2013年12月26日木曜日

AIJ地裁判決 追徴金157億円

AIJ詐欺事件の地裁判決があった。
 AIJ投資顧問の詐欺事件で、東京地裁は、詐欺罪などに問われた前社長の
浅川和彦被告に、求刑通り懲役15年の判決を言い渡した。

安東章裁判長
・ファンドの運用実績の資料が実態とかけ離れたものと熟知しながら、
 平然と年金基金にうそをついて勧誘を続けた悪質な犯行。
・被害は248億円と莫大で、社会に与えた衝撃も大きい。
・17年金基金のうち11基金が解散を検討せざるを得ない状況に陥った。
 17年金基金から計248億円をだまし取った。
・浅川和彦 懲役15年
 高橋成子 懲役7年
 西村秀昭 懲役7年
・3人から約157億円追徴
・海外口座にある約5億7000万円を没収。

浅川和彦
・年金基金から金をだまし取るつもりはなく、運用で取り返そうと思って
 いた。
・詐欺師とは全然違うんです。
・控訴。

高橋成子
・全面無罪を主張。

西村秀昭
・起訴内容を認めた。
・控訴。

AIJ(現MARU)
・全国94年金基金等から1458億円を集めたが、1092億円をデリバティブ取引で消失。
・時効等で立件されなかったケースも含め被害を受けている基金は60以上。
・大手法律事務所(森・濱田松本法律事務所)を通じ、約85億円余の残余資産が没収。
 水面下で訴訟の準備、大手受託提訴も視野か

被害にあった94基金により、543基金の9割以上が解散のようだ。
以前から年金基金の不正が報道されたが、さすがに1000億円以上の被害は
稀だろう。
サブプライム詐欺で、政府系ファンドCICが損失した1300億円なみ。
ロンドンの鯨は、20億ドルの損失で退職。その後、会社は、罰金支払い。
金融賭博の金額は大きい。

政府系ファンド 年金基金運用
AIJ委託94基金
AIJ子会社 海外資産保有
ICIJ Offshore Bank Accounts
JPMorgan 罰金130億ドル支払いへ


---年金資産消失 AIJ前社長 懲役15年 東京地裁判決 追徴金156億円---
2013年12月18日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013121802000230.html

 AIJ投資顧問(現MARU)の年金資産消失事件で、詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)の罪に問われた旧経営陣三人の判決が十八日、東京地裁であり、安東章裁判長は、前社長の浅川和彦被告(61)に懲役十五年(求刑懲役十五年)を言い渡した。
 元役員の高橋成子(しげこ)被告(54)は懲役七年(求刑懲役八年)、AIJ傘下のアイティーエム証券元社長の西村秀昭被告(58)は懲役七年(同)とした。三被告に対し、追徴金百五十六億九千万円と、AIJ子会社の香港にある資産五億六千万円の没収を命じた。弁護側は控訴した。
 安東裁判長は判決で「堅実で安定的運用を求める年金基金に取り入った犯行は非常に悪質」と批判。被害に遭った十七年金基金のうち十一基金が解散を検討せざるを得ない状況に陥ったと指摘し「被害は重大」と述べた。
 判決によると、三被告はAIJが実質的に破綻した後の二〇〇九年二月~一二年一月、虚偽の資産評価や運用実績を示し、東京や長野などの十七基金から計二百四十八億円をだまし取った。
 浅川被告は昨年十二月の初公判で起訴内容を認めた。だが今年七月の公判で「年金基金から金をだまし取るつもりはなく、運用で取り返そうと思っていた」と、詐欺罪について無罪の主張に転じた。
 高橋被告は共謀を否定し全面無罪を主張、西村被告は起訴内容を認めていた。
 AIJは一一年三月期までに全国九十四の年金基金などから千四百五十八億円を集めたが、千九十二億円をデリバティブ(金融派生商品)取引の失敗などで消失させた。


---実刑判決に天仰ぐ浅川被告 「重すぎる」無罪主張退けられ---
2013.12.18 15:25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131218/trl13121815280004-n1.htm

 土壇場の無罪主張はあっけなく退けられた。巨額の年金資産消失事件で詐欺罪などに問われたAIJ投資顧問前社長、浅川和彦被告(61)。東京地裁は18日、懲役15年の実刑を言い渡した。公判で繰り返した釈明は一蹴され、天を仰いだ。
 午前10時前、浅川被告はグレーのジャケットに紺のシャツ姿で法廷に入り、傍聴席に一礼。落ち着かない様子で膝を揺らした。
 「懲役15年」。裁判長が主文を告げると、証言台の前に立っていた浅川被告は数回うなずき、席に戻って口を真一文字に結んだ。
 「だまし取るつもりはなかった。運用で挽回できるはずだった」。公判での浅川被告の釈明は一貫していた。しかし判決で裁判長が「犯行は非常に悪質だ」と断じると顔がこわばった。
 約1年前の初公判で起訴内容を認めた浅川被告。熱が入って話が止まらず裁判長がたしなめたことも。今年7月、検察側が懲役15年を求刑。無罪主張に転じたのは次の公判からだ。周囲には「俺は運用に失敗しただけだ。求刑は重すぎる」と不満をぶちまけていた


---AIJ事件:浅川被告、厳罰に強気影潜め…東京地裁判決---
毎日新聞 2013年12月18日 11時51分(最終更新 12月18日 14時10分)
http://mainichi.jp/select/news/20131218k0000e040213000c.html

 年金基金を舞台にした巨額詐欺事件の主役に、司法は厳しい判断を示した。AIJ投資顧問による年金消失事件を断罪した18日の東京地裁判決。起訴内容を認めた初公判から一転、法廷の内外でとうとうと詐欺罪の無罪を訴えた浅川和彦被告(61)だが、判決は「まさに事件の首謀者だ。動機や経緯に酌量すべき点はない」と突き放した。傍聴席には基金関係者も駆けつけ、うなだれる被告に厳しい視線を注いだ。【山本将克、遠藤拓、川名壮志】

◇裁判長「反省なし」
 午前10時過ぎ。東京地裁で最も広い104号法廷で求刑通りの懲役15年を言い渡された浅川被告は、顔をしかめ、時折頬をなでながら判決に聴き入った。
 「詐欺師とは全然違うんです」。浅川被告は今秋、毎日新聞の取材に判決前の心境を語った。東京・兜町に近いオフィス街。雑居ビルの一室にAIJ投資顧問(現MARU)の事務所がある。AIJの名称では事務所を借りられなくなり、今年5月に商号変更した。
 初公判で詐欺罪を認めた理由を問うと「捜査段階で検事から『形式的詐欺で罪は軽い』と言われ、法律解釈でそうなるなら、と受け入れた。おかしいと思っているうちに裁判が進んでいった」と弁明。懲役15年を求刑された時の心境を「はめられたと思った。そこまで重い求刑される事件かよ、と怒りさえ覚えた」と振り返った。
 「消えた年金」は1000億円を超える。「損切りのタイミングが難しかった。謝るしかない」と謝罪の言葉を口にした。一方で「チャンスがはまればバチッと取り戻せる。あとは度胸ですよ。捕まらなければ簡単に回復できていた」と雄弁にまくし立てた。
 「僕は捕まるまで、何十兆ってすんごい運用してましたよ。懲役3年なら分かる」。裁判への不満を隠さなかった浅川被告。だが、安東章裁判長から「果たした役割は群を抜いて大きい。真摯(しんし)な反省の情を見て取ることは困難で、(法の)上限をもって処断するほかない」と厳しく批判されると、大きく肩を落とした。

◇543基金の9割超、財政難で解散へ
 事件では、多くの厚生年金基金がAIJに飛びついて被害を受けたことが判明し、長引く不況で各基金が財政難に陥っていた実態が浮き彫りになった。今年6月には、財政が健全でない厚年基金の解散を促す年金制度改革関連法が成立し、制度の見直し論議につながった。
 厚生労働省によると、17日時点で543ある基金は、9割以上の解散が見込まれるという。基金が解散した場合、厚生年金の上乗せ部分(平均月額約1万6000円)が給付されなくなり、加入者の生活設計にも一定の影響が生じるとみられる。手続きには少なくとも1、2年かかるとされ、今後、解散の動きは加速するとみられる。
 一方、今年に入って基金関係者の逮捕が相次ぎ、基金側のチェック体制の甘さも浮かんでいる。
 AIJの被害を受けた長野県建設業厚生年金基金では掛け金約24億円が行方不明になり、元事務長が業務上横領容疑で11月に逮捕された。委託先から過剰な接待などを受けたとされる北海道石油業厚生年金基金や三井物産連合厚生年金基金の元役員らは収賄容疑で逮捕されている。

◇1092億円、回収5%未満…被害の60基金
 運用失敗でAIJが消失させた資産は約1092億円。AIJ側の説明では、時効などで立件されなかったケースも含め被害を受けている基金は60に上る。関係者によると、基金側は大手法律事務所を通じAIJ側からこれまでに約85億円余の残余資産を回収。今後、委託した金額などに応じて分配されるが、回収率が5%に満たない見込みという。
 満員の傍聴席には、AIJに総資産の3割を超える約65億円を委託していた長野県建設業厚生年金基金の幹部の姿も。裁判で証人として出廷し「法の許す限り重い処罰を求める」と訴えた。使途不明金も発生し、その一部を着服したとして元事務長が先月逮捕され注目を浴びた。幹部は閉廷後「(浅川被告は)法廷でも詐欺師のような論理の展開をしていた。きっちり判決を出してくれた。謙虚に受け止め、刑に服してほしい」と淡々と語った。【巽賢司】

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