2012年8月2日木曜日

ストロンチウム飛散発表

ストロンチウム飛散調査結果を発表した。
 文部科学省は、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ストロン
チウム90(半減期約29年)の全国規模の飛散調査結果を公表した。事故後、
土壌から検出された宮城、福島両県以外に、関東・東北の10都県の値が、
2000年-事故前の最大値以上となった。これ以外では事故の影響は確認
されなかった。

ストロンチウム90 Sr90
・口から摂取すると骨に蓄積しやすいが、今回の検出量はごくわずかで、
 健康影響の恐れはない。

Sr90調査結果
都道府県別環境放射能水準調査(月間降下物)におけるストロンチウム90 の分析結果について
1963年6月 宮城県 358.00Bq/m2
2006年2月 北海道  0.30Bq/m2
2011年4月 岩手県  0.74Bq/m2
2011年3月 埼玉県  1.00Bq/m2
2011年4月 秋田県  0.30Bq/m2
2011年3月 山形県  1.60Bq/m2
2011年3月 神奈川県 0.47Bq/m2
2011年3,4月栃木県  1.20Bq/m2
2011年3月 群馬県  1.90Bq/m2
2011年3月 千葉県  0.44Bq/m2
2011年3月 東京都  0.89Bq/m2
2011年3月 茨城県  6.00Bq/m2

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会:報告書ダウンロード

当事者による政府事故調最終報告が発表された。
それから、昨年測定していたSr90の飛散調査結果を文科省が発表した。
一部の御用学者は、Sr90は、重いので、遠くへ飛ばないとメディアで発表
していたが、文科省は、Sr90は、東電福一原発事故により、250km付近ま
で飛んだと発表している。
御用学者のいくつかの説明は、実際には、科学ではなく、原子力信仰
による教えだったようだ。
少しの知識を全て理解、制御できると吹聴か。

原子力規制委員長に原子力信仰者が候補に上がっている。
除染で懺悔しても、過去の一部を清算するだけで、将来、また同じことを
繰返すと想像でき、信用は得られないだろう。

グズとクズの集合体
東電原発公害病始まりか
セシウムの拡散
原発の核燃料
放射性物質による汚染なし
原発事故の経過
WFP Radiation poisoning or Hunger death
原子力ムラの完全支配は今も継続


---規制委員長 田中氏起用撤回を 脱原発派議員---
2012年7月25日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012072502000124.html

 脱原発を訴える与野党の衆参国会議員七人らは二十四日、国会内で緊急記者会見を開き、原子力規制委員会の委員長に原子力委員会の前委員長代理・田中俊一氏を起用する政府の人事案の撤回を求めた。
 会見に出席したのは民主党の川内博史、橋本勉、社民党の福島瑞穂、阿部知子、服部良一、吉田忠智、参院会派・みどりの風の谷岡郁子の各氏と、金子勝慶大教授ら有識者や市民団体など。
 橋本氏は「原子力委員長代理だった田中氏は原発推進の中心メンバー。規制と推進の組織を分けるために規制委員会をつくるのに、推進派を規制委員長にするのは矛盾だ」と批判。福島氏は「原発推進をするという政府の宣戦布告だ」と述べた。
 金子氏は「田中氏は原子力ムラの村長で、今もムラに居続けている人。人事案を作った細野豪志環境相は官僚のとりこになりつつある」と懸念を示した。


---東日本大震災:福島第1原発事故 ストロンチウム飛散、10都県で最大 00年以降で---
毎日新聞 2012年07月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20120725ddm008040078000c.html

 文部科学省は24日、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ストロンチウム90(半減期約29年)の全国規模の飛散調査結果を公表した。事故後、土壌から検出された宮城、福島両県以外に、関東・東北の10都県の値が、2000年-事故前の最大値以上となった。これ以外では事故の影響は確認されなかった。
 ストロンチウムは口から摂取すると骨に蓄積しやすいが、今回の検出量はごくわずかで、健康影響の恐れはないという。
 過去の最大値は、米ソによる大気圏核実験の影響が強く表れた1963年6月に宮城県で観測された1平方メートル当たり358ベクレル。2000年以降では06年2月、北海道の同0・3ベクレル。今回、茨城県で同6ベクレルを観測し北海道での値を超えたほか、群馬、山形、栃木、埼玉、東京、岩手、神奈川、千葉、秋田でも、値が00年以降の最大値と同じか上回った。【野田武】


---福島原発事故由来のストロンチウム、10都県で初確認---
2012年7月24日17時58分
http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY201207240365.html

  東京電力福島第一原発の事故後、大気中に放出された放射性ストロンチウム90が福島、宮城両県以外に10都県で降り注いでいたことが、文部科学省の調査で24日、わかった。茨城県では2000年から事故前までの国内の最大値を20倍上回る1平方メートルあたり6ベクレルが検出された。国の調査で、宮城、福島以外で原発由来のストロンチウムが確認されたのは初めて。
 確認されたのは、岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の10都県。いずれも2000年以降から事故前までに国内で観測された最大値を上回っており、文科省は「第一原発からの降下物」と判断している。宮城、福島は震災で計測器が壊れるなどしたため未集計だが、昨年6月の土壌調査で原発由来のストロンチウムが確認されている。
 ストロンチウム90は半減期が約30年で、1960年代に相次いだ大気圏内核実験の影響で、63年6月には仙台市で過去最大の358ベクレルを検出した。今回の数値はその2%程度。60年代以降は下がり続け、事故前の10年ほどは、ほとんどの地域で検出されないか微量が検出される程度だった。


---10都県で過去11年の最大値=ストロンチウム90の降下量-測定結果公表・文科省---
2012/07/24-16:52
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012072400675

 文部科学省は24日、東京電力福島第1原発事故で放出されたとみられる放射性ストロンチウム90が、大気中から地上に降った量(降下量)の都道府県別測定結果を公表した。津波や事故の影響で測定できない宮城、福島両県を除くと、茨城県など10都県で、事故前11年間の最大値を上回る値を記録。最も多かったのは昨年3月の茨城県で、1平方キロ当たり600万ベクレルだった。
 文科省によると、測定は直径2メートルの水盤を1カ月間屋外に置き、たまったちりなどを採取して放射性物質の量を調べた。
 2000年以降、事故前までの最大値は06年2月に北海道で測定された同30万ベクレルで、1960年代の大気圏内核実験の影響。事故後は、茨城のほか、岩手、秋田、山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の各都県でこの値を超えた。原発事故の影響とみられる。


---「耐震」「安全」 残った疑問 政府事故調最終報告---
2012年7月24日 07時03分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072490070311.html

 東京電力福島第一原発事故で政府の事故調査・検証委員会が二十三日に公表した最終報告は、津波が事故の直接的な原因と結論付けた。国会、民間、東電と合わせ、主要な四つの事故調が出そろったが、本当に地震による影響はなかったのか、なぜ原発の安全規制は十分機能しなかったのか、今ある原発はどうすればいいのか、などの疑問に明確な答えを示せなかった。
 例えば、原子炉の冷却水をためるタンクや周辺の配管は、現状の耐震性能のままでいいのかという疑問。
 福島第一には四つのタンクに計二万トンの真水が蓄えてあったが、地震でタンクや配管がゆがみ、使えなくなった。原発敷地内の立て坑に津波による海水がたまっていたため、これをくみ出して原子炉の冷却に使えたが、この海水がなければ事態はもっと悪化していた可能性が高い。
 政府事故調の最終報告は経緯だけを紹介した。タンクなどは主要設備と見なされず、一般の建物と同じくらいの耐震性しかない。これを、原子炉建屋などのように建築基準法の三倍の強度をもたせたり、揺れを受け流す構造にしたりすれば、水は目の前にあるのに使えない事態は防げるはずだが、具体的にどうすべきかまでは踏み込まなかった。
 最大の汚染源とされる2号機で排気(ベント)がうまくいかなかった問題では、地震の影響で排気弁が動かなかった疑いが浮上している。
 専門家からは「排気弁は空気を送って開けるが、弁までの配管は一般の建物と同じくらいの耐震性しかない。揺れで壊れ、排気弁を動かす空気が送れなかった可能性がある」との指摘が出ている。
 もし、そんな可能性があるなら、他の原発に同じような弱点はないのか、見直し勧告が出されてもいい。しかし、政府事故調は弁を動かす空気圧が不足したとの見方を示したものの、なぜそうなったのか原因を追究しようとしていない。
 本文四百四十八ページの報告書は、中途半端な指摘が目立った。約八十ページを割いた「総括と提言」「委員長所感」も漠然とした指摘が多く、「(被ばくを抑える)安定ヨウ素剤を各自治体の判断で服用させる仕組みが必要」といった具体的な提案はわずかだった。

◆国民の監視必要
 エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長(原子力安全解析) 報告書には、さまざまなことが書かれているが、あいまいさが残る表現を多用している。物事は白黒はっきりつくことばかりではないが、もっと事実をクリアに伝えてほしかった。断定を避けているため結果的に分かりにくい内容になってしまった。四つの事故調査委員会の報告書が出そろったが、地震による損傷は本当になかったのか、2号機からの放射性物質の大量放出はなぜ起きた-などの問題は積み残された。国や東京電力の継続的な調査がなおざりにならないよう国民が監視できる仕組みが必要だ。

◆核は制御できるのか 名古屋本社論説主幹 深田 実
 福島の原発事故をめぐる四つの調査報告が出そろった。しかし、これで事故原因が分かったという人は少ないだろう。逆に調べれば調べるほど、果たして核は人間の手に負えるのかという疑問にぶつかるのではないか。
 まず過去の事例を見てみよう。
 一九七九年、炉心溶融を起こした米国スリーマイル島原発事故では、運転員のミスがまず指摘された。しかし、周りの警告ランプが一斉に点灯する中で、何が進行しているかも分からず右往左往する運転員のことを最新技術は考えてもいなかった。
 その七年後、当時ソ連のチェルノブイリ原発で起きた事故でも運転員の違反操作が第一の原因とされた。しかし、あとで原子炉自体に暴走の可能性があったと報告された。欠陥は隠されていた。
 これらから導かれることは巨大科学には見落としが起きやすいという事実。あるいは人間が行う以上、科学技術は完璧ではないという単純だが信じたくない真実かもしれない。
 福島の事故の四つの報告書は、簡略化すれば以下のようになる。国会事故調は人災といい、民間事故調は津波の備えへの不十分さ、東電社内調査は想定以上の津波の高さを挙げ、政府事故調は津波・原発事故の複合災害への視点の欠如を述べた。
 しかしながら、どれも原因に肉薄してはいない。
 人災にせよ天災対策の不備にせよ、だれが何をどう誤ったのかが解明されねばならない。そのうえで、なぜ誤ったかはやっと見えてくるのだ。そこにはスリーマイル島事故のような技術的欠陥が潜んでいるかもしれないし、チェルノブイリ事故のように政府とか人間の組織とは都合の悪いことを隠したり、そもそも過ちを犯すものなのかもしれない。
 だが忘れてならないのは、原発の危険性は、飛行機や車や工場のそれとはまったく違うということだ。核の扱いは絶対の無謬(むびゅう)を求められる。
 世界では四百を超す原発が動いている。日本も世界も知りたいのは、人類は本当に核を制御できるのかということではないか。核のごみはたまり続けるばかりだ。
 技術立国日本で起きた事故の調査報告とは、そういう根源的な問いにも答えられるほどの内容であってほしい。そうでなければ事故は再び起きる。事故調査を終わらせるわけにはゆかない。

---政府事故調が最終報告 保安院の体質切り込まず追及不足---
2012.7.24 05:00
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120724/mca1207240503003-n1.htm

 政府の福島第1原発事故調査・検証委員会がまとめた最終報告は、目に見える客観的事実について詳細なデータを残したが、機能不全ぶりを露呈した規制当局の“病巣”に切り込むことはなく、「なぜ事故が起きたか」「どうして被害拡大を防げなかったのか」という点では追及不足の印象を強く残した。
 報告は2006年に重大事故を踏まえた防災指針の見直しの検討が始まった際に、当時の経済産業省原子力安全・保安院の広瀬研吉院長が「寝た子を起こすな」と抵抗した経緯に触れながらも、保安院の組織体制を「発足以来約10年、さまざまな事故の発生処理に追われていた」と擁護した。
 報告がまとまるのを前に「役人に同情的な内容」と漏らした委員がいた。事故対応をめぐって批判された政府が設置した組織だからこそ、政府内部にはより厳しい目線を向けるべきだった。
 国会が設置した事故調査委員会が最終報告(7月5日公表)で、保安院の組織的な問題をひもとくため過去にさかのぼり、事業者との癒着や安全審査の怠慢を鋭く指摘して「事故は明らかに人災」と言い切ったのとは、あまりに対照的だ。
 政府事故調で調査を実質的に進めたのは、検察庁や警察庁などから出向した事務局の官僚約40人。捜査経験を基に徹底した証拠主義と緻密な調査を貫いた。
 しかし13回に及んだ委員会はほとんどが非公開だった上、議論の過程や、事故当事者たちの具体的な証言内容は明らかにされなかった。
 畑村洋太郎委員長が言うように「100年後の評価に耐える調査」だったのなら、こうした関係資料を積極的に公開すべきだ。世界を震撼させた原発事故の教訓を後世にいかに伝えるかが、事故調に課せられた使命だったはずだ。


---東電と政府に「複合的問題」 誰も専門家の役割果たさず---
2012.7.24 00:13
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120724/dst12072400160000-n1.htm

 政府事故調が23日に公表した最終報告書の要旨は次の通り。(肩書は当時)

【諸現象に関する解析】
 東京電力やJNES(原子力安全基盤機構)が実施した炉心損傷開始時間などの解析は、必ずしも当委員会の検証結果と一致しなかった。東電やJNESの解析が、複雑な事象を単純化した計算モデルで扱っている上、不確かな仮定条件に基づいて解析しており、必ずしも実態を正確に反映したものではないためだ。
【主要設備の被害状況】
 福島第1原発1~3号機の圧力容器や格納容器、配管に、地震発生直後から津波到達までの間、放射性物質の閉じ込め機能を損なう損傷が生じたとまでは認められない。
【問題点の分析】
 3号機では、高圧注水系の手動停止の際に代替手段をあらかじめ準備しなかったため、6時間以上にわたり原子炉への注水が中断した。福島第2原発では代替手段が実際に機能するか否かを確認した上で、注水手段を切り替えるという対応が取られていた。
 福島第2原発では外部電源が使用可能であったことから、作業環境も福島第1原発に比較すると良好であり、スタッフは心理的にも余裕があった。だが、これらの点を考慮しても福島第1原発における対応は適切さを欠いたものだった。
 2号機では、あらかじめ消防車による注水ラインを準備し、原子炉隔離時冷却系(RCIC)の停止を待たずに原子炉の減圧操作を行う必要があったと考えられるが、速やかな代替注水が実施されなかった。福島第2原発の対応と比べても、適切さが欠けていた。
【官邸内の対応】
 菅直人首相は昨年3月12日、原発事故に関する情報が十分に入ってこなかったことなどから第1原発の視察を実施した。今回のような大規模災害・事故が発生した場合に、最高指揮官の首相が長時間にわたり官邸を離れ、緊急対応に追われていた現地を視察したことは疑問が残る。当初から政府や官邸が陣頭指揮を執るような形で現場対応に介入することは適切ではない。
 菅首相は12日夕、1号機原子炉への海水注入によって再臨界の可能性があるのではないかと、原子力安全委員会の班(まだら)目(め)春樹委員長に質問したところ、班目委員長はその可能性を否定しなかったため、海水注入の是非を検討させた。
 東電の武黒一郎フェローは、第1原発の吉田昌郎所長に電話し、「今官邸で検討中だから、海水注入を待ってほしい」と強く要請した。その場には複数の関係者がいたが、的確な応答をした者はおらず、誰一人として専門家としての役割を果たしていなかった。安易に海水注入を中止させようとした東電幹部の姿勢にも問題があった。
【撤退問題】
 東電の清水正孝社長や一部関係者が全面撤退を考えていたのではないかと疑わせるものはあるが、断定することはできない。東電のテレビ会議の録画内容を分析し、関係者から幅広くヒアリングを行った結果、全員の撤退を考えていたと認めることはできない。
 清水社長は14日夜~15日未明に、海江田万里経済産業相や枝野幸男官房長官らに電話し、「2号機が厳しく、今後ますます事態が厳しくなる場合は退避も考えている」と報告。了承を求めたが、「必要な人員を残す」とは示さなかった。
 海江田経産相らに対する清水社長の説明の仕方が原因で認識の齟齬(そご)が生じた可能性も否定できない。なぜ齟齬が生じたのか十分解明することはできなかった。
【SPEEDIの活用】
 SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)が活用されなかったのは、福島第1原発で、原子炉データを国の原子炉監視システム(ERSS)に送信する装置の非常用電源が外されたまま放置されていたため、原子炉のデータ(放出源情報)がERSSからSPEEDIに送られず、避難に活用する余地はないと判断してしまったのが原因だった。
 しかし、放出源情報がなくても予測は可能だった。だが、住民の避難に活用できるとのコンセンサスもなく、活用主体も明確になっていなかった。予測結果は得られており、その情報が提供されていれば、自治体と住民は適切に避難のタイミングや避難方向を選択できた可能性があった。
【病院患者の避難】
 寝たきり患者が多く入院していた双葉病院では入院患者の救出が大きく遅れ、搬送先が遠方の体育館とされるなど、不適切と言わざるを得ない事態が生じた。
【国民への情報提供】
 昨年3月12日、1号機の炉心溶融(メルトダウン)の可能性が保安院の中村幸一郎審議官によって広報された。官邸に詰めていた関係者はその報告を受けていなかったため、保安院が官邸の把握していない事実を事前告知することなく広報したとして問題視し、官邸への事前連絡を求めた。
 寺坂信昭保安院長の判断で、保安院はプレス発表前に官邸の了解を得ることとした。東電も官邸の了解を得た上で広報することとし、こうしてプレス発表が遅れることがあった。
 3月14日のプレス発表では経産省の西山英彦審議官が炉心溶融の可能性を肯定したが、同席した保安院職員が「まだ溶融とかそういう段階ではないと思っている」と積極的に否定した。この発言は、現地関係者や地域住民の切羽詰まった情報ニーズを誤った方向に導く極めて不適切なものだ。
【政府の広報】
 政府は被曝(ひばく)の恐れについて広報する際、しばしば「ただちに人体に影響を及ぼすものではない」との表現を用いた。これは「人体への影響を心配する必要はない」という意味と、「長期的には人体への影響がある」という意味があり、緊急時における広報のあり方として避けるべきだ。
【東電の問題】
 東電は震災8日前の昨年3月3日、文部科学省に対し、「貞観三陸沖地震の震源はまだ特定できていないと読めるようにしてほしい」などと要請した。
 東電は、原発に致命的な打撃を与える恐れのある大津波に対する緊迫感と想像力が欠けていた。そのことが深刻な原発事故を生じさせ、被害の拡大を防ぐ対策が不十分だったことの重要な背景要因となった。
 東電の解析は、明らかに仮定条件がおかしいのに、これを是正しないまま、一部不都合な実測値を考慮に入れずに解析結果を導いた。疑問を指摘したところ、東電は解析の不十分さは認めたが、再度の解析を行おうとはしていない。
【総括】
 事故は、直接的には地震・津波という自然現象に起因するものだが、調査・検証の結果、大規模な事故となった背景には、事前の事故防止策・防災対策、事故発生後の原発における現場対応などについてさまざまな問題点が複合的に存在したことが明らかになった。
 東電や原子力安全・保安院などの津波対策・シビアアクシデント(過酷事故)対策が不十分で、大規模な複合災害への備えにも不備があった。放射性物質の大量放出を想定した防災対策も取られていなかった。政府の危機管理態勢の問題点も浮かび上がった。
 国と自治体は、地震や停電で通信手段が途絶する中、オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)の機能が発揮できなくなるなどして、問題への対応に遅れや不備が生じた。


 原発の安全対策を見直す際には、大規模な複合災害の発生という点を十分に視野に入れる必要がある。

 日本は古来、さまざまな自然災害に襲われてきた「災害大国」であることを肝に銘じ、自然界の脅威、地殻変動の規模と時間スケールの大きさに対し、謙虚に向き合うことが必要だ。

 東電を含む電力事業者も国も、わが国の原発では炉心溶融のような深刻なシビアアクシデントは起こり得ないという「安全神話」にとらわれていたがために、危機を身近で起こり得る現実のものととらえられなくなっていたことに根源的な問題があると思われる。

 菅首相は自身が工学部の出身で原子力に「土地鑑」があると自負していた。原子力災害対策では、危機管理センターの機能を活用し組織的に事態の収拾に当たろうとはしなかった。首相自らが当事者として現場に介入することは現場を混乱させ重要判断の機会を失し、判断を誤る結果を生むことにもつながりかねない。弊害の方が大きい。

 最悪の事態が生じた場合、「もしそこに住んでいるのが自分や家族だったら」という思いを込めて、自分に何が降りかかってくるか徹底的に分析する方法を提案したい。地域住民の視点に立った災害のとらえ方と、安全への取り組みが定着して初めて、真に安心できる社会を創造することができる。(報告書は政府事故調サイトで閲覧できる。

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