2010年11月18日木曜日

ペプチドワクチン 人体実験擁護

ペプチドワクチンでの人体実験で医療界が擁護した。
 「がんペプチドワクチン」の治験の中間解析結果について、第3者機関
の効果安全性評価委員会は、治験の継続を勧告した。この日評価が行われ
たのは、バイオベンチャー、オンコセラピー・サイエンス(川崎市)が開発
したペプチドワクチン。膵臓がん患者を対象にした治験が最終段階に入っ
ている。

勧告
治験は今後1年間継続される見通し。

治験
和歌山県立医科大教授が臨床責任者として実施中。
対象は20~80歳までの膵臓がん患者。全国の大学病院で実施。

ペプチドワクチンの研究は、多くの大学や研究所で実施しているようだ。

朝日新聞記事
医科研病院で、がんペプチドワクチンの臨床試験中に、膵臓がんの被験者
に消化管出血が発生。院内では「重篤な有害事象」と報告されたのに、
医科研が同種ワクチンの提供先である他病院に伝えていなかった。

医科研
「共同ではなく単独の臨床試験であり、報告義務はない。過去に他大学
病院から出血事例の報告があり、研究者の間ではすでに情報共有されていた」。
「出血はがんの進行で血管が詰まったのが原因と考えられるのに、
『重大な副作用』と誤解されかねない」。

日本癌学会と日本がん免疫学会
「情報をゆがめ、誤った理解へと誘導する内容」

久留米大先端癌治療研究センター
「がんワクチンが危険なものというイメージが定着しかねない。研究に
対する国の助成が減らされる可能性もあり、報道の影響は計り知れない…」

治療薬の開発を求める41の患者団体
「臨床研究の停滞が生じることを強く憂慮します」

スマイリー代表
「臨床試験はがん治療成績の向上のために、重要な役割を担っている。
臨床試験が停滞したら、困るのは患者」

パンキャンジャパン事務局長
「治療が尽きた患者にとってペプチドワクチンの臨床試験への参加は
最後の望みなのに、不安が大きくなっている」

朝日新聞社広報部
「当該記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点
から問題があることを、東大医科研病院の事例を通じて指摘したもので、
確かな取材に基づいています」


朝日新聞の記事により、医療界が大きく反発している。
記事のポイント二点
(1)すい臓がんの出血は、ワクチン投与に起因するのか
(2)臨床試験での被験者承諾時とは異なる症状を発症した際に、症状を告知し、
 被験者に中止・継続を選択できる自由があったか

(1)病理学者が検証して、ワクチンが原因ではないと確認できるか
 「重篤な有害事象」を記者が取材により引用したのか、そうでないのか。
(2)臨床試験でワクチンが原因で重篤な有害事象が発生した疑いがある場合に、
 告知し、被験の中止・継続を被験者が選択できるか

(1)では、記者の道徳の問題、(2)では、医師の道徳の問題のように見える。
詳細が不明で、結論はでないかもしれない。

多くの患者が、被験者として参加しているのに、ワクチン開発を急ぐあまり、
患者を食い物にするのは避けて欲しい。
効果安全性評価委員会の勧告は時期的に良かったと思う。

ペプチドワクチンで人体実験


---日本発世界初目指すがんペプチドワクチン 効果安全性評価委が「治験継続」を勧告---
2010.11.13 23:37
http://sankei.jp.msn.com/life/body/101113/bdy1011132342001-n1.htm

 新たながんの治療法として期待される「がんペプチドワクチン」の治験の中間解析結果について、第3者機関の効果安全性評価委員会は13日、治験の継続を勧告した。この日評価が行われたのは、バイオベンチャー、オンコセラピー・サイエンス(川崎市)が開発したペプチドワクチン。日本発、世界初の承認を目指し、膵臓(すいぞう)がん患者を対象にした治験が最終段階に入っている。
 今回の委員会で、有効性が十分に評価されれば、厚生労働省への承認申請手続きに入れるとして、医療関係者や患者の期待が高まっていた。勧告により、治験は今後1年間継続される見通しとなった。
 治験は和歌山県立医科大の山上裕機教授が臨床責任者として昨年1月から実施中。対象は20~80歳までの膵臓がん患者で、同医科大をはじめ全国の大学病院などで行われている。
 治験に参加したのは、切除不能ながん患者で、抗がん剤とワクチンを投与するグループと抗がん剤のみのグループに分け、その違いを調べている。
 オンコセラピー・サイエンスは勧告を受け同日、ホームページ」を通じ、「今後も安全性に十分留意し、予定通り治験を完遂させ、製薬会社と承認申請の準備を進める」とコメントした。
 ペプチドワクチンは副作用がほとんどなく、患者にやさしい治療方法とされ、外科治療、抗がん剤、放射線治療に次ぐ第4の治療法として、世界の研究者が研究・開発にしのぎを削っている。


---朝日の「がんワクチン」報道が医療界や患者に波紋…「臨床試験の停滞を憂慮」---
2010.10.31 00:46
http://sankei.jp.msn.com/life/body/101031/bdy1010310049000-n1.htm

 新たながん治療法として注目される「がんペプチドワクチン」の臨床試験の停滞を憂う声が広がっている。東大医科学研究所(東京都港区)が開発し、医科研付属病院で臨床試験中に発生したペプチドワクチンの消化管出血事例を、医科研がワクチンを提供しているほかの病院に伝えていなかったことを問題視した朝日新聞の記事がきっかけだ。関連学会や患者団体などから抗議の声が上がっているほか、30日には日本がん免疫学会が緊急シンポジウムを開催する事態になっている。
 きっかけとなったのは朝日新聞が15日付朝刊1面などで報じた「臨床試験中のがん治療ワクチン『患者が出血』伝えず」の一連の記事。
 記事によると、医科研病院で平成20年、がんペプチドワクチンの臨床試験中に、膵臓(すいぞう)がんの被験者に消化管出血が発生。院内では「重篤な有害事象」と報告されたのに、医科研が同種ワクチンの提供先である他病院に伝えていなかったとされる。
 厚生労働省の指針は、「他施設と共同で臨床試験を行う場合は『重篤な有害事象』を他施設にも報告」と求めている。だが医科研側は「共同ではなく単独の臨床試験であり、報告義務はない。過去に他大学病院から出血事例の報告があり、研究者の間ではすでに情報共有されていた」と反論。「出血はがんの進行で血管が詰まったのが原因と考えられるのに、『重大な副作用』と誤解されかねない」と訴えている。
■    ■
 がんペプチドワクチンは、がん細胞を攻撃する免疫細胞が、がん細胞の表面にあるペプチド(タンパクの断片)を標的として攻撃する性質を利用。ペプチドをワクチンとして体内に大量に注射して、がん細胞への攻撃を促進する。
 外科治療、抗がん剤、放射線治療に次ぐ「第4の治療法」として期待されているが、報道の影響で、研究を進める医療機関には「ワクチンは大丈夫なのか」という患者らからの問い合わせが相次いだという。
 日本癌(がん)学会と日本がん免疫学会は22日、そろって抗議声明を発表。「情報をゆがめ、誤った理解へと誘導する内容」などと、朝日新聞社に記事の訂正と謝罪を求めた。
 日本がん免疫学会は急遽(きゅうきょ)、30日にシンポジウムを開催し、大阪大や久留米大の医師らがこれまでの研究成果などを発表。ペプチドワクチンの臨床試験を実施する61施設でつくるネットワークも29日、抗議文を出した。
 医科研病院とは異なるペプチドワクチンで臨床試験を行っている久留米大先端癌治療研究センターの山田亮所長は「がんワクチンが危険なものというイメージが定着しかねない。研究に対する国の助成が減らされる可能性もあり、報道の影響は計り知れない…」と懸念する。
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 治療薬の開発を求める41の患者団体も20日、厚労省で記者会見。「臨床研究の停滞が生じることを強く憂慮します」などとする内容の声明文を発表した。
 会見した卵巣がん体験者の会スマイリーの片木美穂代表は「臨床試験はがん治療成績の向上のために、重要な役割を担っている。臨床試験が停滞したら、困るのは患者」と話す。
 膵臓がん患者でつくるNPO法人、パンキャンジャパンの眞島喜幸事務局長も「治療が尽きた患者にとってペプチドワクチンの臨床試験への参加は最後の望みなのに、不安が大きくなっている」と訴えている。
 朝日新聞社広報部の話「当該記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、東大医科研病院の事例を通じて指摘したもので、確かな取材に基づいています」

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