2010年7月18日日曜日

木村銀行元会長が逮捕

実態は木村銀行と呼ばれた銀行の元会長が逮捕された。
 木村容疑者らは通知を受けた直後から連日のように対策会議を開き、
融資や債権取引の担当者だった関本容疑者が取り扱ったメールを事前に
削除することを決定。削除対象のメールを記載したリストを行内で作成し、
検査が始まった直前、関本容疑者本人がリストに沿って、メールを削除
したという。

メール削除数
2009年6月 約280通
2009年8月 約4?0通
全体で700通を超えた

素人でもやらないメール削除を実行したことで、おごりが強く、善悪が
の区別がつかなくなったようだ。
一部の報道では、国策捜査を印象付けるものもあるが、そうなのか。

木村前振興銀会長 立件へ


振興銀の木村前会長ら5人逮捕 金融庁の検査妨害(10/07 /14)


検査妨害事件 振興銀行の新社長に作家の江上剛氏(10/07 /15)


「木村剛容疑者の指示」他の容疑者全員が供述(10/07/15)


---【振興銀事件】削除メールに融資企業への幹部登用要求も 木村前会長---
2010.7.16 09:59
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100716/crm1007161003009-n1.htm

 日本振興銀行(東京都千代田区)の銀行法違反(検査忌避)事件で、前会長の木村剛容疑者(48)らが削除したとされる業務用メールの中に、推薦人物の幹部登用を取引先企業に求める内容が含まれていたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。
 銀行法は金融機関が優越的地位に乗じる行為を禁じており、警視庁捜査2課は、木村容疑者がこうした行為についても違法性を認識した上で削除を指示し、証拠隠滅を図ったとみている。
 同課によると、木村容疑者らは金融庁の立ち入り検査が始まる直前の昨年6月中旬、振興銀の業務実態を隠蔽(いんぺい)する目的でサーバー内に保管されていたメール約280通を削除。さらに検査が始まって以降の同8月、検査官にメールの追加提出を求められた際、新たに四百数十通のメールを削除していた。
 削除したのは、経営破(は)綻(たん)した商工ローン大手「SFCG」との債権取引や、融資先による企業群「中小企業振興ネットワーク」の会員企業との取引に関するメールが中心だったが、捜査関係者によると、融資先に対し振興銀が推薦する人物を幹部に登用することを求めたり、応じない場合は担保の積み増しを要求する文面も含まれていたという。
 金融庁は昨年6月~今年3月に振興銀への立ち入り検査を実施。融資先企業に役員受け入れを要求したことが、銀行法が禁じる「優越的地位の乱用」にあたるとして、検査妨害などほかの6項目と合わせ、一部業務停止命令を出した。
 メール削除は木村容疑者の指示で、元執行役の関本信洋容疑者(38)が実行。木村容疑者は削除したメールについて「担当者のヒューマンエラーということにしよう」などと提案していた。


---振興銀、融資焦げ付き隠蔽か 「中小企業ネット」で不透明取引---
2010.7.16 01:30
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100716/crm1007160131002-n1.htm

 日本振興銀行(東京都千代田区)による銀行法違反(検査忌避)事件で、振興銀融資先による企業群「中小企業振興ネットワーク」に参加する会員企業が、振興銀の融資先で破(は)綻(たん)懸念のある企業の株式などを買い取り、代金を融資金の返済に充てさせていたことが15日、複数の関係者の話で分かった。融資の焦げ付きを隠蔽(いんぺい)し、不良債権を付け替えるのが目的だったとみられる。
 金融庁の検査の際に削除された同行の電子メールには、同ネットに関する取引内容も大量に含まれており、警視庁捜査2課はネット内の不透明な取引を隠そうとした疑いもあるとみて調べている。
 中小企業ネットは前会長の木村剛容疑者(48)が平成20年7月に創設した任意団体。振興銀から融資を受けた企業110社で組織され、目的は「参加社が協調して中小企業に各種サービスを提供すること」とされる。中核企業二十数社の社名は「中小企業○○機構」と統一されている。
 振興銀関係者らによると、木村容疑者ら同行幹部はネットの中核企業に対し、破綻が懸念される振興銀の融資先の株式や備品、製品などを買うよう依頼。融資先には売却代金で借入金を返済させていた。
 中核企業側に資金が不足した場合は、振興銀が数億円の単位で充填(じゆうてん)していたとみられ、こうした不明朗な取引はネット創設直後から行われていたという。同行関係者は「振興銀の貸し倒れをうやむやにし、業績を良く見せかけるための工作だった」としている。
 一方、木村容疑者は金融庁の検査が終了した後の今年4月、メール削除などの妨害行為の実態を問われた取締役会の席上、他の幹部らとともに、責任者として元執行役の関本信洋容疑者(38)の名を挙げ、「自分は少なくとも削除には一切、関与していない」などと話していたことも新たに分かった。
 捜査2課は6月11日に同行本社などを家宅捜索した際、別の会議の音声データを押収。昨年9月に金融庁の検査官からメールの欠落を指摘されたことに関し、木村容疑者が部下に「理由はヒューマンエラー(人為ミス)だったことにしよう」と提案する内容などが録音されていたという。同課は、木村容疑者らがメール削除の故意性を隠すため事前に口裏合わせを繰り返していたとみて、不正の全容解明を進める。


---削除対象メール、リストを作成…振興銀検査妨害---
2010年7月15日15時11分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100715-OYT1T00596.htm

 日本振興銀行(本店・東京都千代田区)の検査妨害事件で、同行が金融庁の立ち入り検査の前に、削除する電子メールのリストを作成していたことが、関係者への取材でわかった。
 このリストを基に、同行元執行役・関本信洋容疑者(38)(銀行法違反容疑で逮捕)がメールを削除していた。警視庁は、リストの作成を同行前会長・木村剛(たけし)容疑者(48)が指示していた疑いが強いとみて調べている。
 関係者によると、同行は昨年5月26日に金融庁から立ち入り検査の通知を受け、メールの保存を求められた。その中には、融資先企業で組織する任意団体「中小企業振興ネットワーク」の会員企業を経由して別の会員企業に流れる不透明な融資や、大手商工ローン「SFCG」(破産手続き中)との違法性が強い債権取引の内容が記載されたメールも多く、こうした実態が発覚しないよう工作する必要に迫られた。
 そのため、木村容疑者らは通知を受けた直後から連日のように対策会議を開き、こうした融資や債権取引の担当者だった関本容疑者が取り扱ったメールを事前に削除することを決定。削除対象のメールを記載したリストを行内で作成し、検査が始まった同年6月16日の直前、関本容疑者本人がリストに沿って、逮捕容疑となった約280通のメールを削除したという。
 検査開始後も、別の担当者らが問題のあるメールを削除し続けた結果、削除された業務用メールは全体で700通を超えたという。
 同行は金融庁の検査官に提出するため、事前に検査対象のメールをサーバー内のフォルダーに保管していた。同庁関係者によると、メールの削除はサーバーに接続した後、パスワードなどを使い、フォルダーを開いて行われたという。
 金融庁の検査官は検査中の昨年9月、メールの削除に気付き、同行側に指摘したが、同行の担当者は「メールは過失で消えた」などとウソの説明をしていた。
 メールの削除を指示していたのは木村容疑者だったとされ、警視庁は、木村容疑者がリストの作成にもかかわった可能性があるとみて、詳しく調べている。
 警視庁は15日、木村容疑者ら5人を銀行法違反(検査忌避)容疑で東京地検に送検した。


---木村前会長がメール削除指示」 逮捕の振興銀元幹部ら---
2010年7月15日10時0分
http://www.asahi.com/national/update/0714/TKY201007140576.html

 日本振興銀行(本店・東京都千代田区)が金融庁の立ち入り検査を妨害したとされる事件で、銀行法違反(検査忌避)容疑で逮捕された前社長西野達也容疑者(54)=14日付で解任=ら幹部4人が警視庁の調べに、前会長木村剛(たけし)容疑者(48)から都合の悪い電子メールを削除するよう具体的に指示を受けた、と供述していることが関係者への取材でわかった。検査でメール削除が発覚した場合は「誤って消してしまった」と言い訳することも申し合わせていたという。
 捜査2課は木村前会長の主導の下、組織的に隠蔽(いんぺい)工作が行われたとみている。木村前会長は「わたしの見解と違う」と容疑を否認しているという。
 金融庁の立ち入り検査は昨年5月26日に振興銀に通知され、業務に関するメールを準備するよう伝えられた。同行では、貸金業者との出資法違反が疑われる取引や、融資先企業で構成する「中小企業振興ネットワーク」の加盟企業への融資に関するものなど、開示を避けたいメールが多数存在。このため、通知の直後、「検査対策プロジェクトチーム」が設置されたという。
 関係者によると、木村前会長や幹部らは昨年5月下旬から6月にかけ、何回か会議を開き、対応を協議。これらの場で木村前会長は「不都合なメールは消せ」などと指示したとされる。逮捕された5人がこうした会議の主な出席者だった。木村前会長の指示を受け、6月16日の検査開始までの間に元執行役関本信洋容疑者(38)が約280本のメールを削除したという。
 その後、検査官が削除の疑いに気づき、9月ごろ、「削除したのではないか」と振興銀の担当者に指摘。担当者は「調べる」といったん回答を保留し、しばらくしてから「人為的ミスで消えていた。誤りで、故意ではない」と虚偽の説明をしたという。
 この際、西野前社長が「金融庁は納得しない」と木村前会長に相談。木村前会長は「人為的ミスで押し通せ」と指示していたという。
 振興銀関係者によると、検査終了から約1カ月後の今年4月ごろ開かれた取締役会では、メール削除について関本元執行役が関与したとの報告があり、木村前会長は削除は「知らなかった」とした上で、謝罪したという。


---削除対象メールをリスト化 振興銀検査妨害---
2010年7月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100715-OYT8T00730.htm

元執行役が280通削除
 日本振興銀行(本店・東京都千代田区)の検査妨害事件で、同行が金融庁の立ち入り検査の前に、削除する電子メールのリストを作成していたことが、関係者への取材でわかった。
 このリストを基に、同行元執行役・関本信洋容疑者(38)(銀行法違反容疑で逮捕)がメールを削除していた。警視庁は、リストの作成を同行前会長・木村剛(たけし)容疑者(48)が指示していた疑いが強いとみて調べている。

金融庁の検査直前
 関係者によると、同行は昨年5月26日に金融庁から立ち入り検査の通知を受け、メールの保存を求められた。その中には、融資先企業で組織する任意団体「中小企業振興ネットワーク」の会員企業を経由して別の会員企業に流れる不透明な融資や、大手商工ローン「SFCG」(破産手続き中)との違法性が強い債権取引の内容が記載されたメールも多く、こうした実態が発覚しないよう工作する必要に迫られた。
 そのため、木村容疑者らは通知を受けた直後から連日のように対策会議を開き、こうした融資や債権取引の担当者だった関本容疑者が取り扱ったメールを事前に削除することを決定。削除対象のメールを記載したリストを行内で作成し、検査が始まった同年6月16日の直前、関本容疑者本人がリストに沿って、逮捕容疑となった約280通のメールを削除したという。
 検査開始後も、別の担当者らが問題のあるメールを削除し続けた結果、削除された業務用メールは全体で700通を超えたという。
 同行は金融庁の検査官に提出するため、事前に検査対象のメールをサーバー内のフォルダーに保管していた。同庁関係者によると、メールの削除はサーバーに接続した後、パスワードなどを使い、フォルダーを開いて行われたという。
 金融庁の検査官は検査中の昨年9月、メールの削除に気付き、同行側に指摘したが、同行の担当者は「メールは過失で消えた」などとウソの説明をしていた。
 メールの削除を指示していたのは木村容疑者だったとされ、警視庁は、木村容疑者がリストの作成にもかかわった可能性があるとみて、詳しく調べている。
 警視庁は15日、木村容疑者ら5人を銀行法違反(検査忌避)容疑で東京地検に送検した。


---日本振興銀:検査妨害 前会長ら5人逮捕 再建さらに厳しく---
毎日新聞 2010年7月15日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100715ddm008020043000c.html

<分析>
 木村剛前会長と西野達也社長ら新旧経営陣5人が逮捕される異常事態に陥った日本振興銀行は14日、社外取締役で作家の江上剛(えがみごう)(本名・小畠晴喜(こはたはるき))氏が急きょ社長に就任し、再建を目指すことになった。しかし、金融庁の一部業務停止命令で打撃を受けた同行にとって、現役最高幹部の逮捕という最も避けたい事態に陥った。信頼回復は一層厳しくなり、再建できるか予断を許さない情勢だ。【清水憲司、大久保渉】

◇執行役に外部人材も
 「2人が抜けたことは経営にとって大きな痛手。最悪のシナリオだ」。西野前社長と山口博之前専務執行役の逮捕を受け、江上新社長は14日の会見で悲痛な表情を浮かべた。
 検査忌避などで金融庁の業務停止命令を受けた同行は6月下旬に業務改善計画を発表した。計画策定を含め再建を主導してきたのが、銀行業務に精通する西野前社長(みずほ銀行出身)と山口前専務。「献身的な執務ぶりは再建に向けて力強い柱だった」(江上社長)だけに2人を失ったダメージの大きさは計り知れない。この穴を埋めるため、江上社長は執行役に外部人材登用も検討する考えだ。
 「中小企業のための銀行」を掲げ04年に発足した同行だが、融資先が減ったことで、08年以降は債権買い取り業務などを収益の柱に転換、理念とはかけ離れたビジネスモデルへと傾斜し、つまずいた。
 最も懸念されているのが、経営破綻(はたん)した大手商工ローンSFCGからの債権二重譲渡問題を巡る信託銀行との訴訟。振興銀の昨年3月の発表によると、買い取り額は1024億円で、所有権が信託銀側にあるとの判断が示されれば、一定規模の引き当てを迫られる。また、振興銀の10年3月期末時点の貸出金約4000億円のうち、多くが逮捕された木村前会長の関与が深い企業とされる。捜査過程で不透明な取引が明らかになり融資が焦げ付けば、巨額の負担を強いられる。
 同行は10年3月期に約50億円の最終赤字を計上、今後、預金や社員の流出が起こる可能性もあり、そうなれば財務基盤弱体化も避けられない。訴訟や融資の焦げ付きが表面化し資本が劣化する事態に陥れば、経営の土台が揺らぐ恐れがある。

◇木村前会長、政権交代で後ろ盾失う 金融庁、「ワンマン体制」問題視
 木村前会長は、小泉構造改革の中核を担った竹中平蔵元金融担当相に重用された。だが、逮捕に至った金融庁検査は、小泉・竹中路線と真っ向から対立する亀井静香前金融担当相の下で進められ、木村前会長は完全に後ろ盾を失った形となった。
 竹中元金融担当相が主導した02年の「金融再生プログラム」は木村前会長も深くかかわった。大手銀行の不良債権処理に加え、中小企業の資金需要に応えるため、新規参入銀行への「免許認可の迅速化」が盛り込まれた。
 これを受け、木村前会長らは03年8月に振興銀の設立構想を発表した。「ルールを作る側だった木村氏が新規参入するのは問題」との批判があったが、振興銀が銀行免許を取得して営業を始めたのはわずか8カ月後の04年4月。異例のスピードで開業にこぎ着けた。
 振興銀は、金融機関があまり手がけてこなかった年利8~15%の中小企業向け融資をテコに、12年に1兆円規模の金融グループを構築することを目指した。だが、もくろみは崩れた。不良債権処理を終えた大手行が05年以降、中小企業融資に力を入れ、中小企業向けの収益率自体が低下し始めた。「中小企業の将来性や返済力を見極めて融資・回収するのは非常に難しい」(大手行幹部)と言われ、ノウハウの蓄積もない振興銀はビジネスモデルを確立できなかった。
 中小企業向け融資が暗礁に乗り上げたのは、振興銀に限らない。04年4月に設立された新銀行東京も08年時点で、東京都に400億円の追加出資を仰ぎ、損失を穴埋めしてもらう事態に陥った。
 一方、金融庁は振興銀のビジネスモデルや木村前会長のワンマン体制などを早くから問題視していた。だが、木村前会長が主導する振興銀は「竹中銘柄」(金融庁関係者)。親しい金融庁幹部の実名を挙げて自らの正当性を主張し、対抗姿勢を強める木村前会長を金融庁は攻めあぐねた。
 しかし、09年秋の政権交代前後から、小泉・竹中路線の見直し機運が高まり、金融庁が今年3月に振興銀の検査を終えると、木村前会長の逮捕へと事態は一気に急展開した。

◇江上氏、一勧「改革4人組」の一人 再び混乱収拾役に
 日本振興銀行の新社長に就いた作家の江上剛氏は、元銀行員の経歴を買われて振興銀の社外取締役(取締役会議長)を務めてきた。旧第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)時代も総会屋利益供与事件で広報部次長として混乱収拾にあたり、今回も新旧経営陣の相次ぐ逮捕という緊急事態に登板する巡り合わせとなった。
 江上氏は兵庫県出身。早大政経学部卒業後、77年に旧第一勧業銀行に入行した。97年の総会屋利益供与事件で第一勧銀の会長らが商法違反容疑で逮捕された当時、同行の経営刷新に取り組んだ「改革4人組」の一人に数えられた。事件を描いた高杉良氏の小説「金融腐蝕列島」のモデルといわれる。
 自らも02年に小説「非情銀行」を出版し、築地支店長だった03年に退職した。振興銀の社外取締役には開業2カ月後の04年6月に就任した。
==============
◆日本振興銀行の役員ら◆
前会長    木村剛容疑者(逮捕、5月10日辞任)
【執行役(5人)】
社長     西野達也容疑者(逮捕、7月14日解任)
専務執行役  山口博之容疑者(逮捕、同)
執行役    渡辺勝也容疑者(逮捕、同)
執行役    香下大樹氏
執行役    黒川貴行氏
元執行役   関本信洋容疑者(逮捕)
【取締役(6人、全員社外)】
取締役会議長 江上剛(本名・小畠晴喜)氏→社長就任


---振興銀:再建さらに厳しく 前会長ら5人逮捕---
毎日新聞 2010年7月14日 20時19分(最終更新 7月15日 2時33分)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100715k0000m020090000c.html

 木村剛前会長と西野達也社長ら新旧経営陣5人が逮捕される異常事態に陥った日本振興銀行は14日、社外取締役で作家の江上剛(えがみごう)(本名・小畠晴喜)氏が急きょ社長に就任し、再建を目指すことになった。しかし、金融庁の一部業務停止命令で打撃を受けた同行にとって、現役最高幹部の逮捕という最も避けたい事態に陥った。信頼回復は一層厳しくなり、再建できるか予断を許さない情勢だ。【清水憲司、大久保渉】
 「2人が抜けたことは経営にとって大きな痛手。最悪のシナリオだ」。西野前社長と山口博之前専務執行役の逮捕を受け、江上新社長は14日の会見で悲痛な表情を浮かべた。
 検査忌避などで金融庁の業務停止命令を受けた同行は6月下旬に業務改善計画を発表した。計画策定を含め再建を主導してきたのが、銀行業務に精通する西野前社長(みずほ銀行出身)と山口前専務。「献身的な執務ぶりは再建に向けての力強い柱だった」(江上社長)だけに2人を失ったダメージの大きさは計り知れない。この穴を埋めるため、江上社長は執行役に外部人材登用も検討する考えだ。
 「中小企業のための銀行」を掲げ04年に発足した同行だが、融資先が減ったことで、08年以降は債権買い取り業務などを収益の柱に転換、理念とはかけ離れたビジネスモデルへと傾斜し、つまずいた。
 最も懸念されているのが、経営破綻(はたん)した大手商工ローンSFCGからの債権二重譲渡問題を巡る信託銀行との訴訟。振興銀の昨年3月の発表によると、買い取り額は1024億円で、所有権が訴訟を起こした信託銀側にあるとの判断が示されれば、一定規模の引き当てを迫られる。また、振興銀の10年3月期末時点の貸出金約4000億円のうち、多くが逮捕された木村前会長の関与が深い中小企業とされる。捜査過程で不透明な取引が明らかになり融資が焦げ付けば、債権二重譲渡問題と同様に巨額の負担を強いられる。
 同行は10年3月期に約50億円の最終赤字を計上、今後、預金や社員の流出が起こる可能性もあり、そうなれば財務基盤弱体化も避けられない。訴訟や融資の焦げ付きが表面化し資本が劣化する事態に陥れば、経営の土台が揺らぐ恐れがある。
◇木村前会長、政権交代で後ろ盾失う
 木村前会長は、小泉構造改革の中核を担った竹中平蔵元金融担当相に重用された。だが、逮捕に至った金融庁検査は、小泉・竹中路線と真っ向から対立する亀井静香前金融担当相の下で進められ、木村前会長は完全に後ろ盾を失った形となった。
 竹中元金融担当相が主導した02年の「金融再生プログラム」は木村前会長も深くかかわった。大手銀行の不良債権処理に加え、中小企業の資金需要に応えるため、新規参入銀行への「免許認可の迅速化」が盛り込まれた。
 これを受け、木村前会長らは03年8月に振興銀の設立構想を発表した。「ルールを作る側だった木村氏が新規参入するのは問題」との批判があったが、振興銀が銀行免許を取得して営業を始めたのはわずか8カ月後の04年4月。異例のスピードで開業にこぎ着けた。
 振興銀は、金融機関があまり手がけてこなかった年利8~15%の中小企業向け融資をテコに、12年に1兆円規模の金融グループを構築することを目指した。だが、もくろみは崩れた。不良債権処理を終えた大手行が05年以降、中小企業融資に力を入れ、中小企業向けの収益率自体が低下し始めた。「中小企業の将来性や返済力を見極めて融資・回収するのは非常に難しい」(大手行幹部)と言われ、ノウハウの蓄積もない振興銀はビジネスモデルを確立できなかった。
 中小企業向け融資が暗礁に乗り上げたのは、振興銀に限らない。04年4月に設立された新銀行東京も08年時点で、東京都に400億円の追加出資を仰ぎ、損失を穴埋めしてもらう事態に陥った。
 一方、金融庁は振興銀のビジネスモデルや木村前会長のワンマン体制などを早くから問題視していた。だが、木村前会長が主導する振興銀は「竹中銘柄」(金融庁関係者)。親しい金融庁幹部の実名を挙げて自らの正当性を主張し、対抗姿勢を強める木村前会長を金融庁は攻めあぐねた。
 しかし、09年秋の政権交代前後から、小泉・竹中路線の見直し機運が高まり、金融庁が今年3月に振興銀の検査を終えると、木村前会長の逮捕へと事態は一気に急展開した。


---振興銀のビジネスモデルは「絵に描いたもち」?---
2010.7.14 19:10
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100714/fnc1007141912013-n1.htm

 日本振興銀行の木村剛前会長が銀行法違反容疑で逮捕されたことにより、「中小零細企業の味方」として登場した振興銀の理想は崩壊した。他行より高めの金利でつなぎ融資を行う独自の手法には「絵に描いたもち」との批判もあったものの、経営の苦しい中小零細企業に資金需要が強いことは間違いない。振興銀に代わる新たな担い手をどうするか、という課題も突きつけられている。
 大手銀行が手を出せなかった中小零細企業の資金需要に応えるため、高金利の定期預金で資金を集め、無担保で年利7~15%で融資する。これが振興銀の描いた「ミドルリスク・ミドルリターン」と呼ばれる新しいビジネスモデルだ。
 「リスクが大き過ぎ、うまくいくはずがないと思った」。当時の日本銀行幹部はこう振り返る。しかし、振興銀の開業した平成16年前後は、政府が規制緩和の一環として銀行の新規参入を促した時期と重なる。日銀出身で元金融庁顧問の木村容疑者は、現在の金融検査マニュアルの原型を作ったことで知られる金融のプロだけに、規制緩和の追い風のもとで「金融庁は木村氏に期待をかけていた」と大手銀行幹部は話す。
 開業3年目の19年3月期に黒字化を果たすなど目に見える実績を出した振興銀だったが、「貸し倒れのリスクを補う方法に問題があったため、次第に返済能力の低い事業者が集まった」(金融関係者)。打開策として乗り出した貸金業者からの債権買い取りで、木村容疑者は自ら作った金融検査マニュアルの「抜け道探し」を主導し、組織ぐるみで違反行為を繰り返したとみられている。
 もっとも、中小零細企業には「振興銀に救われた」という企業がないわけではない。東京都内のあるソフトウエア事業者は6月に完全施行された改正貸金業法の影響で、貸金業者からの融資を打ち切られ「振興銀に借りてしのげた」と打ち明けるほどだ。
 インターネット専業銀行をはじめ銀行の新規参入で便利になった半面、貸金業と銀行の「中間」ともいえる振興銀の中小零細企業向け融資に難しさがあるのは間違いない。
 「信用金庫や信用組合に代わりを担ってほしい」(幹部)とする金融庁に対し、金融界には「(木村容疑者を)政策立案の中枢に据えたことを金融庁はどう考えているのか。総括すべきだ」(別の大手銀行幹部)との声も出ている。


---検査妨害の重大さ説いた元金融庁顧問 木村前会長逮捕---
2010年7月14日18時41分
http://www.asahi.com/national/update/0714/TKY201007140221.html

 日本振興銀行による金融庁検査の妨害事件は、前会長の木村剛容疑者(48)の逮捕に発展した。小泉政権時代に竹中平蔵元金融担当相のブレーンとして金融健全化を推し進めた立役者が、自らの銀行経営につまずき、転落した。削除したとして検査忌避容疑に問われたメールは、赤字脱却のために打ち出した新ビジネスに関するものだった。
 木村前会長が世間の注目を集めたのは、金融機関が抱える不良債権の処理に小泉政権が乗り出した2002年。エリートコースを歩んでいた日本銀行を退職し、外資系コンサルタントの日本法人を立ち上げてから4年後のことだ。「各銀行には、貸出先として問題がある大企業が30社程度ずつある」と、金融検査の厳格化を主張。金融庁顧問として不良債権処理の旗を振った。
 03年には、貸金業を経営する落合伸治氏や東京青年会議所のメンバーとともに、中小企業向け融資を専門にする日本振興銀行の設立を発表。自らもかかわった、新銀行立ち上げ時の審査の規制緩和を利用し、わずか8カ月後に開業にこぎ着けた。落合氏を社長とし、自身は社外取締役として銀行を支えた。
 木村前会長には「日本の大手銀行が中小企業の資金需要に応えていない」との問題意識があった。大手銀行より高めの金利で貸し付ければ、多少の焦げ付きがあっても十分に利益が得られる――。中小企業を救いたいという思いが、作家の江上剛社外取締役ら賛同者を引き寄せた。
 こうした理想が壁にぶつかるのは、05年に落合氏を社長から解任し、自ら社長に就いてからだった。裏方から名実ともに銀行経営の前面に出たものの、当初思い描いていたような中小企業の資金需要はみられず、融資は伸び悩んだ。赤字体質からの脱却にめどが立たない中、前会長は焦りを隠せない様子だったと、前会長に近かった関係者は証言する。「将来上場を目指している振興銀の株を買わないかと言って回るなど、なりふりかまっていられないようにみえた」という。
 木村前会長は07年ごろ、資金繰りに苦しむ商工ローンなどの金融業者から債権を安く買い取るビジネスを取締役会に持ち込んだ。ある社外取締役によると、「前会長は取締役会で、商工ローンを助けることは結果的に、商工ローンからお金を借りている中小企業を助けることになる、と説明した」という。
 また前会長は、融資や出資先の企業の経営内容や営業実態についても自ら把握。取引先企業の元幹部は、「経営成績をみながら、役員の報酬額や給与水準にまで口を出してきた」と話す。
 08年には、融資先の親睦(しんぼく)団体「中小企業振興ネットワーク」を立ち上げ、自らその理事長に就いた。現在では参加企業が百数十社にふくれあがっている。振興銀本体の融資が難しい企業には、ネットワーク内の商工ローンを紹介するなど、「まるでグループ全体の経営者のようだった」(元参加企業幹部)。
 今回の検査妨害事件では、金融業者からの債権買い取りや、中小企業振興ネットワークにかかわる電子メールが削除されていたとされる。いずれも木村前会長が直接手がけていた新ビジネスだが、金融庁の検査の結果、出資法などの法令違反に問われた。振興銀の関係者は「これらの新ビジネスが法に抵触することは、前会長自身が一番よく知っていたはずだ」と話す。
 木村前会長は金融庁顧問時代、金融検査のマニュアル作成にかかわった。振興銀の社外取締役の一人は、「前会長の書いたマニュアルの解説本では、検査妨害の重大さを説いている。まさかその容疑で逮捕されるとは」と嘆いた。(大平要、大津智義)


---【振興銀事件】新社長会見詳報 「本当に最悪の最悪のシナリオ」---
2010.7.14 18:21
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100714/fnc1007141825011-n1.htm

 日本振興銀行は銀行法違反の疑いで前会長の木村剛容疑者、社長の西野達也容疑者ら計5人が逮捕されたことを受け、14日午後5時から、東京都中央区の日銀本店で記者会見を行った。出席者は旧第一勧業銀行出身で江上剛のペンネームで知られる小説家でもある小畠晴喜新社長と、赤坂俊哉社外取締役。一問一答は以下の通り。
《会見の冒頭、小畠新社長が逮捕された現役の執行役3人を解任したことを公表。『新体制のもと、捜査当局による実態の解明にご協力申し上げ、全役職員が心を一つにして、全力で業務の改善にさらに取り組んでまいる所存です』として、赤坂社外取締役とともに深々と頭を下げた》
 --現役社長の逮捕という重大事態。業務改善計画の進捗に遅れがでるのではないか。
小畠新社長「業務改善計画を提出して西野社長、山口専務と力を合わせて取り組んできた。彼らの献身的な執務ぶりは力強く感じていたので、二人が抜けたことは大変な痛手だが、業務再開に遅れをきたさないよう頑張っていきたい」
 --新体制は暫定的なものなのか。
 小畠新社長「緊急事態であるので、お客様の不安を取り除くため執行体制を早期に建て直すよう最善をつくしたい。取締役会は業務改善計画の進捗に全責任を持っていると考えている。新しい体制が暫定的なものかどうかには答えることができない」
 --預金の引き出しなどの混乱は起こっていないか。
 小畠新社長「当行は定期預金のみを扱っているが、こういった事態についても早期に体制を整えようとしており、お客様から目立った解約はない」
 --小畠氏が新社長に就任した意味は。積極的に就任したのか、他になり手がいなかったので引き受けたのか。
 小畠新社長「まさかこのような事態になるとは思っていなかったし、本当に最悪の最悪のシナリオだ。取締役会は今の経営について責任を感じているし、6人の取締役は誰ひとり抜けることなく経営再建に取り組んでいる。私は責任を果たすということで、それなりの覚悟をしたので就任した」
 --中小企業支援という崇高な理念を持っていたはずだが、これまでのビジネスの総括は。
 小畠新社長「私自身も今の日本経済で中小企業に潤沢な資金を提供するべきだと考えていたし、現在もそう思っている。振興銀の良い部分を今後の飛躍の土台にしたい」
 --振興銀行はミドルリスク・ミドルリターンのマーケットを狙うビジネスモデルだと思うが、そういったマーケット自体が存在しないのではないか。
 小畠新社長「ミドルリスク・ミドルリターンのマーケットに対して、リスクに応じた適正な金利をもらって企業を支援することについてマーケットがないと言い切れるかどうかは分からない。中小零細企業は大変な数があり、グローバル化のなかで多くの中小零細企業が苦しんでいることは事実。そういうところをきちっと支援してく銀行があっていいはずだし、日本経済を支えるためには他の銀行にもそういう分野に力を注いでもらいたい。債権買い取り、リーマンショックで思いがけない先から、貸し渋り等にあった企業から、いろんな相談があったところからビジネスに歪みが生じた。中小零細企業の日本のマーケットに活路はある。そういったところに魅力を感じて一緒にやっていただける銀行があればと思います」
 --それではこれまで何故それができなかったのか。
 小畠新社長「確かに伸びは悪かったと思う。私自身は銀行勤務の経験もあり、小口で、お客様ときちっと面談して、お客様にきちっと使っていただける資金を出しなさいと言ってきたが、あるときから当初のビジネスが変化した。それなりの形はできつつあった」
 --信頼を失った局面からの再建は難しいのでは。
 小畠新社長「それは今の業務改善計画をきちっとやってもう一度原点にもどる。中小零細企業のマーケットがあるということで、審査の体制を整えて、ひとつひとつやっていくしかない」
 --さきほど、一緒にやっていただける銀行があれば、との発言があったが、他行との協力も考えているのか
 小畠新社長「具体的にはない。いろんな可能性を考えていかねばならないが、他行に助けを求めるという意味での発言ではない」
 --ミドルリスク・ミドルリターンマーケットは存在するとは思うが、問題はリスクにみあったリターンを実際にとれるかどうか。日本でそれができると思うか。
 小畠新社長「現にこういう問題を起こしているので、可能性に向けてきちっと体制を立て直すという答えしかできない。ただ十分、マーケットは存在すると思う。与信体制をもう一度再構築してチャレンジしていく」
 --従業員が辞めるといった影響は出ていないか。資本増強は考えているか。
 小畠新社長「従業員が辞めるという動きはない。資本増強はもちろん今の経営実態を計画にもとづいて見直すことが前提。具体的には考えていない」
 --旧第一勧業銀行時代にコンプライアンス問題に取り組んだ経験が生きるか
 「新しい時代に起こった新しい問題で、過去の経験が生きるほど甘いものではないと考えている。みなさんのご支援次第だ」
 --作家活動はどうするのか
 「常勤である以上、銀行の仕事に責任がある。作家の仕事量は減らすが、現在請け負っている仕事についてはこなしたい。困難さは覚悟している」
 --金融界へ舞い戻った感想は
 「今、置かれている立場で責任を果たしたい。責任を果たさずに(銀行や従業員を)見捨てるわけにはいかない。立て直そうと思っている」
 --中小企業振興ネットワークとの関係は
 「厳正な調査に基づき、個別に問題があれば、正常化していきたい」


---日本振興銀:検査妨害 前会長ら逮捕 実態は「木村銀行」 「金融のプロ」にメス---
毎日新聞 2010年7月14日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100714dde041020008000c.html

 「債務者の気持ちが分かる金融が必要」と中小企業救済を目指して日本振興銀行の設立を宣言して7年。小泉政権時代に金融庁顧問も務めた同行前会長、木村剛容疑者(48)が銀行法違反(検査忌避)容疑で警視庁に逮捕された。自他ともに認める「金融のプロ」がすべてを支配していた「木村銀行」。逮捕容疑は、かつて自らも作成に携わった金融検査マニュアルに基づいた検査への妨害だった。【酒井祥宏、川崎桂吾、袴田貴行】
 木村前会長は98年に35歳で日銀を退職後、金融監督庁(現・金融庁)の金融検査マニュアルの検討委員を99年まで務めた。その後、金融と企業財務の総合コンサルティング会社を設立すると、不良債権問題の論客として、頭角を現した。日銀時代からの著作や共著はビジネス分野の月別ベストセラートップ10の常連で、経営不振企業を実名で列挙した「大手30社リスト」の作成者とされ、一躍注目を集めた。
 大きな転機は竹中平蔵金融担当相(当時)に抜てきされ金融庁顧問に就任した02年だった。任務は大手銀行が抱える不良債権の抜本処理を目指す「金融再生プログラム」の策定だった。
 その発言力は大きく、木村前会長が不良債権処理のプロジェクトチームのメンバーに起用されたとの情報が流れると、銀行株を中心に株価がバブル経済崩壊後の最安値を更新するほどだった。
 「債務者の気持ちが分かる金融が必要。中小企業に必要な資金を供給する」。03年8月に日本振興銀行の設立を発表し、05年には社長に就任した。同年6月に会長になるとブログで「12年には1兆円の金融グループになる」と豪語したが、09年3月には商工ローン大手「SFCG」(破産手続き中)から買い取った債権の二重譲渡問題が発覚。今年3月期決算の純損益が51億円の赤字となり、引責辞任に追い込まれた。
 金融庁顧問に就任前、毎日新聞の取材に「(不良債権問題は)個別銀行に任せておいては片づかない。金融当局が強権を振るう形で一斉査定するなどのプロセスが必要」と述べていた木村前会長。強く主張した金融検査に自らつまずいた形となった。
 ある捜査幹部は「振興銀行は木村前会長の個人商店。木村銀行だった。検査忌避は木村前会長の了解なしにはあり得ない」とみる。経済ジャーナリストの須田慎一郎さんは「素人でもやらないような検査忌避をしたとするならば、金融のプロという自負と金融庁顧問をしたおごりがあったのでは」と指摘する。
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◇日本振興銀行と検査妨害を巡る経過◇
04年4月 木村剛容疑者が東京青年会議所有志と開業
05年1月 社外取締役の木村容疑者が社長就任
   6月 木村容疑者が社長を退任し会長に就任
08年4月 3月期決算で初の経常黒字と発表
09年2月 SFCG破綻(はたん)
   3月 SFCGから買い取った債権の二重譲渡問題が発覚
   6月 金融庁の立ち入り検査開始
10年3月 立ち入り検査終了
   5月 木村容疑者が赤字決算の責任を取り退任
   〃  金融庁が4カ月の一部業務停止命令
   6月 金融庁が検査妨害で刑事告発。警視庁が家宅捜索
   7月 警視庁が木村容疑者らを検査妨害容疑で逮捕


---【振興銀事件】木村前会長ら5人を逮捕 前会長だけ容疑否認---
2010.7.14 12:27
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100714/crm1007140902009-n1.htm

 日本振興銀行(東京都千代田区)の銀行法違反(検査忌避)事件で、金融庁の検査の際に業務上のメールを削除したとして、警視庁捜査2課は14日、同法違反の疑いで、前会長の木村剛容疑者(48)=東京都中央区日本橋馬喰町、社長の西野達也容疑者(54)=江東区辰巳=ら計5人を逮捕した。同課によると木村容疑者は容疑を否認、ほかの4人は認めている。同課は木村容疑者の主導のもと、検査妨害が組織的に行われたとみており、不正の全容解明を進める。
 ほかに逮捕されたのは専務執行役の山口博之(48)=江東区豊洲、元執行役の関本信洋(38)=埼玉県川口市青木、執行役の渡辺勝也(43)=神奈川県大和市中央林間=の各容疑者。
 同課の調べによると、木村容疑者らは金融庁の立ち入り検査が始まる前後の昨年6月中旬、破綻(はたん)した商工ローン大手「SFCG」との債権取引や、融資先約110社が加盟する「中小企業振興ネットワーク」の会員企業との取引に関するメールなど約280通を保管先のサーバーから意図的に削除し、9月中旬には検査官に「人的な過失で欠けた」と嘘をつくなどして検査を妨害した疑いが持たれている。
 メールの削除は昨年5月下旬~6月上旬に開かれた同社の会議で木村容疑者が具体的に指示し、関本容疑者が実行していたという。同様に削除された業務上のメールは計7百数十通に上る見通し。
 捜査2課は金融庁から銀行法違反罪で刑事告発を受け、6月11日に同行本社など関係先数十カ所を家宅捜索。木村容疑者を含めた関係者から事情聴取を重ね、木村容疑者の関与の有無などを捜査してきた。
 木村容疑者は東大経済学部を卒業後、日銀に入行。小泉純一郎政権下の平成14年、金融庁顧問となり、竹中平蔵金融・経済財政相(当時)のブレーンとしても活躍した。16年に実質的な創業メンバーとして同行を開業。中小企業向けの無担保融資を展開して注目を集めたが、22年3月期決算では赤字に転落。木村容疑者は5月10日、会長職を引責辞任している。


---振興銀:「メール誤削除」前会長、虚偽報告させる?---
毎日新聞 2010年7月13日 15時00分(最終更新 7月14日 12時40分)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100713k0000e040065000c.html

 日本振興銀行(東京都千代田区)を巡る検査妨害事件で、金融庁から意図的に削除したと指摘された数百通のメールについて、幹部行員が取締役会で「誤って削除してしまった」と説明していたことが同行関係者への取材で分かった。メールの削除は同行の木村剛前会長(48)の了承の下、複数の行員が関与した疑いが持たれており、警視庁は木村前会長が法令違反を隠ぺいするため、虚偽の報告をさせた疑いもあるとみている。【酒井祥宏、川崎桂吾】
 同行関係者によると、メール削除に関する報告は、金融庁の立ち入り検査が終了した翌月の今年4月ごろの取締役会で行われた。その際、ある幹部行員が、直前に辞任した元執行役(38)らが関与したと説明したうえで、「誤って削除してしまったようだが、(元執行役は)『よく覚えていない』と話している」と報告した。この取締役会には木村会長(当時)も出席していたという。
 削除されたメールには、元社長の大島健伸被告(62)が民事再生法違反で起訴された商工ローン大手「SFCG」(破産手続き中)との間で行われ、金融庁から出資法違反に当たると指摘された債権取引に関する記載が含まれていた。この取引についても、取締役の承認を経て実行されており、警視庁は木村前会長が取引の違法性を隠して報告させていた可能性があるとみている。
 取締役の一人は「金融庁の顧問まで務めた木村前会長が違法行為に関与しているとの疑念すら持たなかった。自分たちにも甘さがあった」と話している。

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