2010年11月9日火曜日

軟弱政府に鼓舞する国民

尖閣ビデオが流出した。
マスメディアは、尖閣ビデオが「外交カード」や「クーデター」と言う。
内部告発と言う説もあるが、投稿者は告発と主張しておらず、結果的に流出
でしかない。尖閣沖漁船体当たり事件は、公判が無くなったため、投稿者が
後日、内部告発として通知すれば、公益通報者保護法での公益通報は、海保
の「危険業務の告発」となり、国土交通省が海保を審判することになり、
通報者は保護される可能性がある。専門家ではないので、詳細は不明。
いつかマスメディアで専門家が説明することを期待する。
マスメディアの一部で、投稿者に「公益通報者として名乗れ」と甘い言葉を
かける人もいるが、気を付けた方が良い。

現政権幹部や共産党が率先した公益通報者保護法だが、尖閣ビデオでは投稿
者探しばかりだ。マスメディアも犯人探しをしており、通報者が信頼して、
通報するに値しないことを証明している。youtubeがマスメディアの定義に
該当するかは別の話。
マスメディアの一部は、腹いせ(?)に海保経由での情報漏えいとして海保叩き
を報道し始める始末。恥知らずとはこう言うことだろう。

情報セキュリティからすれば、海保にも強化すべき点はあると思う。
自民党政権時にイージス艦の軍事情報が中国に漏洩した事件や北朝鮮工作員
による破壊事件があったと報じられていたが、国際的な軍事情報とは大きく
異なり、尖閣ビデオ流出は今や国内問題でしかない。

不景気のガス抜きに政府批判のデモと言われることが多かったが、景気だけ
でなく、アマチュア外交により、領土も失うことになると、国民の多くは、
強い政府を望むようになる。
米国の911以前と以後に似ている気がする。
自社さによる政権の結果、政党がなくなり、または維持するのがせいぜい
となった。民主党も次の選挙では同じ道を歩くことになるだろう。

米中間選挙で、ネットによる人気投票となり、衆愚政治が始まると批判
するメディアもあった。日本も同じ道をたどるかもしれない。

米国の傘の下で、甘えていたおかけで、外交の面では、他国から素人扱い。
次政権は独立した国家としての政治手腕が問われるが、見渡してもどんぐり
の背比べ。今後は、いわしの群れのように、多くの知恵と連携し、大政
翼賛会とは別な政治手法による政治を進める必要があるかもしれない。

米ソの関係はスパイ事件があったにも関わらず、対イラン政策への協調や
米ソ共に中国批判が強まっており、外交関係は良好とも受け取れる。
尖閣諸島へのデモはあっても、北方四島や竹島へのデモはない。
デモへの後援者が見え隠れする。

イージス情報漏洩逮捕はカウンターインテリジェンス
最近の諜報活動報道
自衛隊米製装備 米兵監査
2010 Shadownet Report
米露 工作員交換
露イスラエル 軍事協力で合意
米国 イラン制裁へ
国連制裁決議無視で孤立する中国
外交 鴨は日本


映像流出】尖閣衝突ビデオがインターネットに・・・(10/11/05)


11.6「自由と人権 アジア連帯集会」記者会見1


11.6「自由と人権 アジア連帯集会」記者会見2


田母神俊雄11.6「自由と人権 アジア連帯集会」


小池百合子11.6「自由と人権 アジア連帯集会」


飯塚繁雄11.6「自由と人権 アジア連帯集会」


---【尖閣ビデオ流出】刑事告発で海保長官が会見「内部調査に限界」---
2010.11.8 13:24
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101108/crm1011081327015-n1.htm

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出問題で被疑者不詳のまま刑事告発したことについて、海上保安庁の鈴木久泰長官は8日、記者会見し、「流出後、出来る限りのスピードで調査してきたが、パソコンの履歴の解析も相当膨大で内部調査では限界があった。公正かつ透明性を持った形で捜査をお願いするということが適切だろうと判断した」と固い表情で述べた。
 「海保内部からの流出を認めたということか」という質問には「内部も含めて、どこから出たのか、外部から何らかの侵入あったのかということも含めて広範囲に調べるということだ」と述べ、「映像は厳重に管理してきた」と強調した。
 告発先を警視庁と東京地検としたことについては「重大な事件で、インターネットで流出しており犯行場所も特定されていない。ユーチューブを管理するグーグルジャパンの本社は東京にあるので、在京の捜査機関に提出したということ」と説明。
 国家公務員法違反と不正アクセス禁止法違反に加え、窃盗や横領などの容疑も視野に入れているとしたうえで、「今後は捜査に全面的に協力していく」と繰り返した。


---【尖閣ビデオ流出】石垣島漁師「命がけ海保に感謝。犯人捜しやめて」 違法中国100隻操業の実態 ---
2010.11.8 11:49
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101108/plc1011081149009-n1.htm

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像がインターネット上に流出した問題は、地元にも波紋を生じさせた。石垣島の漁師らは、違法操業を繰り返す中国漁船などと日々対峙(たいじ)し、命をかけて自分たちの生活を守ってくれる石垣海上保安部(石垣市)に畏敬(いけい)の念を抱く一方、映像を隠し続けた政府の姿勢に反発。「(流出した人物の)犯人捜しはやめて」と口をそろえている。(渡部圭介)
 石垣島の約170キロ北方に浮かぶ東シナ海の尖閣諸島。周辺は黒潮の本流に沿ったマグロの好漁場だ。漁師たちは片道5時間かけて漁に出向くが、日本の領海に侵入し、違法操業を繰り返す中国や台湾漁船の大船団が頻繁に現れ、身の危険を感じて引き返すこともあるという。
 多いときで100隻近くになることもある違法船団に対し、石垣海保は3隻の巡視船を中心に取り締まりに当たり、日本の漁船を守っている。衝突事件後も漁師たちは漁場に向かい、海保は巡視を続けている。
 スピードを上げ、急接近してぶつかる中国漁船、衝撃で揺れる船上から停止を命じる巡視船の乗組員-。流出映像に写っていた海上保安官たちの姿は、漁師らが日々目の当たりにしてきた、命を張って自分たちの生活の糧を守る姿と一緒だった。
 「(ビデオの流出主に)ありがとうと言いたい。海上保安官たちの気持ちをくんでやってくれたに違いない」。漁師の男性(49)はそう話す一方、「そもそも政府が映像を公開していればこんな問題にはならなかったんだ」と声を荒らげた。
 石垣海保では連日夜遅くまで、東京の本庁から派遣された職員たちによる流出元の調査が行われている。石垣海保の職員たちは「何も話せない」と口を閉ざし、庁内には身内に犯人がいるのではないかという重苦しい空気が漂う。
 八重山漁協組合長の上原亀一さん(48)も「中国漁船の悪質さには怒りを覚える。最初から公開すべきだった」と政府の対応を批判。「流出は悪いことなのかもしれないが、個人的には犯人捜しをしてほしくないし、必要ないと思う」と話し、海上保安官たちの気持ちを受け止めながら流出主をかばう。
 海上保安官たちの実像と、漁師が直面している中国・台湾漁船の脅威。44分間の映像は、同じ島に住み同じ海で働く者たちの今を世界に生々しく伝えた。 
 「海上保安官たちの命が危険にさらされているということを訴えたかったのではないだろうか」。石垣市議会の伊良皆高信議長は流出目的を推測しつつ、関心が犯人捜しに集まり、本質が見過ごされてしまうことを恐れている。
 「(流出は)今の態勢で日本の国境が守れるのかという問題提起になった。政府だけでなく、国民全体で考えなくてはならない問題だ」


---【尖閣ビデオ流出】“投稿者”はどんな罪に 国家公務員法、窃盗など浮上---
2010.11.7 23:33
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101107/crm1011072336015-n1.htm

 今回のビデオ映像流出で、検察当局は映像が石垣海上保安部(沖縄県石垣市)から流出した可能性が高いと判断、何者かが故意に持ち出した疑いもあるとみて捜査に乗り出す方向で検討に入った。政権を揺るがしたビデオの流出者はどんな罪に問われるのか。国家公務員法(守秘義務)違反罪のみならず、不正アクセス禁止法違反や窃盗などの罪に該当する可能性が浮上している。
 海保によると、流出した映像を含めた捜査資料の持ち出しには制限があるが、石垣海保では、10月中旬に映像の取り扱い規則が厳格化されるまで、部内者なら映像を勝手に持ち出したり、コピーすることが容易な状態になっており、「事件発生当時から1カ月程度は情報管理が緩かった面もある」(捜査関係者)。
 検察関係者によると、国家公務員である海保職員が映像を流出させた場合は国家公務員法(守秘義務)違反に該当する可能性がある。海保内の捜査関係者が、私物のUSBメモリーなどの記録媒体を使って捜査資料を持ち出した場合などが考えられるという。
 また、権限のない職員が他人のIDを使ったり、パスワードなどを不正に入手してサーバーにアクセスし、映像を流出させていれば、不正アクセス禁止法違反罪に当たる。海保が所有するUSBメモリーなどの記録媒体を持ち出していた場合は窃盗罪が適用される可能性もある。
 外部の第三者が何らかの形で海保職員を通じ映像を入手した場合も、これらの罪の共犯に問われる可能性がある。
 一方、外部の第三者が海保施設などに侵入し、映像を不正に持ち出していた場合は、窃盗罪なども考えられるという。検察幹部の一人は「職員が内規に違反し、映像が記録された私物のUSBメモリーを自宅に持ち帰り、知らないうちに盗まれたり、紛失したものが流出した可能性もある」と指摘する。
 検察内には「内部調査では限界があり、流出者を見つけるのは難しい」(検察幹部)との見方も出ており、映像が投稿された「ユーチューブ」を運営する検索大手「グーグル」に対し、投稿者の情報提供を要請することも検討している。


---【尖閣ビデオ流出】「ユーチューブはNHKより信頼できる」!? ネットで既存メディア飛び越え始めた「内部告発」---
2010.11.7 21:34
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101107/trd1011072137011-n1.htm

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像が流出したのは、インターネットの動画投稿サイトだった。かつて官僚らによる「内部告発」は新聞やテレビを通じるのが一般的だったが、今回流出させた公的機関側とみられる人物は既存メディアを軽々と飛び越え、ネットで直接「世界」へ訴え出た。こうした流れは民間の内部告発サイトの登場で数年前から世界的に広がっており、専門家は「時代が一つ変わってしまった」と話す。

削除後も増殖
 問題の映像が動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」へ流出したのは今月4日午後9時ごろ。約11時間後の翌5日午前8時ごろまでに投稿者自身により削除された。
 ところが閲覧した不特定多数のネットユーザーがオリジナル映像を自分のパソコンへ保存し、ユーチューブや他の投稿サイトへ次々と転載していった。中には衝突の瞬間だけを画像に編集したものもあった。
 情報セキュリティー会社「ネットエージェント」(東京)の杉浦隆幸社長(35)は「こうなると完全なデータ消去は不可能。手遅れだ」。映像は検閲のためユーチューブを見られない中国でさえも駆け巡り、増殖を続けている。

かつては新聞
 学習院大学の藤竹暁名誉教授(77)=メディア論=は「かつて内部告発は新聞やテレビになされていた」と指摘し、1971年、米国防総省の元職員がベトナム戦争に関する大量の調査報告書をニューヨーク・タイムズ紙へ持ち込んだ「ペンタゴン・ペーパーズ事件」を挙げた。
 翌72年、ニクソン大統領を退陣に追い込んだ「ウォーターゲート事件」でも「ディープ・スロート」と呼ばれた連邦捜査局(FBI)副長官はワシントン・ポスト紙の記者へ情報をリークしていた。
 わが国でも、たとえば平成19年に起きた北海道の食肉加工販売会社「ミートホープ」の食肉偽装事件の発覚のきっかけは役員による新聞やテレビへの内部告発だった。同年に発覚した高級料亭「船場吉兆」(廃業)の食品表示偽装問題でも、会社ぐるみの偽装をパート従業員が記者会見し告発、その後の捜査につながった。
 2006年、内部告発サイト「ウィキリークス」が現れ、米軍の機密文書や政治家のメールなどが次々とネットで公開されていった。先月22日にも、米軍の機密文書流出としては過去最大規模という約40万点のイラク駐留米軍文書が流出した。
 サイト創設者で1971年生まれのオーストラリア人、ジュリアン・アサーンジ氏は自宅を持たず世界の知人宅などを転々としているとされ、各国当局が手を焼いているのが実情だ。
 ビデオジャーナリストの神保哲生さん(48)は「今回の流出事件は、こうした流れに位置づけられるもので、時代が一つ変わってしまった印象だ。これまでは情報を制御できる“情報強者”と“情報弱者”がいたが、その関係が対等になった」と指摘する。

生情報を素早く
 神保さんは「本格的な捜査により、投稿者のネット上の住所にあたる『IPアドレス』を追えばかなりの確率でパソコンを特定できる。ユーチューブでの匿名投稿は、実際には実名が割れるリスクが高い」とした上で、こう述べた。
 「今回の人物がそれでもユーチューブを選んだのは、テレビ局などに提供しても既得権益や権力との関係などに配慮し、黙殺されてしまうとの思いがあったのではないか。その意味で、ユーチューブはいわばNHKより信頼されていると言えるのではないか」
 またメディアジャーナリストの津田大介さん(36)は「テレビは短く編集されるため、内部告発者に不信感があるようだ」と話す。

情報は必ず漏れる
 神保さんは「管理すれば情報は漏れないという考えは捨てなければならない。あらゆる情報を漏れることを前提に作成、管理するということ。それは情報操作をある程度あきらめることであり、メディアに限らず本音と建前を使い分けてきた日本的な社会そのものが変わることでもある」。
 情報セキュリティー会社の杉浦さんは「ネットは編集なしの生情報を素早く広く届けられるため、世の中へ伝えたいことがある場合に非常に便利だ。この流れは止まらないだろう」とし、「ネットでは偽の告発情報を流すことも可能であり、だからこそ既存メディアには情報の真偽の確認や価値判断を加えた報道が期待されている」と話す。


---【政治部デスクの斜め書き】尖閣ビデオ流出で見えた「おかしな国・日本」---
2010.11.7 18:00
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101107/plc1011071802007-n1.htm

 日本は本当におかしな国になってしまったな…。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、海上保安庁の巡視船が撮影した衝突時のビデオ映像が動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」に流出した事件を受けてつくづくそう思った。
 国家機密が流出したことは国家の危機管理能力を問われるゆゆしき事態ではあるが、悪意に満ち満ちた警視庁公安部の情報漏洩事件とは違う。映像を見る限り、中国漁船が故意に衝突したのは誰の目にも明らかであり、むしろこれほどの「動かぬ証拠」を政府が隠し続けていたことの方が理解できない。義憤に駆られ、職を賭してビデオを流出させる公務員が出てもちっとも不思議ではない。今回の流出がなくても、いつか誰かが何らかの方法で映像を流出させただろう。それが新聞を含めたマスメディアへの情報提供ではなく、ネットだったのは時代の流れなのか。それともマスメディアへの信頼が著しく低下している証拠なのか。そのへんには複雑な思いも残る。
 だが、何と言っても「おかしい」のは、菅直人首相のはじめとする閣僚、そして与党幹部の反応である。
菅首相は5日夜、記者団のぶら下がり取材にこう答えた。
 --衝突事件のビデオが流出した問題にどう対応していくか
 「閣議後の懇談会でも徹底的に調査して、なぜ起きたのかを明確にするよう指示をしました。まずは徹底的な原因究明が先決と考えています」
 --一報を受けたときに感じたことは
 首相「(警視庁公安部の)テロ情報の流出があり、今回はビデオ流出ということで、国の情報管理がしっかりとした形になっていないという危機感を強く覚えました」
 --野党はビデオの全面公開が求めているが、政府として全面公開する考えはあるか
 「いずれにしてもまずやらなければいけないことは真相究明ですからそのことに全力を挙げるということにまず尽きますね」
 --今回のビデオ流出で中国漁船の衝突が故意であったことが明白になったが、対中戦略などに与える影響をどう考えるか
 「今後のことについては冷静に両国が対処することが必要だと考えています」
 --APECでの日中首脳会談の開催の重要性をどう考えるか
 「今いったようにこうした問題が起きた中でも、両国が冷静に対処することが重要だと考えています」
 側近らと想定問答を練ったあげく、記者団のぶら下がり取材に応じたのだろうが、ちょっと待ってほしい。 ビデオ映像はこれまでの中国側の主張がいかにウソと欺瞞に満ちたものだったかを白日の元にさらした。にもかかわらず、中国の崔天凱外務次官は「日本に誠意があるなら、困難を克服し、(日中関係の修復を)妨害しないよう最大限の努力をすべきだ」とビデオ流出を非難した。中国外務省は、日本側が中国漁船に痛がらせ行為をしたために衝突が起きたと指摘し、「日本の行為自体が違法だ。いわゆるビデオ映像でこうした真相を変えることはできず、日本側の行為の違法性は隠せない」とする報道官談話を発表した。
 誠意がなく、真相をねじ曲げているのはどちらかは言うまでもない。首相はビデオ映像を本物だと認めているから真相究明を指示したはずだ。それならば、映像を流出させた犯人を探すよりも前に、まず中国政府のまったく筋の通らないコメントに反論すべきではないのか。中国側の事件後の一連の言動と行動に謝罪を求めるべきではないか。
 「冷静に対処する」とは、冷静に反論し、相手の間違いを正すことから始まる。そうしなければ、従軍慰安婦や南京大虐殺などの問題がそうだったように、ウソが一人歩きして既成事実化する。そして日中関係は永久に正常化することはない。
 だが、首相にはそういう発想はないようだ。首相がそうならば、閣僚らの発言もどこかおかしい。
 細川律夫厚労相の「こんなことがあるのかなと本当にびっくりしました」という発言などはまだかわいい。馬淵澄夫国交相が「動画が流出したビデオなのかも含めてまずは事実関係をしっかり押さえなければならない」と語ったのも海上保安庁の所管大臣なのでまだ許せる。蓮舫行政刷新担当相の「真贋の疑わしいものを私は見ることはありえないと思います」は一体何なんだ。意味がよく分からない。
 仙谷由人官房長官は、中国側から「関心の憂慮の意」が伝えられたことを明らかにした上で、投稿者のハンドルネーム「sengoku38」について「自分で投稿したことはない」と釈明した。そして「公務員が故意に流出させたとすれば、明らかに国家公務員法違反になる」と犯人探しに息巻いた。ついでに「私どもとすれば影響なく日中首脳会談が行われてほしいなと思います」と中国側に気配りした。ああ、どこの国の方なんですか?
 鳩山由紀夫前首相はさらにぶっ飛んでいる。鳩山氏は6日、佐賀市で講演し、「情報流出によるクーデターのようなことを政府内の人間が行うのは政権にとって大変厳しい話だ。国全体で信頼をつくり上げていくことが大切だ」と語った。
 中国が露骨に海洋覇権の拡大に動き出したのは、鳩山氏が普天間飛行場移設問題で日米関係をこじらせたことが根底にある。国の信頼を揺るがし、クーデターの種をまいたのは一体誰なんですか。厚顔無恥も甚だしい。一刻も早く引退撤回を撤回してほしいと切に願っている。
 ここまで日米、日中関係を深刻になったのは、ひとえに民主党政権の外交・安保に対し、あまりに無知で無責任だったからではないか。ロシアのメドベージェフ大統領があえてこの時期に北方領土を訪問したのも、菅首相が目の前が外交案件にほおかむりを決め込もうとして、足元を見られたからだろう。その反省がなければ、事態打開は望みようもない。
 では、野党はどうなのかといえば、これがまた心許ない。自民党の谷垣禎一総裁は6日、福岡市で街頭演説し、ビデオ映像流出について「国会にも出せないと言っていた映像が、知らない間に流れた。危機管理はどうなっているのか」と批判した。批判の矛先が違うのではないか。たとえ自民党が政権を奪い返しても、この人が首相になったら、同じような事件で菅首相と同じように狼狽して右往左往することは目に見えている。
 日本は本当におかしな国になってしまったのか。それとも政治家だけがおかしな国の住人なのか。後者ならば、まだ救いようがあるのだが…。
(石橋文登)


---【尖閣ビデオ流出】都心で4500人抗議デモ、主婦や家族連れも 中国に怒り、日本政府にも不満---
2010.11.6 21:27
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101106/crm1011062129023-n1.htm

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関連し、民間団体「頑張れ日本!全国行動委員会」(田母神俊雄会長)などが6日、東京都千代田区で中国政府に抗議するデモ行進をした。
 海上保安庁の巡視船に向かって、中国漁船が衝突してきたことを示すビデオ映像がインターネット上に流出したこともあり、参加者からは中国側の姿勢や、ビデオを一般には非公開としてきた日本政府の対応に異を唱える声が多く聞かれた。初めてデモに参加する学生や主婦の姿も目立った。
 中国漁船衝突事件を受けた同団体の都内でのデモは10月2、16日に続いて3回目。主催者発表ではこれまでで最も多い約4500人が参加した。警視庁によると混乱はなかった。
 日比谷公園内で田母神氏や自民党総務会長の小池百合子衆院議員らが登壇した集会が開かれた後、参加者らは横断幕やプラカードを掲げて「中国の尖閣諸島への領海侵犯、侵略を許さない」などと訴え、約3キロを歩いた。
 デモに初めて参加したという千葉市の主婦(34)は「今までデモに参加しようなんて思ったこともなかったけれど、流出した映像を見て中国に怒りを覚えた。政府に対しても『よくもここまで隠していたな』と思い、足を運んだ」と参加理由を話した。
 東京都内の私立高3年の男子生徒(17)も「映像を見てデモに参加しようと思った。中国に対する怒りの声を届けることができた」と話した。
 家族連れの姿も多く見られた。堺市から妻、長女と3人で参加した公務員の男性(43)は、初めてのデモに近所で購入したという国旗を持参。「政府の外交はその場しのぎにしか思えない。国民の声を政府や海外に届けるには、一人でも多く集まったほうがいいと思った」と語気を強めていた。
 主催団体の関係者も「一般の国民の思いが、これだけ大規模なデモを実現させることになった」と手応えを口にしていた。
 主催団体では13、14両日に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、横浜市内でも集会やデモを実施する予定。


---天声人語---
2010年11月6日(土)付
http://www.asahi.com/paper/column20101106.html

 とかく人は、耳にしたことをすぐ口にしたがる。性悪説で知られる中国の荀子は「口と耳の間はわずかに四寸」と戒めている。かくて「ご内密に」「ここだけの話……」といった紳士淑女の「協定」は、まず守られぬのが相場となる▼国家組織の耳目と口も、油断ならず近いらしい。警察の公安情報とみられる文書に続いて、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオがインターネットに流れ出た。それぞれに背景も意味合いも違うけれど、政府、当局の失態という点では変わるところがない▼尖閣のビデオは公開か否かで揺れていた。流した者は不明だが、海保や検察に疑いが向いている。国民の知る権利に応えた「義賊」なのか、それとも国家への「謀反人」なのか。ネットに集まるコメントは「よくやった」が大半という▼いずれにしても政府には痛い。穴のあいた樽(たる)よろしく重要情報が漏れる国は、世界から信用されまい。さらにビデオは、中国に対する数少ない持ち駒でもあった。だが使うことも手の内に残すこともできず、もはや木ぎれである▼流出という「現実」が、政府の逡巡(しゅんじゅん)の先を行ってしまった。ロシア大統領の北方領土入りにせよ、この政権はどうも、もたつく間にやすやすと現実に先んじられる。下手な外野手の頭上を飛球が越えていく印象だ▼政治の厳しさを「予期せぬことが起きると、いつも予期していなければならない」と言ったのはサッチャー英元首相だった。民主政権は同好会的なぬるさを克服できようか。下手も絵になるのは、草野球だけである。


---クローズアップ2010:尖閣ビデオ流出(その2止) 新たな反日感情も---
毎日新聞 2010年11月6日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2010/11/06/20101106ddm002040094000c.html

◇中国当局、関係改善遅れ懸念
 【北京・浦松丈二】中国政府関係者は衝突事件のビデオ流出について「日本側から流出したのは明白だ。日本側が、関係改善に向けた適切な条件と好ましい雰囲気を作り出すよう望む」と語った。中国外交当局は映像流出で日中双方の世論が冷却化し、関係改善が思惑より大幅に遅れることを懸念している模様だ。
 中国は、13日から横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に関係改善に向けた足場作りを進めていた。新華社通信が4日に「領土や領海、海洋権益を巡る争いは友好的交渉を通じ解決する」という胡正躍外務次官補の発言を伝えたのは、その一環だといえる。
 一方、中国国内のネット上には流出映像が繰り返し投稿され、丸1日経過した5日夜も視聴できる状態だ。中国当局は流出映像の内容を問題視していないとみられる。だが、海上保安庁の巡視船が「日本国の領海外に直ちに出ていけ」と中国漁船に命令する場面もある映像は、新たな反日感情の火種にもなりかねないものだ。
 香港のフェニックステレビは中国漁船が巡視船に衝突した場面よりも海保巡視船が中国漁船を厳しく取り締まる場面を長く放送。中国中央テレビは5日夜、流出した映像と一緒に「中国漁船と巡視船のどちらが衝突してきたかは問題の本質ではない。衝突現場は中国の海域だ」という杜平・解説委員のコメントを放送した。
 中国外務省の馬朝旭報道局長は1日、衆参予算委でビデオが限定公開された際に「責任を中国側に押し付けようとする日本側の企ては実現しない」と批判。流出後も外交ルートを通じて日本政府に映像が本物か否かなど事実関係を照会してきた。日本側が映像を流出させて日中関係を冷却化させたと主張し、対日外交カードとして使ってくる可能性もありそうだ。
 中国当局者によると、胡錦濤国家主席のAPEC首脳会議出席や、菅直人首相との首脳会談を行うかどうかはまだ決まっていない。今後、映像が流出した経緯や日本政府の反応、双方の国内世論の動向を見極めた上で、週明けにも最終判断を下すとみられている。


---クローズアップ2010:尖閣ビデオ流出(その1) 政権、揺らぐ統治力---
毎日新聞 2010年11月6日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101106ddm003040118000c.html

 沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した際のビデオ映像が、政府・民主党の「非公開」方針をかいくぐってインターネットに流出した。外交にも絡む機密情報の管理に疑問符がついただけでなく、「対中弱腰外交」に反発した政府内部からの「疑似クーデター」(政府関係者)との指摘も出るなど、民主党政権の統治能力が問われかねない深刻な事態。13、14日に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に中国が態度を硬化させる可能性もあり、菅直人首相は内政、外交両面で立て直しを迫られる形となった。

◇閣僚責任問う声 与野党批判「官僚の反乱か」
 「インターネット時代にふさわしい機密保持や情報管理ができているとは到底思えない。警察の(テロ情報流出)問題もあり、根幹的な管理能力不足がある」。民主党の中井洽衆院予算委員長は5日、ビデオ流出を許した政府への不満を隠さなかった。同委では6分50秒に編集したビデオを衆参予算委理事に限定して視聴する措置をとった経緯があるからだ。民主党の国対幹部からも「国家組織としてガバナンス(統治)、マネジメント(運営)が問われる大きな問題」と懸念する声が上がった。
 自民党からの批判はさらに激しい。小池百合子総務会長は「国際社会の日本の信用力も失墜させる由々しき事態。菅政権には危機管理能力・統治能力が全くない」と指摘、山本一太参院政審会長は「民主党政権の自滅的外交敗北。流出させた人はやむにやまれない理由があったという気がする」との見方を示した。政権に不満を持つ官僚による意図的漏えいとみる「霞が関クーデター」説だ。
 動画サイト「ユーチューブ」への投稿者が「sengoku38」と名乗ったことから、仙谷由人官房長官も5日の記者会見で「底意があると思う」と述べ、政権への攻撃との受け止めを示した。内部流出について民主党幹部からは「倒閣運動だ」との見方も出ており、仙谷氏は「仮にそういう事態であるとすれば、相当大きなメスを入れる改革があらゆるところで必要だ」と、霞が関改革を徹底する考えを示した。
 政権交代から1年以上たったが、民主党はマニフェストに掲げた子ども手当など重要政策の政府・与党内調整や国会対応などで未熟さを露呈し「政治主導」の漂流もささやかれる。米軍普天間飛行場問題で日米関係を悪化させ、尖閣沖の衝突事件で中国、北方領土問題でロシアに揺さぶられ、外交に苦慮する事態も続く。
 政府筋は「こういうことばかり起きると、日本と機密情報は共有できないということになる。米国からの北朝鮮情報がだんだん薄くなっている感じがする」と影響を懸念。自民党の石原伸晃幹事長は「この問題を取り仕切った仙谷長官、菅首相の責任は極めて重い」と述べるとともに、馬淵澄夫国土交通相や柳田稔法相の責任も追及する構えをみせた。【野口武則】

◇日中会談、実現に暗雲
 漁船衝突事件の映像流出問題は、13日から横浜市で開かれるAPEC首脳会議を前に日中関係の立て直しを図る日本外交に、新たな懸念材料を加えた。日中関係重視の立場から、政府・与党はビデオ公開を衆参予算委員会の一部議員に限定したが、政府が内部流出を事実上認めたことで、中国側が態度を硬化させる可能性も否定できない。APECに合わせた日中首脳、外相会談の実現を危ぶむ声も出ている。
 前原誠司外相は5日の記者会見で、中国側が同日昼過ぎ、外交ルートを通じて「関心の表明と憂慮の意」を伝えてきたことを明らかにした。日本側は「ビデオが本当に海上保安庁が撮影したものか、どこから流出したか、盗まれたのか、事実関係を調査している」と回答したという。
 会見で前原外相は「抗議ではなかったという報告を受けている」と述べた。ビデオ公開が日本政府自身によるものではないとみて、中国側が抗議を自制している--との見方も日本政府内には出ている。
 だが、日中外交関係者によると、ブリュッセルでのアジア欧州会議(ASEM)首脳会議に合わせて10月4日にあった日中首脳懇談に向け、両政府関係者は事前接触で映像の取り扱いを協議。中国側の強い反発などを考慮して「一般公開しない」という約束が交わされていたという。だが今回の流出で、この約束は事実上破綻(はたん)した。これによる中国側の態度の変化を、日本政府は読み切れずにいる。
 仙谷由人官房長官は5日の記者会見で、流出経緯の調査について中国側に「しかるべく説明を申し上げる」と述べ、中国側への配慮を見せた。だが現時点では、APECの場を使った首脳、外相会談の日程調整は進んでおらず、政府高官は「場合によっては、胡錦濤国家主席が日本に来なくなる可能性もある」と懸念を示した。【犬飼直幸、吉永康朗】

---【検事起訴】“告発”の検事、特捜部元副部長からのFD回収の提案を断る---
2010.10.15 01:45
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101015/crm1010150146002-n1.htm

 大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件で、証拠隠滅罪で起訴された元主任検事、前田恒彦被告(43)=懲戒免職=を“内部告発”した検事らに対し、元副部長の佐賀元明容疑者(49)=犯人隠避容疑で逮捕=が「フロッピーディスク(FD)を回収して確認すると提案したが、止められた」と最高検に供述していることが14日、関係者への取材で分かった。佐賀容疑者は逮捕前の産経新聞の取材にも同様の趣旨の説明をしていた。
 FD改竄疑惑を“告発”した検事3人は、厚生労働省元局長の村木厚子さん(54)=無罪確定=の公判でその後も積極的に有罪立証に貢献していたことが判明している。最高検は、検事らに望ましい提案なのに断った点が不可解とみて経緯を詳しく調べている。
 佐賀容疑者の説明によると、1月30日、検事3人からの“告発”を受け、東京出張中だった前田被告に電話。「意図的に改竄したと報告した」とする前田被告の供述とは食い違うものの、佐賀容疑者はこの際、少なくともFDのデータが書き換わっている疑いがあるという報告は受けた。
  2月1日になって佐賀容疑者は前特捜部長、大坪弘道容疑者(57)に伝える一方、当日に疑惑を“告発”してきた検事3人のうち、刑事部からの応援検事と公判部の主任検事の2人と執務室で面会した。
 この場で佐賀容疑者は、返却済みのFDの回収を提案したが、2人は佐賀容疑者に「副部長、やめてくれ」と強く求めたという。佐賀容疑者が聞き入れ、結局回収は実現しなかった。
 FDは、前田被告が村木さんと厚労省元係長、上村勉被告(41)=公判中=を起訴した9日後の昨年7月13日にデータを改竄し、同16日付で上村被告側に郵送で返却していた。
 佐賀容疑者の提案は、上村被告の弁護人にFDまたはコピーの提出を求めるという趣旨で、データが実際にどう書き換わっていたかを確認する意図があったとみられる。
 最高検は、佐賀容疑者に対する取り調べで一連の経緯を把握したとみられる。提案どおりFDを回収していれば、村木さんの公判を停止するなど対処できた可能性もあるため、最高検は刑事部からの応援検事と公判部の主任検事に対し、断った理由についての説明を求めているもようだ。


---公益通報者保護法---
(平成十六年六月十八日法律第百二十二号)
http://law.e-gov.go.jp/announce/H16HO122.html

(目的)
第一条  この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「公益通報」とは、労働者(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者をいう。以下同じ。)が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、その労務提供先(次のいずれかに掲げる事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)又は当該労務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該労務提供先若しくは当該労務提供先があらかじめ定めた者(以下「労務提供先等」という。)、当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該労務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。次条第三号において同じ。)に通報することをいう。
一  当該労働者を自ら使用する事業者(次号に掲げる事業者を除く。)
二  当該労働者が派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。第四条において「労働者派遣法」という。)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)である場合において、当該派遣労働者に係る労働者派遣(同条第一号に規定する労働者派遣をいう。第五条第二項において同じ。)の役務の提供を受ける事業者
三  前二号に掲げる事業者が他の事業者との請負契約その他の契約に基づいて事業を行う場合において、当該労働者が当該事業に従事するときにおける当該他の事業者
2  この法律において「公益通報者」とは、公益通報をした労働者をいう。
3  この法律において「通報対象事実」とは、次のいずれかの事実をいう。
一  個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む。次号において同じ。)に規定する罪の犯罪行為の事実
二  別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが前号に掲げる事実となる場合における当該処分の理由とされている事実(当該処分の理由とされている事実が同表に掲げる法律の規定に基づく他の処分に違反し、又は勧告等に従わない事実である場合における当該他の処分又は勧告等の理由とされている事実を含む。)
4  この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
一  内閣府、宮内庁、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項に規定する機関、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関、法律の規定に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員
二  地方公共団体の機関(議会を除く。)

(解雇の無効)
第三条  公益通報者が次の各号に掲げる場合においてそれぞれ当該各号に定める公益通報をしたことを理由として前条第一項第一号に掲げる事業者が行った解雇は、無効とする。
一  通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合 当該労務提供先等に対する公益通報
二  通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合 当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関に対する公益通報
三  通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、次のいずれかに該当する場合 その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する公益通報
イ 前二号に定める公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合
ロ 第一号に定める公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合
ハ 労務提供先から前二号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合
ニ 書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録を含む。第九条において同じ。)により第一号に定める公益通報をした日から二十日を経過しても、当該通報対象事実について、当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合又は当該労務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わない場合
ホ 個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合

(労働者派遣契約の解除の無効)
第四条  第二条第一項第二号に掲げる事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者である公益通報者が前条各号に定める公益通報をしたことを理由として同項第二号に掲げる事業者が行った労働者派遣契約(労働者派遣法第二十六条第一項に規定する労働者派遣契約をいう。)の解除は、無効とする。

(不利益取扱いの禁止)
第五条  第三条に規定するもののほか、第二条第一項第一号に掲げる事業者は、その使用し、又は使用していた公益通報者が第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して、降格、減給その他不利益な取扱いをしてはならない。
2  前条に規定するもののほか、第二条第一項第二号に掲げる事業者は、その指揮命令の下に労働する派遣労働者である公益通報者が第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して、当該公益通報者に係る労働者派遣をする事業者に派遣労働者の交代を求めることその他不利益な取扱いをしてはならない。

(解釈規定)
第六条  前三条の規定は、通報対象事実に係る通報をしたことを理由として労働者又は派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすることを禁止する他の法令(法律及び法律に基づく命令をいう。第十条第一項において同じ。)の規定の適用を妨げるものではない。
2  第三条の規定は、労働基準法第十八条の二の規定の適用を妨げるものではない。

(一般職の国家公務員等に対する取扱い)
第七条  第三条各号に定める公益通報をしたことを理由とする一般職の国家公務員、裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)の適用を受ける裁判所職員、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)の適用を受ける国会職員、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第二条第五項に規定する隊員及び一般職の地方公務員(以下この条において「一般職の国家公務員等」という。)に対する免職その他不利益な取扱いの禁止については、第三条から第五条までの規定にかかわらず、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号。裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含む。)、国会職員法、自衛隊法及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の定めるところによる。この場合において、一般職の国家公務員等の任命権者その他の第二条第一項第一号に掲げる事業者は、第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として一般職の国家公務員等に対して免職その他不利益な取扱いがされることのないよう、これらの法律の規定を適用しなければならない。

(他人の正当な利益等の尊重)
第八条  第三条各号に定める公益通報をする労働者は、他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない。

(是正措置等の通知)
第九条  書面により公益通報者から第三条第一号に定める公益通報をされた事業者は、当該公益通報に係る通報対象事実の中止その他是正のために必要と認める措置をとったときはその旨を、当該公益通報に係る通報対象事実がないときはその旨を、当該公益通報者に対し、遅滞なく、通知するよう努めなければならない。

(行政機関がとるべき措置)
第十条  公益通報者から第三条第二号に定める公益通報をされた行政機関は、必要な調査を行い、当該公益通報に係る通報対象事実があると認めるときは、法令に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。
2  前項の公益通報が第二条第三項第一号に掲げる犯罪行為の事実を内容とする場合における当該犯罪の捜査及び公訴については、前項の規定にかかわらず、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の定めるところによる。

(教示)
第十一条  前条第一項の公益通報が誤って当該公益通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有しない行政機関に対してされたときは、当該行政機関は、当該公益通報者に対し、当該公益通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関を教示しなければならない。

   附 則

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、この法律の施行後にされた公益通報について適用する。

(検討)
第二条  政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


別表 (第二条関係)
一 刑法(明治四十年法律第四十五号)
二 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)
三 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)
四 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)
五 大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)
六 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)
七 個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)
八 前各号に掲げるもののほか、個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として政令で定めるもの

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