外務省関係者から聞き取り調査を実施する予定で、今夏をめどに報告書をまとめる意向だ。谷内、藤崎両氏などキーマンからの聴取を実現し、廃棄問題に一定の結論を出せるかが焦点となる。
 廃棄問題で積極的な姿勢を示す一方で、岡田氏が控訴の可能性に言及したのは、文書の「ある」「なし」論争は決着済みとの思いがあるからだ。岡田氏は9日の記者会見で「調査を徹底したにもかかわらず、さらに『足りない』ごとくの判決だ。自信を持って(該当文書は)ないと申し上げたい」と強調した。
 密約調査は、岡田氏が昨年9月の外相就任直後に打ち出した肝いりの案件。「沖縄返還時の原状回復補償費肩代わり」密約については、外務省が設置した有識者委員会が「広義の密約に該当する」と結論付けたが、該当文書は見つからなかった。
 判決が外務省調査の不備に触れ、「歴代の事務次官、アメリカ局長、条約局長、アメリカ第1課の課長」らの聴取の必要性を指摘したことについても、岡田氏は「守秘義務をオープンにと、吉野(文六元アメリカ局長)さんについては解いた」(9日の記者会見)と述べ、調査は徹底していたと主張した。
 外務省側は裁判が結審前の2月、「間もなく出る有識者による報告書の内容を反映させてほしい」と東京地裁側に求めたが、杉原則彦裁判長は「待つ気はない」と語り、調査結果は裁判に取り込まれることはなかったという。
 有識者委員だった波多野澄雄筑波大教授は「判決は文書の証拠認定や不存在とする被告側の立証責任についてだいぶ無理を言っている印象だ。控訴審が行われるとすれば、報告書の中身を反映させてほしい」と指摘。岡田氏も控訴すれば有識者委の報告書を基に主張を展開するとみられる。

◇「米の文書、どういうものか説明を」裁判長が積極的指揮
 裁判では杉原則彦裁判長(53)が積極的な訴訟指揮をした。昨年6月の第1回口頭弁論で原告側に対し早速、密約を認めた吉野文六・元外務省アメリカ局長を証人として申請するよう勧めた。「米側に文書がある以上、日本にもあるはずだ」との原告主張についても「理解できる」との見解を明示。国側には「文書がなぜないのかを合理的に説明する必要が被告にある。『密約はない』と言うのであれば、米の文書はどういうものなのか十分な説明を希望する」と迫った。その後も国に対し、沖縄返還交渉での経過報告と、意思決定の具体的な方法について説明を求め、外務省内からはほどなく「厳しい判決を覚悟している」との声が漏れ始めた。
 杉原裁判長は81年判事補任官。大蔵省課長補佐や最高裁経理局主計課長、同調査官などを経て、06年4月に東京地裁部総括判事となり、行政訴訟を担当している。
 文書開示関連の訴訟では07年12月、市民団体が日韓国交正常化に関する公文書開示を外務省に求めた訴訟で、同省が1年8カ月たっても大半の公文書の開示・不開示を決定しなかったことについて「必要な措置を怠った」と違法認定。06年7月には警視庁の捜査報償費の帳簿の開示を巡る訴訟で、捜査費の精算をした公務員の氏名などの一部開示を命令。情報公開訴訟で画期的な判決を出していた。
 6日午後4時、東京地裁3階の会議室に原告、被告双方と裁判官らが集まった。前日、原告団が判決言い渡しのカメラ取材を認める要望書を提出したことを受け、裁判所の判断を伝える場。カメラ取材は従来通り冒頭撮影に限ったものの、杉原裁判長はこう述べ、3日後の判決内容に自信を見せた。「合議を尽くして判決で全部答えた。判決文をじっくり読んでほしい」。居合わせた原告の一人は「期待できる判決になると確信した」という。【臺宏士】


---沖縄返還文書 日米密約の存在認め開示命令 東京地裁---
2010年4月9日21時27分
http://www.asahi.com/national/update/0409/TKY201004090327.html

 1972年の沖縄返還の際に日米両政府が交わしたとされる「密約文書」をめぐる情報公開訴訟で、東京地裁は9日、密約の存在を認めたうえで、国が文書の不存在を理由に開示しなかった処分を取り消し、開示を命じる判決を言い渡した。原告1人当たり10万円の国家賠償も命じた。杉原則彦裁判長は、文書を破棄したことの立証を国に求め、「国民の知る権利をないがしろにする国の対応は不誠実だ」と述べた。
 問題となったのは、沖縄返還にからみ、日米の高官が合意して(1)米軍基地の移転費用などを日本側が財政負担する(2)米軍用地の原状回復費400万ドルと沖縄にあったラジオ放送「アメリカの声(VOA)」の国外移転費用1600万ドルを、それぞれ日本側が肩代わりする――ことを示す一連の密約文書(7種類)。元毎日新聞記者の西山太吉さん(78)らが08年9月に情報公開請求したのに対して、外務省と財務省は「存在しない」ことを理由に開示しなかったため、09年3月に西山さんら25人が提訴していた。
 判決は、密約文書に「署名した」とする吉野文六・元外務省アメリカ局長の法廷証言や、米公文書館で開示された文書などを根拠に、日米両政府間の密約と、これを裏付ける一連の文書があったと認定。「沖縄返還交渉における難局を打開した経緯を示す外交文書として、第一級の歴史的価値があり、極めて重要性が高い文書だ」と評価した。
 そして「機械的または事務的方法では見つからず、歴代の事務次官ら文書に関与した可能性のある者への調査が重要」と指摘。密約に関する外務省有識者委員会の調査より前の、同省の調査を基に「探したがなかった」とした国の主張については「十分な探索を行ったとは言えない」と批判した。文書が破棄されていたとしたら「相当高位の立場の者が関与したと解するほかない」と、組織的な廃棄の疑いにも言及した。
 判決は今回の訴訟の意義についても言及。原告らが求めていたのは「密約の存在を否定し続けた国の姿勢の変更であり、民主主義国家における国民の知る権利の実現だった」と指摘。そのうえで、密約文書の存在を否定し続けた国の姿勢について「通常求められる作業をしないまま不開示にされ、原告らが感じた失意、落胆、怒りの激しさは想像に難くない」と非難し、慰謝料の支払いも認めた。
 この裁判では、情報公開制度で文書がないことを理由に開示されなかった文書が、本当に存在しないのかについて、原告側がどこまで立証責任を負うかも争点になった。判決は「原告側が過去のある時点に文書が作成されたことを示せば、文書が破棄されたことなどを被告側が立証しない限り、その後も保管された状態が続いていると推認できる」との判断を示した。
 有識者委員会は3月に米側の文書などから「広義の密約はあった」とする報告書をまとめたが、今回の裁判の結審後で、証拠としては提出されていない。(浦野直樹)


---沖縄返還文書訴訟:日米密約認め、国に開示命令 東京地裁---
毎日新聞 2010年4月9日 16時01分(最終更新 4月10日 1時13分)
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/04/09/20100409k0000e040070000c.html

 沖縄返還(72年)を巡る日米間の密約文書を開示しなかったのは不当として、西山太吉・元毎日新聞記者(78)や学者、作家ら25人が国に不開示決定の取り消しなどを求めた訴訟で、東京地裁は9日、密約の存在を認めたうえで、文書の開示を命じる判決を言い渡した。杉原則彦裁判長は「漫然と文書は不存在という判断をし、国民の知る権利をないがしろにする国の対応は不誠実」として原告1人につき10万円の慰謝料支払いも命じ、原告側の請求を全面的に認めた。
 裁判所が密約の存在を明確に認めたのは初めて。国側は昨年3月の提訴を受け、密約の存在を否定したが、9月の政権交代後に認否を留保し、文書は「探したが見つからなかった」と主張。判決は、返還交渉を担当した吉野文六・元外務省アメリカ局長の法廷証言や米国立公文書館で発見された資料の存在などを基に、外務、財務両省が文書を保有するようになったと認めた。
 さらに「密約文書は存在や内容を秘匿する必要があり、保管先と思われる部署への機械的・事務的な調査では見つからない」と指摘。「廃棄するには組織的意思決定の必要がある」としたうえで「歴代の事務次官や局長らへの聴取をしなければ十分な調査をしたとは言えない」と国の対応を批判した。また、文書の存在の立証責任は請求者にあるとしながらも「過去のある時点で文書があったことを証明できた場合、行政機関が不存在を立証しない限り、文書は保有されていると推認される」と指摘。「既に廃棄されている疑念があるが、国がそれを証明できない以上、文書がないという主張は認められない」と国側の主張を退け不開示決定を違法と結論付けた。
 原告を含む63人は08年9月、(1)米国の軍用地回復費用400万ドルの肩代わり(2)米国短波放送(VOA)の国外移設費1600万ドルの肩代わり(3)日本側による米国での無利子預金など沖縄返還協定の日本側負担(3億2000万ドル)を超える負担--を合意した三つの密約に関連する計7件の文書の開示を外務・財務両相に請求したが、翌10月に不開示となった。先月、外務省の有識者委員会と財務省は「広義の密約」と公表したが、結審後だったため裁判の証拠にはなっていない。【和田武士】
 ▽財務省の話 厳しい判決になったと考えている。今後の対応は判決内容を十分検討し、関係省庁と協議した上で決定したい。

◇ことば 沖縄返還協定を巡る密約
 71年の沖縄返還協定の交渉過程で、米軍用地の原状回復補償費などを日本側が肩代わりする密約があったことを示唆する記事を西山太吉・毎日新聞記者(当時)が執筆。西山氏は外務省女性事務官を唆して極秘電文を入手したとして、2人は国家公務員法違反罪で起訴(有罪確定)。日本政府は密約を否定し続けたが、00年以降、密約を裏付ける米公文書が明らかになり、06年には吉野文六・元外務省アメリカ局長が密約の存在を証言。外務省有識者委員会も今年3月、「広義の密約」と認めた。

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