2012年12月25日火曜日

日産婦 新型出生前診断指針

新型出生前診断の指針がでた。
 妊婦から採取した血液でダウン症などの胎児の染色体異常が分かる新型
の「出生前診断」について、日本産科婦人科学会は、「十分なカウンセリ
ングが可能な限られた施設で限定的に行われるにとどめるべきだ」とし、
実施施設を認定する第三者機関の創設を盛り込んだ指針案を公表した。
一般から意見を集め、来年3月以降に確定する見込み。

新型出生前診断の指針案骨子
母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針(案)
・十分なカウンセリングができる施設で限定的に行われるべきだ
・産婦人科専門医、小児科専門医の在籍などが実施施設の条件
・診断対象は35歳以上、染色体異常の子供妊娠歴などに限る
・医師や検査会社が検査について積極的に知らせたり、安易に勧めるべき
 ではない
・実施施設を認定、登録する第三者機関制度の確立が望ましい

日産婦は、経済よりも宗教を尊重したようだ。
出生前診断への指針は、あくまで、指針。
代理母や体外授精、着床前診断等の声明・指針・方針に沿わず、黙認して
いるものもあり、現実とは異なる場合がある。指針は、その時の状況に
よって変わる。いずれかのダウン症等の染色体を持つ夫婦が医師から、
出産を止めるように言われていた頃とは大分変わった。

「出生前診断 MaterniT21(+) test」投稿ページの一部報道において、
「精度99%」との記載があったが、「確度99%」であり、診断後に、確定診断
が必要とのこと。

代理出産 国民の声強く
エコー検査 ICが必要
代理母は売春婦か
出生前診断 MaterniT21(+) test
出生前診断ビジネス
出生前診断ビジネス立上げへ


---出生前診断 35歳以上 学会最終案 検査開始3月以降---
2012年12月16日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012121602000095.html

 妊婦の血液で胎児のダウン症など三種類の染色体異常を調べる新しい出生前診断について、日本産科婦人科学会は十五日、実施指針の最終案をまとめ公表した。安易な普及には懸念を表明、検査の対象を出産時に三十五歳以上の高齢妊娠などとした。一般の人からの意見募集とその後の検討を踏まえて指針を確定させるとし、検査開始は来年三月以降の見通しとなった。
 同学会などで構成する組織が実施施設を認定する制度の確立も求めた。複数の医療機関は年内にも臨床研究の開始を計画していたが、検査の意義や解釈の仕方が社会に浸透しておらず、カウンセリング体制も整っていないことなどから、早期の実施には慎重な姿勢を示した。
 指針案では、妊婦の血液で検査できるという簡便さだけで広がると、ダウン症などの出生の排除や生命の否定につながる危うさを秘めると指摘。妊婦が十分な認識なしに検査が行われたり、結果を確定的なものと誤解したりする可能性があるとした。
 このため、十分なカウンセリングのできる施設で限定的に行われる必要があるとし、施設の条件に臨床遺伝専門医の有資格者である産婦人科医か小児科医の在籍などを挙げた。
 学会の倫理委員会で検討していた指針案からは緩和された。施設を認定する主体も、厚生労働省など国の機関が外された。
 検査対象は、高齢妊娠のほか、超音波検査で染色体異常の可能性が指摘された場合などとした。
 記者会見した小西郁生理事長は、臨床研究について「指針確定後に始めるべきだ」と指摘した。
 指針案は近く同学会のホームページに掲載され、約一カ月間、意見を募集するという。


---「命の選別」に厳しい条件で歯止め 新型出生前診断指針---
2012.12.15 21:42
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121215/bdy12121521430004-n1.htm

 日本産科婦人科学会(日産婦)が15日公表した新型出生前診断に関する指針案からは、安易な新型診断の実施が蔓延(まんえん)することへの強い危機感がうかがえる。
 指針案では、新型診断を行う医療機関には、臨床遺伝専門医の資格を持つ医師が常勤することや、患者の意思決定を支援するカウンセリングの実施など、厳しい条件が設けられた。こうした条件に加え、第三者機関を新設してまで実施施設を選別するのは「羊水検査などにはテクニックが必要だが、新型診断はさまざまな検査機関で可能」(日産婦)という背景がある。
 安易な実施が増えれば、不確実な診断に基づき中絶を選ぶ妊婦が増えることも考えられる。医療機関と妊婦双方に条件を課した日産婦の指針案は、こうした「命の選別」に歯止めをかけるものだが、指針に法的拘束力はなく、どの程度実効性を持つかは不明だ。
 さらに、あらゆる遺伝子情報が解析される時代になれば、3種類の染色体のみを判断する新型診断に代わり、あらゆる異常を診断する出生前診断ができる可能性もある。こうした技術の進歩に日産婦がどう対応していくかも課題だ。(道丸摩耶、三宅陽子)


---「認定施設で限定実施」 新型出生前診断、学会が指針案---
2012.12.15 21:40
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121215/bdy12121521410003-n1.htm

 妊婦から採取した血液でダウン症などの胎児の染色体異常が分かる新型の「出生前診断」について、日本産科婦人科学会(小西郁生理事長)は15日、「十分なカウンセリングが可能な限られた施設で限定的に行われるにとどめるべきだ」とし、実施施設を認定する第三者機関の創設を盛り込んだ指針案を公表した。一般から意見を集め、来年3月以降に確定する見込み。
 指針案は、新型診断で染色体異常が判明しても治療はできないことから、手軽さだけで診断が普及すれば「出生の排除、生命の否定につながりかねない」と懸念を表明。検査対象を35歳以上の妊婦や染色体異常の可能性を持つ妊婦に限り、新型診断を正しく理解するために、専門のカウンセリングを適切に実施していく必要性を指摘した。
 ただ、新型診断は海外で普及しつつあり、国内で全面的に禁止するのは困難。「血清検査」や「羊水検査」など従来の出生前診断では妊婦へのカウンセリングが十分に行われていない現状を受け、新型診断では十分なカウンセリングを実施施設の条件とした。
 昭和大や国立成育医療研究センターなどで新型診断の臨床研究が計画されているが、第三者機関の発足は早ければ来年3月ごろになりそうで、当初9月とされた臨床研究の開始は大幅にずれ込む見込み。昭和大医学部の関沢明彦准教授は「関係者と対応を検討するが、指針は尊重する必要がある」として指針案の確定を待つ姿勢を示した。

新型出生前診断の指針案骨子
・十分なカウンセリングができる施設で限定的に行われるべきだ
・産婦人科専門医、小児科専門医の在籍などが実施施設の条件
・診断対象は35歳以上、染色体異常の子供妊娠歴などに限る
・医師や検査会社が検査について積極的に知らせたり、安易に勧めるべきではない
・実施施設を認定、登録する第三者機関制度の確立が望ましい

【用語解説】新型出生前診断
 妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを調べ、ダウン症など3種類の染色体異常を検査する。妊娠10週以降での検査が可能で、陽性だった場合の的中率は80~95%程度、陰性の的中率は99%以上と精度が高い。結果が出るまで2週間かかる。


---新型出生前診断:遺伝カウンセリング義務付け 開始延期へ---
毎日新聞 2012年12月15日 21時38分(最終更新 12月15日 23時57分)
http://mainichi.jp/select/news/20121216k0000m040053000c.html

 妊婦の血液から高精度で胎児の染色体異常が分かる新型出生前診断(しゅっせいぜんしんだん)について、日本産科婦人科学会(日産婦)は15日、実施指針の最終案を公表した。実施する施設には、産婦人科か小児科の遺伝専門医の常勤や遺伝専門外来の設置を義務づけ、施設の登録認定制度を設ける。一般から意見を募り、来年3月に指針を確定する。日産婦の小西郁生理事長は各施設に指針確定まで検査を行わないように求め、当初は年内が予定されていた開始はずれ込む見通しとなった。
 最終案は新型出生前診断の問題点を「極めて簡便に実施可能で、妊婦が検査結果の解釈について十分な認識を持たずに検査が行われる可能性がある」と指摘。「遺伝カウンセリングを適切に行う体制が整うまでは国内で広く一般産婦人科に導入すべきではない」とした。
 実施施設については▽産婦人科と小児科の医師が常勤▽どちらかは遺伝専門医の資格がある▽専門外来の設置▽検査後の妊娠経過を観察できる--などと限定。一般の産科や不妊治療クリニックでは難しい条件となった。平原史樹出生前診断ワーキンググループ委員会委員長によると、多くの大学病院が条件を満たしており、「全国のどこでもアクセスする道が断たれないように配慮した」と話した。
 また、検査対象を、35歳以上▽過去に染色体異常の胎児を妊娠したことがある▽他の検査で胎児の染色体異常の可能性を指摘された▽カップルのいずれかに染色体異常がある--妊婦に限定した。
 最終案は学会のホームページ(http://www.jsog.or.jp)で1カ月間公表して意見を募る。また、小児科学会やダウン症協会なども交えた審査組織を来月にも設置し、最終案確定後に実施施設の認定を行う。
 新型出生前診断については、大学病院や公立病院が共同で臨床研究の枠組みを作り、最終案の公表を待って年内にも開始する準備を進めていた。関係者は、指針確定前の実施見合わせを了承する意向を示しており、検査の開始は来年3月以降にずれ込む見通し。


---(上)新型検査 進歩する技術 体制づくり必要---
2012.12.12 07:29
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121212/bdy12121207300001-n1.htm

 母親の血液を採取し、血液中のDNA断片から胎児のダウン症候群など染色体異常の可能性を調べる新型出生前検査。国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)など一部の医療機関が臨床研究を計画し、注目を集めている。
 「新しい出生前検査で、不必要な羊水検査を減らすことができる」
 臨床研究の世話人を務める、国立成育医療研究センターの左合治彦周産期センター長は妊婦へのメリットについて、こう強調する。

広がる誤解
 確定診断ができる羊水検査は、日本産科婦人科学会の見解で、高齢出産の場合や染色体異常の子供を産んだことがある場合などに限られている。だが、羊水検査は、検査によって300人に1人の流産のリスクがあるとされる。
 臨床研究で導入予定の米国・シーケノム社の検査では、陰性と出た場合、胎児が実際にダウン症候群でない確率は99%と極端に高い。臨床研究の対象は、同社の臨床データがある高齢出産などの妊婦が対象で、国内での羊水検査の対象と重なる。新しい出生前検査は妊婦から採血するだけなため、流産のリスクがなく、不必要な羊水検査による流産を減らせると考えられている。
 注意したいのが、陽性と出た場合でも実際にダウン症候群でない場合もあることだ。あくまで可能性を調べる検査のため、確定診断には羊水検査や絨毛(じゅうもう)検査を行う必要がある。
 また、陽性と出た場合、実際にダウン症候群である確率「陽性的中率」は検査を行った集団の罹患(りかん)率で変わる。胎児の染色体異常は妊婦の年齢が上がるほどその確率も上がる。
 左合センター長によると、今回の研究における、予想される陽性的中率は約80~95%。今回の臨床研究の対象外だが、一般の妊婦の集団では、50%台の可能性もある。
 検査をめぐる統計や確率の用語が分かりづらく、一部で「精度99%」との説明や報道がなされ、確定診断との誤解も広がった。

高い関心
 新しい出生前検査は、米国などでは既に始まっている。国内では8月下旬、臨床研究について報道されると、医療機関には問い合わせが殺到した。高齢出産が増える中、妊婦の出生前検査への関心は高い。
 一方で、国内のカウンセリング体制は不足しており、不十分な体制で検査が行われ、命の選別につながるのではないかと懸念を持つ人も多い。日本ダウン症協会は、検査が一般化しないよう日本産科婦人科学会に要望書を提出。同学会は新型出生前検査の指針案を作成、15日の理事会後に発表する見込みだ。
 指針を受けて臨床研究が開始されることになるが、左合センター長は「日本だけが新しい出生前検査の導入を避けることはできないだろう。それならば、臨床研究によってしっかりとした出生前診断の体制をつくる必要がある」と話す。

 近い将来、胎児の遺伝性疾患が母体血で診断できるようになるといわれる。国内では、中絶につながる恐れがあるとして、出生前診断の議論は放置されてきた。妊娠の継続と中絶はどう選択されるのか。現状を追った。

臨床研究、十数施設が計画
 新しい出生前検査の臨床研究を計画しているのは、国立成育医療研究センターなど十数施設。参加施設は、出生前診断に精通した臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが複数所属するなど適切な遺伝カウンセリングが行えるとしている。
 研究目的は、検査を適切に運用するための遺伝カウンセリングの基礎資料の作成で、米国のシーケノム社の検査を使う。研究対象は、日本産科婦人科学会の見解で羊水検査の対象となる35歳以上の高齢妊婦や、染色体異常の子供を妊娠分娩(ぶんべん)したことがある人。費用は20万円前後が予定されている。


---(中)遺伝カウンセリング 情報提供し多様な価値観を尊重---
2012.12.13 08:20
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121213/bdy12121308260000-n1.htm

 一部の医療機関が計画している新型出生前検査の臨床研究。その目的の一つは遺伝カウンセリングの研究とされるが、遺伝カウンセリングとはどのようなものだろうか。

安心して迷える
 日本認定遺伝カウンセラー協会の田村智英子理事は「出生前検査を受けるか、結果によって中絶するかは、妊婦やカップルが自分なりに情報を受け止めて決断していく。遺伝カウンセリングはその過程において、適切な情報を提供し、個人の価値観に基づく決断をサポートする」。
 新型出生前検査の場合、妊娠10週から検査ができる。陽性だった場合、確定診断には15~16週頃から可能な羊水検査を受けることになり、検査結果が出るまで長くて2カ月かかる。中絶ができるのは妊娠22週未満という期限がある。
 統計や確率、障害や病気の話をどう受け止めるかは個人によって異なる。検査によって、出産までに障害や病気の子供を受け入れる準備の時間となった人たちもいる。田村理事は「検査を受けるか、子供に医学的問題が見つかったときに中絶するか妊娠継続するか。どんな選択肢を選ぶとしても他の人に強いられることなく、安心して悩んだり迷ったりしながらその人らしい決断をしてほしい」と話す。

体制整備が急務
 「国内の相談体制は絶対的に不足している」と指摘するのは、東京大学死生学・応用倫理センター(東京都文京区)の小椋宗一郎研究員(倫理学)だ。
 遺伝カウンセリングの担い手は臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラー。12月1日現在、臨床遺伝専門医は970人、認定遺伝カウンセラーは139人。だが、臨床遺伝専門医のうち産婦人科医として出生前検査にかかわる医師は限られる。認定遺伝カウンセラーとしての就労は少なく、カウンセリング技術を磨く場も少ないのが現状だ。
 ドイツでは、遺伝子検査前のカウンセリングを法律で義務付けている。小椋研究員によると、医師による説明のほか、国内1500カ所以上に妊娠相談所が設けられ、研修を積んだ相談員が無料で対応している。
 医学的な情報提供も行うが、検査の結果や不安、動揺をどう受け止めたらいいかなど妊婦の心情に寄り添う。妊婦のパートナーや親との関係、経済的事情などの社会的な相談にも乗るのが特徴だ。障害者援助団体や親の会も紹介し、具体的な支援も行う。
 日本では、カウンセリング体制が整わないまま出生前検査を実施している医療機関も多いとみられる。だが、医療機関側も経営難や医師不足など体制整備できない事情もある。
 日本産科婦人科学会は近く、新型出生前検査の指針を発表する見込みだが、指針に強制力はない。臨床研究で導入される米国・シーケノム社以外にも新型検査を扱う企業はあり、相談体制が整わないまま検査を行う医療機関が出てくる懸念もある。妊婦をサポートするには検査の提供と並行して質の高い相談体制を整備することが急務だ。情報提供のあり方も考えるべきだ。
 小椋研究員は「日本の妊娠相談について、医療機関が体制を整えやすいように国も施策を打ち出すべきだ」と指摘している。

■悔いのない決断を支援
 出生前検査をめぐっては中絶を考慮する夫婦の支援も必要だ。
 北里大学(相模原市南区)の斎藤有紀子准教授(生命倫理学)は「どんな子供でも産もうと決めている人は最初から検査を受けないこともある。検査を受け、確定診断まで行う人には、出産を迷う人が多くなるだろう」と話す。出産も中絶も女性の心身に負担を伴う。出生前検査で胎児の障害が分かったとき、適切な情報提供や社会資源の紹介、揺れ動く心のサポートが悔いのない決断の支えとなる。
 斎藤准教授は「産むことの支援は語られやすいが、中絶のサポートはタブーになりやすい。中絶を決めた後も迷い続ける人、中絶をやめる人もいる。産まない決断を支えることは産む決断を支えることにもつながる。医療者は妊婦を最後まで支える体制を整えてから検査をすべきではないか」としている。


---(下)ダウン症候群 育てる決断支える社会に…---
2012.12.14 08:03
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121214/bdy12121408090000-n1.htm

 「母体血中の胎児情報がトリソミー以外のDNA情報に広がる日が来る。どんなDNAの人なら生まれてきていいのか、という問いを立ててください」
 11月13日、日本産科婦人科学会の公開シンポジウムで、日本ダウン症協会の玉井邦夫理事長は訴えた。「ダウン症に関するさまざまな知識が、まだまだ世の中に届いていません」
 母親の年齢が上がれば、染色体異常の赤ちゃんが生まれる確率は高くなる。だが、もともと生まれてくる赤ちゃんは誰でも先天異常の可能性がある。生後間もなく分かるような先天異常は出生児の約2%。そのうち、染色体異常は約5%にすぎないという。

ゆっくり発達
 ダウン症候群は1866年、イギリスのダウン医師が臨床例を報告したことで、その名前が付いた。一般的に21番目の染色体が3本あることで起こる。
 東京逓信病院の小野正恵小児科部長は「ダウン症候群は生まれてくる染色体異常の中では頻度が高い」と指摘する。どの夫婦にも起こる可能性がある先天異常だ。近年の高齢出産の増加に伴い、現在は600人に1人程度と推定される。
 筋肉の緊張が弱く運動発達がゆっくりで、歩き始めは通常より平均1年程度遅れる。小柄で顔立ちに特徴があり、目尻はつり気味。小野部長は「もちろん、ご両親にもよく似ていますよ」と話す。
 心臓の合併症を持つことが多く、消化管奇形などもある。生命予後は合併症の重さに左右されるが、「最近は心臓手術も積極的に行われるようになり、生命予後が良くなっている。合併症がなければ60代の方もいます」(小野部長)。
 知的発達はどうか。小野部長は「ゆっくりと成長します。個人差が大きく、うまく話せない子もいれば、大学に進学した子もいます。成人後は身の回りのことができ、簡単な作業ならできる人も多いです」。生活習慣病や認知症の症状が早く出るという報告もあるが、積極的な支援や治療がされている。得意な能力を伸ばして活躍する例もある。今年のNHK大河ドラマ「平清盛」の題字を書いた書家、金澤翔子さん(27)はダウン症候群だ。

検査をどう使うか
 障害を持つ子供を育てるという決断は、社会や福祉制度の充実の有無に左右される側面が大きい。小野部長は「親だけで子供の一生の面倒を見ることはできない。完璧な人間はいないし、ましてや障害を持った子供が生まれたら、社会が支えていくのは当然だ」と指摘する。
 治療のできない先天異常が分かる出生前検査は、障害者の排除につながるという懸念があり、国内では長い間、倫理的影響を危惧し、積極的な導入が控えられてきた。
 一方で、欧米では、出生前検査は希望する妊婦が状況に応じて選択できる国も多い。技術の進歩で、出生前に分かる病気や障害は増えていくだろう。
 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)の左合治彦周産期センター長は「医療技術として確立されている以上、適応条件を満たした出生前検査を希望する妊婦がいたら断ることができるのか。検査をどう使っていくか、社会として議論していくことが必要だ」と話している。(油原聡子が担当しました)

障害受け入れる準備期間に
 出生前診断をめぐり、ダウン症の当事者や家族は複雑な思いを抱えている。
 3人の子供の母、原香織さん(34)=東京都渋谷区=は、長女の未来美(みくみ)ちゃん(8)がダウン症候群だ。妊娠7カ月でダウン症候群だと分かったが、「障害を受け入れる準備期間になって良かった」と話す。しかし、未来美ちゃんの弟や妹の出産では出生前診断を受けなかった。
 「障害を持って生まれてもこんなにかわいいんだ、と未来美を育てて分かりました。次に生まれてくる子供に何かあったとしても全部受け止めたいと思った」
 未来美ちゃんは特に重い合併症もなく、元気に小学校の特別支援学級に通っている。原さんの夫や両親など家族の協力も得られている。原さんは「もし、未来美の知的障害や合併症が重かったり、家族関係が今とは違ったものだったら出生前診断を受けていたかもしれない」と漏らす。
 一方、日本ダウン症協会は、検査前の事前説明の充実や、検査が一般化しないよう求めた要望書を日本産科婦人科学会に提出。「障害の有無やその程度と本人および家族の幸・不幸は本質的には関連がない」と訴えている。

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