2013年11月18日月曜日

特定秘密保護法案と情報公開法

特定秘密保護法案の報道が多い。

公益通報者保護法は、公務員は対象外の業務が多い。
情報公開法は、検閲により黒塗り公開。
情報公開法改正案はインカメラ審理により、裁判官が判断。法案は今国会
見送りとの報道もある。

尖閣沖漁船衝突事件の情報漏洩は問題ないが、イージスシステムの情報
漏洩は問題ありと言う事か。
農水省機密文書漏洩も問題ありと思う。

マスメディアが問題視しているのは、情報源を失い、政府の監視ができ
ない、監視当局から監視を受ける等思う。
Snowdenによる情報漏洩等で、英国のマスメディアは、監視当局から監視
されていることを再認識。英国では情報の保有もできないとのこと。
法案施行で日本のマスメディアは、本来の役割を果たせないことになる。

戦前、特別高等警察(特高)や憲兵が取締りの対象とした日本共産党が、
現在の自民党の対抗馬となったのは驚き、その上、秘密保護で国民の一部
を監視し、処罰する法案を審議。
特高は、工作と拷問を繰返し、言論統制を進め、共産主義国や社会主義国
の秘密警察とのこと。
現在、特高は、公安警備警察と自衛隊情報保全隊に形を変え、存続。
公安警備警察は、目立った工作活動は見当たらないが、個別で働きかけを
するとの報道を目にすることがある。

担当大臣の一般人は処罰対象外とのこと。
実際、隠れて行っていた身辺調査を法律に基づいて、公然と実施。
大臣や政務官、事務官の親族を含め、身辺調査の範囲が拡大する。
省庁で働いている派遣社員や見なし公務員も対象になるかもしれない。
省庁に出入りする記者は、身辺調査が行われていることを知らないはず
はない。
米国では、実社会の友人数よりもネットの友人数が増しているとのこと。
ネット繋がりの交友関係を調べるには、ネットを監視する必要がある。
一般人は処罰対象外となっても絶えず、身辺調査を受けることになるのか。

テレビドラマに出てくるような電車やタクシー、居酒屋内での業務打合
せ(?)は、民間企業でみることは少ないと思う。

イージス情報漏洩逮捕はカウンターインテリジェンス
役立たずな官邸における情報機能の強化
国家秘密保護法制定へ
情報漏えいと知る権利
秘密保全法案 形ばかりの有識者会議
秘密取扱者適格性確認制度
農水省機密文書漏洩 未特定で告訴困難
NSA Programs Cover 75% of US Traffic
DI probe
陸自 救出に無反動砲携行か


---「一般人」は処罰対象外 秘密保護法案で森担当相---
2013.11.11 15:01
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131111/plc13111115030005-n1.htm

 衆院国家安全保障特別委員会は11日午後、機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ特定秘密保護法案と、民主党が提出した情報公開法改正案に関し質疑した。森雅子内閣府特命担当相は秘密保護法案に関し「(公務員ではない)一般の人が特定秘密と知らずに情報に接したり、内容を知ろうとしたりしても処罰対象にならない」と強調した。特定秘密の指定や解除に関し「できるだけ細目にわたり、しっかり基準を定めていく」と述べた。自民党の中谷元氏の質問に答えた。
 公明党の大口善徳氏は、特定秘密の指定や解除の運用基準を策定する有識者会議の人選の在り方などを尋ねる。
 与党に続き民主党の渡辺周、近藤昭一両氏が同法案について野党として初めて特別委で質問に立つ。特定秘密の範囲の明確化を求め国民の「知る権利」が侵害されないかをただす。民主党は情報公開法改正案の成立を優先させ、知る権利を守るよう求める考えだ。


---秘密保護法案は言論封じ---
2013年11月10日(日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-10/2013111004_02_1.html

紙議員ら街頭で訴え
 日本共産党の東京都大田地区委員会は8日夜、JR蒲田駅前で街頭演説を行いました。開始時300人を超えていた聴衆は、秘密保護法案の危険性などを強調する紙智子参院議員らの訴えが進むにつれて増え、広がる人垣を見た通行人からは「共産党は人気あるからなぁ」の声が聞かれました。
 駅前には「消費税増税中止」などのノボリや横断幕が並び、新婦人大田支部内後援会は「何でも秘密にする秘密保護法はダメ」と大書した真新しいタペストリーを手に参加。
 紙氏はTPP(環太平洋連携協定)交渉について、国民に何も知らせないまま進んでいる異常な実態を詳しく紹介。「自民党は“必ず守りぬく”と公約していた重要5項目(米、麦、乳製品、牛肉・豚肉、砂糖などの甘味資源作物)さえ関税撤廃の検討を言い出しています。安倍政権の暴走を、世論と運動でストップさせましょう」と呼びかけました。
 蒲田民商の池田克憲会長が消費税増税の無謀を、地元の坂井興一弁護士が秘密保護法の問題点を指摘。党大田区議団を代表して菅谷郁恵議員が区政報告しました。
 秘密保護法反対の署名を呼びかけていた女性(71)は「“ネット検索で逮捕も”と説明すると、『えっ』と驚いて署名する若者が多い」と語りました。


---自民 秘密法案修正に柔軟 中谷氏「多くの党の理解を」---
2013年11月9日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013110902000239.html

 衆院国家安全保障特別委員会で与党筆頭理事を務める自民党の中谷元・元防衛庁長官は九日のTBS番組で、機密を漏らした公務員らの罰則を強化する特定秘密保護法案について、野党から提案があれば修正協議に応じる姿勢を示した。「修正が必要なら各政党と協議し、少しでも多くの政党の理解をいただき成立させたい」と述べた。
 公明党の斉藤鉄夫幹事長代行も「野党の意見も聞いて合意形成に努めるべきだ。それは十分可能だ」と強調した。
 民主党の桜井充政調会長は「問題点が相当あり、簡単な修正では応じられないとの意見が党内にある」と強調。秘密指定の是非を検証する仕組みが欠けているとした。
 日本維新の会国会議員団の松野頼久幹事長は「指定の範囲を絞らないと駄目だ」と訴えた。みんなの党の浅尾慶一郎幹事長は「防衛機密と、外国政府がもたらした安全保障に関わる情報に限定すべきだ」と主張した。
 共産党の小池晃政策委員長、生活の党の村上史好国対委員長代理、社民党の福島瑞穂副党首も法案への反対姿勢を鮮明にした。


---秘密保護法案 厳罰は必要か 15年で5件 最高でも懲役10月---
2013年11月9日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013110902000135.html

 特定秘密保護法案は8日、衆院国家安全保障特別委員会で実質審議入りした。法案は特定秘密を漏らした公務員らへの罰則を最高懲役10年に引き上げる内容だが、実際に発生した情報漏えい事件は最高でも「懲役10月」。厳罰化する法案が必要なのか、疑問の声が上がっている。 (金杉貴雄)
 情報漏えいを禁じる法律は国家公務員法と自衛隊法の防衛秘密漏えい、米国から提供された防衛装備品の情報などに限った日米相互防衛援助(MDA)協定秘密保護法がある。最高懲役はそれぞれ一年、五年、十年。特定秘密保護法案で、防衛以外の外交その他の機密の漏えいは一年から一気に十年に罰則が強化される。
 政府は「罰則強化で漏えいを防ぐ」と説明しているが、果たして必要があるのか。
 政府は最近十五年で公務員による主要な情報漏えい事件は五件あったと説明している。だが、実刑は懲役十月だけ。残り一件が執行猶予、三件は起訴猶予だった。安倍晋三首相は七日の衆院本会議で「五件のうち、中国潜水艦の動向に関わる事件以外は特定秘密に該当しない」と明らかにした。
 懲役一年以上の罰則が必要だった事件は少なくとも最近では起きていない。逆に、行き過ぎた罰則の強化は、公務員や市民、報道機関などを不必要に萎縮させ、国民の「知る権利」が脅かされると懸念されている。
 日本弁護士連合会は「二〇〇〇年を最後に実刑の事件さえない。新たに罰則を引き上げる必要性がなく、法律をつくる理由がない」と批判している。

公務員による主要な情報漏洩事件(2000年)
ボガチョンコフ事件
 海上自衛隊三佐が在日露大使館の海軍武官に資料提供。
 懲役10年(自衛隊法違反)
イージスシステムの情報漏洩(2007年)
 海上自衛隊三佐が別の三佐にデータを送付するなどした。
 懲役2年6月・執行猶予4年(MDA自衛隊法違反)
内閣情報調査室職員の情報漏洩(2008年)
 同職員が在日露大使館書記官に情報提供
 起訴猶予(国家公務員法違反・収賄)
中国潜水艦の動向の情報漏洩(2008年)
 防衛省情報本部の一佐が記者に口頭で伝達
 起訴猶予(自衛隊法違反)
尖閣沖漁船衝突事件の情報漏洩(2010年)
 海上保安官が捜査資料のビデオ映像をインターネットに流出
 起訴猶予(国家公務員法違反)


---特定秘密法:防衛分野限定、維新が修正案---
毎日新聞 2013年11月08日 07時08分
http://mainichi.jp/select/news/20131108k0000e010166000c.html

 国家機密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案を巡り、日本維新の会国会議員団がまとめた修正案の骨子が7日、明らかになった。特定秘密の範囲を防衛分野に限定した点が柱。骨子では特定秘密の指定を原則として30年で解除する規定も盛り込んだ。政府案では内閣の承認があれば指定期間が30年を超えても解除されない。指定が恣意(しい)的にならないよう独立したチェック機関も創設するとした。片山虎之助政調会長は7日の記者会見で、「(政府)法案は出来が粗っぽい」と批判した。【阿部亮介】


---自公、情報公開法改正、今国会見送りへ 民主の分断作戦不発---
2013.11.6 14:54
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131106/stt13110614550005-n1.htm

 政府・与党は5日、民主党が提出した情報公開法改正案の今国会成立を見送る方針を固めた。今国会の審議日程が窮屈なうえ、当面は現行法で十分対応できると判断した。民主党の改正案に一定の理解を示していた公明党も今国会での成立にはこだわらない構えで、審議は行われるものの「時間切れ」となる公算だ。民主党は、改正に慎重な自民党と公明党を分断させる思惑もあり、改正案を衆院に提出したが、不発に終わった。(岡田浩明)
 自民党幹部は同日、改正案の扱いについて「情報公開法改正の必要性はない」と明言。公明党幹部も「自民党と敵対する必要はない」と述べ、歩調を合わせる考えを示した。
 自民党はそもそも「今も(情報公開の)基本的なルールは出来上がっている」として、改正は不要との立場。改正見送りには民主党案を「検討に値する」(井上義久幹事長)と評価していた公明党の“軌道修正”が大きい。
 3日には上田勇政調会長代理が「公文書管理や行政文書全体の情報公開の問題もあるので継続して論議していく話だ」と腰を据えて検討する必要性に言及。特定秘密保護法案の修正協議で国民の「知る権利」の明記などを飲ませることに成功したこともあり、与党の足並みの乱れを誘うかのような民主党の分断工作の芽を自ら断ち切った。
 公明党は消費税率10%への引き上げに合わせ食料品などの税率を低く抑える「軽減税率」導入を唱えており、年末の税制改正協議で導入に否定的な自民党から理解を得るための材料としたいとの思惑ものぞく。
 今国会の会期末まで6日でちょうど1カ月となることを踏まえ、成立させるべき法案の選別に向けた各党間の駆け引きがいよいよ激しくなってきた。


---国民の目・耳・口ふさぐ これが秘密保護法案---
2013年10月27日(日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-10-27/2013102702_01_0.html

 友好国ドイツの首相の携帯電話まで盗聴する米国。安倍内閣は、その米国から軍事情報の提供を受けるため、情報漏えいした国民を処罰する法案を国会に提出しました。「特定秘密保護法案」です。外交・防衛から原発情報まで、私たちの生活にも直接影響を及ぼす中身です。法案が国民にもたらす危険とは…。

何が秘密かも秘密 法案の仕組み
 安倍内閣が成立をねらう秘密保護法案とは、「国民の安全の確保」どころか、国民の目・耳・口をふさいで基本的人権をふみにじり、日本をアメリカとともに「海外で戦争する国」につくりかえるものです。
 秘密保護法案のおそろしさは、国民から見て「何が秘密かも秘密」になり、自分が接した情報が「特定秘密」かどうかわからないまま処罰されることです。「国民の安全」を最も脅かす〝戦争計画〟がつくられても、それを知ることが困難になってしまいます。
 法案は「特定秘密」の範囲として①防衛②外交③「特定有害活動」の防止④「テロリズム」の防止に関する情報を掲げています。
 しかし、「秘密の範囲」があいまい。たとえば「防衛」は、自衛隊の運用、装備、施設などあらゆる事項が対象です。「特定有害活動」には、核兵器、化学兵器、ロケット(ミサイル)、無人航空機(戦闘機)などの輸出入活動までが、秘密の範囲にされます。ある弁護士も「『日本が核兵器を持ちますよ』と言っているに等しい」と警告しています。
 重大なのは、「秘密」を指定するのが「行政機関の長」だということです。首相や外相、防衛相、警察庁長官らの勝手な判断で秘密の範囲をいくらでも広げることができます。
 「秘密」にしておく「指定期間」がありますが、期間は5年で何回でも更新・延長が可能。30年を超えても内閣の承認があれば更新可能です。しかも、法案を担当する内閣情報調査室は、文書の廃棄や秘密指定の更新も秘密にすると説明しています。
 公務員や民間業者らが情報漏えいをした場合、最高懲役10年以下で処罰されます。省庁間のやりとりで「特定秘密」を知った人も5年以下の懲役です。漏えいしなくても(未遂)、うっかり漏らしても(過失)、処罰されます。懲役10年に執行猶予は付きません。
 国権の最高機関である国会の調査権も制限しています。

突然逮捕 容疑は不明
 パソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)で、ある情報を調べ、ブログ(簡易ホームページ)などに書き込んだら、ある日突然、事情聴取された―。
 偶然、ある情報に接触したというだけで逮捕されたり、家宅捜索される可能性があります。秘密保護法案では何が「特定秘密」にあたるかは、国民に知らされていないためです。
 たとえば、自衛隊基地の外から撮影した戦闘機の写真や、地方行事で展示されていた自衛隊の地対空誘導弾の詳細な装備を、ブログなどに写真つきで詳しく書き込んだ場合、秘密保護法案の情報漏えい容疑で処罰される可能性があります。
 法案を担当する内閣情報調査室は、ネット上での情報漏えいについて「取り返しがつかない事態になる」と強調しています。秘密保護法案では「不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為」として、最高懲役10年以下で処罰するとしています。
 日本には、すでに「不正アクセス禁止法」(最高懲役3年以下)があります。にもかかわらず、新たに「不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為」という処罰規定を設けたのは、「特定秘密」を知る行為を広く処罰することを狙っているからです。現在、法務省の法制審議会では、政府ができる盗聴の拡大、室内盗聴の合法化など、盗聴法のさらなる改悪が検討されています。
 秘密保護法案が成立すれば、「不正アクセス行為」の定義もあいまいになり、何が「不正アクセス行為」かの判定は、行政機関や捜査当局に決められてしまいます。

突然逮捕 容疑は不明
 パソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)で、ある情報を調べ、ブログ(簡易ホームページ)などに書き込んだら、ある日突然、事情聴取された―。
 偶然、ある情報に接触したというだけで逮捕されたり、家宅捜索される可能性があります。秘密保護法案では何が「特定秘密」にあたるかは、国民に知らされていないためです。
 たとえば、自衛隊基地の外から撮影した戦闘機の写真や、地方行事で展示されていた自衛隊の地対空誘導弾の詳細な装備を、ブログなどに写真つきで詳しく書き込んだ場合、秘密保護法案の情報漏えい容疑で処罰される可能性があります。
 法案を担当する内閣情報調査室は、ネット上での情報漏えいについて「取り返しがつかない事態になる」と強調しています。秘密保護法案では「不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為」として、最高懲役10年以下で処罰するとしています。
 日本には、すでに「不正アクセス禁止法」(最高懲役3年以下)があります。にもかかわらず、新たに「不正アクセス行為その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為」という処罰規定を設けたのは、「特定秘密」を知る行為を広く処罰することを狙っているからです。現在、法務省の法制審議会では、政府ができる盗聴の拡大、室内盗聴の合法化など、盗聴法のさらなる改悪が検討されています。
 秘密保護法案が成立すれば、「不正アクセス行為」の定義もあいまいになり、何が「不正アクセス行為」かの判定は、行政機関や捜査当局に決められてしまいます。

原発情報も「特定秘密」
 原発の調査にでかけ、施設がのぞめる小高い丘から写真を撮り、ツイッターでつぶやいたら処罰された―。
 こんな事態も秘密保護法案で起こります。「テロ活動防止」という口実で、原発施設の配置や原子力規制委員会や原子力規制庁が持つ原発情報は「特定秘密」の対象となるからです。たとえば、福島第1原発事故で毎日のように続く汚染水漏れで、どこで漏れたかという情報も、場所が特定されるという理由で隠される恐れも十分あります。
 原発情報について、法案作成を担った内閣情報調査室も「特定秘密になりうるもの」と認めています。
 福島第1原発1号機は、2011年3月11日の地震発生から16時間後までにメルトダウン(全炉心溶融)を起こしていました。この事実を東電が明らかにしたのは2カ月後でした。
 原子力災害時に放射性物質の拡散状況を予測する「SPEEDI(スピーディ)」のデータを、政府は米軍に提供する一方、福島県民はじめ、国民にはすぐには公表しませんでした。それを知らされずに線量の高い地域に避難し、避けられたはずの被ばくをした被災者もいました。
 ただでさえ、情報が隠されているのに、秘密保護法案が成立すれば、国民にとって重要な情報はいっさい表に出てこないことになってしまいます。

「情報公開」の宣伝でも
 ある日、霞が関の官庁街で「情報を公開しろ」と集会を開き、マイクで訴えていたら、「秘密保護法違反(扇動)だ」と警察に逮捕された。
 秘密保護法案では、「特定秘密」を持つ人に情報を求めることも「特定取得行為」として処罰対象です。情報を得ることができなくても、「共謀、教唆(そそのかし)、扇動(あおる)」として、罪に問われます。
 冒頭の事例のように集会での一言が犯罪にされかねません。
 新聞記者が関係者に〝夜討ち朝駆け〟で自宅を訪ねて取材することも問題にされそうです。
 また、ビラや宣伝を企画した仲間(共謀)や、記者に取材を指示した新聞社のデスク(教唆)も捜査対象となりえます。
 法案は、「取材行為については、法令違反または著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とする」として、あたかも「取材の自由」があるかのように書いています。
 井上正信弁護士(日弁連・秘密保全法制対策本部副本部長)は「マスコミの取材といっても、『特定秘密』を得ようとする行為そのものは〝犯罪〟です。それが『正当な取材』か、判断するのは捜査当局や裁判所です。たとえ最終的に『正当な取材』と認められても、家宅捜索で記者のパソコンや携帯電話を押収するだけでメディアにとって大打撃になります」と指摘します。

家族・友人も身元調査
 自衛隊に装備品を納入する会社に勤めるFさん。本人だけでなく家族のプライバシーまで調べられていた―。
 秘密保護法案のもとでは、こんな事態が日常になります。「秘密」として指定された情報を取り扱う公務員や民間企業社員が情報漏えいをする恐れがないか、「適性評価」という名目で徹底的に調査するからです。
 調査事項は、住所や生年月日などの基本事項だけでなく、犯歴や懲戒歴、外国への渡航歴、精神疾患、飲酒、信用情報や経済状況…。人権侵害そのものの調査です。
 身辺調査は、本人だけでなく家族や父母、兄弟、配偶者の親族、同居人も対象とされています。
 すでに秘密保護法案をさきどりする形で、国の行政機関で働く職員を対象に「秘密取扱者適格性確認制度」が2009年から実施されています。本紙が入手した自衛隊の「身上明細書」では、思想・信条をふくむ19項目にわたる詳細な個人情報を自主申告するよう指示。家族や親族だけでなく知人の職業や勤務先の記入も求め、その交際の程度までたずねています。
 自衛隊では、「身上明細書」への記入に偽りがないかどうかを自衛隊情報保全隊が調査します。同隊は、市民の平和運動などを監視して記録することを主目的とした部隊で、その国民監視活動にたいし仙台地裁で違法判決が出ています。
 秘密保護法案が成立すれば、情報保全隊や公安警察のような国民監視組織が、いっそう不当な活動を強め、広範な市民の人権が侵害されるのです。

国会議員さえ懲役刑
 衆院安全保障委の「秘密会」で明らかにされた情報の是非を、専門家に相談した国会議員が懲役刑に―。
 秘密保護法案のもと、「国権の最高機関」であるはずの国会が行政府の監視下に置かれることになります。
 同法案は、秘密を国会に「提供」する前提として、非公開の「秘密会」であることを要求しています。「秘密会で知った秘密」を漏えいした場合には、国会議員さえも懲役5年の処罰を受けるのです。
 「秘密会」に参加した議員が、自分の所属する政党に持ち帰って議論することも、専門家に意見を聞くこともできません。当たり前の議会政治、政党政治がマヒしてしまいます。
 これだけ国会を縛ったうえで、なお「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼす」と判断すれば、結局、〝秘密〟を公開しないとしているのです。これでは、官僚・行政機関の判断一つで、国会に重要情報が全く出てこないことになります。
 国会は主権者国民の代表機関であり、行政を監視するのが仕事です。そのために憲法は、衆参両院に国政調査権を保障しています(62条)。少数党が政府与党を追及・批判することを通じて、国民の「知る権利」にこたえる重要な役割を果たします。
 秘密保護法案は国政調査権も形骸化させるだけでなく、国民の代表機関である国会が、行政府を監視する体制から、行政と官僚が国会を監視下におく「専制」へと逆転させるものです。

法案の狙い 戦争国家づくり
 秘密保護法案は、安倍晋三首相がオバマ米大統領との会談で「日米同盟強化を見据えたもの」と説明したとおり、海外で米国と一体に「軍事行動する国」へ日本をつくりかえる構想の一環です。
 自民党は昨年、集団的自衛権行使の具体的要件などを定める「国家安全保障基本法案」の概要をまとめました。「基本法案」は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と秘密保護法の上に位置づけられる法律として想定されています(図)。
 自民党が最終的に目指すのは、総選挙と参院選公約で示したように、憲法9条改定と「国防軍」の創設です。しかし、安倍首相は改憲反対世論の広がりを受け、海外で戦争するための集団的自衛権行使を、9条改定(明文改憲)でなく憲法の解釈変更で可能にする方針に転換。現行憲法にもとづく法体系を、枝葉の法律から「軍事国家」仕様につくりかえる戦略です。この狙いそのものが立憲主義に反します。
 秘密保護法を繰り返し求めてきたのは国民ではなく、米国です。2005年には、日米両国間の部隊から首脳レベルまであらゆる範囲で軍事戦略や情報を共有することを日本は約束。その際、「秘密保護の追加的措置」、つまり米国の情報が日本から漏れないよう、対策強化を要求されています。
 イラク戦争で米国と英国は、ありもしない大量破壊兵器の存在を言い立て、国際社会の反対が広がる中、開戦に踏み切りました。米国の軍事情報に国の命運を左右される危険を示しています。

知る権利と両立せず
 政府・与党の「修正」協議を経て、法案に「国民の知る権利の保障に資する報道または取材の自由に十分配慮しなければならない」(21条1項)との文言が盛り込まれました。
 しかし、この条文は〝飾り〟以上のものではありません。報道・取材の自由は「保障」でなく「配慮」だけ。「知る権利」は、報道・取材の自由さえ確保されれば保障されるものではなく、必要な情報に自由にアクセス(入手、閲覧など)できる、国民一人ひとりがもつ権利です。
 出版・報道業務の従事者の取材行為について、「法令違反」「著しく不当な方法」によるもの以外は「正当な業務による行為とする」(21条2項)との条文も加わりました。取材を「処罰しない」とはどこにもありません。業務の正当・不当を判断するのは行政や司法。正当な取材でも処罰されうるあいまいさを残しています。
 「知る権利の保障に資する…」とは書けても、「保障する」とはいっさい書けないところに、「知る権利」とは両立しないこの法案の仕組みが凝縮されています。

戦前の日本 相互監視を強要・密告を奨励
 戦前の日本は、軍機(軍事機密)保護法、国防保安法、治安維持法などで侵略戦争の事実を秘密にし、国民生活のすみずみにまで監視を強めました。国民は相互に監視することを強要され、密告が奨励されました。
 たとえば、1938年、広島県呉市内の公園で酒宴を開いている仲間を写真撮影した料理人が検挙されました。「許可を得ずして水陸の形状を撮影」したことが軍機保護法に違反したとされました。
 1943年には、13歳の少女が「非国民」「国賊」と罵倒されて特高(特別高等警察)から殴る、けるの拷問を受けました。与謝野晶子著『みだれ髪』に収録された詩「君死にたまふことなかれ」を、赤線を引いて読んだことが治安維持法違反とされました。少女はこの本が政府から発売禁止とされていることや、治安維持法そのものを知らされていませんでした。


---民主が情報公開法改正案提出 公明同調、どうなる秘密保護法案---
2013.10.25 23:35
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131025/stt13102523360007-n1.htm

 民主党は25日、特定秘密保護法案の閣議決定に対抗し、国民の「知る権利」を担保する情報公開法改正案を衆院に提出した。法案は衆院国家安全保障特別委員会で、機密を漏らした公務員らの罰則強化を盛り込んだ政府の特定秘密保護法案と同時に審議される。ただ、公明党も民主党と同様に「知る権利」を確保する情報公開法改正に前向き。改正に慎重な自民党との間で軋轢(あつれき)も懸念され、特定秘密保護法案の審議に影響を与える可能性がある。(岡田浩明、楠城泰介)
 改正案は、行政機関が公文書を非公開とした場合に裁判所が是非を判断する「インカメラ審理」制度の導入などが柱。「国民の知る権利を保障」と明記し、行政機関が非公開にできる理由の規定から「国民に混乱を生じさせる恐れ」などを削除して行政側の裁量範囲を狭めている。
 公開請求から公開・非公開の決定までの期限も、30日から14日に短縮。高裁所在地にある地裁に限定している情報公開訴訟の提訴先を、全都道府県の地裁に広げ、公開請求の手数料も原則無料とした。
 改正案提出者の一人、枝野幸男元官房長官は25日の記者会見で「特定秘密保護法案は、秘密の範囲が必要以上に大きく指定される恐れが否めない。少なくとも事後的に行政外の司法でチェックすることが必要だ」と情報公開法を改正する意義を強調した。
 特定秘密保護法案への懸念が世論にくすぶる中、情報公開法改正案は世論の支持を得やすい-。民主党にはそんな計算がちらつく。同時に、改正に難色を示す自民党と、前向きな公明党を分断する思惑も見え隠れする。
 実際、公明党は特定秘密保護法案をめぐる政府・自民党との修正協議で、国民の「知る権利」を担保するため、情報公開法の強化を主張。民主党の情報公開法改正案に盛り込まれている、情報公開の請求から開示決定までの期間短縮などは公明党の主張と同じだ。
 ただ、井上義久幹事長は25日の記者会見で、民主党提出の改正案への対応について「現行の情報公開法をきちんと運用することが必要だ」と述べるにとどめた。党内に設置した情報公開などに関するプロジェクトチームは来週前半にも初会合を開催する予定だ。民主党の情報公開法改正案について協議するが、そう簡単に結論は出そうにない。
 改正案に賛成すれば党の主張が反映されるものの、自民党との間に亀裂が入るのは確実。逆に、反対すれば情報公開に後ろ向きと受け止められかねないからだ。
 公明党内には早くも「民主党のパフォーマンスに付き合う必要はない」(幹部)と、自民党との足並みの乱れを懸念する声も出ている。政府・自民党が情報公開強化をめぐる公明党との調整に手間取れば、特定秘密保護法案成立への新たなハードルとなる可能性は否定できない。


---遅れる“スパイ天国”日本の法整備 知る権利確保になお不安も---
2013.10.25 09:16
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131025/stt13102509170001-n1.htm

 諸外国に比べて日本の秘密保護に関する法整備が遅れているのは、国民の「知る権利」の侵害を懸念する世論の反発が強かったためだ。
 昭和60年、自衛隊スパイ事件に対応し、当時の中曽根康弘政権は特定秘密保護法案と同じ「国家秘密法案(スパイ防止法案)」を国会提出した。「日本はスパイ天国」(中曽根氏)との汚名返上を狙ったものの、「知る権利」の観点から反発が噴出、廃案になった。
 近年では平成22年9月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で起きた海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件の映像が動画サイトに流出。当時の民主党政権の仙谷由人官房長官は「捜査書類を流出させたのは明らかな犯罪だ」とし、情報保全検討委員会を発足させた。
 だが、中国人船長が釈放されるなど政府の不可解な動きに加え、このときも「知る権利」を守るため映像を公表すべきだとの声が続出。政権不信も重なり、情報保護の法制化は実現しなかった。
 スパイ防止法案の国会提出から28年。安倍晋三首相は特定秘密保護法案について、安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)を機能させる手段として位置づけている。「秘密厳守は大前提。どうしても必要だ」と強調する。日本独自の情報収集は限界があり、米国などからの情報が欠かせないというわけだ。防衛省幹部も「機密情報をもらう側の“防犯対策”がしっかりしていないと、提供する米国などから信頼してもらえない」と指摘している。
 ただ、「知る権利」が確保されるのかとの不安感はなお拭えず、みんなの党の小野次郎氏は24日の参院予算委員会で、衝突事件の映像を流出させた海保保安官を取り上げ「こういう人をどう保護するのか」と懸念を示した。


---特定秘密保護法案を問う(2)軍事ジャーナリスト・前田哲男さん「国民見下した考え方」---
2013年10月17日
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1310170022/

 安倍晋三政権が特定秘密保護法の成立を目指す臨時国会が幕を開けた。
 「秘密保護法が出てくる時勢というのは、いつもキナ臭い」
 軍事ジャーナリストの前田哲男さんは席に着くなり、切り出した。
 日清戦争と日露戦争の間、1899年に制定された軍機保護法。日中戦争が激化した1938年に制定された国家総動員法。日米開戦と同じ年の41年に制定された国防保安法-。
 歴史をさかのぼれば、情報統制に動く国家が向かう先の危うさが浮かび上がってくる。「戦争と情報統制は表と裏の関係にある」。危機感はだから、情報を統制することを是とする国のありように向かう。
 「法案が成立すれば、公務員だけでなく、情報を得ようとする国民さえも取り締まりの対象となる。新しい例は前例となって定着していく。見せしめ的な例を作ることだってあり得る。息苦しい世の中になることは間違いない」

■背景に軍事一体化
 同じ「キナ臭さ」を感じたのは東西冷戦さなかの1980年代。当時の中曽根康弘首相は最高刑を死刑とする国家秘密法(スパイ防止法)の成立を目指した。
 戦後政治の総決算を掲げ、憲法改正を主張し、トップダウンの政治姿勢から「大統領型首相」とも称された中曽根氏。同じ改憲派で、「戦後レジーム(体制)の脱却」を唱え、官邸主導の手法をとる安倍晋三首相がダブってみえる。
 では冷戦も終結をみたいま、秘密保護のために罰則を強化し、処罰対象を広げようとしている背景には、何があるのか。
 真っ先に指摘するのが、日米の軍事一体化の流れだ。自衛隊と米軍は共同演習を重ね、協力関係を深めており、情報を共有する上で管理強化は欠かせない。
 3日には、日米の外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が開かれ、日米同盟の強化へ向け、自衛隊と米軍の役割を定めた日米防衛協力指針(ガイドライン)を再改定することで一致。「より密接な防衛協力を考えたときに、情報の管理方法について米国から同じレベルの措置を求められるのは当然だ」
 安倍政権が設置を目指す国家安全保障会議(NSC)でも他国との機密情報のやりとりが想定され、菅義偉官房長官は「諸外国との情報共有には、わが国の情報保全体制への信頼が不可欠になる」と強調している。
 さらに安倍首相が意欲を見せる集団的自衛権の行使容認とも連動しているとみる。「行使容認へ憲法解釈を変更し、自衛隊を使った他国の防衛という方針転換を見越した法律だ。つまり予防的な措置とみることができる」

■公開の原則なく
 情報の漏えいに関して米国には懲役10年以下とする罰則が存在する。2007年の日米軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の発効が契機となり、米国と同等の措置が日本にも求められてきた。その答えが今回の法案というわけだ。
 「しかし、秘密情報の管理方法は、米国とは大きく異なるだろう」と指摘する。「秘密は保護しなければならないから違反者は処罰する。米国には、それがどういう情報で、なぜ秘匿(ひとく)されなくてはならなかったかという理由は時間がたてば明らかにするという公開の原則がある。そこでバランスをとっている」
 日本の場合はどうか。法案の原案によれば、特定秘密は指定期間を5年とするが、更新が可能で、チェック機能はない。指定期間が終了しても、情報の保存というルールもないため、「秘密が秘密のまま廃棄される恐れがある。そうなると処罰された本人も、その理由を知る手だてがなくなってしまう。これはどう考えても独裁政治だ」。
 沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との領土問題や北朝鮮の核開発など、東アジア情勢の緊迫化が喧伝(けんでん)され、日米の共同歩調の必要性が叫ばれるなかで浮上した特定秘密保護法案。しかし、情報の扱いで浮き彫りになる米国との差は何を意味するのか。
 「記録に関する国民の認識の違いが表れている。欧米では公権力によってなされたものは保管するという考え方がある」。歴史的に見ても旧日本軍の記録はほとんど残っていない。「戦時中は軍部しか知らないことがほとんどだった。それは国民とは別の問題、知らなくていいだろうという為政者の考え方から来る。国民を見下し、知らせる必要もないという考え方だ。軍事領域を聖域化した。そこから続く根深い問題だと思う。ある意味では民主主義が遅れているともいえる」

■特定秘密保護法案の背景
 安倍政権は外交・安全保障政策の司令塔となる日本版「国家安全保障会議(NSC)」設立と特定秘密保護法成立を“車の両輪”と位置づける。
 省庁の壁を越えて情報を集約する首相主導の危機管理体制づくりと、米国との緊密な情報共有を狙うNSC。その設立のためには秘密保全の強化が必要、としている。背景には、米国から秘密保全の徹底を繰り返し求められている事情がある。
 ただ、近年の漏えい事件で公務員が実刑になったのは、2000年の「ボガチョンコフ事件」の1件だけで、新たな法整備の必要性に疑問の声も上がっている。
 特定秘密保護法案の原案によると、国家の安全保障に大きな支障を与える恐れがあり、特に秘匿が必要な情報を「特定秘密」に指定して漏えいを防ぐ。
 具体的には防衛相や外相、警察庁長官といった行政機関の長が(1)防衛(2)外交(3)外国の利益を目的とする特定有害活動の防止(4)テロ活動防止-の分野から指定。有効期間は上限5年で、必要がなくなれば指定は解除されるが、何度でも更新して期間を延長できる。
 漏えいしたときの罰則は、国家公務員法と地方公務員法(守秘義務)の最高1年の懲役刑や自衛隊法の最高5年の懲役刑よりも重くなる。特定秘密を扱う公務員らが故意に漏えいした場合は最高10年の懲役刑、過失の場合も最高2年の禁錮刑に。国会議員ら提供された側が故意に漏らすと最高5年の懲役刑。
 人を欺く行為や暴行、脅迫、窃取、施設侵入、不正アクセスのほか「特定秘密の保有者の管理を侵害する行為」などの手段で取得した場合も最高10年の懲役刑が科される。未遂、共謀、教唆、扇動も処罰の対象になる。


---特定秘密保護法案を問う(1)ジャーナリスト・江川紹子さん「流れは止められない」---
2013年10月16日
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1310160017/

 安倍晋三政権は秘密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案を今臨時国会に提出する予定だ。防衛や外交分野で指定した「特定秘密」の情報管理をうたうが、広範囲の情報が秘密とされる可能性があり、情報の取得も処罰対象とすることから「国民の知る権利の侵害につながる」との指摘がある。識者らに聞いていく。
 〈言論を封殺する。これが戦争への道の第一歩だった。人々は「見ざる、言わざる、聞かざる」を強いられ、真実を知らされないまま戦争へ駆り立てられた〉
 巻頭でそう記す「『言論』が危うい」は1987年、本紙連載をまとめて刊行されたものだ。
 当時、中曽根康弘政権が成立を目指した国家秘密法(スパイ防止法)をテーマにしたこの連載を、社会部記者として担当した。
 防衛や外交に関わる情報を秘密に指定し、漏えいした場合の罰則を最高で死刑とした国家秘密法。その本質が、特定秘密保護法案に二重写しになる。
 では、その本質とは。
 「民間人、いや国民を取り締まる法律です」
 そう言い切った。
 情報漏えいはいまでも国家公務員法、自衛隊法で罰せられる。
 新たな法案は、情報を漏らした公務員らの罰則を強化するものだが、それだけではない。情報提供を求める行為が、そそのかしたり、あおったりしたと見なされれば処罰の対象となる。
 強まる罰則、広がる処罰対象。その先に何が待つのか。

■言論の封殺
 連載では、戦中にスパイ容疑で逮捕されたキリスト教の司祭やさまざまな規制の中で記事を書かざるを得なかった新聞記者、横浜事件で有罪判決を受けた元編集者らを訪ねて回った。
 ある記者は言った。
 「ジャーナリストの自己規制が一番怖い」
 記者は、戦争未亡人が3人の子どもを育てるため、授産所で懸命に働いているという人情モノの記事を書いた。真珠湾攻撃から1年がたったころだ。哀れにも読める話だったためか、社内で「戦争批判に通じる」と、ボツになった。
 以後は「この手の記事は出せない話」と自分で判断するようになり、同じような話を書かなくなった。「お上からの制約以上に自粛して、どんどん小さくなってしまった」
 最初はささいな変化かもしれない。しかし、世に出回る情報の「幅」が狭まるということは、国民の知る権利が損なわれるということだ。
 そして、その幅は権力の側により恣意的に操作されることは歴史が教える。
 政府に不都合な情報が表に出てこなくなる。政策を判断し、政府を批判するきっかけがなくなる。つまり言論が封殺される。「報道の自由や表現の自由の基盤である『国民の知る権利』が保たれていなければ、民主主義が危機に瀕する」
 そうして戦時下の報道や言論は戦意高揚をあおり、国民の楽観を生み、日本は戦争へと歩を進めていった。

■実感なき世代
 国家秘密法案が議論されていたころはまだ「言論の封殺」を経験した人々がいた。「感覚的に『大変だ』と感じて、たくさんの人が反対の声を上げた」。結果、法案は廃案になった。
 それから30年余。「戦時中の空気」を語れる人はほとんどいなくなった。
 反対に、戦争の名残すら感じたことのない世代が増えた。「感覚というのは理屈に勝る。『戦争になる』と想像力に働きかけても、実感は湧きにくい。理屈で考えるのはとても難しい」
 メディアの危機感も薄い、と憂う。「戦争の生々しい記憶が残っていたあのころと今とは、全く雰囲気が違う」
 戦前戦中といまでは社会情勢は異なる。
 でも、本当に違うだろうか。
 〈公益及び公の秩序に反してはならない〉
 自民党の改憲草案を読んでがく然とした。個よりも全体、つまり国を優先させることを強調している。
 そして戦後レジーム(体制)の脱却を掲げ、憲法改正と集団的自衛権の行使容認に意欲を見せる安倍首相と、その政権は高い支持率を保つ。
 「日本は安倍首相が望む一つの方向に向かっている」
 戦争ができる国へ-。
 その流れの中に、特定秘密保護法案がある。
 「安倍首相も戦争をやりたいと思っているとは思わないが、戦争という最後の選択肢がないのと、あるのとでは全然違う。戦争を回避しようと尽くされるはずの努力がなされなくなる」
 実感のない世代が戦争という選択肢に向かい始めたとき、報道や言論は異を唱えられるだろうか。
 「それはもう、簡単には止められません」
 静かに、また言い切った。

■特定秘密保護法案の要旨
【目的】
 国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿が必要な情報の漏えいを防止し、国の安全を確保する。

【特定秘密の指定】
 防衛や外交、テロ活動防止などに関する事項のうち、公になっておらず、秘匿が必要な情報を閣僚らが「特定秘密」に指定する。指定の有効期間は5年以内で更新が可能。

【特定秘密の提供】
 閣僚らは、この法律と同様の秘密保護を講じている外国政府や国際機関に必要に応じて特定秘密を提供できる。衆参両院や各委員会が秘密会などにより公開しない場合や、刑事事件の捜査、公判維持のため裁判所にも提示できる。

【取扱者の適性評価】
 特定秘密を取り扱う公務員や、行政機関との契約により特定秘密を保有する民間事業者らが情報を漏らす恐れがないかどうか適性を評価する。適性評価では、外国の利益を図る目的で兵器の輸出入を行う特定有害活動やテロ活動との関係、犯歴、精神疾患、飲酒の程度などについて同意を得た上で調査する。家族の国籍などの個人情報も調べる。

【国民の知る権利】
 法適用に当たって国民の知る権利に資する報道・取材の自由に配慮する。

【報道の自由】
 取材活動に関して法令違反や著しく不当な方法と認められない限りは罰しない。

【罰則】
 特定秘密を取り扱う者が外部に情報を漏らした場合は最高で懲役10年。過失で情報を流した場合は2年以下の禁錮とする。(1)人を欺く、暴行、脅迫(2)窃取(3)施設への侵入(4)不正アクセス-などの行為で特定秘密を取得すれば10年以下の懲役。秘密の漏えいを唆し、扇動した場合も5年以下の懲役とする。


---民主党の情報公開法改正案の要旨---
2013.10.25 23:38
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131025/stt13102523390008-n1.htm

 民主党が25日、今国会に提出した情報公開法改正案の要旨は以下の通り。
【法の目的】
 情報公開制度が国民の「知る権利」を保障する観点から定められたものであることを明示。
【開示情報の拡大】
 国の機関での審議情報で「不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるから」と不開示としてきた規定などを見直す。
【手数料の見直し】
 開示請求にかかる手数料は原則として廃止する。
【開示決定などの期限の短縮】
 開示請求から開示決定までの期限を「30日」から「行政機関の休日を除き14日」に短縮する。
【情報公開訴訟の抜本的強化】
 情報公開をめぐる訴訟を原告の住まいに近い地裁であれば、どこにでも提起することを可能にする。
 訴訟では裁判所が当事者を立ち会わせずに対象文書についての証拠調べ(インカメラ審理)ができる手続きも導入する。


---【特定秘密保護法案全文】---
2013年10月25日
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/himitsuhogo/zenbun.html

特定秘密保護法案の全文は次の通り。
 第一章 総則
 (目的)
 第一条 この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。
 (定義)
 第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
 一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
 二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関(これらの機関のうち、国家公安委員会にあっては警察庁を、第四号の政令で定める機関が置かれる機関にあっては当該政令で定める機関を除く。)
 三 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関(第五号の政令で定める機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定める機関を除く。)
 四 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条(宮内庁法第十八条第一項において準用する場合を含む。)の特別の機関で、警察庁その他政令で定めるもの
 五 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
 六 会計検査院

 第二章 特定秘密の指定等
 (特定秘密の指定)
 第三条 行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては当該行政機関をいい、前条第四号及び第五号の政令で定める機関(合議制の機関を除く。)にあってはその機関ごとに政令で定める者をいう。第十一条第一号を除き、以下同じ。)は、当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの(日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法(昭和二十九年法律第百六十六号)第一条第三項に規定する特別防衛秘密に該当するものを除く。)を特定秘密として指定するものとする。
 2 行政機関の長は、前項の規定による指定(附則第四条を除き、以下単に「指定」という。)をしたときは、政令で定めるところにより指定に関する記録を作成するとともに、当該指定に係る特定秘密の範囲を明らかにするため、特定秘密である情報について、次の各号のいずれかに掲げる措置を講ずるものとする。
 一 政令で定めるところにより、特定秘密である情報を記録する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下この号において同じ。)若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示(電磁的記録にあっては、当該表示の記録を含む。)をすること。
 二 特定秘密である情報の性質上前号に掲げる措置によることが困難である場合において、政令で定めるところにより、当該情報が前項の規定の適用を受ける旨を当該情報を取り扱う者に通知すること。
 3 行政機関の長は、特定秘密である情報について前項第二号に掲げる措置を講じた場合において、当該情報について同項第一号に掲げる措置を講ずることができることとなったときは、直ちに当該措置を講ずるものとする。
 (指定の有効期間及び解除)
 第四条 行政機関の長は、指定をするときは、当該指定の日から起算して五年を超えない範囲内においてその有効期間を定めるものとする。
 2 行政機関の長は、指定の有効期間(この項の規定により延長した有効期間を含む。)が満了する時において、当該指定をした情報が前条第一項に規定する要件を満たすときは、政令で定めるところにより、五年を超えない範囲内においてその有効期間を延長するものとする。
 3 行政機関(会計検査院を除く。)の長は、前項の規定により指定の有効期間を延長しようとする場合において、当該延長後の指定の有効期間が通じて三十年を超えることとなるときは、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務を全うする観点に立っても、なお当該指定に係る情報を公にしないことが現に我が国及び国民の安全を確保するためにやむを得ないものであることについて、その理由を示して、内閣の承認を得なければならない。この場合において、当該行政機関の長は、当該指定に係る特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める措置を講じた上で、内閣に当該特定秘密を提供することができる。
 4 行政機関の長は、指定をした情報が前条第一項に規定する要件を欠くに至ったときは、有効期間内であっても、政令で定めるところにより、速やかにその指定を解除するものとする。
 (特定秘密の保護措置)
 第五条 行政機関の長は、指定をしたときは、第三条第二項に規定する措置のほか、第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、当該行政機関において当該指定に係る特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲を定めることその他の当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める措置を講ずるものとする。
 2 警察庁長官は、指定をした場合において、当該指定に係る特定秘密(第七条第一項の規定により提供するものを除く。)で都道府県警察が保有するものがあるときは、当該都道府県警察に対し当該指定をした旨を通知するものとする。
 3 前項の場合において、警察庁長官は、都道府県警察が保有する特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲その他の当該都道府県警察による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について、当該都道府県警察に指示するものとする。この場合において、当該都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、当該指示に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその職員に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
 4 行政機関の長は、指定をした場合において、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために特段の必要があると認めたときは、物件の製造又は役務の提供を業とする者で、特定秘密の保護のために必要な施設設備を設置していることその他政令で定める基準に適合するもの(以下「適合事業者」という。)との契約に基づき、当該適合事業者に対し、当該指定をした旨を通知した上で、当該指定に係る特定秘密(第八条第一項の規定により提供するものを除く。)を保有させることができる。
 5 前項の契約には、第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、同項の規定により特定秘密を保有する適合事業者が指名して当該特定秘密の取扱いの業務を行わせる代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下単に「従業者」という。)の範囲その他の当該適合事業者による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について定めるものとする。
 6 第四項の規定により特定秘密を保有する適合事業者は、同項の契約に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその従業者に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。

 第三章 特定秘密の提供
 (我が国の安全保障上の必要による特定秘密の提供)
 第六条 特定秘密を保有する行政機関の長は、他の行政機関が我が国の安全保障に関する事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために当該特定秘密を利用する必要があると認めたときは、当該他の行政機関に当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が、この項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
 2 前項の規定により他の行政機関に特定秘密を提供する行政機関の長は、当該特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲その他の当該他の行政機関による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について、あらかじめ、当該他の行政機関の長と協議するものとする。
 3 第一項の規定により特定秘密の提供を受ける他の行政機関の長は、前項の規定による協議に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその職員に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
 第七条 警察庁長官は、警察庁が保有する特定秘密について、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために都道府県警察にこれを利用させる必要があると認めたときは、当該都道府県警察に当該特定秘密を提供することができる。
 2 前項の規定により都道府県警察に特定秘密を提供する場合については、第五条第三項の規定を準用する。
 3 警察庁長官は、警察本部長に対し、当該都道府県警察が保有する特定秘密で第五条第二項の規定による通知に係るものの提供を求めることができる。
 第八条 特定秘密を保有する行政機関の長は、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために、適合事業者に当該特定秘密を利用させる特段の必要があると認めたときは、当該適合事業者との契約に基づき、当該適合事業者に当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が、第六条第一項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
 2 前項の契約については第五条第五項の規定を、前項の規定により特定秘密の提供を受ける適合事業者については同条第六項の規定を、それぞれ準用する。この場合において、同条第五項中「前項」とあるのは「第八条第一項」と、「を保有する」とあるのは「の提供を受ける」と読み替えるものとする。
 3 第五条第四項の規定により適合事業者に特定秘密を保有させている行政機関の長は、同項の契約に基づき、当該適合事業者に対し、当該特定秘密の提供を求めることができる。
 第九条 特定秘密を保有する行政機関の長は、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために必要があると認めたときは、外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下同じ。)の政府又は国際機関であって、この法律の規定により行政機関が当該特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置を講じているものに当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が、第六条第一項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
 (その他公益上の必要による特定秘密の提供)
 第十条 第四条第三項後段及び第六条から前条までに規定するもののほか、行政機関の長は、次に掲げる場合に限り、特定秘密を提供することができる。
 一 特定秘密の提供を受ける者が次に掲げる業務又は公益上特に必要があると認められるこれらに準ずる業務において当該特定秘密を利用する場合(次号から第四号までに掲げる場合を除く。)であって、当該特定秘密を利用し、又は知る者の範囲を制限すること、当該業務以外に当該特定秘密が利用されないようにすることその他の当該特定秘密を利用し、又は知る者がこれを保護するために必要なものとして政令で定める措置を講じ、かつ、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき。
 イ 各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会が国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百四条第一項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)又は議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十五号)第一条の規定により行う審査又は調査であって、国会法第五十二条第二項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)又は第六十二条の規定により公開しないこととされたもの
 ロ 刑事事件の捜査又は公訴の維持であって、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十六条の二十七第一項(同条第三項及び同法第三百十六条の二十八第二項において準用する場合を含む。)の規定により裁判所に提示する場合のほか、当該捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外の者に当該特定秘密を提供することがないと認められるもの
 二 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二百二十三条第六項の規定により裁判所に提示する場合
 三 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
 四 会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)第十九条の四において読み替えて準用する情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定により会計検査院情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
 2 警察本部長は、第七条第三項の規定による求めに応じて警察庁に提供する場合のほか、前項第一号に掲げる場合(当該警察本部長が提供しようとする特定秘密が同号ロに掲げる業務において利用するものとして提供を受けたものである場合以外の場合にあっては、同号に規定する我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めることについて、警察庁長官の同意を得た場合に限る。)、同項第二号に掲げる場合又は都道府県の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該都道府県の条例(当該条例の規定による諮問に応じて審議を行う都道府県の機関の設置について定める都道府県の条例を含む。)の規定で情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定に相当するものにより当該機関に提示する場合に限り、特定秘密を提供することができる。
 3 適合事業者は、第八条第三項の規定による求めに応じて行政機関に提供する場合のほか、第一項第一号に掲げる場合(同号に規定する我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めることについて、当該適合事業者が提供しようとする特定秘密について指定をした行政機関の長の同意を得た場合に限る。)又は同項第二号若しくは第三号に掲げる場合に限り、特定秘密を提供することができる。

 第四章 特定秘密の取扱者の制限
 第十一条 特定秘密の取扱いの業務は、当該業務を行わせる行政機関の長若しくは当該業務を行わせる適合事業者に当該特定秘密を保有させ、若しくは提供する行政機関の長又は当該業務を行わせる警察本部長が直近に実施した次条第一項又は第十五条第一項の適性評価(第十三条第一項(第十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知があった日から五年を経過していないものに限る。)において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者(次条第一項第三号又は第十五条第一項第三号に掲げる者として次条第三項又は第十五条第二項において読み替えて準用する次条第三項の規定による告知があった者を除く。)でなければ、行ってはならない。ただし、次に掲げる者については、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることを要しない。
 一 行政機関の長
 二 国務大臣(前号に掲げる者を除く。)
 三 内閣官房副長官
 四 内閣総理大臣補佐官
 五 副大臣
 六 大臣政務官
 七 前各号に掲げるもののほか、職務の特性その他の事情を勘案し、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることなく特定秘密の取扱いの業務を行うことができるものとして政令で定める者

 第五章 適性評価
 (行政機関の長による適性評価の実施)
 第十二条 行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(以下「適性評価」という。)を実施するものとする。
 一 当該行政機関の職員(当該行政機関が警察庁である場合にあっては、警察本部長を含む。次号において同じ。)又は当該行政機関との第五条第四項若しくは第八条第一項の契約(次号において単に「契約」という。)に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該行政機関の長がその者について直近に実施して次条第一項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
 二 当該行政機関の職員又は当該行政機関との契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該行政機関の長がその者について直近に実施した適性評価に係る次条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
 三 当該行政機関の長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
 2 適性評価は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。
 一 特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第三号において同じ。)及びテロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ。)との関係に関する事項(評価対象者の家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。)、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び子をいう。以下この号において同じ。)及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む。)
 二 犯罪及び懲戒の経歴に関する事項
 三 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項
 四 薬物の濫用及び影響に関する事項
 五 精神疾患に関する事項
 六 飲酒についての節度に関する事項
 七 信用状態その他の経済的な状況に関する事項
 3 適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。
 一 前項各号に掲げる事項について調査を行う旨
 二 前項の調査を行うため必要な範囲内において、次項の規定により質問させ、若しくは資料の提出を求めさせ、又は照会して報告を求めることがある旨
 三 評価対象者が第一項第三号に掲げる者であるときは、その旨
 4 行政機関の長は、第二項の調査を行うため必要な範囲内において、当該行政機関の職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
 (適性評価の結果等の通知)
 第十三条 行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知するものとする。
 2 行政機関の長は、適合事業者の従業者について適性評価を実施したときはその結果を、当該従業者が前条第三項の同意をしなかったことにより適性評価が実施されなかったときはその旨を、それぞれ当該適合事業者に対し通知するものとする。
 3 前項の規定による通知を受けた適合事業者は、当該評価対象者が当該適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。第十六条第二項において同じ。)であるときは、当該通知の内容を当該評価対象者を雇用する事業主に対し通知するものとする。
 4 行政機関の長は、第一項の規定により評価対象者に対し特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知するときは、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲内において、当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。ただし、当該評価対象者があらかじめ当該理由の通知を希望しない旨を申し出た場合は、この限りでない。
 (行政機関の長に対する苦情の申出等)
 第十四条 評価対象者は、前条第一項の規定により通知された適性評価の結果その他当該評価対象者について実施された適性評価について、書面で、行政機関の長に対し、苦情の申出をすることができる。
 2 行政機関の長は、前項の苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知するものとする。
 3 評価対象者は、第一項の苦情の申出をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
 (警察本部長による適性評価の実施等)
 第十五条 警察本部長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、適性評価を実施するものとする。
 一 当該都道府県警察の職員(警察本部長を除く。次号において同じ。)として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該警察本部長がその者について直近に実施して次項において準用する第十三条第一項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
 二 当該都道府県警察の職員として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該警察本部長がその者について直近に実施した適性評価に係る次項において準用する第十三条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
 三 当該警察本部長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
 2 前三条(第十二条第一項並びに第十三条第二項及び第三項を除く。)の規定は、前項の規定により警察本部長が実施する適性評価について準用する。この場合において、第十二条第三項第三号中「第一項第三号」とあるのは、「第十五条第一項第三号」と読み替えるものとする。
 (適性評価に関する個人情報の利用及び提供の制限)
 第十六条 行政機関の長及び警察本部長は、特定秘密の保護以外の目的のために、評価対象者が第十二条第三項(前条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の同意をしなかったこと、評価対象者についての適性評価の結果その他適性評価の実施に当たって取得する個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下この項において同じ。)を自ら利用し、又は提供してはならない。ただし、適性評価の実施によって、当該個人情報に係る特定の個人が国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条各号、同法第七十五条第二項に規定する人事院規則の定める事由、同法第七十八条各号、第七十九条各号若しくは第八十二条第一項各号、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第二十条各号、外務公務員法(昭和二十七年法律第四十一号)第七条第一項に規定する者、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第三十八条第一項各号、第四十二条各号、第四十三条各号若しくは第四十六条第一項各号、同法第四十八条第一項に規定する場合若しくは同条第二項各号若しくは第三項各号若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第十六条各号、第二十八条第一項各号若しくは第二項各号若しくは第二十九条第一項各号又はこれらに準ずるものとして政令で定める事由のいずれかに該当する疑いが生じたときは、この限りでない。
 2 適合事業者及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主は、特定秘密の保護以外の目的のために、第十三条第二項又は第三項の規定により通知された内容を自ら利用し、又は提供してはならない。
 (権限又は事務の委任)
 第十七条 行政機関の長は、政令(内閣の所轄の下に置かれる機関及び会計検査院にあっては、当該機関の命令)で定めるところにより、この章に定める権限又は事務を当該行政機関の職員に委任することができる。

 第六章 雑則
 (特定秘密の指定等の運用基準)
 第十八条 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。
 2 政府は、前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない。
 (関係行政機関の協力)
 第十九条 関係行政機関の長は、特定秘密の指定、適性評価の実施その他この法律の規定により講ずることとされる措置に関し、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいを防止するため、相互に協力するものとする。
 (政令への委任)
 第二十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
 (この法律の解釈適用)
 第二十一条 この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。
 2 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。

 第七章 罰則
 第二十二条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後においても、同様とする。
 2 第四条第三項後段、第九条又は第十条の規定により提供された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知得した者がこれを漏らしたときは、五年以下の懲役に処し、又は情状により五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。同条第一項第一号ロに規定する場合において提示された特定秘密について、当該特定秘密の提示を受けた者がこれを漏らしたときも、同様とする。
 3 前二項の罪の未遂は、罰する。
 4 過失により第一項の罪を犯した者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 5 過失により第二項の罪を犯した者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
 第二十三条 人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
 2 前項の罪の未遂は、罰する。
 3 前二項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用を妨げない。
 第二十四条 第二十二条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。
 2 第二十二条第二項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、三年以下の懲役に処する。
 第二十五条 第二十二条第三項若しくは第二十三条第二項の罪を犯した者又は前条の罪を犯した者のうち第二十二条第一項若しくは第二項若しくは第二十三条第一項に規定する行為の遂行を共謀したものが自首したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
 第二十六条 第二十二条の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。
 2 第二十三条及び第二十四条の罪は、刑法第二条の例に従う。

 附則
 (施行期日)
 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 (経過措置)
 第二条 この法律の公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日の前日までの間においては、第五条第一項及び第五項(第八条第二項において読み替えて準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、第五条第一項中「第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、当該行政機関」とあるのは「当該行政機関」と、同条第五項中「第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、同項の」とあるのは「同項の」とし、第十一条の規定は、適用しない。

 (自衛隊法の一部改正)
 第三条 自衛隊法の一部を次のように改正する。
 目次中「自衛隊の権限等(第八十七条―第九十六条の二)」を「自衛隊の権限(第八十七条―第九十六条)」に、「第百二十六条」を「第百二十五条」に改める。
 第七章の章名を次のように改める。
 第七章 自衛隊の権限
 第九十六条の二を削る。
 第百二十二条を削る。
 第百二十三条第一項中「一に」を「いずれかに」に、「禁こ」を「禁錮」に改め、同項第五号中「めいていして」を「酩酊(めいてい)して」に改め、同条第二項中「ほう助」を「幇(ほう)助」に、「せん動した」を「煽動した」に改め、同条を第百二十二条とする。
 第百二十四条を第百二十三条とし、第百二十五条を第百二十四条とし、第百二十六条を第百二十五条とする。
 別表第四を削る。
 (自衛隊法の一部改正に伴う経過措置)
 第四条 次条後段に規定する場合を除き、この法律の施行の日(以下この条及び次条において「施行日」という。)の前日において前条の規定による改正前の自衛隊法(以下この条及び次条において「旧自衛隊法」という。)第九十六条の二第一項の規定により防衛大臣が防衛秘密として指定していた事項は、施行日において第三条第一項の規定により防衛大臣が特定秘密として指定をした情報と、施行日前に防衛大臣が当該防衛秘密として指定していた事項について旧自衛隊法第九十六条の二第二項第一号の規定により付した標記又は同項第二号の規定によりした通知は、施行日において防衛大臣が当該特定秘密について第三条第二項第一号の規定によりした表示又は同項第二号の規定によりした通知とみなす。この場合において、第四条第一項中「指定をするときは、当該指定の日」とあるのは、「この法律の施行の日以後遅滞なく、同日」とする。
 第五条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。旧自衛隊法第百二十二条第一項に規定する防衛秘密を取り扱うことを業務とする者であって施行日前に防衛秘密を取り扱うことを業務としなくなったものが、その業務により知得した当該防衛秘密に関し、施行日以後にした行為についても、同様とする。
 (内閣法の一部改正)
 第六条 内閣法(昭和二十二年法律第五号)の一部を次のように改正する。
 第十七条第二項第一号中「及び内閣広報官」を「並びに内閣広報官及び内閣情報官」に改める。
 第二十条第二項中「助け、」の下に「第十二条第二項第二号から第五号までに掲げる事務のうち特定秘密(特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第 号)第三条第一項に規定する特定秘密をいう。)の保護に関するもの(内閣広報官の所掌に属するものを除く。)及び」を加える。
 (政令への委任)
 第七条 附則第二条、第四条及び第五条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
 別表(第三条、第五条―第九条関係)
 一 防衛に関する事項
 イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究
 ロ 防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報
 ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ニ 防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究
 ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む。チ及びリにおいて同じ。)の種類又は数量
 ヘ 防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法
 ト 防衛の用に供する暗号
 チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
 リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
 ヌ 防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途(ヘに掲げるものを除く。)
 二 外交に関する事項
 イ 外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
 ロ 安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針(第一号イ若しくはニ、第三号イ又は第四号イに掲げるものを除く。)
 ハ 安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報その他の重要な情報(第一号ロ、第三号ロ又は第四号ロに掲げるものを除く。)
 ニ ハに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ホ 外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号
 三 特定有害活動の防止に関する事項
 イ 特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「特定有害活動の防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
 ロ 特定有害活動の防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他の重要な情報
 ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ニ 特定有害活動の防止の用に供する暗号
 四 テロリズムの防止に関する事項
 イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
 ロ テロリズムの防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他の重要な情報
 ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ニ テロリズムの防止の用に供する暗号
 理由
 国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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