2013年12月11日水曜日

「たちかぜ」犯罪 特定秘密で隠蔽か

「たちかぜ」いじめで情報隠蔽があったようだ。
 海自が「ない」と言い続けた文書の存在を告発した男性が、処分され
ようとしている。組織のうみを出そうと、警鐘を鳴らし続けた現役の三佐。

公益通報制度で「指揮監督上」の義務違反。
注意と口頭注意のされた海上幕僚長と地方総監。
昇格できないため退官。実質の更迭か。

いじめ問題は、同僚及び上官全ての監督不行届きの問題となるはず。
アンケートが証拠となり、関係者全員が昇格不適格で、依願または実質
強制による退職(除隊)になる可能性があるため、隠蔽したかもしれない。

事件発覚当時の人事関係の議事録を見ると、いじめた方が、人材難のため、
仕方なく入隊許可。その後、昇格も仕方なかったと言いそうだ。

当時は、同僚の一人も助けられない自衛隊員が、多くの日本国民を助けら
れるとは思えないとの批判もあったが、東日本大地震や伊豆大島等災害
援助で、見方が大きく変わったと思う。

たちかぜのCICに入室できる資格がある人物を特定秘密に指定し、今後、
問題をさらに隠蔽する可能性がある。
暴力装置の呼称に戻るかは今後の行動次第だろう。

海自いじめ訴訟 控訴へ
トモダチ作戦終了
NAVY Fraud and Bribery
特定秘密保護法案と情報公開法
石破茂 知ったか民主主義


たちかぜ裁判原告(Tさんの母親)インタビュー


---「あれは『ない』書類」 直訴を黙殺、海自のいじめ調査---
2013年12月8日11時41分
http://www.asahi.com/articles/TKY201312080026.html

 海上自衛隊が「ない」と言い続けた文書の存在を告発した男性が、処分されようとしている。組織のうみを出そうと、警鐘を鳴らし続けた現役の3佐。都合の悪い情報は隠し、告発には罰をもって対処する海自。特定秘密保護法への懸念は、もう現実化していた。
 懐には、ICレコーダーを忍ばせていた。説得に失敗したら、人生が破滅する――。覚悟のうえでの「直訴」だった。
 2011年1月26日。3佐は海自の幹部の一人である首席法務官の部屋を訪ねた。「隠している文書があります。正直に公開すべきではないかと」。自殺した「たちかぜ」乗組員へのいじめを調べたアンケートを公開するよう求めた。
 部屋に入ったのは午後1時。乗組員の遺族が起こした訴訟の一審判決が言い渡される30分前だった。「文書が隠されたまま判決が出てしまっていいのか」。そんな思いに背を押された。
 だが、返事はつれなかった。「どうしようもないじゃない。今言われても」
 なぜ3佐の進言に応じなかったのか。この元幹部=退職=は朝日新聞の取材に「信じている部下が調べて『ない』と結論が出ていたのだから、当時は『ない』と信じていた」と答えた。


---海自、いじめ自殺告発者の懲戒検討 文書持ち出し問題視---
2013年12月8日05時44分
http://www.asahi.com/articles/TKY201312070406.html

 【高野遼】海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗組員の自殺に絡み、「いじめを示す調査文書が隠されている」と内部告発した3等海佐(46)に対し、海自が懲戒処分の手続きを始めた。遺族らに「捨てた」としていた海自は告発後、原本が見つかったと謝罪していた。特定秘密保護法で行政機関の情報隠しが懸念される中、秘密でもない文書への内部告発まで萎縮させる隠蔽(いんぺい)体質が、改めて浮かび上がった。
3佐は2008年の告発時、調査の関連文書のコピーを証拠として自宅に保管していた。海自はこれを規律違反だと主張。3佐は「正当な目的であり、違反にあたらない」と争う構えだ。内閣府の審査会は今年10月、「不都合な事実を隠蔽しようとする傾向がある」と海自の姿勢を厳しく批判。海自の現役事務官も、遺族が国を相手に起こした損害賠償請求訴訟で「上司から文書を『捨てろ』と命じられた」とする陳述書を提出している。
 海自は乗組員が04年に自殺した直後、「たちかぜ」の乗組員190人にいじめの有無を尋ねたアンケートを実施。しかし遺族が05年に情報公開請求すると、原本は破棄したと答えた。3佐は当時、遺族の訴訟を担当。職場に原本があると知り、08年に防衛省の公益通報窓口に告発したが、海自は認めなかった。
 このため12年4月、「海自は文書を隠している」とする陳述書を東京高裁に提出。海自が再調査し、破棄は撤回された。海上幕僚監部広報室は朝日新聞の取材に対し、「個人のプライバシーを侵害する恐れがあるため回答を控える」としている。

 〈「たちかぜ」乗組員の自殺〉 2004年10月、乗組員(当時21)が東京都内で電車に飛び込み自殺した。遺書には先輩隊員から暴行を受けたと記されており、後輩隊員らがエアガンで撃たれたり、アダルトビデオの買い取りを強要されたりしたことが発覚。遺族は「先輩隊員のいじめが原因」と約1億3千万円の賠償を求めて提訴した。横浜地裁は11年1月、いじめを認め、国と先輩隊員に計440万円の支払いを命じた。遺族が控訴し、訴訟は継続中。


---「内部告発もなくなる」 資料隠ぺい 3等海佐の告白で判明---
2013年12月5日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013120502000254.html

 九年前に海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」でのいじめを苦に自殺した一等海士=当時(21)=の母親(59)の手元には、一冊の分厚いファイルがある。自殺をめぐる海自のアンケートだ。海自は当初存在を否定していたが、内部告発がきっかけで明るみに。特定秘密保護法案の審議が国会で進むが、母親は「法が成立すれば内部告発もなくなるのでは」と危機感を募らせる。 (石井紀代美)
 「自衛隊は何も信じられない」。母親は宇都宮市の自宅で、静かに語り始めた。
 二〇〇四年に長男の一等海士が、東京都内の駅で電車に飛び込み自ら命を絶った。遺書には、暴行や恐喝を働いた先輩隊員の名前が記され「紙クズ以下だ」と書かれていた。
 にもかかわらず、海自の調査結果は「借金を苦にした自殺」。納得できない母親は、長男の同僚に話を聞き、海自が実態を把握するため、乗組員にアンケートを行っていたことを知った。
 自殺の翌年、国にアンケートの情報公開を請求したが、回答は「破棄した」。虚偽と判明するまでに、長い月日を要した。
 一一年、国と先輩隊員を相手にした賠償請求訴訟の控訴審が東京高裁で始まった後、一審で国側の代理人を担当した三等海佐(46)が母親側に「海自は事故調査の際に集めた資料を隠している」と申し出てきた。
 アンケートが実際には破棄されていないことを知っていた三等海佐は一審の最中、公益通報制度を活用して、資料隠しを防衛省に通報。しかし、海自は依然として真実を明らかにせず、業を煮やした三等海佐は、裁判の相手方である母親側に真実を告げた。
 三等海佐は母親にこう話した。「このままでは、自衛隊という組織が駄目になる。あくまでも、私たちのためにやるんです」
 母親は「葛藤があったと思う。強い正義感、国民のために仕事をする公務員の責任感に心を打たれた」と振り返る。三等海佐の指摘は法廷で明らかにされ、国はようやくアンケートの存在を認めた。
 国会では、多くの国民の反対にもかかわらず、政府が特定秘密保護法案の採決を急ぐ。法が成立すれば、内部告発者を守るはずの公益通報者保護法が機能しなくなるのではないかという懸念の声が、法曹界などから出ている。
 法案は、秘密を漏えいした公務員に厳罰を科す内容。「どんな不正も秘密に指定されれば、告発しようと思う人はいなくなる」。母親は言葉を連ねた。「国は秘密があいまいな点に付け込み、都合が悪いことは何でも秘密に指定するだろう」
<たちかぜのいじめ訴訟> 海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった1等海士が自殺したのは先輩のいじめが原因として、遺族が国と先輩隊員に約1億3000万円の損害賠償を求めた訴訟。一審の横浜地裁判決は、いじめと自殺の因果関係は認め、生前に受けた精神的苦痛の慰謝料として440万円の支払いを命じた。しかし死亡への賠償は認めず、遺族は控訴した。


---第9回人事関係施策等検討会議議事録---
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/jinji-ken/gijiroku/09.html

1     日時
    平成17年2月16日(水) 10時00分~12時00分
2     場所
    防衛庁A棟17階航空幕僚監部大会議室
3     出席者
   
(1)     人事関係施策等検討会議委員
    栗林座長、仮野委員、桐村委員、杉山委員、田辺委員、津久井委員、冨田委員、福田委員
(2)     人事関係施策等フォローアップ会議委員等
    人事教育局長、統幕第1幕僚室企画調整官、陸幕人事部長、海幕人事教育部長、空幕人事教育部補任  課服務室長、高見澤審議官、人事第1課長
4     議 事
   
(1)     開会の辞
   
○      座長:皆様お揃いになりましたので、ただ今より人事関係施策等検討会議の第9回会合を開催いたします。
本日は、ご多忙のところ、各委員にご参集いただき、まことにありがとうございます。なお、人事関係施策等検討会議が引き続き開催されることとなったことに伴いまして、座長及び副座長について、私と福田委員が引き続き務めることとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本日の議事進行は私が務めさせていただきたいと思います。
(2)     局長挨拶
   
○      座長:本日の議題に入ります。まず、人事関係施策等フォローアップ会議の副議長である人事教育局長から開会の挨拶をいただきたいと思います。
○      人事教育局長:人事関係施策等検討会議の委員ににおかれましては、平成15年10月以降、これまで8回にわたり不祥事防止施策のフォローアップをしていただきました。昨年の7月には、栗林座長から浜田防衛庁副長官に対し、「人事関係施策等検討会議の意見の取りまとめ」として報告していただき、大変貴重なご意見を賜り、その後の人事施策に活用させていただいており御礼申し上げます。先程、座長からもお話をいただきましたが、今後も引き続き行っていくということであり、是非とも先生方から、私どもとは別の違う角度でのご意見を賜りたいと思っております。今後とも御指導・御協力のほどよろしくお願いいたします。
本日の会議は、昨年の報告を踏まえ我々が実施してきました状況をご報告し、先生方のご意見を賜りたいと思っております。この間、大綱あるいは中期防等といわゆる防衛の骨幹に関わりますものも新たなものとなり、その一方で、組織が来年4月から統合運用で一本化するという大きな変革期を迎えております。この中で人事施策の分野についても新しい切り口で施策の見直しを行うことになることから、この点につきましても先生方のご指導をよろしくお願いしたいと思います。また、先日、海上自衛隊「たちかぜ」において不祥事が発生しましたことから、その概要をご紹介させていただき、ご意見をいただきたいと思っています。
(3)     今後の進め方について
   
○      座長:ありがとうございました。続きまして、2番目の議題である「今後の進め方」について、人事第1課長から説明をお願いします。
○      人事第1課長:この会議の進め方についてですが、昨年7月に出していただいた意見の取りまとめにおいても、フォローアップ体制の整備とありますように、引き続き不祥事防止施策のフォローアップ作業をやっていく。その際、部外有識者の方々の知見を活用させていただくという形で行うことを考えております。フォローアップ作業の点検・評価をやっていただくには、一定時期に定例的に聴取していただくことが良いのではないかと思っていますが、社会的に影響が大きい不祥事が生じた場合には、不定期でご報告する形で検討会議を開催したいと考えています。具体的には、定例的には年1回ぐらいが良いのではないかと考えています。当該年度の取組状況や次年度の新たな施策についてご説明し聴取していただく。このほかに、一昨年も部隊での聴取をしていただき、大変意義深いものと考えておりますので、年1回は現場の部隊等を視察していただき、服務担当者、指揮官等との意見交換をしていただくことを考えています。その際、三自衛隊の不祥事防止施策に係る情報交換の場になればよいと考えています。私共が考えております時期は、当年度の取組状況及び次年度の重点施策をやるのであれば、年度末に定例会議を開催したらどうかと考えています。また、部隊視察については、各自衛隊の演習等、訓練が本格化する前の時期を考えています。なお、大きな不祥事が起きた場合については必要に応じて考えたいと思います。これはあくまで私共の腹案であり、最終的には先生方に決めていただければと思います。
○      座長:ありがとうございました。それでは「今後の進め方」について、審議したいと思います。
○      委員:基本的に賛成ですが、部隊視察が年1回と言うことですが、過去の経験からも部隊の人達の生の声を聞く機会は非常に有意義であったと思います。部隊の人達も我々に対してだから言いやすいという面もあるのではないかと思います。そのようなことから、可能であれば1回か2回増やした方が良いのではないかと思います。
○      委員:大賛成です。自衛隊の場合人事異動が激しいことから、年1回だと担当者が変わってしまい、初顔合わせで終わってしまうことになる。これは現場の部隊でも同じであり、情報の共有化と情報の継続性からも年1回では少ないと思います。年数回、必要ではないかと思います。
○      委員:過去の視察で多重債務者の事例があり、他の部隊も大変参考になったことを記憶しています。このような情報交換が大事であり、日常、横の連絡が常にあるなら問題ないが、あの様な場が重要であったと思います。
○      委員:改めて痛感したのは、陸と海と空で文化が違うことでした。統合運用とおっしゃるなら部隊の運用だけでなく、人事やものの考え方、或いは隊員の意識、その辺の垣根を取り除いていかなければいけないと思っており、そのための一つの手立てにもなるかと思っています。
○      人事第1課長:予算等の関係もございますが検討させて頂きたいと思います。
○      人事教育局長:やはり全員が揃っていく方が良いのでしょうか。先生方もお忙しいため今回の会議もなかなか日程が合わないこともありました。たとえば分けていくとかですが。
○      委員:それは機動運用で良いと思います、フットワークを軽くして行ける人が行く。とにかくそういう場を作ることが重要ですから。全員が揃うのは恐らく難しいと思います。
○      座長:有り難うございました。それでは皆様の意見を踏まえ、部隊視察につきましては事務局の方でご検討いただくということでお願いします。
定例会議は年度末に1回開く。それに社会的に影響の大きい事案の不定期会議については適宜開催するということでお願いしたいと思います。
(4)     「意見の取りまとめ」後の取組状況について
   
○      座長:次に、「意見の取りまとめ」後の取組状況について審議に入りたいと思います。なお、これに関する意見については、各機関からの説明の後にお願いしたいと思います。それでは、全般取組状況について事務局よりお願いします。
○      事務局:全般的な取組状況ですが、現行の取組状況の概要についてご説明いたします。まず、「准尉・曹への服務指導に係る権限の付与・明確化」ですが、陸上自衛隊では「上級曹長制度」の導入について検討中でございます。海上自衛隊では既に導入しております「先任伍長制度」についての改善点等を検証中であります。航空自衛隊でも「准曹士先任制度」の導入について検討中であり、これはこのあと空幕から説明がございます。
次に、「隊員の個室化施策等の見直し」でありますが、陸上自衛隊及び海上自衛隊はパーテーションの撤去に取り組んでいます。「社会情勢等の変化に対応」においては、生活隊舎・営外居住者に対する服務指導の強化について検討中であります。これらが服務指導の充実強化の施策であり詳細はこのあと陸幕、海幕から説明がございます。その他「カウンセリングシステムの充実・強化」にも取り組んでおります。また、「人事管理制度等の見直し」としましては、このあと、「分限処分の基準の明確化」につきまして、人事1課長より詳細説明がございます。取組状況としましては、検討が具体化されているものもあれば検討中のものもございますが今後ともご指導よろしくお願いいたします。
○      座長:有り難うございました。次に、内局の取組状況について人事1課長よりお願いいたします。
○      人事第1課長:それでは、分限処分に関する運用上の問題点についてご説明いたします。
取りまとめの中では、分限処分について基準の明確化を図るとされていました。また先生方の地方ヒアリングの際にも分限処分を適正に執行してくれという要望があったと思います。そのようなこともあり検討いたしました。まず、分限処分とは何かということでございますが、自衛隊法の42条の1があります。勤務成績が良くない場合、心身の故障のため職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合、そのほか職務に必要な適格性を欠く場合の三つに当たる場合には免職或いは降任させることができるということでございます。過去10年間では、いわゆる病気で3年間の休職期間を超えた場合、2名の医師から診断書等をもらい、職務遂行に堪えないということでの免職があります。実際的には、勤務成績が良くない場合や必要な適格性を欠く場合はほとんど使われていない状況でございます。なぜかと申しますと、具体的な基準が定められていないためであります。このため、勤務評定不良の場合及び適格性を欠く場合の基準なり手続の明確化を図ったものでございます。
勤務評定不良の場合には、2年連続して勤務成績が不良、かつ、人事異動により勤務評定者を替えて評価をし、それでも不良の場合には、任命権者が更正措置を講ずることが必要な者と認定し、その旨告知することになります。更正措置とは具体的には研修でございますが、実施後、更に不良の場合には判定会議に諮問することになります。判定会議は任命権者が個々の事案ごとに職員の中から任命し構成するものであり、事実関係の調査、弁明の機会の付与や議決を行うものであります。
適格性を欠く場合は3つの基準がございます。一つ目は、心身の故障による3年の休職期間が満了した者が、任命権者の指定する医師2名の診断を受けるように命ぜられたにもかかわらず、正当な理由がなく受診しなかった場合。二つ目としては、本人の意志によらず事故事件に巻き込まれ6ヶ月を経過してもなお所在不明の場合。三つ目は、勤務評定不良の場合の他、非行、職務上の義務違反、その他の行為により隊員又は占める官職としての適格性を欠くものと認められる場合であります。
最後に処分の実施につきましては、任命権者は判定会議の意見を尊重し、不処分決定、降任又は免職を行うものであります。この件は人事院ともいろいろ調整のうえ、できれば今年の4月からスタートさせたいと思っています。
○      座長:有り難うございました。引き続き、陸上自衛隊の取組状況についてお願いします。
○      陸幕服務室:陸上自衛隊の服務態勢の変遷ですが、陸上自衛隊服務規則、細則が根本をなしております。良質隊員の確保等、時代の要請から、試行として輝号計画が平成元年より続いております。
現在の服務態勢の問題意識としましては、規則と輝号計画の混在により、服務指導上の混乱が生じてきています。また、団体生活に不慣れな隊員の入隊が常態化しています。そして自衛隊としては行動する時代の到来ということで、現在の環境に合わせた服務態勢の整備が急務であると認識しています。
現在、試行しています輝号計画には、肯定面としては、自主自立を目指した趣旨は間違っていない。また、青年心情に合致した施策により意欲は向上しているという評価でございます。なかでも、職住分離はメリハリがついて職務に専念できるという評価を得ています。否定面としては、部隊活動の基礎、団結の強化、規律の維持の面で影響を及ぼしている。また、隊員の個室化、外出制度、営外居住許可は服務上影響を及ぼしているという評価をしています。現在進めております服務態勢の在り方では、即応体制を維持しつつ、精神面での準備を完成させる。自主自立の精神を堅持させる。営外者に対する指導を重視する。放任主義を排除して十分服務指導できる環境を構築する、営内生活を通じた部隊活動の基礎を確立することを考えています。
最終的なアウトプットとしましては、外出制度、日課時限、営内居室における個室化施策の見直し等の営内服務態勢の在り方、営外者と幹部も含めた服務指導要領により服務組織を変えていこうと考えています。
○      座長:有り難うございました。それでは、海上自衛隊の取組状況についてお願いします。
○      海幕服務室:海上自衛隊におきましても陸上自衛隊と同じような問題があると認識しております。始めに営内の服務指導態勢についてですが、新営内制度として、指導態勢の強化として個室化していた営内を3人から4人部屋に移しております。また、海曹、海士が別々になっていたものを相部屋にいたしました。パーテーションにつきましも一部ものを除き撤去致しました。更に当直指導海曹を設けて16時半から立直させて服務指導に当たらせています。女性隊舎の当直については先任者に実施させており、各種先任伍長会報には女性隊舎長を参加させています。
次に懸案事項といたしましては、パーテーションを取り除いたことにより、ストレスが溜まり人間関係に軋轢が生じていること。また、当直による心理的圧迫があります。これは緩んだ営内生活に慣れたためものもあり、本来の姿が常識化すれば解消されものと見込んでいます。
対応策としましては、上級海曹の指導力の向上、クラブ活動への参加奨励、娯楽室や自習室の充実、福利厚生施設の充実などを図ることにより、顕在化するストレスへの対処に努めております。
このように課題の多い新制度ではありますが、成果の具体例としましては、相部屋による階級意識の向上、規律厳守の意識向上、大部屋化に伴う営内者の仲間意識の向上であります。新営内制度が実施されて僅かではありますが成果が現れてきており、今後も更なる向上を目指し指導を継続していきたいと考えております。
○      座長:有り難うございました。最後に、航空自衛隊の取組状況についてお願いします。
○      空幕服務室:空自の准曹士先任制度についてご説明致します。まず経緯ですが、航空自衛隊では平成4年度に航空総隊で組織の活性化や士気の高揚を図ることを目的に准曹士先任制度を発足させる等、いくつかのメジャーコマンドにおきまして同様の制度が採られました。しかしながら、これはあくまでも各メジャーコマンド司令官の指揮統率上のひとつの制度と位置づけられ、現在でもこの制度を採用していないメジャーコマンドもあります。このような中で、検討会議でのご提案も踏まえまして現在空自全体の制度として検討しているところであります。
次に、制度新設の必要性ですが、これには三つあると認識しています。一つは、服務指導態勢の更なる充実であります。社会環境の変化や隊員を取り巻く環境も変わっていることにより隊員の身上把握が困難になってきています。これらに対してきめ細かな服務指導をする必要性があると認識しています。二つ目は、准曹士の活用による組織の更なる活性化ということです。空自の約8割を准曹士が占めており、これらを活用していくことが空自の役割上必要であると認識しております。三つ目は米空軍、他自衛隊との交流の活発化であります。これは米空軍との関係、今後の統合運用との関係もあり、有効であろうと考えております。
次に、制度設置の目的及び准曹士先任の任務でございますが、隊員の服務指導について指揮官を直接補佐させることにより、服務指導態勢を充実させるとともに、組織の活性化を図り、もって航空自衛隊の任務遂行基盤を強化することを考えています。任務としましては、指揮官の指導のもと、隊員の士気高揚及び部隊団結の強化にあたるとともに、曹士隊員に対する身上把握を実施することであります。
本制度制定の効果としましては、現在では軽易な情報交換しか行っていない状況ですが、新制度では、空自全体として准曹士先任ネットワークを構築し、より緊密な連携、情報交換を実施できるることを期待しています。最後に、今後の予定としましては、17年度から試行準備を行い、17年度末から19年度にかけて試行を行い、19年度末以降運用を開始する予定でおります。
○      座長:それでは、意見の取りまとめ後の取組状況の説明が終わりましたので討議に移りたいと思います。
○      委員:検討会議での一つの柱だったと思いますが、各自衛隊間の垣根をできるだけ取り除いて、ブロックごとでも良いからネットワークを活用した方が良いのではないかと提案したと思うのですが具体的な取組についてはどうなっているのでしょうか。
○      事務局:各自衛隊の垣根というのはなかなか厚いものがあり、内局が主導でやることを考えております。方策としましては、この会議で地方に行ったときに実施する。また、まだアイディアの段階ですが、駐屯地等にメンタルヘルス専門家を派遣する際などを活用して意見交換等を行うことなどを考えており、今後も検討していかなければならないと思います。
○      委員:ある程度時間が経っているのでネットワークができているのだろうと期待してきたのですが、具体的に進んでいないということですね。制度を作るということではなく、服務担当者が集まってそれぞれの取組について雑談できる場でも良いと思います。今まではそういうものさえなかった。地方へヒアリングに行って感じたのですが、初めて陸海空が集まり、それぞれの状況について情報交換ができたため刺激になり、私たちにも発見があったと考えています。そういう情報交換の場をもって欲しいと考えていたのですが、何でそれができなかったのですか。
○      陸幕人事部長:今先生が言われたように、各自衛隊それぞれ各個にやっており横の連携は足らないところもありました。来年度から統合運用もはじまることから、訓練などの場を通じ各自衛隊間の連携を図ることもできると思います。運用面については数年前からできていますので、人事面についてもできないことはないので、今後検討を深化させたいと思います。
○      委員:運用というのは自衛隊ですから命令一つで動いていくのですが、人事という問題は命令では動かない部分の隙間の問題であり、制度的な取組の考え方だけではフォローできない部分についてどうやって吸い取っていくかということだと思います。陸の場合では、駐屯地ごとでも取組が違うと思いますが、方面総監部や師団の中での服務担当者の連絡会みたいなものはないのですか。
○      陸幕人事部長:それぞれ師団や総監部内でやっております。
○      委員:別の駐屯地の担当者同士が集まる場はあるのですか。
○      陸幕人事部長:それはあります。
○      委員:今のことに関連してですが、企業では事業が多角化すると、全体としての統一がとれない。統合していくには人事と経理が神経組織であると言いわれていますように重要であります。人事というと怖い面もありますが、駆け込み寺みたいな要素もあるわけで、組織を維持する骨幹は人事にあり、勿論教育も重要ですが、厳しい面と人を育てる面があり、一つの組織だと固まってしまうから、各事業部門の人を入れ替えるとか全体でみることにより知恵が集まってくるのだと思います。営内の個室化の議論より、我々はネットワークの方が重要だという議論をしてきたわけです。
○      委員:私の在職中の経験上からしますと、例えば、自分が勤務している近くに他の自衛隊の部隊があって、そこで何か起きた場合、そういった情報というのは、基本的にカラーが違うということでやらないんですね。本当は、新聞も地域新聞に載りますし、それを一つの教訓として、使えればと思うところなんですけれども、なかなかそういったものの情報、本来は、我々自主的に陸海空の間で交流すればいいんだろうということですけれども、現実はそのようになされていないと。地域では地域で、必要な情報というのは、隊員にとって身近で大切なことだと思うんですけれども、そのようなことができればなぁということがありまして、具体的に垣根を越えて、お付き合い、陸海空の交流、そのような情報交換をしたことがあります。
○      座長:垣根の除去の問題と統合運用の問題が集中しているように思うんですが、そのほかにどうぞ。
○      委員:視点を変えて、人事管理制度について確認させていただきます。採用面における改善として、質の高い隊員を確保するための施策についてはどのような具体的改善がなされているのでしょうか。入隊後の隊員の教育、服務指導には多大の努力が必要であり、採用の時点で質の高い隊員を確保することは人事管理の原点であると考えます。自衛隊は厳格な規律集団でありますので、このことを明確にした募集要領に改善することが好ましいと考えます。
○      課長:先生がおっしゃったことについて申し上げると、募集の関係では、募集環境の変化に応じ優秀な隊員の確保のための検討を行っておりまして、これは、先般の意見の取りまとめにおいて、ご議論があったところだと思いますけれども、少子高学歴化への対応については、非任期制隊員を拡大することについて検討しているところです。先生がおっしゃった話の中で、規律とかそういったものが重視される職場なんだということを前面に押し出した方がよいというのは、当然のことながら、そういうことを強調せざるを得ないなというのはあります。
○      局長:長いトレンドで見て景気が非常によかった頃は、募集が悪かったというので、新しい採用の方法を設けたわけなのですが、状況が変化してきますと、一部で古くなると。こういうことを将来重点的に考えていかなければならないのかなと。あと、考えなければならないのが少子化の問題でございます。
○      委員:良質隊員の確保についてですが、質ではなく量に偏った採用をしていると現場を見て感じたものですから。
○      委員:2点ありまして、一つは、パーテーションの問題についてなんですが、パーテーションをとった後、いつ頃ストレスを感じ始めたのか教えていただきたいのですが。
○      海幕:これまでは、非常に狭い世界の中で、自分の世界をつくっていたと。テレビも見、ゲームもし、最近の若者的なですね。そのパーテーションがなくなったことで、自分だけのスペースがなくなると。常に人との接触があるところから、そういうところでストレスを感じているというふうに考えております。人との接触を図るために、パーテーションをなくしたのですが、逆にストレスの原因となっていると。ただ、こういうのが常識だというふうになってくると、そういうストレスは収まるんだろうと考えています。
○      委員:3人、4人で見られるテレビを設けてもいいんじゃないのかなと思います。
○      海幕:それは、娯楽室というところで見られるようになっております。
○      委員:それからもう一点は、分限処分の件ですが、一般職、人事院のケースに倣ってつくったと言うことですけれども、これは一般職と比べて何か違いがあるのでしょうか。それから、判定会議というのがありますが、この会議のメンバーは、防衛庁の職員で構成されるというふうにおっしゃっていましたが、防衛庁職員だけでいいのかなという不安があるんですよね。自分をクビにした上官達がやっているということを言われるんじゃないんでしょうか。処分される側というのは、どうしても被害者意識があるので、素直に従うかということがあるんじゃないでしょうか。どういう方式がよいのか、対案を持ち合わせてはいないのですが、第3者の目が入った方が処分される側にとってはいいのではないのかという印象を持つのですが。
○      課長:まず、第1点目ですけれども、一般職と同じです。運用上は一般職と同じということで考えておりますが、私たちはこれを要綱という形で通達を出して、運用しようという考えです。ただ、人事院がそうした形を取るとは聞いておりません。
○      局長:これは、一般職の方がはっきりしていなかったんですね。それで、うちが一般職に先行してやっております。ただ、向こうとこっちが違うのだと問題なので、向こうと調整をしながら、そういう作業手順でやっていきたいと思います。
○      課長:それから、2番目のご指摘ですが、部内の職員で判定会議をつくってというのは、懲戒処分と全く同じ形です。仮に不服審査請求がくれば、公正審査分科会でご審議いただくと。懲戒処分と全く同じシステムであります。まずは、部内の職員で判定会議というのをつくって、それで、不服審査という形で公正審査分科会でご審議いただくというシステムになります。
○      委員:公正審査分科会の職務権限として、分限も入るということですか。
○      課長:そうです。
○      局長:きちんとした手続を踏まえて先生方にやっていただくということでございます。
○      委員:営内で共同部屋で生活することから、いずれ自分が個室に移るという状況が、やっぱりある程度見えた方が、よいのではないかと思います。何年間はみんなで共同生活をしてその大事さを知りましょうと、それからそれを卒業したら、パーテーションのある方に移れますよと。それから、ある程度経てば、営外に移れますよと。まぁ、一律にやるのは難しいでしょうが、ある程度見える方がいいだろうと。で、営内にいなければいけないのは大体何年くらいなのでしょうか。
○      陸幕:基本的に、曹とか士は、原則は営内ということです。ただ、結婚した場合、陸曹の場合は外に出て行くというのでやっています。ただ、通常ですと、下士官の3曹2曹になれば、営外に住んでもいいよと。
○      委員:外へ出て家を借りるとなると金かかりますしね。
○      委員:まぁ、何年か経てば、パーテーションのあるところに移ることができ、さらには外に出られますよというのは検討する余地があると思います。
○      陸幕:今、陸が考えているのは、陸士の間、すなわち、最初の期間は、最低限は2年間、曹になるまでの期間は、パーテーションのない場所に住まわせると。それで、団体生活を習慣化させて、ストレス耐性なり人間関係をつくらせると。で、当然それをクリアしたものは曹になると。曹のところは、部隊指揮官にお任せするということにしておりますけれども、まあ、基本的にはつけてもいいですよと。そういうことを考えております。
○      委員:どれくらいの期間を考えていますか。
○      陸幕:最低限は、2年間で曹になるということを考えております。
○      委員:長い人はどのくらいですか。
○      陸幕:基本的には、士の場合は任期制といいまして、陸の場合は3任期を限度に、4年ないし6年くらいということです。
○      委員:曹候補生とか曹候補士とかは、あっという間に曹になってしまいますから、そうすると士で入った人たちがまだパーテーションがないにもかかわらず、年齢が若くても曹候補生だからパーテーションがあると、そういうことになっちゃいますね。
○      陸幕:曹候補生とかは、2年間はパーテーションのないところで基本的には過ごすということです。
○      委員:では、営内はパーテーションがない一方、週末になれば、自分の下宿でプライベートな時間を過ごせるということですね。海の場合も、下宿はもっているんですね。
○      海幕:はい。
○      空幕:航空も同じような検討をしておりますが、しかし、入隊して3年間は大部屋で、パーテーション設置については、部隊長にお任せして検討を行っているところですが、ちょっと抵抗が多いんですね。大部屋と個室に分担してしまうところに抵抗があるようです。まだ、これは結論が出ておりません。
○      委員:順応するために自分を押さえるのも大事だし、自分の意見を述べるのも大事だし、両方年を取るにつれて役割も進化してくることとなると思うのですが、その辺のことをどう考えているのでしょうか。
○      委員:こっちはよくて、あっちはだめというような細かい規定を設けると、元の木阿弥になってしまうんではないのかと。というのも、いろんな事件を起こすのは、曹士の人もいるけれども、それ以上の人もいるわけだから。
○      委員:いろんな階級の人が一緒になった部屋があることが望ましいのではないかと考えます。士の人もいれば、2曹3曹の人もいる。そういうなかでいろんな話が聞けるようになるのではないかと。
○      委員:営外の下宿は大体の人が持っているのですか。
○      空幕:持つことは可能です。ただ、地域の特性がございまして、市ヶ谷周辺ではなかなかもてないですね。
○      委員:安くないから、フルに使えないともったいないですからね。
○      委員:適応性の話ですが、私は緊急入院した時に個室に入れず大部屋に入れられたことがありますが、このときに、最初は環境になじめなくて全く眠れなかったのが、だんだん慣れてきて何日かたつと平気で眠れるようになったという経験があります。ただ、病室はカーテンで仕切れたのですが、パーティションを取り除いた隊舎には仕切るものは何もないわけですよね。寝る時くらいはカーテンか何かで仕切れるようにするほうがよいのではないでしょうか。
○      座長:実は、この後まだ案件があるので、意見の取りまとめ後の取組状況の討議を終えたいと思います。それでは、海幕服務室長から、最近の服務事案について。
○      海幕:それでは、昨年横須賀で発生いたしました暴行恐喝事案について説明させていただきます。
本暴行等事案発覚の端緒となりましたのは、平成16年10月下旬、護衛艦たちかぜ乗員の自殺が発生し、艦長が自殺した隊員の友人や分隊員から事情聴取をしたところ、その過程においてA海曹から暴行を受けた旨の訴えがあったことです。艦長は、横須賀地方警務隊に捜査を依頼するとともに、護衛艦隊司令官に報告をいたしました。なお、警務隊の捜査の結果、A海曹は11月8日の逮捕後に立件・起訴されまして、平成17年1月19日に有罪判決を受けております。事故の報告を受けまして、護衛艦隊司令官は、事実関係の究明と再発防止のため、11月5日、護衛艦隊司令部に護衛艦隊司令部幕僚長を委員長とする事故調査委員会を設置いたしました。護衛艦隊司令部の事故の調査が進むにつれまして、被害者が広範囲にわたること、事案の重大性に鑑み、より客観性を持たせるために、護衛艦隊司令官は、横須賀地方総監に調査を依頼し、11月30日、横須賀地方総監部に横須賀地方総監部幕僚長を委員長とする一般事故調査委員会を設置いたしました。一般事故調査委員会の調査におきましては、たちかぜ総員に対するアンケート調査を実施し、詳細に調査をすべきと認められた隊員に面接調査を実施、その結果、A海曹による暴行、私的制裁及び恐喝、B海士による暴行、私的制裁並びにA海曹を主格とする規律の乱れが判明いたしました。
次に調査結果の概要について申し上げますが、本事案は、平成15年10月、平成16年1月、同年4月から10月頃にかけて、護衛艦たちかぜにおける暴行、私的制裁、恐喝及び規律の乱れがあったものでごさいます。A海曹、B海士及び被害者の関係については、一般的に護衛艦は、1分隊から4分隊で編成されておりまして、各分隊ごとに、服務指導士官がおります。事故が起きたのは、第2分隊であり、今回加害者であったA海曹は、22班に所属しています。B海士も同じ班でございます。被害者は全て2分隊の所属です。A海曹の私的制裁等についてでございますが、平成16年6月、後輩隊員にパンチパーマを強要し、従わなかったことを理由に、艦内において市販のガス銃によって市販のBB弾を身体に向け発射。平成16年5月には、艦内で作業中の後輩隊員に対し、特段の理由もなく市販の電動ガンで、BB弾を数発発射し、命中させたものでございます。平成15年10月には、艦内で作業の手際が悪かったことを理由に、平手で顔面、首筋を叩き、押し倒した上、腹部を蹴るという事案がありました。このほかにも、6人の隊員に対する私的制裁等の供述が得られましたが、詳細な事実の特定には至っておりません。ここで簡単に市販のガス銃・電動ガンについて説明させていただきます。銃には銃器と呼ばれるエアガン、いわゆる空気銃と、玩具の銃として使うエアソフトガンと呼ばれる今回暴行で使用されたガス銃・電動ガン及びモデルガンがございます。新聞報道等では、暴行に使用された銃はエアガンと報道されておりますが正確にはエアソフトガンに分類されております。
次に、A海曹による恐喝ですが、平成16年1月の夜、艦内の通信室と呼ばれる部屋において内側からドアに鍵をかけて本人所有のCD-R70枚の購入を強要し、翌日その代金15万円を受領したということです。このほか隊員2名に対する恐喝の供述が得られましたけれども細部日時等の詳細な事実の特定にはいたっておりません。
また、B海士による私的制裁等でございますが、平成16年6月から7月頃にかけて艦内で職務の指導中教えたことができなかったとして身体に向けガス銃を発射し、夏頃には憂さ晴らしに20回から30回平手で頭部等を殴るということをしております。また同年9月、艦内において自習中の隊員に対しガス銃でBB弾を数発発射しております。このほか平成16年6月から7月にかけて他の隊員に対する私的制裁にかかわる供述が得られましたけれども事実の特定にはいたっておりません。
また、本事案と隊員の自殺の関係につきましても、事実関係の調査の際に面接調査をしましたところ、自殺した隊員は私的制裁等及び恐喝の被害者であったという供述は得られましたが、当該私的制裁等が自殺に関連しているという供述は得られませんでした。
次に、A海曹及びB海士は市販のガス銃及び電動ガンを隠匿して艦内に持ち込んでおります。これらは規則で持込が制限されている日用品以外の私物であり、規則に違反するとともに、かかる持込により私的制裁等を発生させることとなりました。
さらに平成16年夏頃からA海曹は停泊中の在艦日に、A海曹及びB海士所有のガス銃を使用し、個人対個人あるいはチームを組んでお互いに打ち合い勝ち残りを競うサバイバルゲームを20時から22時ごろまでの間に実施していたことが確認されております。艦内においては、囲碁・将棋等の艦長が許可した遊戯は認められておりますがサバイバルゲームに関しては、その対象にはなっておりません。A海曹以外の参加隊員は、A海曹の強圧的な誘いを断れず半ば強制的に参加させられていた状況であります。いずれも上司の目に付きにくい時間帯等に実施されておりました。
次に本事故を未然に防止できなかった原因及び発覚が遅れた原因でありますけれども、A海曹は、若年隊員に対しては上司の見えない所で先輩風を吹かせ威圧的でしばしば粗暴な行為を行っておりました。階級が下の者に対し理由もなく身体を狙ってガス銃を弾つなど、相手の心情を思いやることなく自分本位な暴行や憂さ晴らしを繰り返しておりました。こういった行為に対し、被害者が恐怖のため萎縮し抗議や上司への報告をしなかったことから事の重大性に気づかず罪の意識がさほどない状況でありました。またB海士にいたっては自身も被害者でありましたが、自分自身や同僚に向けられた暴力行為を許容されるものと誤って判断し、自身も弱い立場にいる隊員への暴行を行っている状況でありました。これらの行為の中で、班長等一部の隊員はガス銃による暴行等を知っておりましたけれども、その重大性を認識しなかったことなどから上司に対し報告を行わなかったため、不適切な行為を上司が看過することになりました。以上のことから本事案の主因としては、事故者本人の遵法精神及び倫理観の欠如。副因としましては、指導的な立場にある者の指導監督不十分であります。
最後に、これら原因を踏まえた再発防止策です。まず、本事故は事故者個人の遵法精神及び倫理観の欠如に起因して生起したものでありますが、その行為を周囲の者が諭し、組織として浄化できなかった事は、乗組員総員の問題であり、訓練及び服務指導を通じて、「隊員の遵法精神及び倫理観の涵養」に努めます。
次に、艦内においてガス銃を使用してサバイバルゲームをするという規律の弛緩が認められたため、当直士官等による艦内巡視をより厳格に実施する事によって「厳格な規律の維持」に努めます。
また、部下を持つ者は、日常の勤務や行事において分隊員と積極的に接触を図り、部下のレベルまで目線を下げ、相互理解と良好な人間関係を構築し、きめ細かい身上把握による「風通しのよい隊風」を育成します。
さらに、乗組員に対し、訓育、服務指導を通じ、規則の周知徹底を図り、私物の艦内持込については、規則の定めに従い、私物の艦内持込を厳重に制限するとともに艦の施設が目的外に使用されることのないよう、施設の管理をより厳格に徹底します。
加えて、本事故は、「たちかぜ」でのA海曹の長期勤務、いわゆる長期補職が遠因となっている事から、補職標準に則った補職の推進を図ります。
このほか、平成15年度以降、導入された先任伍長制度の活性化を図り、常に指揮官と下士官集団の上層部とが意思疎通を密にし、指揮官の意図或いは、下士官集団の意見、問題点等の更なる共有化を図ることといたします。
最後に本事故の処分でございますが、事故の当事者であるA海曹を免職、B海士を停職5日としたほか、監督責任を有していた関係者も処分いたしました。以上で説明を終了いたします。
○      座長:ただいま説明いただいた暴行等事案の質疑に移りたいと思います。
○      委員:この隊員の入隊時期を確認したい。34歳ですよね。新聞で見ると。入隊は何年?
○      海幕:平成元年です。
○      委員:ちょうどこの時期は募集が極めて厳しい時期であったと思います。本服務事故は、この募集の厳しい時期の募集要領、採用指針にも誘引があったのではないかと考えます。採用の時点でよく精査されておれば、このような性格異常な隊員の採用は有り得なかったかもしれません。自衛隊の教育は職業教育であり人間性の教育ではありません。このような性格異常な隊員の指導には無理があると思われます。非常に難しいことではありますが、募集、採用面でのドラスチックな改善が必要ではないかと思います。
○      海幕:上の人が下の人をきちっと掌握する、そのあたりが十分できなかったのかと。こういったことを把握できれば止めさしているだろうと思う。
○      委員:艦長をはじめとして気づかないものなのか?
○      海幕:閉ざされた艦内の出来事ではあるが、薄々知っている人もいたのに明確な処置をしなかった。それからCICで撃ち合いをやっている。ここは船にとって一番の聖域のような所であり、この場で遊んでいるような感覚がわからないですが、そういう目に付かない所でやっている。艦長や副長には話が上がっていない。こうした事から、今回の艦長への処分は厳しい処分となっています。なお、CICでは、停泊中にやっている。他の人は入れないが、彼らはそこの勤務員ですので入ることができる。他の所でやっていたらすぐに見つかったと思う。規律のゆるみという以外の何ものではないが、われわれもちょっとショックを受けています。
○      海幕:艦長がいて、先任がいて、ラインがあるのに事の重大性に気がついていない。従って上司に報告もしていないところが問題。海自では先任伍長制度を採っているが、艦長、指揮官と先任伍長が極となり、一つの大きなパイプとなって艦内の事を見ていくという事になっているが、服務に関して機能していなかった。それを規律の弛緩というのはまさしくそのとおり。
○      委員:看破出来なかったのか?中間管理職は上に報告すると自分が危ないと思ったのでは?
○      海幕:それはないと思います。よってたかって一人をいじめるというやり方でもないし、軽い気持ちで考えておったのかというイメージがあります。
○      委員:艦長が1佐というのは、イージス艦と同じく旗艦だからですか?
○      海幕:普通の護衛艦は2佐ですが、ミサイル搭載艦等の艦長は1佐です。
○      委員:艦長が1佐という事は普通、隊司令クラスですね?そうすると非常に艦長の位が高いから仰ぎ見る存在になる部分があるのではないですか?
○      海幕:艦長は2佐であろうと3佐であろうと艦長は艦長として大きな責任を負っています。あまり1佐だからという見方は我々はしません。部下隊員もそういう見方はしていないと思います。この船は護衛艦隊司令部に属し、しばしば護衛艦隊司令官が乗りますし。
○      委員:サバイバルゲームとCDRの強制購入という恐喝行為とは連続性があるのですか?
○      海幕:ゲームに負けたら購入しないといけないといったことはないです。発想が幼稚でサバイバルゲームというよりむしろ戦争ごっこ、そういうことを2曹になってやるかと。ルールを調べました。4、5人でチームを組んで、又は個々人で撃ち合い3回打たれると負け。最後まで残ると勝ち。終わると反省会をして、そこで勝った人はジュースを飲ませてもらえるということです。
○      委員:自殺した隊員は携帯を持っていると思いますが、停泊中であれば電話相談とか防衛庁以   外のものでも利用できていないのですか?
○      海幕:横須賀に部内の相談員、部外カウンセラーの制度がございます。各隊員に電話番号簿は携行させているが、なかなか活用には至らないようです。自殺した隊員は相談はしていません。
○      委員:自殺した隊員以外も暴行の被害者はいますよね?そういった隊員も相談出来る雰囲気はあるのでしょうか?
○      海幕:今後の課題だと思います。カウンセリングとかいった制度を作っているので相談しやすい空気を作ることも必要だし、先任伍長制度の活性化も必要です。
○      海幕:セーフティネットは何でもいいから相談して良いと。相談する事は非常に重大なことではないという指導も隊員にしています。
○      委員:再発防止策を7つ挙げているが、各レベルの指揮官がとにかく対話をすることが重要。艦長は1日2回は船をまわれと。個々の隊員に名前で呼んで声をかける。家族はどうだとか。両親はどうだとか。指揮官が部隊を歩き足で稼ぐ。部下隊員の様子を観察する。それが風通しの良い職場環境への道でしょう。
○      委員:副長は一人ですか?
○      海幕:はい、一人です。船務長と兼務です。一声掛けるという運動は不祥事防止策にも入れておいたように、心情把握と兆候の早期発見に資するものです。先任伍長を中心として艦内における一声掛け運動をやるようにします。先任伍長が各隊員、また班長が他の班員にも声を掛けその時にいつもと違う様子であればそれをすぐ、分隊長等に連絡する、といったことで上下の意思疎通、兆候の早期発見につなげていきたいです。海自は他の自衛隊に先駆けて、先任伍長制度を導入しましたが、今回それが機能しなかったと。これによりもう一度制度のあり方を見直していくように検討しています。
○      委員:副長が船務長を兼務しているということは服務専任の担当がいないのですか?
○      海幕:船務科の中には、船務士という幹部がいます。専門の副長はいません。大体兼務しております。
○      委員:護衛艦に乗り込んだ時に、部隊の乗組員にとって2佐と1佐ではすごく階級の意識が違い、隊司令が1佐だと、空気が変わるのではないですか。だから隊員にとって2佐と1佐は星の数が増えただけというイメージではなく、意識的にはこんなに違うのかと。外部の人間でさえ分かる差があります。
○      座長:そろそろ時間が参りましたので、本日の協議は終了させていただきます。活発なご意見ありがとうございました。これをもちまして第9回人事関係施策等検討会議を終わります。

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